コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- あ、そうだ!
- 日時: 2015/01/01 00:00
- 名前: 夕陽 (ID: jP/CIWxs)
はじめましての方が多いと思います。
いろんな作品を書かせて頂いている夕陽です!
自分の作品の一つが終わったのと新年になったので前々から考えていた作品を書こうかと。(といっても考え始めたのは12月中旬くらいからですが)
内容は生徒会メンバーが巻き起こすイベントみたいな感じです。
よろしくお願いします!
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- Re: あ、そうだ! ( No.50 )
- 日時: 2016/12/04 15:15
- 名前: 夕陽 (ID: tCwHjG.M)
10月 合唱コンクールをしよう!4
「なるほど。これが新しい案ですか」
「これならいいでしょ? ただ文化委員の仕事も増えちゃうけど大丈夫かな?」
美琴が話していたのは文化委員長の加藤 梨咲である。
先生に提出しようとしていた書類には他の委員会にも関わるので先に許可を取りに来たのだ。
「構いませんよ。確かに花音さんには申し訳ないと思いますし……」
そういって指定された場所にサインをする。
「ではお願いします」
「こちらこそお願いします」
美琴は梨咲に向かってお辞儀する。
「まあ、私の増やした仕事だし生徒会ももちろん手伝うから」
笑顔で言って美琴は梨咲のもとを去った。
* * *
「というわけで生徒会の仕事増えましたっ!」
「いや、増やしたんだろう」
美琴の言葉に聡がすぐ反応した。
提出された書類は無事承認されたのだ。
そこで聡はあることに気付く。
「というか美琴。お前提出書類に印もらったのか?」
「うん、そうだけど。美琴もやればできるんだからね!」
前は何回も書き直しをしてやっと通ったのに今回は1回で通っていることに。
その言葉を聞いて双子は目を丸くした。
「私達に言ってくれれば手伝いましたよ」
「そうですよ。僕たちも頼ってください」
「お前ら、僕の時には全く言わないのにな」
双子の自分と美琴の態度の違いに聡は呆れ気味に突っ込んだ。
『だって副会長(聡先輩)ですから』
「ふふっ。だってさ、さとちゃん」
「…………」
声を合わせていう双子に美琴は笑いながら聡のほうを見る。
聡はもう呆れて言葉もないようで黙っていた。
「でもよく許可とれたな」
「手伝ってもらったからね〜。元生徒会の人に」
「そういうことか」
「で、基本的には文化委員に任せるけど、私が言い出したことだからできるだけこっちでも手伝おうと思っているんだ」
「分かりました」
「具体的には何を?」
「参加者を集うの。校内放送とかポスターで。あと、会場で使う機器の確認」
美琴が計画を立てたのは、生徒が自主参加できる音楽祭。
合唱部以外にも楽器や歌などがあれば参加できる。
特にバンドとも決めなかったのはアカペラや楽器のみでの参加も合ったほうが楽しいと考えたからだ。
合唱コンクール自体は半日で終わるので午後から開催することを考えている。
「じゃあ、合唱祭と並行で大変だけどがんばろう!」
* * *
なかがき
久しぶりに二日連続更新です!
ただ、字数はそこまで多くないですが……。
本当に二日連続更新っていつぶりでしょう……(無駄に感動)
次回は多分早くて金曜日、遅かったら新学期前とかになりそうです。
きっと次は音楽祭の参加募集になると思います。
暇なときに読んでくれると嬉しいです。
- Re: あ、そうだ! ( No.51 )
- 日時: 2016/12/09 21:18
- 名前: 夕陽 (ID: tCwHjG.M)
10月 あ、そうだ! 合唱祭をしよう!5
「生徒会からのお知らせだよ! 合唱コンクールの後有志で音楽をしたい人を募集してます! 音楽だったらバンド以外でも全然オッケー! 疑問点があったら生徒会まで」
美琴の元気な放送が流れたのは書類の承認をもらった次の日のことだった。
この放送は高等部に限った放送だったが、1週間の間に8団体もの応募が来た。
* * *
「これなら十分イベント成功するね!」
集まった応募用紙を見ながら美琴は嬉しそうな顔をする。
「確かにこれほどまで応募が来るとはな」
聡も用紙の枚数を見て驚いていた。
冷やかしが数枚来るだけだろうと推測していたが、しっかりした応募が8枚も来たのだ。
