コメディ・ライト小説(新)

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地味子の恋嫌い
日時: 2017/09/18 14:43
名前: アンジュ (ID: 0BucpTCd)

昔から、恋だの愛だのしろって言われてあーうるさい。
恋愛のない世界に生まれたかったなぁ。
そしたら、あんなことに巻き込まれずにすんだのに。

建物などなく、自然豊かな野原で寝そべって本を読んでいる私。
私の名前は雨宮千里あめみや・ちさと15歳の高校1年生。
地味で中学の時はイジメにあって人間不信になっている。
なぜ、地味かって?今に分かる。
私は今家に居るのが嫌でここで優雅に読書を嗜んでいるところだ。
風が気持ちいい。
今は秋、4月から泉水高校に通い始めた。
でも、友達とかが出来ず不登校になった。
まぁ、いずれはまた通うから今は休憩というところかな。
自己紹介はさておき。
また、読書をし始めようとしたとき、
「なぁ、ここで何してんの?」

Re: 地味子の恋嫌い ( No.48 )
日時: 2020/04/19 15:59
名前: アンジュ (ID: rR82qnqT)

少しだけ響いた校長先生の後頭部を叩かれる音。
シーンと一旦はなったが、
一体何が起きたのか分からなかったが、やっと思考回路が回ってきて今状況が読み込めた。
「じいちゃん、なに俺らを殺してんだよ。まだ生きてんだよ。」
「そうですわ、おじい様ひどいですわ。あら、千里ちゃんじゃないですか。」
「おー!雨宮!久しぶりだな、元気にしてたか?」
この人たちはテンション高くてとても追いつけない。
久しぶりに見た蒼の笑顔はどことなく無邪気な感じに思えて、それを笑う優里奈のクスッとした顔はお嬢様らしさを感じる。
この人たちに会いたくてまた学校に来たんだ。
私はハニカムように笑顔を出した。
「元気です。」
私の笑顔に答えるかのように蒼が私に近づいてストレートに伸びた黒い髪を触って、
「雨宮が元気でよかった。お前が学校に来ないから俺とゆりは寂しがってたんだぞ。」
どことなく悲しげな表情を浮かべていた。
よほど寂しかったんだなって思った。
「大丈夫です、心配ご無用。私はまた学校に行きます。貴方たちに会いに。」
2人は嬉しそうだった。
「おほん。」
校長先生が咳払いをして一気に空気は変化した。
「申し訳ない、蒼たちが来るのは予想外じゃった。さっきのは軽いジョークじゃよ。可愛い老いぼれを許しておくれ。」
一回ウインクして私たちに言った。
しっかりとした人かと思っていたが、意外と可愛げのあるおじいさんだと思い始めた。
蒼は呆れて、「仕方ない、じいちゃんの頼みだ。許す。」
「おー愛する孫よ。」
校長先生は蒼に抱き着こうとしたが、蒼はかわして、涼しげな顔をしていた。
そこで話は終わり、校長先生は顔を赤くしてまた咳ばらいをした。
「話しはそれたが、本題に入ろう。雨宮さん、お主はこの事件があったが今後は学校を変えずに毎日通うのじゃな?」
「はい。」
「あのー」
ふとその声の元を見ると優里奈だった。
ちょこっと手を挙げて何か言おうとしている。
「優里奈、どうしたんじゃ?」
「私は今千里ちゃんが苦しんでいると思います。」
「ほう、そうには思えないが、なぜじゃ?」
「その理由は、この学校で千里ちゃんの同級生が千里ちゃんをいじめたんです。それなのに千里ちゃんはこの学校に通うんですよ、苦痛過ぎないじゃないですか。」
「それは雨宮さんが判断したことじゃ。」
「それもそうなんですが。」
「俺はゆりの意見に賛成であるが、一つ提案がある。」
「ほほう、提案とは、」
その提案は、、、実は蒼と優里奈は泉高校の生徒ではない。蒼の祖父である校長先生の頼みでこの学校の書庫室を守ってほしいということで放課後はこの学校にいるそうだ。
ちなみに特待生だが、違う学校の特待生である。
もどり、提案は千里を蒼と優里奈の通っている学校に通わせるという提案だ。その高校は、泉高校よりも少し偏差値の高くいじめもない平和な学校『清陵高校』である。

