コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- あ、そうだ!
- 日時: 2015/01/01 00:00
- 名前: 夕陽 (ID: jP/CIWxs)
はじめましての方が多いと思います。
いろんな作品を書かせて頂いている夕陽です!
自分の作品の一つが終わったのと新年になったので前々から考えていた作品を書こうかと。(といっても考え始めたのは12月中旬くらいからですが)
内容は生徒会メンバーが巻き起こすイベントみたいな感じです。
よろしくお願いします!
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- Re: あ、そうだ! ( No.5 )
- 日時: 2015/01/12 22:34
- 名前: 夕陽 (ID: jP/CIWxs)
四月 あ、そうだ! 遠足しよう!2
「結構人、集まったね〜」
生徒会の集まりがあった週の土曜日。
そこそこ賑わいをみせる公園を見て満足そうに美琴は頷いた。
「はあ、大変だった……」
そんな美琴とは裏腹に疲れた顔をしている聡。
他の役員は全くといっていいほど準備をしなかったので聡が全てやったといっても過言ではない。
「書記、お疲れ様でした!」
希は聡に向かって敬礼する。
「で、ここから先は美琴さんの出番ですよね! がんばって下さい!」
望が何気なく美琴の手を握って言う。
「むー、ずるい!」
そのことを気付いた希が唇を尖らす。
「じゃあ希ちゃんの手もぎゅってしてあげる!」
美琴は空いた手で希の手を握った。
「よし、これでがんばれそう! 二人ともありがとう!」
しばらくパワーをもらうように握った後、簡単に作られた舞台に向かって駆け出していった。
「とりあえず、あとはハプニングがないよう祈るだけだな……」
ため息の代わりに聡はそんな言葉を呟いた。
* * *
「では、今から! 第一回遠足を始めます!」
数分後、美琴はマイクを使って全校生徒に呼びかけた。
「まあ遠足って言ってもここでお弁当食べたり、レクリエーションをやったりするだけだけどね。まあ盛り上がっていこー!」
生き生きとした表情で聡の考えたこの企画の詳細を説明していった。
参加した生徒達は楽しそうに顔を輝かせる人が多く、生徒会の皆も安堵していた。
しかし、希があることに気付く。
「ねえ、あの子楽しくなさそう」
希の指差す方向には緊張した様子の女の子がぽつんと立っていた。
整った容姿故か彼女は高嶺の花のように誰も声をかけない。
「確か2年生の安藤瑠璃さん、だったっけ?」
望は彼女を見て言う。
つい最近彼女はこの学園に編入してきた。
そのとき顔を見たので覚えていたのだろう。
「ああ、そうだな。確か外国から日本に帰ってきたばかりと聞いた気がする」
日本人らしいが日本人離れした容姿。
茶色い髪の毛を下の方で二つに結んでいる彼女はどうやら編入生のようだ。
「まだ、クラスにも馴染んでない感じだったし来るのは意外だな〜」
「馴染んでないから来たんじゃない? 美琴さんそういう人放っておけなさそうだし」
「確かに会長、少し気にしてたよね。安藤さんのこと」
二人が話している間に説明が終わったようだ。
美琴がゲームの指示をし始めた。
「今回は参加者の皆を学力・運動神経・学年ごとにバランスが取れるようにチームを作ったよ! だからそのチームでドッジボールをやろう!」
第一のゲームはドッジボールでチームの振り分け表が約400人いる参加者全員に配られた。今回の参加者は高校からだけなので随分集まったほうだろう。
美琴は生徒会の方に戻り他の三人にも振り分け表を渡した。
「ちなみに20人が20チームで勝ち抜き戦なんだ! 二枚目に勝ち抜き戦の対戦相手書かれているんだよ!」
どうやらこれは美琴が作ったらしく聡も驚いた表情をしていた。
「いつの間に作ったんだ?」
「昨日。お手伝いさんに手伝ってもらったんだ!」
嬉しそうに言う美琴に聡は驚いた顔をしながらその紙を見る。
チーム振り分けは
美琴はAチーム、聡はCチーム、双子はFチームだった。
瑠璃は美琴と一緒のAチームに所属している。
「じゃあ各チームで作戦会議スタート! 20分間ね!」
舞台に戻り皆に宣言するといつの間にか用意されていた大きい20分にセットされたストップウォッチのカウントダウンを開始させた。
* * *
なかがき
まだまだ続きそうです。
今まで1レス完結だったのですごく長く感じる……。
次はドッジボールの作戦会議(出来たらドッジボールのところまで)書きたいと思います!
