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*62*
「……はっ。雑魚は戯れるもんだな」
吐き捨てるように花京院は地面に唾を吐いた。
彼がいる警戒区間内には20体もの殲滅者が現れていた。
普通なら援軍を呼ぶこの場面、彼の目はギラギラとしている。
「……テメエらみてぇな弱くて!醜くて!!汚ぇもんは全部おれがぶっ殺してやるよ!!!!」
すぐさま、花京院は如月を抜くと蠢く殲滅者の所へ向かっていった。
※
―――ズバン!と横一線に斧で一刀両断していくかぐや。
どんどん斬っても殲滅者は復活するように現れる。
ギュッと斧の柄を握りながら息をひそめる。
「……いったいどれだけいるのよ…!」
「かぐや!」
上空から降りてくる声。
タン、と軽く着地するのは花江と西園寺だった。
その2人を見てホッとかぐやは一息つく――が、すぐ現れた殲滅者にその余裕はかき消された。
「……今回は一段とうじゃうじゃいるわね……」
「全くだよ!」
こちらに向かってくるヴォルングを西園寺がガンスタイルで撃ちぬき、花江はリカバリーで上空から攻めてくるフェストを打ち落とす。
落ちてきたフェストをかぐやは一刀両断にした。
「フェストが5体に……ヴォルングが7体……。普通じゃないわね……」
「隊長にも連絡取らないと……」
不安そうに西園寺は上空を見上げる。
花江は素早く無線に手を当てる。どうやら雁渡と連絡を取り合うようだ。
(こんな時に空悟はどこ行ったのよ!)
「かぐや!大変だ!」
切羽詰まったような花江の声にかぐやは反射的に彼女のほうを見た。
「どうやら北東に殲滅者が集合してるらしいんだ。理由はわからないけど……しかもそこに花京院さんもいるらしくて……!隊長も隊長で殲滅者の対応で手一杯って」
「……北東に!?わかったわ、わたしが行く!」
ダッと駆け出して行ったかぐやを引き留めようとした花江だったが、その時にはもう彼女の姿がなかった。
不安そうな花江の肩を西園寺が優しくポン、と叩く。
「大丈夫よ……。かぐやなら………」
「他愛もねえ。歯ごたえもねえ。こんなんでよくもまあ8年前この町を壊滅寸前にまで追い込めたもんだなぁおい」
ビュビュビュビュッ!!
と、四方左方に如月を器用に振り回す花京院。
ドンドンバラバラに砕けていく殲滅者の死骸。
それを見て彼は期待外れと言わんばかりの深いため息をついた。
「期待外れ。って顔をしているなタキシード」
「……!?」
バッと思わず花京院は後ろへ仰け反った。
目の前には白いマントに海のように深い青色の髪を持った端正な顔をした男が立っていた。
思わず、寒気がした。全身が凍らされているかのように――――。
だが花京院は勝気な笑みを浮かべる。
「あ?誰だてめぇ。そのマント――コスプレか?」
「コスプレ―――……?これがこの国の言葉か。興味深い」
「答えになってねえよ」
「それはすまなかったな」
何もかも見透かしそうな緑色の目に花京院の額には冷や汗が浮かんでいた。
そして、本能で分かった。
―――こいつは、やばい。
「我はアトラスと言う者。神光国家【ノータス】からの遣いでなー――。とある目的を果たしに来たのだが――我は貴様らでいう“殲滅者”というところか」
「――――――っ!!!!」
ガギィィィン!!
と、花京院の如月がアトラスの頭に向かった。
***
かなり時間がかかりましたが>>0にイラストというなの表紙を載せました!
かなりの低クオリティ&アナログなので吐き気を催さないように気を付けてください!