完結小説図書館

<< 小説一覧に戻る

デッドバスター 
作者: KING ◆zZtIjrSPi.  (総ページ数: 151ページ)
関連タグ: 友情 バトル 
 >>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック

10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~ 100~ 110~ 120~ 130~ 140~ 150~

*67*

「……神光国家………。データ上では予測していたとはいえ、予想以上に来るのが速かったな」

 かぐやと郡司は花京院を医務室へ連れて行ったあと、先ほどの事件を会議室にいる勇魚ら上層部に伝えることにした。
 勇魚は腕を組みながらフゥとため息をついた。
 梶原は何か考え込むように手に顎を添えていたがどうやら話すだけの案は浮かばないようだ。

「おそらく、下っ端を除いての戦闘幹部は少なくとも5人いるとおもうよ。確実ではないけど……“観えた”んだ」
「それは置いといて……わたしと戦った氷使い。わたしのこと【姫】って呼んでたわ。どういう意味か分からないけど」

 ズイッとかぐやは一歩前に出る。
 勇魚は眉間に皺を寄せる。

「姫……?なにか神光国家と関わりでもあるのか……?」
「知らないわよ。むしろこっちが知りたいぐらいよ!」
「おそらく神話です。勇魚司令官」

 勇魚の言葉にかっとなるかぐやを宥めるようにちょうど会議室にいた雁渡が割って入る。
 彼女の手には古びた本が握ってあった。
 それを見た梶原は「ほう」と声を上げた。

「そこに奴らが狙った理由があるのか?」
「断定はできません。かぐやが言った姫という単語に沿って説明するのなら、の話です」

 梶原の言葉に雁私は首を横に振る。
 郡司はポッキーを頬張りながら感心したように彼女を見た。

「さっすが雁渡さんだな」
「ほめないでくれ。これで間違っていた話だったら私はさらし者だからね」

 柔和な笑みを浮かべる雁渡。
 急かすようにかぐやは彼女のもとへ駆け寄った。

「早く教えてよ雁渡さん!」
「……勇魚司令官、読んでも構わないでしょうか」
「許可しよう」

 勇魚と雁渡が頷き合うと、彼女はパラパラッとそのページをめくった。




                   No12     神光国家【ノータス】





――――場所は変わって旧:ロシア。現:神光国家【ノータス】……。
 殲滅者を製作し、世界中の人々を攫い、兵隊にしている国家。
 ここは、その総拠点の城である。
 長く、赤いカーペットの奥に佇む玉座に座る男の手摺に座るのは妖しい笑みを浮かべるテット。

「それでですね〜。アトラス使えないから殺しちゃいましたっ☆でもいいですよね、クローディア様が命じてくださったものだからっ」
「ああ。俺は【氷の主】さえ戻ってくれればそれでいい。アイツより有能な戦士が現れたからな」

 不敵な笑みを浮かべるのは真紅の長い髪を持つ長身の男、クローディア。
 この男こそ、この国の王である。
 そんな彼にテットは満足そうに笑う。

「でもアトラス、姫様の捕獲を命じられていたのに駄目ですよねぇ。結局失敗しちゃうし」
「仕方がない。次は……仕留めるさ。遠征に行っている4人さえ集めればあんな国いつでも落とせる」

 ギラギラと獣のような目をするクローディア。
 そんな彼にゾクゾクしたようにテットは恍惚とした表情を見せた。

「あたしは……テットはクローディア様のためにこの命、いつでも使いまーっす!!」
「フッ……。頼もしいな……。俺の目的はただ1つ、姫君と騎士と龍を捕まえ、古により伝わる【神】を復活させること!!!!」

66 < 67 > 68