- Re: あ、そうだ! ( No.6 )
- 日時: 2015/01/20 20:52
- 名前: 夕陽 (ID: jP/CIWxs)
四月 あ、そうだ! 遠足しよう!3
作戦会議(Aチーム)
「じゃあ、作戦会議! とりあえず、ボール取ったらすぐ投げて! ボール投げに自信がない子は他の人にパス! と言うわけでよろしく!」
Aチームの会議はこれだけで終了した。
作戦会議(Cチーム)
「一応作戦会議しなくてはいけないようだが何か話すことはあるか?」
聡が問いかけると
「まあ適当に時間つぶせばいいんじゃね? 話し合いとかだるいし」
金髪でピアスをつけた男子が反応する。
彼は聡の友達で明人。
正反対の性格でよくケンカもするが確実に仲のいい分類に入るだろう。
「そういうわけにはいかないだろう。とりあえず初期の外野を決めた方がいいんじゃないか?」
無気力な態度が気に食わなかったのか聡はそう指摘する。
「じゃあそれで」
その態度に気にすることなく(ただ単に気付いてなかっただけかもしれないが)賛成し元外野決めが始まった。
作戦会議(Fチーム)
「というわけでFチーム作戦会議!」
「でもみーがいれば勝てるんじゃない? 美琴さんのいるAチームは難しいかもしれないけど他のチームはそこまで強い人いないし」
「確かに。美琴さんは万能だからなあ……」
Fチームは双子中心に会議を進行している。
「とりあえず、皆避けることを優先して」
「あとボールは投げるの自信なければ私が投げるから遠慮なくパスしてね! あと円陣組もう! 円陣」
希は隣にいた人と肩を組む。
そして円陣が出来上がり——
「優勝するぞー!」
『オー!』
Fチームの気合がこもった声が公園に響いた。
* * *
時は流れ決勝戦。
A対Fの一騎打ちだ。
「今回も勝つよ!」
ほとんど美琴の力で勝ったAチーム。対するは
「私達は私達なりに全力尽くそう!」
希を中心に皆で力を合わせて勝ったFチーム。
「では、試合を開始します」
審判のその言葉で決勝戦が始まった。
皆が楽しそうに遊ぶ中、一人まだ緊張気味の生徒がいた。
「瑠璃ちゃん、早く早く!」
ずっと失敗してばかりの瑠璃だ。
今回の大会で1回戦で1回は必ず当たる。
ボールはぎりぎり外野に届く程度で速度が遅い。
皆文句こそ口にしないが少し苛立っている様子のものもいた。
美琴がその分人を当てるので勝ち越し出来ているが……。
「私が前言ったようにやってくれれば大丈夫だから」
美琴は瑠璃にそうささやきにっこりと笑った。
* * *
なかがき
まだまだ続きます。
次かその次で四月終わるかな……。
- Re: あ、そうだ! ( No.7 )
- 日時: 2015/02/01 20:04
- 名前: 夕陽 (ID: 9RGzBqtH)
四月 あ、そうだ! 遠足しよう!4
試合が開始し8分後。
今のところは五分五分といったところだろう。
美琴は絶好調のようでたくさん人を当てるが希たちも負けてはいない。
残り時間はあと2分だ。
ちなみに勝敗は時間切れの時点で相手より内野の人数が上回るか相手を全滅させること。
今2対2の状況で残っているのはそれぞれ美琴と瑠璃、希と望だ。
「会長が残るのは分かっていたけど安藤さんが残るなんて思わなかった」
希は残った二人を見て呟く。
きっと前の試合を見ていたのだろう。
「まあ美琴さんの近くにいれば大体狙われてもボール取ってくれるもんね」
その言葉に答えるように望は言った。
確かに望の言うとおり瑠璃は今回の試合で美琴のそばにいた。
「早く投げて〜」
美琴は二人を急かす。
ボールは二人のチームにあるのでボールを投げないと先に進まない。
「じゃあむー、投げて」
希は望に向かってボールを投げる。
望はボールを投げる。
ボールは鋭く美琴に投げつけられるが、
「これくらい余裕〜」
美琴は動じずボールを受け止める。
「じゃあこっちもそろそろ本気出そうかな! 瑠璃ちゃんよろしくね!」
美琴は近くにいた瑠璃にボールを渡す。
「あ、あの……本当にやるんですか?」
戸惑ったように揺れる瞳は自信のなさを表しているようにも見える。
「大丈夫!」
その言葉に瑠璃は覚悟を決めたみたいだ。
目はしっかりと望と希を見ている。
「では……いきます!」
それだけ言うと瑠璃は、
——バレーの時のようにボールを望達がいるところに叩き付けた。
いきなりのことに驚く二人は速いボールに敵うことなく当たってしまった。
