コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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銀の星細工師
日時: 2015/01/28 15:12
名前: 妖狐 (ID: e.VqsKX6)

■あらすじ
 人々に幸せを運ぶと言われる『星硝子(ほしがらす)』
母を亡くしたばかりの少女ティアラは星硝子細工師になることを目指し、狩り人と呼ばれるパートナーを探す。
 細工師になるべく奮闘する日々で、天才的狩り人のキースや、伯爵の息子ヒューと出会い、ある学園へ入学することになって…!?

「私は諦めたくないよ。だって見つけたいものがあるから」
 やっかいな仲間たちと共に、時には傷だらけになりながらも、一心に夢を見て進む物語。
 

■こんにちは
あるいは初めまして。 妖狐と申します<(_ _)>
このお話は私の「頑張る女の子」が書きたい! という思いから執筆をはじめました。
少しでも楽しんでいただけたら嬉しい限りです。

■主な登場人物
主人公/ティアラ・グレイス
一匹狼の狩り人/キース
<一級>星硝子細工師/フレッド
優しい貴公子/ヒュー

(学園の生徒)
腹黒お嬢様/アリア
失礼すぎる後輩/ジャスパー
極度の緊張症の先輩/ミラ
異国の純粋な青年/ラト
頼りがいのある兄貴肌/ブラッド


■目次

プロローグ            >>1
第一章 細工師と狩り人      1話>>2-3 2話>>14 3話>>21
                 4話>>26-27
第二章 王国パーティーへご招待  幕間>>34 5話>>35-36 6話>>37 
                 7話>>41-42 8話>>48 9話>>51-52
第三章 学園生活は前途多難!?   幕間>>54 10話>>57 11話>>71-72
                 12話>>77-78 13話>>84 14話>>85
第四章 難問のアンサー      幕間>>92 15話>>93 16話 >>94
                 17話>>100
第五章 やっかいで愛しい仲間たち 幕間>>103 18話>>112 19話>>117
                 20話>>120 21話>>123 22話>>130
                 23話>>133 24話>>134 25話>>139
                 26話>>146 27話>>149 28話>>153
                 29話>>156
第六章 魔女の陰謀と本音     幕間>>157 30話>>165 31話>>166
                 32話>>167 33話>>170 34話>>171
                 35話>>174 36話>>175 37話>>176
                 38話>>177
第七章 いざ、戦いのとき     幕間>>179 39話>>180 40話>>181
                 41話>>182
第八章 隣同士の想い       幕間>>189 42話>>192 43話>>193
第九章 最後の決断と誓い     幕間>>194 44話>>195-196 45話>>197
                 46話>>200 47話>>201
最終章 銀の星細工師       幕間>>202 48話>>203 49話>>204
エピローグ            >>207

 400参照突破【告知】 >>53
 600参照突破【トーク:ポッキーゲーム】>>81
 900参照突破【人物紹介】 >>116
 1000参照突破【番外編:誠実の皮をかぶった肉食動物】 >>126-127
 1500参照突破【番外編:ガチョウのみぞ知る想い】 >>161
 2000参照突破【特別編:お嬢様の番犬】>>183-185
 3000参照突破【特別編:唯一無二の君】>>216-217
 あとがき >>211      

■注意・お願い
・ほとんどファンタジー
・糖分は甘め
・学園、冒険、ファンタジー、コメディ、全て詰めました。
・亀最新です。ノロノロです。それでも気長に待ってくれれば。
・誤字・脱字があったらすぐコメを!
・荒らしはご遠慮します。(辛口コメントは大歓迎です)

■お客様
*コメントをくださった方

珠紀様
夜桜様
カリン様
朔良様
ひよこ様
反逆者A様
ああ様
八田きいち様
寝音様
ゴマ猫様
いろはうた様
雨様
オレンジ様
にゃは様
村雨様
苑様
再英78様
驟雨様
葉月様
スミレ様


■執筆作品
少年(仮)真白と怪物騎士団      新連載
救世主はマフィア様!?         完結
吸血鬼だって恋に落ちるらしい     完結
ラスト・ファンタジア         連載中止
神様による合縁奇縁な恋結び!?    連載再開
僕等の宝物の日々〜君が隣にいるから〜 完結
笑ってよ サンタさん!        完結

それでは本編へ レッツゴー!!