「クラスの子でバイオリン習っているけど合唱コンクールで披露できないから嬉しいって言っていました!」
「僕のクラスでもバンド組んでいるけど文化祭に間に合わなかったから来年まで待とうとしていた人がいたので放送聞いたら参加決めてくれましたよ」
希と望は嬉しそうにクラスの報告をする。
その言葉を聞いて美琴はやっぱりこのイベント開催してよかったと思い、書類の書き方を教えてくれた美里おねえちゃんにも感謝しないとと感じていた。
「じゃあ、あとは会場で使う機器の確認だね」
「それなら既に準備しましたよ。ね、むー?」
「ええ。プリントに書かれていた機器はすべて用意しました」
美琴の言葉に希と望が即答する。
「珍しいな、二人が美琴に言われた以外の仕事をするなんて」
「だって、いつまでも会長に頼り切りになるわけにいかないですから」
「それに少しは成長したってこと美琴先輩にも見せたいし」
ねー? と顔を見合わせて言う双子にも聡は驚いたようだった。
「確かに機器は大丈夫だね。本番までにやることはこれで終わりだし今日は解散!」
プリントを確認し終えた美琴はそう言って片づけを始めた。
それに倣ったようにほかの役員も帰りの支度をはじめその日は解散した。
* * *
「おじゃましまーす」
美琴は何のためらいもなく窓から入った。
はたから見れば不審者だが、部屋の主にとっては慣れたことだ。
「いい加減普通に玄関から入ってくれる? 泥棒と勘違いされるわよ?」
部屋の主——美里はそう言って美琴をたしなめる。
「だって、玄関のチャイム鳴らしたのに出ないからわざわざここまで登ってきたんだよ?」
そう、美琴は美里が居留守を使っているのに気付いてなんとか侵入を果たしたのだ。
二階の美里の部屋まで。
「……だからって何で。というか今日は何のために来たの」
「お礼を言おうと思って」
「え?」
美里は当たり前のように相談に来たと思ったので美琴の言葉に目を丸くする。
「あのね、美里おねえちゃんが一緒に考えてくれた企画、上手くいきそうなの!」
「……ああ、そうなの」
「だから、ありがとう」
美琴は美里の手を握って笑った。
曇りのない無邪気な笑顔で。
すると美里は言葉を一瞬失い、何とか言葉を絞り出した。
「そんなことのために危険なことするなんて馬鹿みたい」
言葉は冷たいがそらした顔は少し赤くなっていた。
美琴はそのことに気付き、今度は優しく笑った。
「じゃあね、美里おねえちゃん」
美琴はベランダで靴を取り、玄関から外に出た。
そして残された美里は、
「久しぶりにあの子の計算じゃない部分を見た気がするわ……」
そうつぶやいて赤くなった顔を隠すように机に突っ伏した。
久しぶりに触れた無邪気な笑顔は彼女に爆弾を落としたのだ。
そんなことを全く知らない美琴は合唱コンクールの応募用紙を嬉しそうに眺めていた。
* * *
なかがき
予想の中で一番早い金曜日に更新できてとても嬉しいです。
なかなかこんなことないので。
さて、今回は予告通り参加募集です。
10月はあと1、2回で終わる予定を立てています。
次回は合唱コンクールと有志イベントになる予定です。
あと少し美琴たちの合唱コンクールをお楽しみください。
- Re: あ、そうだ! ( No.52 )
- 日時: 2016/12/24 18:28
- 名前: 夕陽 (ID: tCwHjG.M)
10月 あ、そうだ! 合唱コンクールをしよう!6
ついに合唱コンクール当日。
美琴は確認を終え、自分の席にいた。
合唱コンクールは学校の中にある会場で行われる。
これで優勝すると学食5000円分の金券がそのクラス全員に与えられる。
そのため、レベルが高いところが多い。
また、保護者もそこそこの人数が見に来るのでちょっとしたコンサートみたいだ。
「さあて、後は合唱部次第だね」
美琴は委員長がしている開式の言葉を聞きながらちらりと隣のクラスを見た。
隣のクラスには合唱部部長である工藤花音がやや緊張が見える表情で座っていた。
順番は低学年から高学年。
なので美琴のクラスは最後の方だ。
はじめに出てきたのは1年生。
中等部もやるが日付はずらしているので高等部の1年生だ。
全部で8クラスあるがそのトップバッターは4組だった。
ちなみに順番は公正なくじで事前に決めてある。
こうして1年生が終わり、2年生。
美琴は手元のパンフレットを確認した。
希と望はクラスは別だがたまたま順番が連続していた。
望は指揮者を務め、クラスの声が合わさるように曲の速さに合わせて指揮棒を振っていた。
希はアルトのソロを担当しており、きれいな歌声を会場中に響かせていた。
