コメディ・ライト小説(新)
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- 地味子の恋嫌い
- 日時: 2017/09/18 14:43
- 名前: アンジュ (ID: 0BucpTCd)
昔から、恋だの愛だのしろって言われてあーうるさい。
恋愛のない世界に生まれたかったなぁ。
そしたら、あんなことに巻き込まれずにすんだのに。
建物などなく、自然豊かな野原で寝そべって本を読んでいる私。
私の名前は雨宮千里15歳の高校1年生。
地味で中学の時はイジメにあって人間不信になっている。
なぜ、地味かって?今に分かる。
私は今家に居るのが嫌でここで優雅に読書を嗜んでいるところだ。
風が気持ちいい。
今は秋、4月から泉水高校に通い始めた。
でも、友達とかが出来ず不登校になった。
まぁ、いずれはまた通うから今は休憩というところかな。
自己紹介はさておき。
また、読書をし始めようとしたとき、
「なぁ、ここで何してんの?」
- Re: 地味子の恋嫌い ( No.53 )
- 日時: 2020/05/04 23:46
- 名前: アンジュ (ID: rR82qnqT)
一方、笹ヶ峰と、晃はというと、
2人は校長先生の部屋をあとにして、家に帰るために帰路を歩いている最中だ。
バスは静かに乗って家までそんなに遠くないところまで歩き進んでいる。
2人で歩くのは初めてで、いつもなら千里と3人で歩くのだが。
何を話していいのか分からず静かな2人。
笹ヶ峰は紫苑になっている。まだ着替えてない。
しかし、晃が口を開いた。
「時雨君、千里ちゃんは大丈夫なのかな?」
「さあね、知らない。」
「僕さ、心配なんだよ。千里ちゃんは僕が守ってあげないと危ない目にあっちゃうんだよ。」
「あたしのいなかったときも?」
「そうだよ、中学生のときは、千里ちゃんはバドミントン部の主将だったんだよ。でもそれを認めない部員の子たちが悪さをして千里ちゃんのいつも使っていたラケットのガットをハサミで切り刻んだり、あとはどこから持ってきたのか分からないような泥をシューズの中に入れてたりと相当な嫌がらせがあったよ。」
「それは、どうやって解決したん?」
「ある勝負をして、千里ちゃんは圧勝して悪さをした人たちを全員退部にさせたのさ。」
「おーすげーなあ。」
「多分だけど、千里ちゃんはあの人たちを違う手段で成敗するかもね。」
「千里って敵に回すととんでもない人なんだぁ。へーこわww」
「千里ちゃんはほんとにすごいよ。」
「ねぇ、千里っていったい何者なん?」
「千里ちゃんは普通の女子高校生だよ。強いて言うなら、文学少女で一応小説家だね。」
「小説家!?はぁ!!」
笹ヶ峰はその場で大声を出してしまい、ちょうど家の近くを歩いていて笹ヶ峰の声は近所の人に聞こえていた。
晃は慌てて笹ヶ峰の口を塞い(ふさい)だ。
「ちょっと静かにしなよ、聞こえちゃうじゃないか。」
もごもごと口を動かしているが晃には聞こえない。
離してとジタバタしていたときに、
「あら、お帰りなさい、2人とも。」
後ろから千里の母千秋が2人に声をかけてきた。
「あ、どうもこんにちは。」
「晃君は毎日学校に行ってて偉いわね、それに比べてうちの千里は何てだらしないの。」
「そんなことはないです、千秋さん。」
- Re: 地味子の恋嫌い ( No.54 )
- 日時: 2020/05/05 00:21
- 名前: アンジュ (ID: rR82qnqT)
「あら、どうして?」
「千里ちゃんは、今日は戦いに学校に行ったんですよ。すごくないですか?」
「そうなのね、まっお遊びはほどほどにしなさいね。」
千秋にさらりと話を流されてしまった。
晃は必死に今日のことを話すが全く聞いてもらえない。
悲しい顔をしていると、今度は紫苑が口を開きだした。
「あの、千秋さんはどうして千里を嫌ってるんですか?親子ですよね?」
紫苑が問いだしても千秋はなにも言わず、家の中に入ってしまった。
多分だが親なりに悩みを抱えているのかもしれないと紫苑は思った。
2人になった途端、一体2人で何を話していたのか分からなくなってしまった。
「とりあえず、うちに入る?それとも、もう解散する?」と紫苑が言った。
晃の返事は、「いいよ、もう帰るよ。また何かあったらLINEしてね、あと、千里ちゃんが帰ってきたら、僕が心配してたって伝えてね。それじゃ。」
