コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 銀の星細工師
- 日時： 2015/01/28 15:12
- 名前： 妖狐 （ID: e.VqsKX6）
■あらすじ
人々に幸せを運ぶと言われる『星硝子（ほしがらす）』
母を亡くしたばかりの少女ティアラは星硝子細工師になることを目指し、狩り人と呼ばれるパートナーを探す。
細工師になるべく奮闘する日々で、天才的狩り人のキースや、伯爵の息子ヒューと出会い、ある学園へ入学することになって…!?
「私は諦めたくないよ。だって見つけたいものがあるから」
やっかいな仲間たちと共に、時には傷だらけになりながらも、一心に夢を見て進む物語。
■こんにちは
あるいは初めまして。 妖狐と申します<(_ _)>
このお話は私の「頑張る女の子」が書きたい！ という思いから執筆をはじめました。
少しでも楽しんでいただけたら嬉しい限りです。
■主な登場人物
主人公/ティアラ・グレイス
一匹狼の狩り人/キース
＜一級＞星硝子細工師/フレッド
優しい貴公子/ヒュー
（学園の生徒）
腹黒お嬢様/アリア
失礼すぎる後輩/ジャスパー
極度の緊張症の先輩/ミラ
異国の純粋な青年/ラト
頼りがいのある兄貴肌/ブラッド
■目次
プロローグ >>1
第一章 細工師と狩り人 1話>>2-3 2話>>14 3話>>21
4話>>26-27
第二章 王国パーティーへご招待 幕間>>34 5話>>35-36 6話>>37
7話>>41-42 8話>>48 9話>>51-52
第三章 学園生活は前途多難!? 幕間>>54 10話>>57 11話>>71-72
12話>>77-78 13話>>84 14話>>85
第四章 難問のアンサー 幕間>>92 15話>>93 16話 >>94
17話>>100
第五章 やっかいで愛しい仲間たち 幕間>>103 18話>>112 19話>>117
20話>>120 21話>>123 22話>>130
23話>>133 24話>>134 25話>>139
26話>>146 27話>>149 28話>>153
29話>>156
第六章 魔女の陰謀と本音 幕間>>157 30話>>165 31話>>166
32話>>167 33話>>170 34話>>171
35話>>174 36話>>175 37話>>176
38話>>177
第七章 いざ、戦いのとき 幕間>>179 39話>>180 40話>>181
41話>>182
第八章 隣同士の想い 幕間>>189 42話>>192 43話>>193
第九章 最後の決断と誓い 幕間>>194 44話>>195-196 45話>>197
46話>>200 47話>>201
最終章 銀の星細工師 幕間>>202 48話>>203 49話>>204
エピローグ >>207
400参照突破【告知】 >>53
600参照突破【トーク：ポッキーゲーム】>>81
900参照突破【人物紹介】 >>116
1000参照突破【番外編：誠実の皮をかぶった肉食動物】 >>126-127
1500参照突破【番外編：ガチョウのみぞ知る想い】 >>161
2000参照突破【特別編：お嬢様の番犬】>>183-185
3000参照突破【特別編：唯一無二の君】>>216-217
あとがき >>211
■注意・お願い
・ほとんどファンタジー
・糖分は甘め
・学園、冒険、ファンタジー、コメディ、全て詰めました。
・亀最新です。ノロノロです。それでも気長に待ってくれれば。
・誤字・脱字があったらすぐコメを！
・荒らしはご遠慮します。（辛口コメントは大歓迎です）
■お客様
*コメントをくださった方
珠紀様
夜桜様
カリン様
朔良様
ひよこ様
反逆者Ａ様
ああ様
八田きいち様
寝音様
ゴマ猫様
いろはうた様
雨様
オレンジ様
にゃは様
村雨様
苑様
再英78様
驟雨様
葉月様
スミレ様
■執筆作品
少年（仮）真白と怪物騎士団 新連載
救世主はマフィア様!? 完結
吸血鬼だって恋に落ちるらしい 完結
ラスト・ファンタジア 連載中止
神様による合縁奇縁な恋結び！？ 連載再開
僕等の宝物の日々〜君が隣にいるから〜 完結
笑ってよ サンタさん！ 完結
それでは本編へ レッツゴー！！
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- Re: 銀の星細工師 ( No.216 )
- 日時： 2015/01/24 09:14
- 名前： 妖狐 （ID: e.VqsKX6）
■参照3000突破感謝！■
完結したのにもかかわらず、参照3000突破ありがとうございます！
また、今更の報告になるのですが『2014年冬小説大会』にてコメディ・ライト小説部門で金賞受賞させて頂きました。
これも、一途に皆さまが投票してくださったお陰です。
本当にありがとうございました!