他のクラスも自分たちにできる精いっぱいの歌を披露していた。
そして3年生。
聡のクラスが最初である。
聡はそこまで歌がうまくはないが決して音痴ではない。
また、聡のクラスには吹奏楽部の指揮担当の人、そしてピアノで全国レベルの大会で入賞した猛者がいる。
なのでかなり気合が入っているようだった。
颯爽と駆け抜けるように歌い上げ、会場からの拍手を盛大にもらっていた。
その拍手のすごさは次のクラスの人たちが、この後に歌うのか……と苦々しい顔をしたほどだ。
そして美琴のクラスの順番がきた。
ちなみに美琴は今まで5年連続でクラスが金賞を受賞している。
つまり今年ここで賞を取れば6連続、負け知らずである。
美琴はいつも伴奏者として舞台に立つが、歌は得意なほうなのでクラスにピアノを弾きながらアドバイスをすることが多々ある。
それで今までの成績があるのだ。
今回、聡のクラスが暫定1位。
つまり、それ以上が最低ラインである。
美琴はクラスのみんなに声をかける。
「(とりあえず、美琴はこの曲で金賞を取る!)」
始めの音がピアノからなりだした。
最初は弱く。
サビにかけて強く。
サビでは一番強く。
指揮者とみんなの歌声に合わせて美琴はピアノを弾いていく。
あっという間に時間は終わった。
一瞬静まり返りそこから降ってわいたように拍手が起こる。
聡のクラスとあまり変わらない、いやそれ以上かもしれないと美琴は思った。
最後のクラスまで歌い終わった。
3年生は聡のクラスと美琴のクラスが拍手が特に大きかったように感じたが、ほとんど差はない。
しかも決めるのは音楽教師と校長先生、教頭先生。
なので拍手の大きさは関係ない。
いよいよ結果発表の時間。
文化委員長の梨咲が小さな紙を持っている。
あれに結果が書いてあるのだ。
「それでは銅賞から発表します。銅賞は——」
そこでいったん区切る。
「3年7組です!」
3年7組から歓声が起こる。
美琴は少しほっとしていた。
「続いて銀賞。銀賞は——」
美琴は梨咲の言葉を見守る。
「3年4組です!」
それは聡のクラスだった。
これで美琴のクラス、3年2組が呼ばれれば美琴は6連続金賞を果たせる。
「最後に金賞の発表です。栄誉ある金賞に輝いたのは……」
* * *
「あーあ、6冠達成ならずかあ」
美琴は口を尖らせ呟いた。
金賞を取ったのは最後のクラスで合唱部部長の花音が所属している3年1組。
ちなみに美琴自身は伴奏者賞をもらったがクラスでは入賞できなかった。
「そんなことより手を動かせ、美琴。指揮者の乗る台位ならお前でも持てるだろ?」
聡はひな壇を解体しながら美琴に指示を出す。
美琴はそれを聞くと少々不満そうにしながらも台を持ち上げた。
「でも美琴さん個人では伴奏者賞6冠達成でしょう?」
そんな美琴を望がなだめるように話しかけた。
「そうですよ! 今までそんな人いませんよ!」
希も望に続くように言った。
「そうだね。確かに伴奏者賞は6冠だ!」
すると美琴は嬉しそうにスキップしながら台を片付けに行った。
意外とわかりやすい……、と周りにいた文化委員は思ったが、午後1時から有志参加イベント、音楽祭が始まるのですぐに今の光景を忘れて自分たちの仕事に戻った。
* * *
「それでは! 合唱コンクールの後ですが早速音楽祭を開催したいと思います! 司会は生徒会長の歌田美琴です」
美琴がノリノリでマイクを握っている。
その様子に会場が盛り上がった。
その歓声は会場の天井を動かすのではないかと思うほど。
人数も3桁は軽く超えているが、もともと会場が広いので会場に対する人口密度はそれほど高くない。
ただ、ほとんどが会場の前の方に集まっているので前の方の熱気がすごい。
「最初は、文化祭後に組んだバンド! 作詞作曲も自分たちで1から作りました! バンド名はレッドファイヤー!」
盛り上がる会場を肌で感じながら美琴は最初の紹介を終えた。
舞台袖に引っ込むと、舞台に立っている時よりひんやりした感触が美琴を包んだ。
「かなり盛り上がっているよ。しかも人もたくさんいる」
美琴は舞台袖に待機している花音に向かって話しかけた。
「そうですね。少し緊張します……」
花音も会場の客席を見たのかややこわばった表情を美琴に向ける。
「緊張するのもわかるけどね〜。会場の雰囲気も合唱部の大会とは違いそうだもん」
「でも、わくわくしてます」
美琴が笑うと花音もつられて笑った。
その顔には先ほどの表情が嘘のように楽しそうな色でいっぱいだった。
「やっぱ強いね。部長さんは」