手を振って晃は自分の帰路を歩き出した。
残された紫苑は、晃の後ろ姿を見送ったあと、家の中に入った。
ーーーカランカランーー
ドアの上にあるベルとともに私と蒼は喫茶店の中に入った。
「いらっしゃい。」
マスターらしき人がカウンターで出迎えてくれた。
50代くらいの少し髭の生えていて、薄っすら頭が剥げている少しダンディーなマスター
中に入るとコーヒーの匂いがした。いかにも飲んでくつろいでくださいと言わんばかりの匂いだ。
辺りを見回すと、がらんとしていて、ポツンと人が座っているだけ、カウンター席には1人しか座っていない。その1人は男性で何やらマスターとにぎやかに話していてとても楽しそうだ。
私は中の奥に周り、空いている席に座った。蒼は私の向かい側に座った。
私といるのが恥ずかしいのかそれともこの庶民のようなお店に入るのが初めてでとても自分には合わないと思っているように感じる。
「どうしたんですか?お手洗いですか?」
「違う。」
「じゃあ何があったんですか?」
私が問うと顔を真っ赤にして俯いている。これがなんとも可愛らしいのだろうか。
少しして、蒼が口を開いた。
「お、俺、ゆり以外の女とこうして出かけたことがない。ましてや長い時間話したことがない。一体どうしたらいい。」
私はクスッと笑ってしまった。
「な、なにがおかしい。」
「ごめんなさい、つい可愛らしいと思いまして。」
「俺が可愛いだと?ふざけるな。」
「謝りましたよ。それに、その女の子に対して暴言を吐いてはいけませんよ。」
「すまない。」
「さ、せっかくですからなにかを頼みましょ。」
「そうだな。」
私たちは近くにあったメニューののった冊子をそれぞれ手に取り、手元を見ながら悩んでいた。
「蒼はどれにしますか?」
「そうだな、俺はこの店限定のケーキにする。見た目でおいしそうと思ったからだ。」
「私もそのケーキにしようと思いました。お飲み物はなににしますか?私はミルクティーにします。」
「俺は、普通に紅茶にする。アップルティーで。」
「それではマスターを呼びますね。」
私はマスターを呼び出して、注文を頼んだ。
マスターは優しそうな目で私たちを見ていた。
多分だが、私たちを恋人か何かに見えてのだろう。
マスターはカウンターに戻りさっそうと準備をしていた。
その間私たちは、この後のことについて話をした。
途中で、蒼が、さっきのバスに乗っているときに言えなかったことを私に話してきた。
この人私のことが好きなのかと思ってしまった。
- Re: 地味子の恋嫌い ( No.55 )
- 日時: 2020/05/15 14:35
- 名前: アンジュ (ID: rR82qnqT)
「はい、お待たせしました。」
マスターはおぼんを持ちながらコトリとテーブルの上に、ケーキ2つに自分たちの頼んだ飲み物、スプーンやフォークが入っている入れ物を置いた。
おぼんの上が空になり、自分の胸の前におぼんを持って、「では、ごゆっくり。」と言って戻ってしまった。
私たち2人は目を輝かせて、ケーキを見ていた。
見た目は普通のショートケーキっぽいが生クリーム、イチゴのジャムが塗られており、上にはホイップクリーム、とても甘そうなイチゴが点々とあり、そのほかいくつかのフルーツが盛られていた。
私は即座にスマホを取り出して、パシャリと写真を撮ってしまった。
ちらっと蒼の方を見ると、嬉しそうな表情をした。
「どうしたんですか?」
と聞くと、
「嬉しそうだなって思って、見とれてた。」と恥ずかしそうに言ってきた。
私は顔を赤らめて下を向いていた。
「さ、食べよっか。」
蒼は入れ物からスプーンとフォークを2セット取り出し、私に1セット差し出した。
私はケーキをスプーンで1すくいして口に入れた。
ほんのり甘いスポンジと生クリームの甘さとマッチしていて美味しく感じる。
それから少し焦げ目があるがそこも生クリームでカバーしてあり、いい味を出している。
頬っぺたが落ちるくらい美味しくまた1すくいして口いわれに入れた。
それを見ていた蒼はまた嬉しそうな表情を浮かべていた。
「ほんとにうまそうに食べるなぁ。」
食べている最中に言われるととても恥ずかしくなり、ぴたりとスプーンを持っている手を止めた。
「そのお言葉は嬉しいです。ありがとうございます。」
「あのさ俺、年上だけど、俺命令で今から敬語をやめて普通に話せ。」