試合終了のホイッスルが響いたのはその後のことだ。
* * *
「でも安藤さん強いんだね!」
「よかったらバレー部入ってよ」
試合終了後、皆に囲まれている瑠璃を見て美琴は安心した。
なぜならこの一見無計画に思える遠足は彼女のために考えたからだ。
本当はバレーでもよかったがチーム数が膨大になってしまうため、そこそこ人数が多くても遊べるドッジボールにしたのだ。
「でも何でドッジボールにしたんですか?」
美琴から全部を聞いた望が不思議そうに聞く。
「人数が多くても遊べるっていう条件ならリレーでもよかったですよね?」
続けて希も言う。
「まあね。でもそうするとバレーの技使えないでしょ? ドッジボールなら少し変更すればバレーの技使えるし。彼女がバレー上手なのはこの目で見たからね」
美琴は見ていたのだ。
瑠璃が一生懸命バレーの練習をしていることを。
そして、バレー部の様子を羨ましそうに見ているのも。
「バレー部に入ったら? って聞いたけど自信がないみたいでね。前、バレーで大事な時失敗してから自信なくしたって聞いて折角だから直そうかなと」
「でもそれは相手によっては一生バレーが出来なくなるかもしれないぞ。荒療治はおすすめしないが」
「そこはしっかり計算しているから大丈夫!」
「そういう問題ではない」
言い合いしている二人のそばに人が現れた。茶色がかかった髪の毛を下の方で結んでいる少女。
「あのっ……」
美琴に向かって声をかける。
それに気付き美琴は振り返った。
「あ! 瑠璃ちゃん! お疲れ様」
にっこり笑って労う美琴。
「お、お疲れ様です。あとありがとうございました。おかげでバレーに対する自信、取り戻せました」
ペコリと一礼するとツインテールが前の方に揺れる。
「別に私が何かしたわけじゃないけどね。でもありがと! あなたのおかげで遠足が大成功だったよ!」
苦笑い気味にいうと、
「本当にありがとうございました」
もう一度お辞儀してから彼女は他の生徒の元へ戻っていった。
「この学園に馴染めたようでよかった」
水花学園の生徒会長は、転校生の彼女が楽しそうに他の生徒と会話しているのを見て微笑んだ。
* * *
あとがき
「あとがき」と言う言葉から分かるとおりこれで最後です!
次は5月を書きます。
美琴がどんなイベントを考えるかお楽しみに!
- Re: あ、そうだ! ( No.8 )
- 日時: 2015/02/08 17:55
- 名前: 夕陽 (ID: z070pZ.J)
五月 あ、そうだ! 合宿しよう!
「あ、そうだ! 合宿しようよ!」
美琴がこの言葉を言ったのは桜の花が散り、赤い実をつけた頃。
4月の下旬だった。
「なんで急に……」
嘆息気味に返すのは聡。
書記であり、会長の美琴よりしっかりしていると教師の間ではもっぱらの評判である。
「だってゴールデンウィークがあるじゃん? 折角だし皆で仲良くしたいなって思ったんだ!」
聡とは対称的に元気いっぱいの様子で返す。
そんな美琴を見て聡はこれ以上言っても無駄と悟り、反論をやめた。
「ちなみにどこでやるんですか?」
「美琴さんの別荘とか?」
希と望は反論する気はないらしい。
「まあそのつもり。全校生徒は泊められないけど部活がある人は強化合宿で利用してもらってもいいし、何個か部活誘うかも」
水花学園では、合宿は長期休みのたびに行う強豪部活もある。
しかし、施設の利用料金やホテルの宿泊費がかさばり結果部費があがってしまう。
なので美琴は無料で自分の別荘を合宿に使ってもらおうと考えたようだ。
美琴の家はお金持ちなのでそれなりの備品もそろえられるだろう。
「で、最終日だけ皆で遊べたらいいなって思って」
「ちなみに何をやるんですか?」
「まだ決めてないけど鬼ごっこでもやろうかなって思ってるんだ!」
「それ、いいですね!」
三人で話を進める。
その傍らで聡は、この提案をどうやって教師に説明しようか頭を悩ませていた。
「まあ詳しいことは明日プリントにして部長会議の時配るから。生徒会の分も刷っておくから大丈夫だよ!」
それだけ言って美琴は帰ってしまった。
「全く、あの会長は……」
聡が深くため息をつく。
「じゃあ私達も帰ろうか」
「そうだね。帰るか」
そう言っているうちに副会長の二人も帰り仕度をして帰ってしまった。
「とりあえず、資料書くか……」
聡は一人で生徒会室に残り資料を書いていた。
* * *
なかがき
今回は合宿です。
合宿でどんなイベントが起こるかお楽しみに!
