コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- あ、そうだ!
- 日時: 2015/01/01 00:00
- 名前: 夕陽 (ID: jP/CIWxs)
はじめましての方が多いと思います。
いろんな作品を書かせて頂いている夕陽です!
自分の作品の一つが終わったのと新年になったので前々から考えていた作品を書こうかと。(といっても考え始めたのは12月中旬くらいからですが)
内容は生徒会メンバーが巻き起こすイベントみたいな感じです。
よろしくお願いします!
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- Re: あ、そうだ! ( No.25 )
- 日時: 2015/07/12 20:17
- 名前: 夕陽 (ID: WOWRJwNN)
六月 あ、そうだ! 文化祭をしよう!2
「というわけで、今日文化祭実行委員会開くけど生徒会役員は全員参加だからね!」
という美琴のメールで聡は今、会議室に向かっている。
元々去年は文化祭実行委員であり、その時生徒会が参加していたのを知っているのでわざわざ言う必要はないと思うのだが、そこら辺は真面目だ。
いつもこれ位真面目になればいいのに、と聡は思っているが言わない。
絶対聞く耳を持たないからだ。
「失礼します」
会議室に入ると既に数人の実行委員(各クラスに二人)が待機していた。
その中には双子の姿もあった。
「書記、遅いですよ」
「僕達もう5分以上前についてましたけど」
美琴のいうことならたいていの事を聞く双子だからきっと10分近く前には来ていたのだろう。
そして美琴は必ず10分遅れてくる。
それを知っている2年以上の委員達は一人もここにいない。
ちなみにこの会議は高校生のみで行う。
「遅れてごめん!」
きっちり十分後に会議室に駆け込む美琴。
それに対し双子は、
「会長! 来てくれてよかったです!」
「全然大丈夫です」
と聡とは全く違う反応を見せていた。
全員集まっており、会議が始まった。
* * *
「とりあえず、HR企画は決まったね。部活動企画も既にプリント提出してもらったからやることは把握しているし。これで文化祭の企画は全部決まった!」
会議が終わりうれしそうに言う美琴。
実際、ここから予算を均等に配り、生徒会内の道具の貸し借りの受付をしたりと大変なのはここからなのだがそれはほとんど聡に任されるだろう。
「楽しみです!」
「中等部は装飾だけですから、去年始めての高等部文化祭は楽しかったのを覚えています。今年もそうなるといいです」
「まあ私とさとちゃんにとっては最後の文化祭だしね。はりきっていこー!」
はしゃいでいる三人の後ろに人影が見える。
「文化祭なんて、楽しくないのに」
この言葉を聞いたのは、言った本人以外誰もいない。
* * *
なかがき
結局HR企画はめんどくさいので省略しました←
まあもしかしたらふとした時に出るかもしれませんが……。
というわけで文化祭編しばらくお楽しみ下さい!
これはこれで長くなりそうです……。
- Re: あ、そうだ! ( No.26 )
- 日時: 2015/08/02 09:47
- 名前: 夕陽 (ID: WOWRJwNN)
六月 あ、そうだ! 文化祭をしよう!3
「え? 会場が荒らされている?」
「はい、私のクラスのほかにも3階で出し物をするクラスは全てやられています」
生徒会室に駆け込み情報をもたらしたのは34HRの文化祭委員だった。
「どんな風に荒らされていたんだ?」
その言葉を美琴の隣で聞いていた聡が言う。
「私のクラスは昨日まで作っていた飾りが全て壊されていました。他のクラスもそのような感じです」
「昨日までは普通だったのに?」
「ええ。私が戸締りした7時には全く異変はありませんでした」
確かに7時には全生徒下校したはずだ。
文化祭準備期間とはいえ、あまりに遅いのは保護者も心配するからだ。
「分かった、報告ありがとう。とりあえず3階の皆にこの件は生徒会が何とかするって言っておいてくれないかな? もう時間も遅いし帰ったほうがいいよ」
美琴はそう言って文化祭委員の子を帰す。
時計の針は7時をさす少し前だった。
* * *
「というわけで今日は私の家で作戦会議だっ!」
「それは誘拐する前に言ってくれないか……」