「これも会長さんのおかげです」
最後に確認がしたいので、と花音は部員の方へ向かう。
まだ始まったばかりで、合唱部の出番は最後なのだが、熱心だなあと美琴はその背を見送った。
「さて、私も台本確認しないと」
美琴は司会者用の台本を確認し始めた。
* * *
問題なく有志の人は終わり残すは合唱部の発表のみ。
「では、最後に! 合唱部の発表です! 曲名はあの有名な合唱曲!」
美琴が引っ込むと合唱部の部員が入れ替わるように舞台に上がる。
そしてアカペラで歌い始めた。
伴奏はないが、それゆえに声が際立つ。
終わってしばらくは今までの熱気の代わりに静けさがその場を支配した。
皆物音を立てずにその音に耳を傾ける。
そしてその演奏が終わって、しばらくは余韻に浸るように誰も一字一句話さなかった。
部長が礼をすると観客は皆その舞台に割れるような拍手を送った。
* * *
「今日はありがとうございました。おかげで、部員たちにも良い刺激になりました」
「も〜、そんなに固くならなくていいのに。私がやりたいことやっただけだから」
音楽祭の片づけが終わった会場で花音は美琴に頭を下げた。
「本当にうれしかったです。文化委員長の梨咲には反対されていたので」
「あっちも立場があるからね。でも、梨咲ちゃんの協力がなかったらこのイベントは成功しなかったから梨咲ちゃんにも感謝しないとね」
「えっ?」
美琴の言葉に花音は目を丸くする。
「梨咲が私たちの活動に反対しなかったんですか?」
「そうだよ。むしろ私が提案したら多少委員会の仕事増やしてでもやりたいって言ってくれたよ」
「そうですか……」
「うん。だから、梨咲ちゃんにもというか梨咲ちゃんにこそお礼を言ってもらいたいかな」
「はい、わかりました」
その言葉を聞くと花音は一礼して会場の出口へ向かう。
きっと、梨咲にお礼を言いに行くのだろう。
「次は何のイベントをやろうかな」
美琴は1人呟いた。
* * *
あとがき
お久しぶりです。
「あとがき」という言葉からもわかる通り今回合唱コンクール編最後です。
あと少しでこの話を書き始めてから2年になりますが相変わらずペースが遅いなあと反省します……。
2年で半年分しか書いてないんですね……。
冬休みに入ったので少しは更新ペースを上げるよう頑張ります。
次回はどんなイベントかお楽しみに!
- Re: あ、そうだ! ( No.53 )
- 日時: 2016/12/25 07:28
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
Merry Christmasですね!!
こんにちは笑
合唱コンクールの話と、番外編を読ませていただきました(o´艸`)←
私もこの前合唱コンクールのあって、自分のと比べながら読んだりしていました。
すごく楽しかったけど、水花学園のも楽しそうだしもりあがりそうだなー、とか……←←
本当に、キャラの個性が引き立っていて私のすぐ側に美琴とかがいるような感じがします!!!
このシリーズ、なんていうか読みやすいけどしっかりしているっていうんでしょうか((日本語
素晴らしい作品だと思ってます!(o´艸`)
それと……美琴のピアノ聴いてみたいです!!
私も合唱コンクールでピアノ弾いたんですけど(もちろん伴奏者の賞は取れず……)、6冠すごいなぁ……
美琴みたいに突拍子だけど、ズバっとしている人には憧れます。
私とは全然違うなーって思ってうらやましいな、とか思ったり←
もう半年(´×ω×`)
これからも美琴たち生徒会の活動楽しみにしています!
もう少しで執筆開始から2年経ちますね!
更新無理ない程度に頑張って下さい!
応援してます(o´艸`)
それではお邪魔しました。
byてるてる522
- Re: あ、そうだ! ( No.54 )
- 日時: 2016/12/27 18:27
- 名前: 夕陽 (ID: w32H.V4h)
てるてる522さん
二日遅れのメリークリスマス!←
合唱コンクール最近やったんですね!
個性が引き立っているって言ってくれてとても嬉しいです!
美琴はお金持ちなので小さいころから習い事の1つでピアノやっているのでw(小説には書いてないですが過去編の時にでも書きたいです←)
私も美琴とは対極の存在なので羨ましいと思います……。
これだけの行動力が私にもあれば……!
更新頑張ります!
コメントありがとうございました!
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