コメディ・ライト小説(新)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 地味子の恋嫌い
- 日時: 2017/09/18 14:43
- 名前: アンジュ (ID: 0BucpTCd)
昔から、恋だの愛だのしろって言われてあーうるさい。
恋愛のない世界に生まれたかったなぁ。
そしたら、あんなことに巻き込まれずにすんだのに。
建物などなく、自然豊かな野原で寝そべって本を読んでいる私。
私の名前は雨宮千里15歳の高校1年生。
地味で中学の時はイジメにあって人間不信になっている。
なぜ、地味かって?今に分かる。
私は今家に居るのが嫌でここで優雅に読書を嗜んでいるところだ。
風が気持ちいい。
今は秋、4月から泉水高校に通い始めた。
でも、友達とかが出来ず不登校になった。
まぁ、いずれはまた通うから今は休憩というところかな。
自己紹介はさておき。
また、読書をし始めようとしたとき、
「なぁ、ここで何してんの?」
- Re: 地味子の恋嫌い ( No.23 )
- 日時: 2018/08/14 13:55
- 名前: アンジュ (ID: 0BucpTCd)
「え、う、うん。そうだね。紫苑ちゃんってなんか強そうで、人見知りじゃなさそうだし。友達たくさんできそうな気がする。」
「最初会ったときからこの人は私と違う世界に居たんだって思った。」
「そんなことないよ。」
「え?」
私は思わず聞き返してしまった。
「最初も今も紫苑ちゃんは僕たちのいる世界に居るんだよ。こうして今日から同じ学校に通うんだし。」
「晃って私のことなんかただの幼馴染でただの友達しか思えてないからそう言えるんだ。」
「僕は、千里ちゃんは僕の大事な幼馴染で友達だよ?」
私はこれ以上晃の話を聞きたくないと思って無視をした。
晃の話を聞くと胸が痛くなる。辛い。
「ねぇ、千里ー」
何分か経って紫苑が私に声をかけてきた。
「なに?」
「千里のクラスって何組?」
「晃、私たちって何組だっけ?」
「1組だよ。」
「あっ、そっか。」
「1組ってどんな人がいるの?」
「大体は楽しい人ばかりだよ。個性が強くて面白いんだー。」
「私も1組にしよっと!」
「嫌よ。1組に来ないでよ。」
「千里ちゃん!」
[次は泉水高校前ー泉水高校前ー]
「晃、どいて。」
私は晃を置いて前の方に進んだ。
バス停に着くと私は即座にお金を払ってバスから降りた。
それから早歩きで校門に行った。
周りを見るといろんな声が聞こえる。
「あれ、雨宮さんよね。」
「なんで来てるんだろう。」
コソコソと私の方をチラチラ見ながら言う人。
半年前もこんな感じだった。
あーうるさいうるさい。
私はイヤホンで音楽聴きながらコソコソ話している人を横切った。
ちょっと音量を大きくしながら。
生徒玄関について靴を履き替えようと下駄箱の中を開けようとしたとき、
『バンッ!』
開けた下駄箱が誰かによって閉められた。
その瞬間、私は全身に鳥肌が立った。
『よーぉ、雨宮さん。なんで学校に来てんの?」
女子3人にまた囲まれてしまった。
須藤美影、橘立華、長谷川珠理奈、私の敵。
「また私たちにいじめられに来たの。」
「別に、気分転換。」
私が言ったあと長谷川は下駄箱を手のひらでドンッと叩いた。
「嘘おっしゃい。あんたみたいな愛嬌のない雑魚はこの学校にいる権利はないわ。」
「ほら、早く家に帰りな!お母さんが待ってるぜ!」
当然だが私は無視して3人を避けて自分のクラスに行った。
「なんなのあいつ。」
「うちらで懲らしめよーよ。」
「その方がいいですわ。気に入らないものは排除ですわ。」
「ねぇ、君たちなにしてるの?」
- Re: 地味子の恋嫌い ( No.24 )
- 日時: 2018/08/14 14:45
- 名前: アンジュ (ID: 0BucpTCd)
教室の前まで行き、ドアを開けようとするが、勇気が出ない。
引き返そうとしたとき、
「千里ちゃん、早いよー。追いつくのに時間かかったよ。」
私の真後ろに晃が立っていた。
「晃が遅いだけでしょ。」
「そうかもしれないけど、って千里ちゃん教室入らないの?」
「入れない。」
そう言って私は教室から離れるように思いっきり走った。
「待ってよー!千里ちゃん!」
晃はとっさ私を追いかけてくる。
私はそれを無視した。
学校内は狭くてとても息苦しい。
廊下を見れば、おはよって友達と挨拶を交わす人もいれば、
「なんか走ってる人がいる。」
「この学校の人かな。」
と、私の噂をする人もいれば、周りの目も見ずきゃははとイチャついてるダメカップルなどがいる。
気持ち悪い。
私はいつの間にか呼吸が荒くなっていた。
それに気づけばしらない場所に来てしまった。
中に入ろうとドアと、
本がずらりと並んでいてまるで、まるで、
『私の部屋みたい。』
え?私と一緒に言ったあの声はなに?