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Re: 銀の星細工師【感謝 参照1000突破】 ( No.126 )
日時: 2014/05/05 21:15
名前: 妖狐 (ID: aOQVtgWR)

■参照1000突破■

この作品に目をとめてくださり、読んでくださりありがとうございます。
まだまだティアラたちはノンストップで走っていきます。
これからもっと勢いを増していくと思いますので、楽しみにしてくださったら幸いです。

■参照1000突破記念■
今回はちゃんと用意いたしました。はい。なんたって記念すべき数ですからね(*^_^*)
銀の星細工師で初となる番外編です。
普段では描けない、保健室でのエピソードになっています♪
それではどうぞっ!


番外編【誠実の皮をかぶった肉食動物】
「一体全体なにがあったのヒュー……」
 ティアラは唖然とした様子で口を開けて問いかけた。ヒューは苦笑を浮かべる。
「いやあ、ちょっと濡れちゃってさ」
「ちょっとじゃないわよね!?」
 頭から思いっきり水をかぶったようにヒューは水浸しになっていた。制服の袖からは雫が垂れて、色が濃く変化してしまっている。ヒューが教室まで歩いてきたであろう道すじには水が散らばっていた。
「なんでこんなことに……」
 目を疑いながらも教室に常備されているタオルを差し出す。礼を言いながら受け取って、ヒューはふかふかの白いタオルに顔をうずめた。
「やられたよ、まったく。庭で図書館から借りた本を読んでたらさ、急に雨が降ってきて。慌てて屋内に入ろうとしたんだけど、庭の中央にいたから校舎とは距離がありすぎてたどり着いた時には、もう水浸しだったんだ」
「この学園、無駄に敷地面積は莫大だものね」
 うなづきながら憐れむような目でヒューを見つめた。きっと急に降ってきた雨とは通り雨の類だろう。地方の方では狐の嫁入りとも呼ばれているらしい。そんな稀な現象に出くわすとは不運なのか幸と呼べるのか。
 ヒューが髪をタオルで拭いている間、改めて教室内を見渡すとちらほらと同じように雨の被害者がいた。
「うーん、なんかシャツが肌に吸い付いて気持ち悪いな……」
 不愉快そうな顔で髪をかきあげて呟く。
 普段は清楚で貴公子のように完璧なヒューが、シャツの第一ボタンを上げて髪までアップにしているのは珍しく、つい見とれてしまった。琥珀色の髪から水が粒になって落ちていく。
(水も滴るいい男って言うけど、あれ、本当だったんだなあ)
 ヒューをじっと見つめていると、彼と目があった。なんだかいけないことをしているような気分になり、さっと目をそらした。
(ああ、わたし何やってるんだろう)
 自分でも意味不明な行動にため息がでそうになる。場の空気を切り替えるように先ほど、担任から報告があったことを話した。
「午後の授業、全部自習になるんだって。なんでも星硝子の生産過程に不具合が生じたらしくて、血相を変えて教員全員で調子を見に行くみたい」
「うちの学園は星硝子がまず第一だよね」
 ヒューは苦笑した。確かにとティアラもうなづく。
 スターグラァース学園は名前の通り星硝子を専門とする学園だ。なのでもちろんここに集まる生徒は星硝子を愛し、星硝子に関わる仕事に就きたいと思っている者が多い。それ故に教職員もその想いは強く、星硝子の溺愛っぷりは異常なほどだ。授業をほったらかしていくほどに。
「見張り役の教師もいないから、皆今は好きなことをしてるわ」
 言いつけどおりに勉強へ励もうとしている生徒は少ない。趣味に没頭したり友達との会話に勤しむクラスメイトを見て、ヒューもそれじゃあとタオルを握りしめた。
「僕はちょっと制服を乾かしに保健室に行ってくるよ。ほら、あそこ脱水機あったでしょ? このままじゃ風邪ひきそうだし……」
「うん、行ってらっしゃい」
 きっと先生の方も生徒が自由勝手に過ごすのを見過ごしたうえで出て行ったのであろう。でなければ目がくらむような量の課題を出していくはずだ。先生からのサービスタイム、教室の外に出ても問題はないはずだ。
 寒そうにするヒューにティアラは手を振って見送った。
 完全にヒューの気配が遠ざかって行ったあと、ふと、見覚えのあるものが視界の隅に移った。これは……。
(——ヒューの指輪だ!)
 慌てて手に取ってみると、いつもヒューが右手の中指にしているものとみて間違いない。雨で指が濡れいたせいか取れやすくなっていたのだろうか。
「届けた方がいいわよね」
 自分も母の形見はいつも肌身離さず身に着けている。もしなくしたと気づけば不安がこみあげてくるだろう。もしこの指輪がヒューにとって同じように大事な物だったら早く届けてあげたいと思う。
 ティアラはヒューが向かったであろう保健室へ急いだ。