■3000突破記念■
特別短編を書かせてもらいました。
書き始めたときから、ずっと書きたかったシーンを載せてあります。
本編で書こうと思ったのですが、時列的に無理があって……（涙
なので今回はこの機会にと書きました！！
内容は大人になったティアラたちのお話です。
そして今まではキースを押せ押せティアラちゃん！ だったのですが、今回はキースが責めてます！ 甘々注意です！
渋いお茶を用意してお楽しみください！笑
■特別短編『唯一無二の君』
——お前は俺の所へ来ればいい。望むなら日中も離れず、ちゃんんと愛でてやるから。
*
「そろそろ行くぞ」
部屋でのんびりしていた女性にキースは声をかける。彼女は驚いたように振り返ると時計へ眼を向けた。
「え、もうそんな時間!? ちょっと待って！ 置いてかないでっ」
今にも出ていきそうなキースを押さえて慌てるように部屋を走り回る。その姿を見てキースはため息をついた。
「待ってやるから急げよ」
部屋の入口に背を預けて彼女の支度を待つ。忙しなく動く様子を横目に見ながらふっと笑いが漏れた。
ティアラは昔から変わらない。スターグラァース学園を出てから二年、ティアラは既に十八になっていた。今世の十八歳と言えばおしとやかな淑女が多いが、ティアラはそんなものとはかけ離れている。昔から今も変わらずいつも動き回っては飛び跳ねるのだ。
（まったく、危なっかしくて目が離せない）
いつからか隣にいるのが当たり前になっている存在。
出会いは唐突で、第一印象はあまり良くなかった。阿呆鳥のように喚きながらパートナーになって欲しいと頼んできた彼女をやっかいだと思っていたのだ。
だが、普段はどんなときも笑顔で前向きなのに、不意に弱く崩れ落ちる。泣き出す一歩手間のような表情はいつも一人きりに見せるもので、呼べばたちまち笑顔を作る。そんな彼女に自分の前では泣いて欲しいと思ったのはいつからだろう。
突然学園へ転入すると言いだしたとき、眼の届くところに彼女がいないのがどうも落ち着かなかった。だから自分も学園へ行ったが、知らぬ間に余計な虫が何匹か彼女の周りにくっついていた後だった。
（こいつは気づいているのか？ 自分の持つ魅惑的な部分を……）
じっと見つめるが当の本人であるティアラは動いて崩れる髪など気にせずにいる。きっと気づいていないのだろう。学園で密かに思いを寄せられていたことに。余計な虫、一匹目の坊ちゃんは彼女に未だに狙い、その他にもまだもう一匹生意気そうで諦めていない奴がいる。いつティアラを盗られるか、内心穏やかに構えてはいられなかった。
いつの間に立場が逆転してしまったのだろう。追ってきていたはずのティアラを今は自分が追っている。
「うわっ！！」
——突然派手な音が鼓膜を震わせた。ティアラが派手にコケて本や雑貨に埋もれている。キースは呆れたように近づいて救い出そうとしたが、差し出した手を途中で止めた。思考が途中で無理やり途切れる。
「……お、まえ」
急激に体温が顔へ集中していった。慌てて目を逸らすが見てしまった光景は脳に焼き付いて離れない。
「いたたー、やっちゃったな。……あれ、キース？」
ティアラはすりむいた腕をさすっていると、口元に手を当てて黙り込むキースの姿が眼に入る。ティアラは首をかしげて呼びかけると、キースの肩がびくりと震えた。
「ど、どうしたの」
珍しい反応にこちらまで挙動不審になってしまう。キースは気まずそうに目を泳がせると、覚悟を決めた顔つきで口を開いた。
「その、だな。言いにくいんだが、スカートの部分がなんていうんだ、えーっと……」
「何よ、どうしたの。私のスカートが一体なんだって…………きゃー！！」
ティアラは悲鳴を上げて起き上った。眼に飛び込んできた光景は派手にめくれ上がる自分のスカートだった。太ももが大胆に覗いている。足を見せる行為自体が破廉恥だと言われる今の時代で、ティアラにとってその光景は衝撃的だった。
「い、いいい、いつの間に！ ねえ、見たよね!? その、下着とか……！」
神妙な顔つきで問うとキースは即座に首を横に振った。
「見てない、断じて見てない。第一にお前の下着を見たところで何の感情も湧かない」
「それはそれで傷つく！ ああーっ、もうお嫁にいけない！」