Re: 地味子の恋嫌い ( No.49 )
日時: 2020/04/05 17:13
名前: アンジュ (ID: rR82qnqT)

もし、私が清陵高校に転校するのならば蒼と優里奈たちの親が全額負担してくれるという。
上手い話だが、あの人たちから離れるのならこれしかないと。
「なあ、どうなんだ、雨宮。」
私は、どうしようかと悩んでいた。

そして、
「私は、清陵高校に行きます。」
蒼たちは喜んで、「そうか、嬉しいな、んじゃ、手続きは簡単だからまたあとで話す。」
優里奈は私の手を握って「嬉しい、もうずっと一緒ですわね。これを機に連絡先を交換しましょ。」
2人と私はLINEの交換をした。
それから2人は校長室から出た。

これでいいのかと思っていたが、別にいいや
時雨や晃と離れたって別に何もない
「校長先生、これで話は終わったので、私は帰ります。」
「転校届は明後日に出す。心配せんでいい、あの子らは優秀じゃ。」

私は礼を言って校長室をあとにした。
校長室の前の廊下で何やら誰かが話していた。
「てかさーなんでうちらがあんな処罰されなくちゃいけねーんだよ。」
「ほんとよね、確かにいじめたのは私たちでも、クラスのみんな私たちの命令なくあいつに無視してたのよね。」
「皆さん同罪ですわ、わたくしたちのほかの人に処罰したほしいです。」
あの3人組だ。
私は恐る恐る彼女らの会話を耳にしていた。
しかし、
誰かが背後から私の肩を掴んで、
「長谷川の姉さん、須藤さん、橘さん、貴方たちの後ろでこのネズミが性格の悪いことをしてましたよ。」
「痛い、離して。きゃ」
私は強引に押し出され、その場で倒れた。
お尻を打ったのかさすりながら起き上がり、前を見ると、あの3人組が私の前に立っていた。
「おーい、やっと校長から逃れたのか、で、また先生にアタイらのことをチクろうとしてんのか?どうとか言えよ!」
御影は私の肩を押して、また倒れた。
そして、御影は私の腹を足で蹴った。それも何回も。
「やめて、もうやめてよ。」
「は、やめねーよ。てかさ、お前がチクんねーよーにアタイらがやっつけてやる。」
私は泣いて、もう声の出さないように黙って御影の動きが止むまで耐えた。
少し止んで、収まったかと思ったら、
御影に私の前髪を掴んで、
「お前の顔を見ると気分が悪いんだよ。」
「そうよ、なんで私たちがあんたみたいな化け物を阻止しようとしてんのか分かってんの?」
「醜いからですよ。」
「だから、ささっと、この学校から去れ!」
と言って御影は私の頭を掴んで、ちょうど柱のある所にまで行って、顔をぶつけさせた。
それから私は気を失った。この世の終わりかと思った。
しかし、
「離せよ。」
「なにするんですか。」
「やめてよ。」
一体なにが起きたのか分からなかった。
私の顔は柱にぶつけることなく綺麗なままだ。
辺りを見ると、先生らが総出で3人を捕まえている。
なにがあったのか
近くにいた女の先生に聞くと、
「あら、貴方が雨宮さん?そうよね。」
「はい。」
「よかったー」
と言って私を抱きしめた。
「大丈夫?どこも痛くない?」
この人は何を言っているのかと疑うほど困惑していた。
「よく聞いてね、この件であの子たちは正式に警察に連行されることになったの。」

Re: 地味子の恋嫌い ( No.50 )
日時: 2020/04/14 23:59
名前: アンジュ (ID: rR82qnqT)