              *

「失礼します」
 最低限の礼儀として、ノックの後に一声かけて保健室へ入る。ヒューはどこだろうと辺りを見渡し、ティアラは硬直した。名前を呼ぶ声が詰まる。
「ヒュッ……!」
「ああ、ティアラ、どうしたの?」
 何でもなさそうに問いかけるヒューが今は不埒な悪魔に見える。彼は上半身裸で濡れた体を拭いているところだった。細そうに思えて、しっかり筋肉のついたしなやかな上半身が目に飛び込んでくる。ヒューは自分の中で物語の中の王子様と化していたので、急に異性と感じて頬が火照った。
(なんでこんなに軽率だったのわたし! ヒューは脱水機を使うって言ってたじゃない。その間、上半身裸でもおかしくないのよ!)
 馬鹿、馬鹿と数秒前なんの想像もせず、ここへ入ってきた自分を責める。今、急に出て行っても不自然だろうし、ここへ来た目的である指輪もまだ渡せていない。
 なるべく眼をつぶりながら指輪をヒューに渡して早くここを出ようと、熱くなっていく手足の温度を感じて決心した。
「これ、ヒューの指輪……だよね?」
 一生懸命、誘惑するような滑らかな肢体から視線をずらして、ぎこちない動作で銀の指輪を渡す。ヒューは指輪を受け取って声を上げた。
「どうしてティアラが!? もしかして僕、落としていったのかな」
「うん。教室に落ちてた。きっとタオルで拭いてた拍子におちちゃったりしたんだよ。水で取れやすくなってるだろうしね」
「そっか、ありがとう」
 安堵した顔で指輪を中指にはめなおすヒューを見て、ティアラも胸をなでおろした。やっぱり急いでここへ届けに来てよかった。
 それでは用事も済んだし、この場に長居するのは心臓に悪いので退散しようと体を扉の方へ傾けた。
 目に焼き付いて離れないヒューの上半身裸の光景は、墓場まで持っていくので安心してほしい。速足で出口へと足を踏み出したとき、なにかに引っ掛かった。
「あ、そこ、コードがあるんだった!」
 今思い出したかのようにヒューは叫ぶがもう遅い。ティアラはダイナミックにその場で転びそうになる。予想外の展開にバランスを治すことも叶わず、訪れる衝撃に目をギュッと閉じた。
 けれどいくら待っても、その衝撃は来ない。それと変わるように強い引力のようなものに引き寄せられた。
「ギリギリセーフ、かな。足元はちゃんと見てね、ティアラ」
 落ち着いた声が頭上から降ってくる。
 ——ああ、これはやばい。
 そう感じたときには、すっぽりとヒューによって抱きすくめられていた。
「なんか、いい匂いがする……」
 ヒューがティアラの腰に手を回したままポツリとつぶやく。背後から伝わってくる体温に心臓が激しくなり始める。
「お昼にエクレアを食べたせいかな? ……あはは」
 自分がヒューを意識してるのを気づかれないよう隠すように笑うがどうにも不自然な笑い方になってしまう。
 さあ、早く保健室を出ようとヒューの腕を外そうとしてみるが、なぜかぎゅっとさらに抱きしめられてしまった。
「えーっと……ヒュー、さん?」
 どうしたものかと戸惑いに眼を泳がせる。そろそろ離してくれないと息が変に乱れて、呼吸困難に陥りそうだ。命の危機を感じるから、離してください!

