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*89*
...そして、気がつけば夜中になっていた
恍惚なる闇
「今日はもう休んでいいですよ」
嫁様
「え、夜はいいの?」
恍惚なる闇
「はい、夜は魔物の力が強くなり魔王城に強力なバリアを貼れます」
恍惚なる闇
「貴方や娘様が快眠でいられるのはこのバリアのおかげでもあるんです」
嫁様
「そうなの...では、戻ろうかしら」
恍惚なる闇
「四天王の皆さん!自由時間をゆっくりお過ごし下さい!」
...
ニンニン
「いやー、今日は大変だったでござるな」
ドラゴナス
「ああ、勇者ってあんなに居たんだな」
ダーエ
「そりゃそうだろ、勇者って自称みたいなものでほぼ無職なんだから」
ニンニン
「お、おう...無職がいっぱいと書かれると途端にリアリティー出るでごさるな」
ダーエ
「たまねぎ剣士的な奴か」
ドラゴナス
「俺たちもそれみたいな感じじゃ...」
ニンニン
「し、忍びはRPGの花形でござる!」
ダーエ
「俺だって一応ダークメイジっていう職業に!」
死神五世
「ニンニンはともかくダーエは聞いたことないぞそんなの」
ドラゴナス
「ところで嫁様は?」
ニンニン
「魔王様の所でござる」
...
魔王
「...怪我していないか?」
嫁様
「ええ、何とも...あなたこそ調子はどう?」
魔王
「ああ...朝と比べて楽になってきた、明日からまた頑張れそうだ」
嫁様
「そう、よかった...」
魔王
「...すまないな、お前に迷惑をかけてしまって」
嫁様
「いえ...魔王の元に嫁いできた以上、覚悟はしていましたから」
魔王
「お前はいい女だ...本当にな」
メビウス
「お、おい!母さんが魔王の椅子に座ったって本当かよ!」
魔王
「ああ、私がこんな情けない姿なものでな」
メビウス
「なんだよー!俺も座ったことないのにズルいぞ!」
魔王
「むーちゃんもあと数十年すれば座れるようになるさ」
メビウス
「数十年も掛かるのかよ...」
嫁様
「むーちゃん、私たちは魔物よ、寿命だって人間と比べて遥かに上なんだから」
魔王
「そうとも、人間にとっての一歳は我々にとっての一ヶ月に過ぎないのだから」
メビウス
「マジで?」
魔王
「ああ...」
メビウス
「...そうなんだ。」
魔王
「...さて、そろそろ晩御飯の時間だな、今日は何だ?」
メビウス
「今日はカレーだってよ!」
魔王
「おお、カレー...すまない、ここに持ってきてくれるかな、あとスプーンも」
嫁様
「貴方大丈夫なの?」
魔王
「起き上がることぐらいなら出来るさ、それに...食べさせてもらうのは恥ずかしいからね」
嫁様
「もう、あなたったら」
END