はあ、そうなんですかとしか言えなくてそのままフッと再び気を失った。
自分でもどれだけ気を失ったのか分からなかった。

それから目を覚ますと、知らないところにいた。
布団の中にいて、保健室なのかどうなのか、少し病院の匂いが鼻にくる。
んーとうなってむくりと起きると、横には制服姿の蒼が伏せて寝ていた。
どうして蒼がいるのか、それよりも優里奈はどうしたのか。いろいろ考えていた。
私が起きたのを気づいたかのように蒼もゆっくりと体を起こした。
「もう気がついたのか?」
欠伸をしながらそう言った。今にも眠そうだ。
「はい、私は気を失っている間何が起きていましたか?」
「実はな、俺とゆりは今後の雨宮のことを話しながら書庫室に向かって歩いていた。しかし、とちゅうで誰かの叫び声が聞こえて、ゆりに書庫室の番は任せたって言って俺たちは別々の行動をした。俺が叫び声の元を辿るとさっき校長室を出たばかりだったが、雨宮が女の先生に抱かれて寝ていた。それも複数の痣(あざ)と各箇所に血が流れていた。俺は元保健委員ということもあって先生に『俺がこの人を抱えて保健室に行きます。』って伝えてある程度処置して布団を用意して寝かせたわけ。まだ傷が痛むのは仕方ない。あとは安静にするべきだな。感謝しろよ。」
私はこの世にこんなに私のことを優しくしてくれる人がいたのかと思うと涙が右目からほろりと出てきた。
蒼は私が泣いているのを驚いて私の涙を制服の袖で拭いた。
「おいおい、そんなことで泣くなよ。」
「泣いてません。」
蒼は笑いながら、「ごめんな、俺が悪いことしてしまったな。」
「はい、涼宮さんは私に悪いことしました。」
「おい、なんだよ、俺は傷の手当をしただけなのに、どうして悪者扱いなんだ。」
「私の心を動かしたからです。」
「心を動かした?」
「私は今までいじめられて自分のことを否定され続けて優しさなんて感じたことありませんでした。それなのに涼宮さんは私に優しくしてくださいました。」
蒼は私の頭をとっさに撫でた。
「やめてください。」
「やめない、雨宮に優しくして何が悪い。」
私は蒼の手を振り払った。あまりにも嫌でやめてくれないから。
そして私は布団から飛び出して、靴を履かずに部屋を出た。


Re: 地味子の恋嫌い ( No.51 )
日時: 2020/04/19 16:04
名前: アンジュ (ID: rR82qnqT)

どこに向かって走っているのか分からない、がむしゃらに走っている。
しかし、体力がないこととさっき御影にやられたおかげで思うように動けず途中で転んでしまった。
「痛い、おでこぶつけた。」
下を見ると少し硬い床でぶつけると当たり前のように痛い。
私がうずくまっていると、
「こんなところにいた、探したぜ。」
前には蒼がいた。
私はうずくまりながら涙を流していた。
とっさに蒼は自分の右袖で私の涙を拭いた。
「あの、なぜ私を追いかけたんですか。私は必要ない存在ですよ。」
蒼は黙って私の涙を拭いている、まだ涙はポロポロと出ている。
「ちょっと聞いていますか。私の話。」
ふと蒼は手を止めて後ろに隠していた私の内履きズックを手に取って私に差し出した。

「わざわざこれのためにですか?」
「それだけじゃない。悪いが、今日家に帰ったら即家に出る準備をしろ。」
「え、どういうことですか?」
「黙って聞け、のちに清陵高校の転校の続きに取り掛かるが、その前に雨宮、自分の家から出て俺たちの住んでいる屋敷に来い。俺はお前が心配だ。」
「分かりました、家に帰って親と時雨に話します。」
「ダメだ。」
「なぜですか、じゃないと許可もらえません。」
「時雨って誰だ、男か?」
「一応男です。」
「なおさらダメだ、いいか、この話は誰にもしゃべるな。黙って家を出ろ。家に出る準備ができたら俺に連絡しろ、スマホ持ってるよな?」
「一応持ってますがさっきLINE交換しましたよね?」
「あ、ほんとだった、悪い。だが携帯電話は知らないだろ?
「別にいいじゃないですか。LINE通話で電話できるじゃないですか。」
「そうか、だよな。」
しばらく沈黙があった。