Re: 銀の星細工師【感謝1000突破 特別番外編】 ( No.127 )
日時: 2014/05/05 21:19
名前: 妖狐 (ID: aOQVtgWR)

 まるで肉食獣につかまった小動物のような心境でいると、ヒューがこてんとティアラの肩に額をつけた。ティアラの髪に自分の顔をうずめるようにする。
「こっちは星硝子の匂いがする。ティアラは僕の好きな香りで溢れているね」
 甘く耳朶をはむような声。そのくすぐったさに小さく身震いした。
(ヒューの様子がなんだかおかしい!)
 ティアラさえも淑女のようにうやうやしく扱う、貴公子の鏡のような存在のヒューが、なぜか今は強引にと言っていいほど抱きついてくる。
 きっかけはティアラを助けるためでも、その後、今も継続している意味は何なのだろうか。
 これが違う誰かだったらティアラは容赦なく腹に肘をいれて、踵で思いっきり足を踏んづけてやった。けれどヒューとなると彼の性格をしっているため反撃しようにも出れない。
「さっき……なんであんな目で見つめてきてたの?」
 ふいにヒューが拘束する力を弱めて小さく聞いてきた。今なら逃げれるかもしれないが問いかけの意味が分からず、そちらに意識を取られる。
「さっきって、いつのこと?」
「……ひどい、もう忘れちゃったんだね。それじゃあ意識していたのは僕だけだったんだ。あんな風に見つめられたら僕だって欲が湧いてきちゃうじゃないか」
「……?」
 ティアラは首をかしげる。一体何のことを話しているのだろうか。背後ではヒューが少し仏頂面になりながら、腕の拘束を再び強めた。
「ティアラ、なんだか寒い」
「それはヒューが上に何も着てないからでしょ。ほら、今すぐ離れて、代わりの上着を……」
「やだ。ティアラがあったかすぎて離れられないんだ」
 それは私が悪いんでしょうか……? 声に出さずとも問いかけてみる。
 甘える猫のように額を肩になでつけてくるヒューを一瞬たりとも可愛いと思ってしまう。正気に戻れ、わたし、と首を振った。
「ねえ、なんで僕がティアラを手放さないのか分かってる?」
 そんなのこちら側が聞きたい。
「君がそうさせたんだよ。ほら、さっき、タオルをくれたとき熱心に僕を見つめてくれていたじゃないか」
 ヒューはティアラが見とれていたことに気づいていた。
 そう知った瞬間言葉にできない羞恥心が体中に流れた。頭の回転スピードが鈍るティアラを責めたてるように、さらに甘い言葉が襲う。
「なぜ、こんなにも柔らかいの? 女の子は皆、そうなのかな。それともティアラだけが特別?」
 発した言葉と同時に首筋へ温かい物が押し当てられた。かすめるようにふんわりと。
 その行動が、ティアラの気持ちに拍車をかけたのは言うまでもない。次の瞬間にはもう、ティアラはさっと体勢を低くするようにしゃがみこんで、勢いよく上へ飛ぶという殺人的頭突きを繰り出していた。
 鈍い音と苦しそうなうめき声が背後で沈む。倒れ込むヒューを見て、ティアラは無意識にしてしまった行為に顔面蒼白となった。

 
             *

「雨に撃たれて熱を引き起こしたのね。しばらくは安静に」
 星硝子の調子を見てすぐに戻ってきた保険医の先生にティアラはこくりとうなづいた。結局星硝子は何ともなかったようで、そこは一安心だ。だが——。
「なぜ彼の顎のあたりに衝撃を受けた腫れがあったのかしら。なにか知らないグレイスさん?」
 心底不思議そうにする保険医にさ、さあ? とぎこちない笑みで返す。
 高熱のため自覚がなく、記憶にも残らない行為だったようだがティアラの体には生々しいほどヒューの体温が刻まれた。いまだ火照る頬を手で押さえて冷たい空気に包まれている廊下に出る。
 ティアラはこの日の記憶を一生心の中に封印することを誓った。
 けれど決意しても、世の中の恋愛がらみにうといティアラが、熱から復活したヒューを三日間避けまくってしまったのは仕方のない事だった。
 
(誠実の皮をかぶった肉食動物、おわり)

Re: 銀の星細工師【感謝1000突破 特別番外編】 ( No.128 )
日時: 2014/05/05 23:42
名前: 八田 きいち。 ◆8HAMY6FOAU (ID: DVd8EX6H)


うぉおおおおお、知らぬ間にジャスパーくんが仲間に!
なんて心強いんだ!そして、またティアラちゃんとジャスパーくんの絡みが見られるなんてっ( *//`ω´//) 可愛いっいつもと同じく可愛い!抱きしめたい!
ぎゅーってやりたい!頬を染めるティアラちゃんと哀れみの目で俺を見るジャスパーくんをぎゅーしたい!