後ろを振り返ると、
「やっと追いついた。千里って意外と足速いんだね。」
その子は晃ではなく、
「なんであんたがいるの?」
笹ヶ峰だった。
「なんとなくと言うか、あたし、職員室に行こうとして女子3人組に案内してもらったの。その帰りに、1組の教室の前で千里と晃君が言い合いっぽくなってて止めようとしたところで急に千里が走って逃げて、あたしが晃君の代わりに追いかけて来たわけ。あーめっちゃ疲れた。」
「余計なことしないでよ。」
「いいじゃない。あたしが追いかけなかったら多分千里泣いてたよ?」
「別に泣いてないし。」
「泣いてるよ。気づいてないんだね。」
私はスカートのポケットの中から手鏡を出して自分の顔を見ると目から涙が出ていた。
私は初めて人前で泣いていたのか。
ましてやこんな朝っぱらから。
慌てて涙を拭こうとすると笹ヶ峰が私頭をポンポンと叩いた。
しかし、バシッと私は笹ヶ峰の手を振り払った。
「やめてよ!そう言うことしないでよ!」
私はまた違う場所に向かって走った。
でも今度は、
「千里ちゃん、おいで。」
泣きながら晃のところに抱きついた。
晃は私の、、、なんだ?
「よしよし、久しぶりの学校怖いね。でも僕と紫苑ちゃんがいるから大丈夫だよ。」
私は黙ってうなづいた。
私は晃につられて渋々教室に入った。
周りからの目は怖く、あの3人組が私を睨んでいる。
すごく怖い。
「大丈夫だよ。」
隣でささやいてくれる晃の表情はとても優しかった。
自分の席は漫画の主人公が座る、1番端っこの隅っこの窓際の席。
隣は空席だ。
晃の席は私のところから割と離れているが、私の席から3番目の前の席。
私が椅子に座ると晃は離れて自分の席に行き、座った。
朝のこの時間はすごく暇だったのを思い出す。
晃は他の友達とおしゃべりしていて私のところに行かない。
私は寝たふりをするか、3人組に呼ばれて違う場所に行ってそこで殴られるしかなかった。
キーンコーン、カーンコーン。
チャイムの音と同時に先生がガラガラと戸を開けてくる。
先生が教卓の前にたちなにやら話そうとしている。
「えー今日から新しく転校生がくるぞ。」
そう言ったあとクラスがざわめき出した。
誰だろう、可愛い子かな、イケメンかなって。
先生が廊下側の方を向いて、「ほら入れよ。」
「失礼しまーす!」
入って来たのは、笹ヶ峰だった。
「みなさんこんにちわーーー笹ヶ峰紫苑でぇーす!紫苑ちゃんって呼んでね!よろしくぅ!」
と、最後に今でも写真を撮るかのように目の方にピースをした手を出してニッコリ笑った。
- Re: 地味子の恋嫌い ( No.25 )
- 日時: 2018/12/07 16:58
- 名前: アンジュ (ID: 0BucpTCd)
「はいはい、自己紹介はここまで、あとは休憩時間な。んーと、笹ヶ峰のの席はー、お!雨宮の隣な。って久しぶりに雨宮来たんだな。」
先生が言ったあとみんなが一斉に私の方に視線を向けて来た。
(なんであんたみたいなのがここに居るの?)