嘆くティアラを見てキースがむっと口をまげる。次の瞬間、壁へ手首を掴まれて押された。黒曜石のような瞳が静かな熱を帯びて見つめてくる。壁とキースに挟まれて身動きが取れない。
「もう嫁に行けないのなら俺の所へくればいい。阿呆鳥、一匹の世話くらい見てやるから。ついでに愛でてもやる」
真剣な瞳だった。吐息が届く距離まで顔が近づけられ脳内がくらくらする。学園を出てからというもの、時々キースは予告なくして甘い言葉や態度を取るようになった。甘すぎる行為はいつになっても慣れず、あっという間にキースのペースへ持って行かれる。
「俺の所へくるか、ティアラ」
名前を呼ばれただけなのに痺れるような感覚が電気となって体を走った。甘いキースはとてもやっかいだ。逆らうことさえ許してくれない。ついうなづきそうになった時、時計に装着したあったハトが定時を知らせるように軽やかな歌声を発しながら飛び出した。この音から察して、今の時刻は……。
「あー！ 遅刻だ！！」
ティアラは青ざめながらキースの腕をすり抜けて支度に戻る。その様子に呆然としていたキースは、やがて正気を取り戻すと凍てつくような目でこちらを睨んだ。
「お前は今、俺が何と言ったのか聞いていたのか……？ プロポーズとも取れる言葉をさらりと流しやがって……」
呟く声は時刻に追われているティアラの耳に届いていなかった。キースは雰囲気を冷たくさせて部屋の扉を開ける。
「もう置いていく。お前を待っていると既に集合場所で待機してる奴らに遅いと怒られるしな！」
「ま、待って！」
ティアラは肩掛けの鞄を手に掴むと慌てて後を追いかけた。そして集合場所へ着く前に頬へ募る熱が消えてくれることを願った。
*
「おそーい。あんた達、何分遅刻したか分かってるの!?」
案の定、時間に厳しいアリアが般若のような表情でティアラたちを待っていた。周りにいたヒューやジャスパーたちも怒るアリアに苦笑いを浮かべる。
「もう、遅刻してきた変わりに今日のランチは王都で一番美味しいところへ連れて行ってよね」
「うん、任せて！」
ティアラは力いっぱいうなづいた。
今日は春の休暇を利用して学園から王都へやって来たアリアやジャスパーたちと王都へ観光にきていた。観光と言っても王都に住んでいるティアラやキース、ヒューは案内役のようなものだ。久しぶりに集まった仲間たちにティアラは心を弾ませていた。
「そうえばティアラ、キースと一緒に住んでるんだっけ？」
ブラッドが不意に訪ねてきた。その途端、ジャスパーやミラの目つきが変わる。
「本当なの、お姉さん？ 僕はそんな話聞いたことないんだけど」
「わ、私もです！ ティアラさん、結婚前なのに異性と同棲なんて、ふ、ふしだらですよ！ というかその前にとても危険です！ 男性など性欲の塊で、いつ私の大切なティアラさんが襲われてしまうか心配になりますっ」
「……おい、ミラ先輩はどういう知識を蓄えているんだよ」
ブラッドの呟きが漏れる。目を回すミラをなだめるようにティアラは眉を下げながら笑みを浮かべた。
「一緒に住んでるって言っても、同じ下宿所ってだけよ。偶然私が入居したときにキースも入ってきてね」
「へー……偶然ね」
ジャスパーが意味ありげに横目でキースを見やる。キースは澄ました顔で偶然だ、とうなづいた。
「それより早く街を歩きに行きましょう！」
アリアが街への大通りを見て瞳を輝かせる。隣でラトもこくりとうなづいた。
「行きたい、今すぐ」
二人のわくわくした雰囲気が伝わってきて微笑みが漏れる。一同は軽い足取りで賑わう大通りへと足を向けた。
- Re: 銀の星細工師【参照3000特別短編】 ( No.217 )
- 日時： 2015/01/24 09:19
- 名前： 妖狐 （ID: e.VqsKX6）
威勢のいい大きな声や興味の惹かれるいい匂いがあちらこちらから飛び交う。さすがは国の中心部である都と言うべきか、活気が溢れかえっていた。
どこを見ても笑顔に満ちて、華やかな街並みが景色を飾る。川の流れのように行きかう人の波に飲まれないようにしながら、一同はゆっくりと大通りを歩いていた。
「すごい！ 私は地方の貴族育ちだからあまり王都へは来なかったけれど、こんなにすごい場所ならもっと早くに来ていれば良かったわ！ 予想以上よ！」
はしゃぐアリアを見てティアラもつい嬉しくなった。これは王都案内も頑張らねばとやる気が湧く。