「なぜですか?」
「その方が話しやすいからだ。」
「分かった。それじゃ敬語はなしにする。それから、私、もう家に帰りたい。」
スマホを見るともう18:30になっていた。
「もうこんな時間か、もう帰るか。」
私たちは少しの会話に少し花を咲かせながらケーキを間食し、荷物を持ってカウンターに行き、お会計を済ませて店を出た。
近くで波の音がしている、落ち着く音。ずっと波の音を聞いていたい。
蒼が口を開いた。
「俺、家に電話して迎えに来てもらうが、雨宮はどうするんだ?」
「私はここからの帰り道は分かってるから。」
「でも、こんな暗い時間に女の子1人でいてはだめだ。俺と一緒にいた方がいい。」
蒼はとっさに私の腕を掴んだ。
「やめてください!!」
「おい!お前、そこで何やってるんだ!千里を離せ!」
- Re: 地味子の恋嫌い ( No.56 )
- 日時: 2020/05/29 18:06
- 名前: 繧「繝ウ繧ク繝・ (ID: rR82qnqT)
私はこの声の主を知りたくて振り向いてしまった。
「え、あ、晃?」
晃だった。
息を切らせながらこっちに走ってきて、その瞬間、
バシっと蒼の頬を利き手で叩いた。
「痛っ、誰だ!」
「僕だよ、千里ちゃんから離れろ!」
晃は私を自分の方に寄せて離れるようにさせた。
「お前、雨宮さんのなんだ?」
「幼馴染だよ、行こっ千里ちゃん。」
言われて私は晃のあとを追うようにして歩いた。
その後ろで蒼はなにか寂し気な表情を浮かべて私たちを見ていた。
少し歩いて、
「ねー、晃!晃ってば!」
私と晃の距離は少し遠くて、どうにも追いつけなくて叫んでしまった。
すると、前にいた晃が戻ってきて私に抱き着いてきた。
「怖かったよ――、僕、あんな風に人を殴ったことなくて、でも千里ちゃんが危険な目に合ってると思ってとっさの判断だったんだよーーー」
泣きながら私に縋り(すがり)付いてきた。
私は晃の頭を撫でながら、「全く、仕方ない人ね。でも、ありがと。」笑顔で言った。
晃の顔は下を向いてて見えないが、何だか嬉しそうな感じがした。
「さ、もう歩くよ、いい加減離れてよ。」
私がそういうと晃は私から離れて今度は、手をつなごうとしてきた。
晃の優しさが伝わってくる感じでこそばゆい。
つないだ手から、あーもうあの頃の晃ではないんだなって思ってしまうくらい今の晃が変わってしまった。
「そーいえばさ、あの人誰?」
「あの人って、蒼さんのこと?」
「うん。」
「うちの高校の校長先生の孫。」
「えーそんな人がなんでうちの学校にいたんだい?」
「んー教えない。」笑ってそう返した。
「教えてよ。」
「嫌だ、てゆーか、晃こそどうしてそこにいたの。」
「さっき千里ちゃんたちの目の前にある喫茶店、実は僕のおじいちゃんがそこの喫茶店マスターなんだ。」
驚いた、そんなこと初耳だ。
「そ、そうなんだ。」
ふと晃は私の手を離して私の前に立った。
「な、どうしたのよ。」
「校長先生のお孫さんと何話してたの?」
「べ、別にいいでしょ、晃は気にしなくていいよ。」
私がそっぽを向くと、また、腕を掴んできた。
「な、なによ、離してちょうだい。」
「俺、千里が心配なんだ。中学の頃はなにもできなくて何もできない自分自身にイライラしてた。今度は千里を助けるって。」
なんか、この言葉、今日で2回目だな。どんだけ私のこと心配してんのかなと思いながら私は真剣に晃の話を聞いた。
「でも、千里は、また隠して何でもないような顔をしてる。ほんとは辛いくせに。俺、そういう隠してポーカーフェイス保って話している千里は嫌いだ。」
初めて、千里て呼び捨てされたし、初めて嫌いって言われた。
その言葉に私は俯(うつむ)いて、その瞬間、ポタポタと涙が溢れてきた。
どうして、私のことなんかほっといてほしいのに。
私の顔を見た晃は慌てて、ポケットの中からハンカチを出して私の目を拭いた。
「ご、ごめんね、ひどいこと言ってしまったね。」
- Re: 地味子の恋嫌い ( No.57 )
- 日時: 2020/05/29 18:11
- 名前: アンジュ (ID: rR82qnqT)
先ほどの作者名ですが、「アンジュ」です。
文字化けした感じなので、安心してください
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