そして相変わらず可哀想な聡……。
- Re: あ、そうだ! ( No.9 )
- 日時: 2015/03/07 13:15
- 名前: 夕陽 (ID: IcK/upD1)
五月 あ、そうだ! 合宿しよう!2
「ここに来るのも一年ぶりだー!」
美琴は別荘に着くと広い庭に向かって叫んだ。
「すごい広いですね!」
希が感心したように言う。他の生徒も余りの広さに圧倒しているようだ。
——どれ位広いのか。
教室でたとえるならば、縦にも横にも10、いや20は軽く入るだろう。庭だけでそこまであるのだから家を入れたらもっと広い。
「まあね! 体育館はないけど、プールならあるよ! だから水泳部はプールで練習してね!」
美琴の指差した先には小さくプールがあった。
プール自体が小さいわけではない。
遠くにあるので小さく見えるだけだ。
そんな感じで美琴が指示していきこの場に残ったのは生徒会役員だけになった。
「じゃあ美琴たちも活動しよっか」
「やっと生徒会活動がまともにでき——」
「いや、そんなめんどくさいことはしないよ! 遊ぶだけ!」
「…………」
美琴の言葉に何もいえない聡。
双子の副生徒会長は既に何で遊ぶかを話し合っている。
この二人は美琴の意見を受け入れるらしい。
「4人だとドッジボールとかはできないよね?」
「トランプとかは? 私持ってきたし」
どうやらトランプで遊ぶことになったらしい。
「美琴さん、トランプしましょう」
と望が声をかけると美琴は
「いいよー。私強いから!」
と得意げに笑った。
どうやら美琴はどんなトランプのゲームでも勝つ自信があるらしい。
* * *
外でトランプすると少し肌寒いので、と言う理由で家の中に入る。
家の中は丁度いい温かさに設定されていた。
リビングに移動してトランプを配る。
ちなみにリビングルームも広く、教室4個分くらい。
上にはシャンデレラが、下には春らしい絨毯がひかれていた。
周りに飾られている絵画は優しい色使いで“くつろぐ”には最適な場所だ。
「では、何やります?」
希がトランプを切りながら聞く。
「とりあえず定番のババ抜きで!」
美琴のリクエストに
「はい、分かりました!」
とトランプを配り始める。
4つに分けられた山を見て
「じゃあ美琴はこれ!」
と美琴は一つを取る。
「じゃあ私はこれで」
分けた張本人である希が次に取る。
「僕はこれにしようかな」
望はチラリと聡を見ると聡が“お先にどうぞ”と目で言っていたので残っている二つのうちの一つをとる。
「じゃあ始めようか」
聡が残った山を取り、ババ抜きが始まった。
* * *
「会長、ずるしてませんよね……?」
あまりに勝ちすぎる美琴に希が怪訝そうに問う。
「してないよ? っていうか希ポーカーフェイス苦手でしょ? すぐ分かるもん」
くるくると表情がかわっていた希。
しかし本人に自覚はなかったようだ。
「そんなことないですよ!」
そんな希からカードを取るので美琴は強いように映るのである。
「美琴さんの言うとおりみーは単純だからなあ」
「そういうむーだって単純じゃん!」
双子だからか二人とも顔に出やすい、と美琴と聡は思ったが口に出さなかった。
「まあまあ。次は神経衰弱やろ!」
美琴がカードを集めてよく切ってから並べる。
「じゃあ負けていた希から」
「し、神経衰弱では会長に勝ちますから!」
冗談っぽく言う美琴に希は迷いつつ1枚のカードを引いた。
* * *
「これ、私一人がぼろ負けパターンですよね……?」
全て引かれ終わった場を見て希が言った。
希の取ったカードはまさかの0組。
純粋に他の3人が強すぎるだけなのだが、希はショックだったようだ。
「次こそはできると思ったのに〜」
「みーが僕に勝つのは100年早い」
「運動神経で勝つからいいもん!」
「うっ」
運動が人並みとはいえ希に下回っている望がダメージを受けたような声を出す。
「まあまあ。希は運動神経すごいし当たり前だよ」
美琴が慰めているがそういう美琴も望より体力面において秀でている。
「そろそろ夕食作るか。今日は打ち上げ花火を見つつバーベキューやるよ!」
望が美琴に勝てるのは常識的な金銭感覚位だろう。
……あと、常識も。
「そのお金、どっから出るんだ?」
呆れたように聡が聞くと、
「もちろんお父さんが出してくれるんだよ! 当たり前でしょ?」
当たり前なのか……と聡はもちろん会長を信頼している双子さえ驚く。
きっとお父さんは一人娘だし美琴に甘いのだろう。
「さあて、準備始めるよ!」
美琴は高らかに宣言した。
* * *
なかがき
次回、夕食のバーベキューのつもりです。
遅くなってすみません。
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