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*112*
「ねぇ、かぐやちゃん。瀬良さんたちだけで大丈夫かな〜?」
「愚問ね。大丈夫よ」
通路の奥にある神殿とくじらを目指す一向。
走るかぐやの隣で並走しながら美也子は不安げに話す。
かぐやはきっぱりと言うのだった。
「瀬良さんがはっきり言うんだったら大丈夫よ!きっとやってくれるわ」
No23 瀬良隊VSレオン・ミック
―――ジャギン!
―――ガキン!
草薙のブレイブ――天羽とレオンの遠隔操作による影の刃がぶつかり合う。
シュガッと草薙の頬に影の刃がかすめる。
頬に血が流れる。
そんな彼を見てレオンはまだまだ余裕たっぷりな表情を浮かべた。
「どうしました?そんなんじゃあ僕には傷1つつけられませんよ」
「今だ行け麗!」
「あああああああああああっ!」
「!」
草薙の掛け声と同時にレオンの背後からサイクロンを振りかざす麗がいた。
そしてギュインと鈍い音を立てながら瀬良も弓型ブレイブ――リカバリーをレオンに向けて構えていた。
「……リカバリー装填完了……発射!!」
――――ズガガガガガガガガ!!
無数の矢がレオンに襲い掛かる。
しかも、リカバリーも爆破装置も仕掛けられている。
生身で食らったら怪我では済まないだろう。
あまりの轟音にスバ煙が立ち述べていた。
「斬った感触、ありました」
スタッと麗は草薙と瀬良がいる場所へ戻る。
3人は息をひそめながらレオンの安否を目視する。
モクモクと立ち述べていた砂煙は次第に消えていく。
「……一撃、当たりましたね」
「弓矢の攻撃が…無傷」
砂埃だらけになったレオン。
彼は麗によるサイクロンの切り傷だけで瀬良のリカバリーによる攻撃は防がれていたのだ。
あの360度死角のない攻撃の回避に3人は驚きを隠せなかった。
「驚くことでもありませんよ。ただ、攻撃を防御に変えただけです。まぁ、ですが、背後からの不意打ちには対応できませんでしたけど」
くすっと笑ってレオンは服についた砂埃をパンパン叩く。
その笑顔が瀬良たちにとって不気味さを与えた。
「僕はあまり争い事は好きではありませんが――クローディア様の命令は絶対なので、そろそろ本腰を入れましょう」
レオンはそう言って右腕につけていた紋章入りのブレスレットを外した。
すると、城内からミシミシと鈍い音が聞こえる。
「……なんだ……?」
「瀬良さん、草薙君、気を付けて!……嫌な予感がする」
「ああ、わかってる!」
鈍い音から大きな破裂音に変わっていく。
3人背中合わせになる。
どこから攻撃が来るのか警戒しているのだ。
「警戒しても無駄ですよ」
レオンはそう言って薄く目を閉じる。
そして―――――……。
――――ドゴォォォォン!!!!
ついに、壁から大きな穴が開いた。
そしてそこから3人は信じられないものを見た。
そこには―――……。
「何だ……あれ…!」
「ゴーレム……!?」
草薙と麗は驚嘆の声を上げる。
ギッと瀬良はレオンを睨みつける。
「そこの人、正解ですよ。僕はこれでもストライド量が多いほうなんです。なので、ストライドの半分を使ってゴーレムを作ってみました。普段あなたたちが相手にしている殲滅者なんかとは攻撃防御素早さともに比較になんてなりませんからね」