って目で言われてる。
私は即座に下を向いて出来るだけみんなの目を合わせないようにした。
カツッカツッカツッ
笹ヶ峰が私の方に来て、
「大丈夫だよ。あたしといればいいから。」
と耳元で言われ、笹ヶ峰は新しい自分の席に座った。
次の授業まで15分ある。
その間、笹ヶ峰の周りにはたくさんの人が集まって来た。
「ねぇねぇ!笹ヶ峰さんってどこの高校から来たの?」
「笹ヶ峰さんじゃなくて、紫苑ちゃんって呼んでもいい?」
「今日の放課後笹ヶ峰の歓迎会をしよー!」
などと明るくワイワイした声が隣で聞こえてくる。
とてもうるさい。
笹ヶ峰は、一つ一つ質問に答えていたが、
「みんなごめんね!私歓迎会行けないんだー。放課後はー」
と、私が本を広げているにもかかわらず、笹ヶ峰が私の腕を急に引っ張ってきて、
「雨宮さんと仲良くなるためにいろいろと案内してもらうの!あと、雨宮さんとお出かけしに行くの!」
私は一瞬固まった。
それと同時に周りにいた人たちも固まり、やがて、一斉に大爆笑をした。
「笹ヶ峰さんそれガチ?」
「紫苑ちゃんちょっと趣味悪くない?」
「なんで雨宮さんなの?私たちと遊ぼうよー!」
そうよ、なんで私なのよ、あり得ない。
「あたし、雨宮さんの方がみんなより可愛いし、あたし、初めて雨宮さん見たときこの人と仲良くしたいってなったもん。もちろん!みんなもだよ?でもごめんね、今回だけは雨宮さんといたいの。」
笹ヶ峰は私の想像していたこと以上に凄いことをみんなに言った。
みんなの反応は、
「まぁ仕方ないよね。ごめんね。」
などと言っていつものグループに固まりワイワイと話し始めた。
2人になると、
「千里ごめんね、気分悪くなった?」
と笹ヶ峰が昨日と同じくらい私に気をつかって聞いてきたが、
「私、笹ヶ峰のことなんか嫌いだ。もう2度さっきのようなことを言うな!」
私は小さい声で言った。学校ではあまり話したくないからなるべく話さないようにしているのだ。
私は授業開始1分前なのに椅子から立ち上がり、教室を出た。
- Re: 地味子の恋嫌い ( No.26 )
- 日時: 2018/12/17 21:00
- 名前: アンジュ (ID: 0BucpTCd)
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴ってしまった。
私は何をしてるんだか。
廊下を歩いていると、国語の先生が私に声をかけてきた。
「あらおはよう、久しぶりね。もう授業始まるわよ。教室に戻らないの?」
私はその先生を無視して歩き始めた。
先生は少し不機嫌な顔をして私を教室に行かせようと強く言うが、無視し、さっき行った本がたくさんある部屋に向かった。
部屋に着くとドアに鍵がかかっていた。
私は少しため息をついてその場に座った。
数分経って、誰かの足音が聞こえてきた。
私はどこかへ隠れようとしたが、
「待って!」
と呼び止められ、後ろを振り返ると、同じ制服を着て、雰囲気がお嬢様な子がいた。
その子は私に近づき、
「貴女、本が好きなのね。」と笑顔で言ってきた。
「う、うん。」
私が返事をするとその子は嬉しさのあまり、飛び跳ねた。
「私とあの人と一緒ですわね!あ!もしかして本を読みたくてここに座っていたのですか?」
「そうなります。」
「まぁそれはごめんなさいね。鍵は私が管理しているの。今すぐに開けるわね。」
その子は急いで鍵をポケットの中から取り出して、ドアに鍵をさし、開けた。
「開きましたわ。さっ中に入りましょ!」
私の手掴んで中に入った。
部屋の中はさっき行ったから大して変わらないが、変わったと言えば、本棚だらけなのに、中心にはソファとテーブルがある。