更新楽しみすぎてしにそうです( *◯ω◯)

参照1000超えおめでとうございますす!やはり素晴らしい小説は参照が延びるんでしょうね(`・ω・´)!すごい、尊敬しますわ(*゜ヮ゜*)
そして、番外編ですが。

風邪引きヒューくんに萌え死にしましたァァァアアァァア!!
も、もう、やめてくだっさい!おれを消し炭にするつもりですか!?
ヒューくんがティアラちゃんにぎゅーした時もう、本当羨ましくて手がうずうずうずしてました。ティアラちゃんは甘い匂いがしてふわふわのお菓子みたいな女の子なんだよ!ちくしょう!おれもぎゅーしてぇよ、ちくしょう!!

それから、テルミス先輩とても好きになる予感。
もう、グループ戦とか可愛い奴らがわちゃわちゃしてればそれで星取れると思います← 個人的にですが(`・ω・´)

とりま、参照1000超えおめでとうございます!あと、めっちゃ更新楽しみです!また萌え死にさせてください!更新ふぁいとです!!

Re: 銀の星細工師【感謝1000突破 特別番外編】 ( No.129 )
日時: 2014/05/06 13:36
名前: 妖狐 (ID: aOQVtgWR)

きいちさん>
こんにちはー♪(*^_^*)

はい、ジャスパー君、仲間になりました!
彼らの絡みは私も書いてて楽しいです。特にジャスパーがティアラちゃんをコテンパンに罵るのが好きです(殴
でも最近、罵りのレパートリーがなくなってきたことに気づいたので
一度、不良集団に入って学んでこようかなとか思ってます(黙

すいません。多分冗談です。

ぎゅーってやりたい!頬を染めるティアラちゃんと哀れみの目で俺を見るジャスパーくんをぎゅーしたい!
↑おおおおおっ/////
 いいですね! 想像したら私もその中に飛び込んでいきたくなる……。
 私もきいちさんとティアラちゃんとジャスパー君をまとめて、ぎゅーってしたいです!

すいません。本気ですが、冗談ということにしておきます。(変態として逮捕されそうなので(@_@;)

1000突破、ありがとうございました。
番外編は普段、見えないものを書きたいなって思って学園生活の一部を書かせていただきました。
いつも彼、ヒュー君は紳士なので、たまには暴走させたくなりました笑
ティアラちゃん、思いっきりぎゅーとしてやってください。
私の方から絶対にきいちさんは素晴らしい方だから反撃しないように、と言っておきます!
存分に撫でまわしてください!

テルミス先輩、出てきました!
最後にちょこっと出てきた程度ですが、そういってもらえると嬉しいです(^◇^)
けれど彼女は五章のタイトル「やっかいで愛しい仲間たち」の通り、
かなりの厄介者です。かなり暴れまくる予感です。

はい、頑張ります!
楽しみにしてくださると、もんのすっごくやる気が湧いてきます。
ありがとうございましたー!!!!






Re: 銀の星細工師【感謝1000突破 特別番外編】 ( No.130 )
日時: 2014/05/06 18:16
名前: 妖狐 (ID: aOQVtgWR)