「それから、このあと空いてるか?」
「空いてるといいますか、何かあるんですか?」
「俺と夕方一緒にいて欲しい。ゆりには先に帰ったと言っておくから。」
「お断りします、私は男の人と一緒にいるようなふしだらなことはできません。蒼さんは何を考えてますか?」
蒼は苦笑いをしながら、
「あぁ、そうだな、しかしな、さっきも言ったが俺は雨宮が心配だ。だから今回は夕方だけ一緒にいて欲しい。」
いかにも真剣でとてもじゃないが断りにくい。
思わず分かりましたと言ってしまった。

Re: 地味子の恋嫌い ( No.52 )
日時: 2020/04/19 16:35
名前: アンジュ (ID: rR82qnqT)

それから私たちは生徒玄関から出て、近くのバス停に向かった。
しかし、私は蒼に手をつなげと命令されたので嫌々手をつなぐことになり、つないだまま歩いている。
もうこの気持ちは何だ気持ちが悪い。
「あの、「あのさ、
「は、はいなんですか。」
「さっきから俺のこと蒼さんって呼んでるよな。」
ハッと今になって気づいてしまった。私のしたことが。何とも言えないくらいに恥ずかしい。
「そそうですね、涼宮さん。」
「蒼と呼んでくれ。」
私は頷いてそのまま黙った。
「バスが来て私たちはそれに乗った、どこに向かうのかと私は聞くがシカトされてしまった。
それからまた沈黙が始まり、もういいやと思って蒼の手を離してカバンは私が転んだ時に蒼が内履きとついでにカバンもと私に返してくれた。
カバンの中にウォークマンを取り出してイヤホンを両耳にかけて音楽を流した。
気分よく音楽を聴いていると、耳元でおいという声が聞こえた。
私は片方の耳からイヤホンを外して、
「どうしたんですか。」
「なんの音楽を聴いてるんだ?」
「いろいろです。」
素っ気なく返事たが、蒼は急に私の外していたイヤホンを自分の耳につけて聞いていた。
「こんなもんを聞いているのか。」
「いきなりなんですか」
「ん?心臓の音が激しく鳴ってるぞ、どうかしたんか?まさか俺のことでか?」
「うるさい!」怒って次のバス停で降りる準備をした。しかし、
「ちょっと待てよ、ごめん、冗談だよ。お願いだ、俺を嫌わないでくれ。」
なんとも悲しい顔をして私を誘ってくる。
「一つ聞きますが、蒼は優里奈さん以外友達はいらっしゃるんですか?」
「ゆりは幼馴染だ、それ以外友達はいない、ゆりだけで充分だとこの前まで思っていたでも、」
「はい止めてください、あとの話は聞きますから。ほら私たちのほかに乗っている人はたくさんいます。もう少し場をわきまえてください。」
周りを見れば、お年寄りや小さい子ども、学生がちらほらいて何かこそこそ話している、きっと私たちのことだ。
私たちは目の前に見える次のバス停に降りてズカズカと歩いた。
近くには海が見えて、夕焼けに照らされている海はとても綺麗だった。
もう少し歩いたら喫茶店が見える、それまで歩く。
「ほんとにごめん、俺、、」
後ろで何か言っている、
私は振り返って、「いいですよ。あの、もう少ししたら喫茶店があるのでそこに入りませんか?」
蒼は分かったとだけ言って歩き出した。

喫茶店「海の光」に着いた。
外装は海の波をモチーフに色鮮やかに描いている。この店をつくった人は画家になってもおかしくないくらいの芸術的である。早速私たちは中に入った。


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