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*4*
「只今三城(みき)隊、到着しました。前回と同じく殲滅者の残骸を発見」
「またボッコボコの死骸かよ。一体誰がやってんだか」
千葉市。人口数十万人。
ある日この世界に現れた殲滅者は、こちらの世界を恐怖に陥れた。
殲滅者【デストラクタ―】と呼ばれるそれは、街を破壊し蹂躙の限りを尽くした。
世界、いや日本の壊滅も時間の問題だと誰もが思い始めたその時、突然現れた7人が殲滅者を撃退した。
その一団は後に殲滅者対抗組織【バスター】を設立し、唯一殲滅者と戦える存在として世界と人々を守り、殲滅者の研究を続けていた。
殲滅者と戦えるのはブレイブという専用の武器を持っているバスターの隊員のみ。
―――その筈、だった。
―――しかしその法則【ルール】を壊すような事件が起きる。
「今回も手掛り無し、か」
「一体全体、どこの誰なんだろうなー。こうも手柄を横取りされると、いい加減こっちもテンション下がるぜ」
「そういう問題じゃないだろ」
「姿も見えない、レーダーにも映らない。おまけにブレイブ反応もなし。何者だろーな」
バスターの中でも精鋭の戦闘員として扱われる実力者ぞろいのAランク、三城隊。
隊長の三城秀也(みきしゅうや)と隊員である来栖仁(くるすじん)は、最近現れた殲滅者を倒すため、現場に向かった。
するとそこには、死体になった殲滅者の死骸のみが残されていた。
付近に住民はおらず負傷者、目撃者ともにゼロ。
「警戒区間の外となると、いよいよバスターの人間じゃねーな」
もう何度目かになる黒炭の死骸を見て、来栖はため息をついた。
殲滅者が出現してから現場に向かうまでに、何者かに殲滅者が倒されているという事件。先着した隊員はおらず、バスターのものではないブレイブ呼応。
他の隊が担当した現場でも同じような事が起こっており、バスター内でも問題になっていた。
「……」
無言でその死骸を見ていた三城は、素早く踵を返した。そんな彼を見て来栖は少し首を傾げながら呼びかける。
「秀也?」
「基地に戻って勇魚(いさな)司令に報告する」
振り向きもせずに淡々とそう言い放った三城。来栖も黒こげになった死骸を何度か見た後、三城の後に続いてその場を去った。
【No1 一撃必殺】
バスター本部基地の会議室。そこには威厳な雰囲気を纏った5人ぐらいの男たちが鎮座していた。
慣れた様に、三城は業務事業を奥に座っている男、勇魚宗臣(いさなときおみ)に言う。
「……これで、報告は以上です」
三城隊から報告を受けたバスター上層部の男達は何と言えないいのかわからない様な、苦しい表情をしていた。
「現段階で謎のブレイブに破壊された殲滅者は警戒区間、市街など合わせ50体だと……」
「だが誰が、どのような目的でこんなことをしているのか?」
「しかし、殲滅者を倒してくれるのであればそれはそれで好都合ではないか……?」
「バスターのものではないブレイブを使用している人間を放置しておけとでも言うのかね!」
その議論を聞いていた勇魚が口を開いた。
「三城隊は引き続きその人物の捜索を。発見次第基地へ報告、および連行しろ」
「了解しました」
バッと勇魚が手を上げると三城達および、他の上層部の男たちも続く様に会議室から出て行った。
会議が終わり、人の居なくなった会議室で勇魚は一人、何かを考えていた。
(……黒炭の死骸……か)
黒炭と聞いて思い出すのは、8年半前までバスターに所属していたある男。如月と己の拳だけでどんなに装甲の硬い殲滅者でも、まるで赤子の手を捻るが如く、撃破していった【バスター最強の男】。
「帝……」
だが彼は8年前に亡くなっている。
死体こそ見つからなかったが、致死量を超えた血液が、現場で見つかっていた。そしておそらく、一緒にいた彼の妹も殲滅者に攫われた、あるいは殺されたのだと、ずっと思っていた。
トントン、とドアを叩く音が響いた。
失礼しますと入ってきた部下に気付き、勇魚はそこでようやく思考を止めた。
***
いやー。クリスマスになんとか書けてよかったです!
まだ序盤ですがwww
これからもがんばります!
それではみなさん、後残り少ないクリスマスを堪能ください!
少し遅いですが、メリークリスマス!!
【リメイク】3/11
【リメイク前】12/25