「私の仲間になってください」
 ばっと思いっきり頭を下げた。これぞお辞儀の見本というぐらいの直角加減だ。
「…………?」
 いつまでたっても、言葉一つ発しないテルミスに恐る恐る顔を上げて見ると、真っ白な状態で化石化した先輩の姿があった。
「ええ!? ちょ、テルミス先輩っ」
 必死な思いで呼びかけて肩を揺らそうと手を伸ばす。その瞬間、びくっと震えるようにテルミスはティアラの手から逃げた。あまりの恐怖と警戒心が伝わってくる動きに、ティアラの方が悲しいような気分になった。まるで敵を威嚇するようなするどい目つきだ。
 一気に初めの優しげな瞳から、敵を見るような視線に変わったテルミスにティアラは困惑する。
(わたし、なにかしたのかしら……)
 触れようとしただけで逃げられ怯えられることは初めてで、どう対応すればいいのか分からない。
「あ、あの……」
「ごめんなさい」
 ばっさりと切り捨てるようにテルミスは呟いた。視線を交えようとはせず顔を横へ向けている。目線を交えたくないという意志が伝わってくるかのようだ。
「私、潔癖症なの。だから、あまり人に触れられるのは苦手で」
「え、いや、わたしの方こそすいませんでした。そうとも知らずに……」
「いえ、あなたは悪くないわ」
 ぎこちない空気が流れる。
 会った瞬間は、この人だ、絶対に仲間にしたい、と強く願ったのにどうしてだろう。今は話しかけるのさえ少し怖い。きっと相手が拒絶の意思をこちらへ向けているからだろう。
 第一印象は優しそうな人だと思った。髪が柔らかそうにふわふわと二つ結びにされていて、顔つきも優しそうだ。けれどティアラへ向けられる声はどこまでも冷たい。
「えっと、わたし、ティアラっていいます。先輩の一つ下の二学年で……」
 場の空気を変えるように明るい調子で話すように心がけるが、朝の静かな気配がそれを打ちのめしていく。空気が肌寒い。その寒さに身震いしたとき、テルミスが動いた。
「……——ごめんなさい」
「え、あ!」
 何かにこらえきれなくなったようにその場から走り出すテルミスはティアラの止める間もなく教室から出ていく。
 どこで間違ってしまったのだろうか。彼女にこうも警戒されてしまった理由はなんだ? 問いかけても答えの出ない質問を延々と頭の中で繰り返す。
 空虚な空気を掴むように伸ばされた手は行き場を失って、悲しそうに沈んだ。


            *


「ねえ、何やってるのさ。その頭の中にはなにが詰まってるの? 藁? 藁なのかい。昨日まではあんなにやる気満々で強気な発言までしちゃってたのに、この結果ゼロで相手に警戒心を与えただけでしたっていう有り様は何? お姉さんってどこまでも残念な人なんだね」
 ぐうの音も出ないほどこてんぱんに言い負かされ、ティアラはただ正座をしたまま頭を垂れるしかなかった。
 朝の結果を登校してきたジャスパーに報告すると人気のない廊下まで連れて行かれ、お説教タイムが始まったのだ。
 反省するように無言で何も言い返そうとはしないティアラに、ジャスパーは一度言葉を途切れさせ、小さくため息をついた。
「まあ、別にいいよ。この失態を二倍の成果にしたら許してあげなくもないから」
 優しいのか分からない言葉を最後に、長い小言は終了した。ジャスパーが落ち着いたのを横目で盗み見て、ティアラは言いにくそうに正座しまま口を開いた。
「わたし、もうちょっと……テルミス先輩に、話しかけてみる」
「何言ってるの!? お姉さんは、さっきの話を聞いてたのかい? これ以上警戒心を深められたら仲間になる以前の問題でしょ。だから、この先は他の人にあたりながら間隔をあけて……」
 作戦を練るように考え込み始めたジャスパーに、ティアラは立ち上がって首を振った。
「それじゃあ駄目なの。きっと、今じゃなきゃ駄目なんだと思うわ」
「なんでそう思うのさ」
「それは……」
 言いよどむティアラをジャスパーは探るような目つきで見つめる。
 情報通で策略家のジャスパーの言う作戦通りに動けば、テルミスを仲間にすることができるかもしれない。これ以上ティアラが真正面から突っ込むことは逆効果になるだけなのかもしれない。
 拒絶の色を見せられた時はつらかった。自分で近づいても逃げられてしまうのならどうすることもできない。けれどその中に一つの違和感を感じたのだ。
 小さな小さな、すがるような視線。
 見間違いかもしれないが、もう知らないふりはできない。ずっとテルミスが逃げ、ジャスパーに会うまでそれだけは決意していた。
「もう少しだけ、私に任せて」
 不安のにじむ声の中で揺るがない言葉を発するティアラに、ジャスパーはふっと肩の力を抜くような仕草をした。
「そういえば動物の勘は当たるっていうようね。それにお姉さんにできる事って前も見ないで突っ込んでいくことぐらいだしなあ……」
 ひどく馬鹿にされているような気がするのは気のせいだろうか。いや気のせいじゃない。
 いい返そうとした言葉は、あまり見ることのない稀な年齢相応の笑顔によって打ち消された。
「いいよ。行ってきなよ、どうせ駄目って言っても聞かないんだろうし。あと、面白そうだから……ククッ」
 ジャスパーに背中を押されるような気分でティアラは、行くのに緊張した教室へと軽快なステップを踏んで向かった。


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