本当に私の部屋みたい。
「さっソファに座って!今すぐあの人を呼びますわね!」
「あの、」
「どうされたのですか?」
「は!ごめんなさいね、名前がまだでしたわね。私の名前は西園寺優梨奈と言います。貴女は?」
「私は、雨宮千里。」
「千里さんですね!これからどうぞよろしくお願いしま「おい!」
バシッ誰かが後ろから西園寺の頭を叩いた。
「痛いですわ!いきなり叩くなんて酷いですわ!蒼様!」
- Re: 地味子の恋嫌い ( No.27 )
- 日時: 2018/12/17 22:05
- 名前: アンジュ (ID: 0BucpTCd)
「ふん!ゆりが俺を閉じ込めたからだろ!」
蒼様と言う人は制服を着ているが、メガネをかけていて、スタイルが良く、いかにも私とは身分や格が違うって印象になった。
腕を組んで西園寺にすごく怒っているのが無関係な人でも分かる。
「私はちゃんと蒼様や他の人がいないか確認しました!」
「嘘つけ!」
「ひゃあー!」
なにやら蒼様と言う人が西園寺のほっぺたをつねりながら怒っている。
「ごめんなさーい!ひゅいな(優梨奈)今後はちゃんと確認して戸締まりします。」
と言ったあと蒼様と言う人はこの子から少し離れた。
「痛かったですわ。」
「ふん!ずっと痛いと言っとれ。ん?いつの間にか客人がいるな。おい!いつからいた?」
今度は私か、私は表情を変えず答え始めた。
「蒼様がここに来る前からこの子と居ました。」
「そうか、目もくれずに2人の世界に居て悪かった。ん?よく見ると、お前不登校者リストに載っていた、確か名前はー」
「雨宮千里です。」
「そんな名前だったな。で、なぜ今になって再び登校し始めたんだ?」
「それは、」
言えない。いじめられてたなんて言えやしない。
私はその場で黙ってしまった。
「言えないのか?」
私はこくりと頷いた。
「そうか、とりあえず、座れ。話しはのちに聞くとする。」
言われるがままに私はソファ座った。
「ゆり!お前も座れ!」
西園寺はほっぺたを手でさすりながら返事をして気を遣ってるのか私の隣に座った。
「さて、雨宮!お前にいろいろ聞きたいことがある。だが、さっきから思ってたのだが蒼様って呼ぶのはやめろ。」
「それは、この子、優梨奈ちゃんが言ってたので、、」
「ゆりは俺の部下みたいなものだからそう呼ぶんだ。お前は部下でもなんでもない。」
「名前を教えてください。」
「そうか、そう言えば自己紹介がまだだったな。俺は涼宮蒼だ。特待生で高校2年だ。雨宮より1つ上だが敬語じゃなくてもいい。」
私は返事をするのが面倒になり、返事をしないでおこうと黙ったが隣で西園寺が涼宮のことを急に話し始めた。
「蒼様は現在生徒会長を務めており、成績優秀で運動が出来てまさに漫画から出てきた人物でございます。さらに!人によって態度が違うのでこれだけは危険です!」
「余計なことを言いやがって!そう言うゆりだってお嬢様ぶってるけど本当は雨宮みたいに普通な家庭で俺より年上のくせにまともなことができやしない。この前だって、俺のお気に入りの熊の絵が描いてあるマグカップをなにもないところでこけてわらすし、さっきだって俺が本を読んでいるのが分かっているのに鍵をかけるしおかげでトイレ我慢しながらお前を待ってたんだぞ!」
「それはさっき謝ったじゃないですか!蒼様だって私のお気に入りの紅茶を全部飲んだじゃないですか!私楽しみに取っておいたのに酷いですわ!」
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13