意味も分からずつれてこられた聡は疲れたような声を出す。
実際疲れているのだろう。
毎日文化祭関係の仕事をほぼ一人でこなしているのだから。
「久しぶりだな、会長の家!」
「確かに」
同じく意味も分からず連れてこられた双子は元気そうな様子。
「じゃあ、文化祭前に教室が荒らされている事件について話し合うか」
「名前長いな……」
「じゃあ文化祭事件で」
「それでいいだろ」
名前が長いので省略し、話し合う。
「でもなんで文化祭事件は3階しか起こらなかったのかが不思議だよね」
希は不思議そうに言う。
「確かに。2階にも出し物があったのにね」
望もその点は気になっていたようで希に同意する。
「それより、犯人はどうやって教室に入ったんだ? 鍵を閉めたら見回り以外入れないじゃないか」
一応忘れ物をしたら職員室に鍵を取りに行くことが出来る。
しかし、10室も借りていたら不審に思われるだろう。
そして見回りは生徒会と実行委員会のみ。
生徒会はクラスを、実行委員会は部活の出し物を見回る。
しかし4人単位で行動するので不審な行動をしていたらすぐ他の三人が気付くだろう。
だが、その報告は聞いていない。
昨日の見回り結果は13HRが鍵を開けっ放しにしていたのと35HRがらんまをあけてあっただけで特に異変はなかったという。
「というとあの人が関っているのかな?」
美琴はいつもとは違う困った表情で呟いた。
- Re: あ、そうだ! ( No.27 )
- 日時: 2015/08/13 19:16
- 名前: 夕陽 (ID: WOWRJwNN)
六月 あ、そうだ! 文化祭をしよう!4
「何で荒らすんですか?」
美琴は狭いマンションの一室を訪ねていた。
目の前には黒髪の綺麗な20代の女性。
「あら? なんのことかしら?」
その女性は、しらばっくれるように窓の外を見る。
その口元は弧を書いていた。
「笑ってないで答えてください。あなたでしょう? 文化祭の邪魔をしたのは」
いつものおちゃらけた美琴とは違う、鋭い言葉を彼女に投げる。
「もう、怖い顔しないで。美琴ちゃんは笑顔が似合うわよ? だって」
ここで一度止め、窓の外から視点を移す。
美琴の目を見たまま、楽しそうに言葉を続けた。
「私の、“いもうと”だからね」
美琴はその言葉に反対の声を上げようとしたが、それすらも彼女の手の中にあることを熟知しているのでかわりに深呼吸をする。
そしていつもの、“水花学園の生徒会長”としての美琴で話しかける。
「そうだよねっ。やっぱ似てるよねっ!」
「ええ、とても。まああなたは変わってしまったみたいだけど」
「そうかな? お姉ちゃんも……、ミリも変わってるじゃん」
“ミリ”という言葉を聞いた時、彼女の顔が変化した。
まるで、その言葉を憎んでいるように醜く歪む。
「その呼び名は、止めなさい」
「なんで? 昔はミリって呼んでたよね? 美里(みさと)お姉ちゃんのこと」
にこにこしている美琴とは対称的に、美里は憎悪の眼をしている。
「あんたは! いつまで私をバカにすれば気が済むの!?」
「別にバカにはしてないよ? さとちゃんだと、書記と被っちゃうし、美里ってミリとも呼べるでしょ?」
心外だというように首をかしげる。
「どうせ、その言葉は……!」
しかしそれ以上言っても無駄だと悟ったのかぐっと唇を噛みしめ、言葉を飲み込んだ。
「でさ、文化祭のことなんだけど、困ったことが起きててさ」
美琴はさらりと文化祭のことに話を戻す。
「その困ったことを解決するために協力してくれないかな?」
「嫌よ。誰が、誰があんたのために教室を荒らされないように対策立てなきゃいけないのよ!」
美琴は取り乱している美里を見て、いたずらが成功したような笑みを浮かべた。
「あれー? 誰が困っていることに“教室が荒らされていること”って言った? 確かに荒らされているとは言ったけど教室だとは限らないよね?」
そして、とどめの一言。
「もしかして——知ってたの?」
美里はその言葉に逆に開き直ったように笑う。
「ええ、知ってたわ。だって、やったのは私ですもの。それでどうするつもり?」
「だよね〜。じゃあ、今日からミリ……美里お姉ちゃんも、文化祭の準備参加してもらうから! 一人でも多いほうがいいでしょ?」
無邪気な笑みを浮かべる美琴に美里はため息をつく。
「あんたは、何も考えなくていいわね」