「えっと、あそこにあるのが国で一番美味しいって噂のアップルバイ屋さん。実際にほっぺたが落ちちゃうくらい美味しいわよ。それからその奥にあるのが伝統のある肉屋。ローストビーフと生ハムが格別だわ。それから右の方向にあるのが狩り人のギルドで……」
一つ一つ知っている情報を丁寧に話していく。ジャスパーたちも興味津々で耳を傾けていた。
横を流れていく店はどれも親しみの深いものばかりだった。いつぞやか少女だった頃に追い出された狩り人ギルドも苦い記憶があるが、それ以上に懐かしい。そしてキースに初めて出会ったのもこの辺りの路地裏だ。強盗から母の遺品を取り返したくれたのが彼だった。
（ここに来ていなかったら、今の私はないんだろうな）
今まで辿ってきた道は細い糸のようだと実感した。偶然が重なって今、ここにいる。なんて幸せなことなんだろう。
「それじゃあ、私のお気に入りである、王都で最大級を誇る星硝子専門店へご案内いたします！」
声を上げると、一同が一斉に瞳を輝かせたのが分かった。
なんてたって、星硝子をこよなく愛する私たちにって、それは宝の山がある店だからだ。皆のテンションが急激に上がっていった。
*
「くそ……重いぜ。これは買いすぎだろう」
ブラッドが疲れ切った様子でため息をつく。アリアは笑顔で荷物の山を見つめた。
「だってあんな品数の多い専門店滅多に出会えないもの。買えるとき買っとかないとね。私の分まで荷物を持ってくれてありがとう」
「いや、女には持たせられないしな」
そう言ってブラッドは荷物を抱え直す。屈強な体つきのブラッドはとても頼もしく見えた。
「もうそろそろ、お昼にする？」
ヒューの問いかけに一同がうなづく。もうお腹の空く時間帯だ。それぞれのそれなりにある荷物を持ちながらランチを取りに足を動かした。
まるでたった数時間が弾むように楽しく流れた。店を冷やかしたて歩いたり、仮装が出来る店で遊んだり、美味しい物をたらふく食べたり。ずっと笑いが絶えずに浮かんだ。やっぱりみんなの周りはポカポカと陽だまりの様だ。
休憩のためベンチに座りながらティアラは暮れていく夕焼け空を見つめた。
「ねえ、今日すごく楽しかったね」
「そうだな」
キースが穏やかに微笑する。遠くで公園にある噴水を見て喜ぶアリアたちを見ながら、ティアラは一日を振り返って苦笑を浮かべた。
「でも、ナンパに会った時はびっくりしたわ。ヒューたちがいない時に声をかけられちゃってどうしようか困ったけれど、アリアが恰好良く男を切り捨てたし」
「ああ。あれはすごいと思った。俺たちの出る幕はなかったもんな」
ナンパ野郎をばっさりと斬るように振ったアリアの勇士がまぶたの裏に浮かぶ。そのときのアリアは男気に溢れていた。
「それにキースたちも街の女の子たちからキャーキャー言われてたね」
ティアラはキースやヒューたちが格好いいのはもちろん知っていた。だから自慢に思えるのだが、キースに話しかける女性たちを思い出すと複雑な気分になってしまった。
「妬いたのか？」
「へっ!?」
思わず声がひっくり返った。だが図星だと思う。返す言葉に迷っているとキースはなぜか嬉しそうに微笑んだ。
「そうか、妬いたか」
「べ、別に妬いてなんかいないわ」
正直にうなづくのは癪だったので首を振った。ついでにいじめたお返しもしてやる。
「キースだって、私たちがナンパされてるとき、妬いてたんでしょ？」
そんなことはないと知っていたが、聞いてみた。即座に否定されると思ったのに、キースは何も言わない。彼の方に眼を向けると、キースがそっと髪を撫でてきた。
「……まあ、確かに妬いたな。あんな連中に渡してたまるかと思った」
まさかの肯定。しかもド直球な返事が返ってきてしまった。ティアラはわなわなと口元を震わせる。予想外のパンチを思いっきり食らった気分だ。
甘い！ 今日のキースはいつもに増して甘すぎた。
「ど、どうしたのキース。そんな風に言うなんてキースらしくないような……」
「仕方がないだろう。今日はあいつらに会って少し焦っているんだ。……お前が盗られそうでな」
素直な表情がティアラに向けられた。髪に手が添えられていて、そこから熱が伝わってくる。
「やっぱり、俺ばっかり追いかけてる気がする」
いじけた口調が可愛らしいと思ってしまった。けれどキースの言葉は間違っていると言える。
