完結小説図書館
<< 小説一覧に戻る
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~ 100~ 110~
*111*
終章引きニート感情論
〜約三時間後〜
「おい、雨祢氷見弥をどうした?」
架狩狼は、研究所に戻り、学李と向かい合っている。
「この先の部屋に居る。じゃが、何もするなよ。」
頷き、部屋に向かう。
後悔、している。犠牲者をまた出した。今更であるが、それでも・・・。
部屋に入り、中央に彼はいた。
椅子に座ったまま、動く気がしない。反応もしない。瞳は光を失い、俯いたままである。頭には、洗脳のための機械がかぶせられていた。
それを見て、狼は思う。思うだけでなく、訴えるように言葉にする。
「馬鹿野郎・・・。あれほどまでにいきがっていたのがコレかよ。俺の殺気にまで刃向かってたのによ・・・。なぁ、人って・・・何でこんなに弱いんだよ。俺にはわからねぇ。人の運命ってのは、悲惨なだけかよ・・・。俺は・・・悲しいよ・・・。」
流した涙を拭う。弱いのは人だけじゃない、自分も・・・。
これで、いいのか?
“騎士様のやりたいこと、やればいいと思うよ!!”
微かに、浮かぶ。あの声。
氷見弥に近づき、手を一度だけ振るい、狼は部屋を去っていく・・・。
PR