精一杯の皮肉だが美琴は動じず、
「美里お姉ちゃんが考えすぎなんだよっ! じゃあ、明日から迎え来てもらうよう頼むから!」
「迎えはいらない」
「でも、そうしないと逃げちゃうでしょ?」
「迎えはいらない。しっかり行くから、迎えはいらない」
頑固な美里に美琴は、
「ならいいや。明日、4時に水花学園来てね! 卒業生だから生徒会室の場所は分かるよね? 生徒会室に集合だから! もし来なかったら、お父さんに頼んで全力で探してもらうからねっ!」
とマシンガンのように喋り、帰っていった。
「美琴にはああ言われたけど、頼まれたし文化祭は阻止しないと……」
誰もいない、暗くなった部屋で美里は小さく呟いた。
- Re: あ、そうだ! ( No.28 )
- 日時: 2015/08/21 21:26
- 名前: 夕陽 (ID: WzE/lQPv)
六月 あ、そうだ! 文化祭をしよう!5
「という訳で、今日は3年前の生徒会長である美里さん来るから!」
美琴は昨日の事をかいつまんで話した。
「それにしても、美琴さんすごいですね!」
「よく犯人分かりましたね」
希と望が美琴を褒める。
まあ、ミリは私のお姉ちゃんだしと美琴は思ったがおくびにも出さない。
「とりあえず、そろそろ時間になるわけだが」
聡が時計を見て言う。
時計は短い針が4、長い針が12を指している。
すると、
「こんにちは」
黒髪の綺麗な女性が入ってきた。
スーツを着ていて、“出来る人”と言った風格が出ている。
美里は大人っぽく微笑んで空いている席に座る。
その動作は自然でまるで生徒会の顧問のようだ。
「美里さん来たから始めるか!」
美琴のその言葉で今日の作業が始まった。
* * *
美里も元生徒会長だったからか要領よく働き、荒らされていた部屋も戻った。
しかしほっとしたのもつかの間、次の日には同じことが起きているのだった……。
* * *
あとがき
今回も長くなりそうです……。
ちなみに美里と美琴はちょっと関係がねじれている(?)ので関係性は生徒会役員は知りません。
今回、短くてすみません……。
- Re: あ、そうだ! ( No.29 )
- 日時: 2015/08/25 13:43
- 名前: 夕陽 (ID: WzE/lQPv)
今回美里視点です。
六月 あ、そうだ! 文化祭をしよう!6
「いつもすみません」
私に電話してきたあの子は小さな声で言った。
「いいのよ、依頼してもらったらしっかり仕事するのが私だからね」
「でも、生徒会長に巻き込まれて……」
ということは見られたのか、あの仕事風景を。
まあ放課後残っていた人なら誰でも知ってると思うけれど。
「大丈夫よ。生徒会長には確かに気付かれたけど、あなたのことは全く話してないわ」
きっと美琴は私が美琴が憎くて今回の事件を起こしたと考えるはず。
私に被害があれど彼女に被害が出ることはないだろう。
「でも、本当にいいの? 文化祭なくしても」
その言葉にしばらく無言が続く。
「……はい、いいです」
そして告げられた言葉は、肯定。
まあ事情は分かるし、納得はするのだけれど。
「分かったわ。で、用件は?」
「心配だったのでかけただけです。それでは」
その言葉を最後に電話を切られた。
「やっぱり依頼者いたんだねっ!」
その瞬間後ろから声をかけられた。
「だ、誰よ! ……って美琴! どうしてここに!?」
「だってドア開いてたし」
「そういう問題じゃないでしょ!」
「まあまあ。一応姉妹だしいいじゃん。で、依頼者誰?」
「知らないわよ」
実際名前は知らない。
知っているのは所属学年と性別だけだ。
「名前知らない人の依頼受けてるの?」
「まあね」
「そこまで言うなら美琴が勝手に調べちゃうよ〜?」
「ご勝手に」
小学生から高校生までたくさんの人がいる水花学園で見つけることなど困難なことだけど。
「じゃあ、また明日!」
それだけ言って美琴は去っていった。
「何しにきたのよ、美琴は」
そして美琴の言葉に明日も当然のように巻き込まれることが確定していることに気付き頭を抱えた。
* * *
あとがき
行き当たりばったりでかいてる弊害が徐々に出てきました……。
ある程度決めているんですけど、その通りにキャラが動かない……。
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