「違うよ、キースばっかじゃない」
「え？」
「ずっとずっと、私だって何年間もキースを追いかけているんだから」
ティアラが言うとキースはくすぐったそうに笑った。
「……ああ、そうだったな」
「うん、そうだよ。今も私の方だってキースがいつかいなくなっちゃうんじゃないかって心配してる。最近、キースが優秀な狩り人として新聞に載るから女性のファンが増えているらしいし」
「やっぱり妬いてるんだな」
「……まあ」
うなづくしかなかった。そんなに嬉しそうな顔をされたら嘘なんて言えない。そのとき丁度夕日が目線と同じ高さに迫った。脳内の記憶が呼び戻される。いつか、こんな景色の中で彼に言った言葉があった。
静かに呼吸を繰り返す。自然と言葉が口から転がり出た。
「……——キース、私のパートナーになって欲しいの」
キースの目が驚愕で開かれた。久しぶりに口に出した言葉にティアラ自身も少しだけ驚く。丁度、そのとき遠くから声がかかった。アリアの呼ぶ声が聞こえる。
「これから飲みに行くよー！ まだ今日はこれからなんだから」
ティアラは手を振って了承すると立ち上がった。何も言わないキースに不安を覚える。またフラれてしまうのだろうか。
怖くなって冗談だと言い直そうとしたとき、キースがティアラを引き寄せて抱きしめた。キースの香りが包み込む。
「いいだろう、お前のもんになってやる」
その一言にティアラは自然と涙が一粒零れ落ちた。やっと、つながったんだ。
「本当に……？」
「ああ」
「……——っ！ キース、なんだか夢みたい！ 私、今夢見てるっ」
「勝手に夢にするな。現実だ」
優しい声で強くティアラを抱きしめる。こぼれた涙は地面に落ち、星硝子のようにキラキラと輝いた。
（おわり）
- Re: 銀の星細工師【参照3000特別短編】 ( No.218 )
- 日時： 2015/01/24 16:07
- 名前： スミレ （ID: Id9gihKa）
良い!良いですm(；∇；)m よすぎるっ！
確かにキースが責めでかっこよくて、
「いいだろう、お前のもんになってやる」
とかかっこよすぎです“ｏ(*‾o‾)ｏ”!!
ジャスパー君も少しだけど久々に出て、楽しかった!!
何時ものメンバー勢ぞろい!!
このメンバーともお別れ、か…(‾■‾;)!?
でも、また何時かで会えることを信じてウミュゥゥ!! o(≧〜≦)o
次回作、楽しみにしています!!
- Re: 銀の星細工師【参照3000特別短編】 ( No.219 )
- 日時： 2015/01/28 15:09
- 名前： 妖狐 （ID: e.VqsKX6）
スミレさん＞
こんにちは！ 返信遅くなってすいません(>_<)
ただいま受験真っ盛りなので、鉛筆が手にくっついて離れず、パソコンのキーを打つことがてきませんでした(:_;)
良いですか！？
良かったです(*^_^*)
ずっと書きたかった「パートナーになる」のシーンもかけたので、私としても満足でした！
ずっとティアラもキースのことを追いかけていたので、ちゃんと区切りをつけたかったのです。
はっΣ（・Д・）
スミレさんはジャスパーくんお気に入りでしたもんね。
もっと、彼の登場シーンを増やせばよかった<(|||´Д｀|||)>...。
楽しかったと言ってもらえて幸いです！
きっとまた会えますよ！！
ありがとうございました。
次回作でも張り切っていきたいと思います（＾◇＾）
- Re: 銀の星細工師 ( No.220 )
- 日時： 2015/01/29 15:31
- 名前： スミレ （ID: Id9gihKa）
受験生だったんですかΣ(゜д゜;) ヌオォ!?
私も中3なので受験…？的なものがあるので不規則なんですよ(^_^;)
超良かったですよ!
2人もめでたく幸せになったし♪ヽ(▽‾ )ノ/(＿△＿)ヽ( ‾▽)ノ♪
次回作とコラボとか((o("へ")o)) クーッ
次回作でもジャスパー君的キャラを宜しくお願いします<m(__)m>
次回作、すっごい楽しみです(≧血≦;) グォオオオッ!!
これからもがんばってくださいガンバ!o(‾へ‾o)(o‾へ‾)oガンバ!
お疲れ様でした!!(‾∇‾ノノ"パチパチパチ!!
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