コメディ・ライト小説(新)
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- 地味子の恋嫌い
- 日時: 2017/09/18 14:43
- 名前: アンジュ (ID: 0BucpTCd)
昔から、恋だの愛だのしろって言われてあーうるさい。
恋愛のない世界に生まれたかったなぁ。
そしたら、あんなことに巻き込まれずにすんだのに。
建物などなく、自然豊かな野原で寝そべって本を読んでいる私。
私の名前は雨宮千里15歳の高校1年生。
地味で中学の時はイジメにあって人間不信になっている。
なぜ、地味かって?今に分かる。
私は今家に居るのが嫌でここで優雅に読書を嗜んでいるところだ。
風が気持ちいい。
今は秋、4月から泉水高校に通い始めた。
でも、友達とかが出来ず不登校になった。
まぁ、いずれはまた通うから今は休憩というところかな。
自己紹介はさておき。
また、読書をし始めようとしたとき、
「なぁ、ここで何してんの?」
- Re: 地味子の恋嫌い ( No.33 )
- 日時: 2019/02/20 00:02
- 名前: アンジュ (ID: 0BucpTCd)
「無理。」
笹ヶ峰は頰を膨らませて、「いいもん、あたし1人で並んでるから。そのかわり、オムライスは千里に一口もあげないからね!」
と言った。
私は何にも思わずさっさと空いている席を探した。
ちょうどオープンテラスが一部空いていた。私はそこに行き、隅っこの方を座って鞄の中から本を取り出た。
何分かた経ってオープンテラスの近くにある扉が開いた。
私は笹ヶ峰かと思って後ろを向かずに「笹ヶ峰?もう来たんだ。」と言ったが笹ヶ峰の返事がない。
サッと後ろを振り返ると冷たい水が私の頭の上から落ちてきた。
何がなんだか、一体何が起きたのか全く分からなかった。
ただ1つだけ分かったのは、全身、制服や髪の毛、靴、それに読みかけの本までもがビチャビチャに濡れていた。
秋で少しだけ肌寒いのに、冷たい水に全体が濡れていて凍えるようにとても寒い。
私の視界から外れて何人かの女子が爆笑しているのが聞こえる。
「見てよあれ!かわいそー!」
「インスタに撮っておこうぜ!」
「まぁ!それがいいアイデアですわ!」
聞き覚えのある声たち。
声のある方に顔を向けた。
向けた方向は私が本を読んでいた真っ正面であった。
そこにいたのは、私の敵。3人組と、その近くに少し大きなバケツが落ちていた。
「どうかしら、今日は暑いですわ。だから涼しくしてあげたのですわ。」
最初に話し出したのは長谷川珠理奈
「見ろよ!お前の汚れた格好をインスタに載せたら学校のみんないいねしてくれたぜ!私らに感謝しな!インキャ根暗野郎!」
男勝りな性格、須藤美影。
「まだ物足りなーいー!派手にやりたいな。」
悪魔的な性格、橘立華。
この人たちに反対する者はいない。
反撃したらその倍何かされる。
おそるべし3人組。
須藤が私のところに来て頭をわしづかみし
「なぁ、私らに楽しさをくれよ。毎日お前がいねぇとつまんねーんだよ!なぁ派手にやらせてくれよ!」
私は何も言わず黙った
チェッ
須藤は舌打ちをして、私から離れた。
そして何やら3人でコソコソと話している。
少しして、
バシッ
何かに頭を叩かれたような感覚がして椅子から崩れて落ちた。
「キャハハハハ!」
まだ笑い声が聞こえる。
ドカッ、バシッ
お腹を蹴られたり、顔を叩かれたり、そして私は気を失った。
気づくと私は笹ヶ峰の腕の中にいた。
多分これは笹ヶ峰に抱き抱えていると言う状況である。
何かが違った。
それは、笹ヶ峰が女装をしていなくて、男のものの服を着ていた。
「笹ヶ峰?」
私は笹ヶ峰の顔を見ると険しい顔をしていた。
「笹ヶ峰!」
ようやく笹ヶ峰は私の声に気がついた。
「千里!大丈夫か!痛いところない?今ここの医務室に向かってるから!」
「痛いところ、、、、」
私はまた気を失ってしまった。
- Re: 地味子の恋嫌い ( No.34 )
- 日時: 2019/02/27 16:32
- 名前: アンジュ (ID: 0BucpTCd)
周りが騒がしい。
周りは私が寝ているにもかかわらず喋っている。
うるさい、静かにしてよ。
「この子大丈夫かしら?」
「頭から血が出ている。」
私は唸りながら体を起こすと、自分のベッドにいたらしく、近くに男子になった笹ヶ峰がいた。
「私、夢見てたのか?」
笹ヶ峰は私の声に気がついて私の体を抱きしめた。
「千里!大丈夫か?」
「大丈夫って何が?私、倒れたの?」
「千里だいぶ混乱してるな。」
「あんたは何が言いたいのさ。」
笹ヶ峰は私の両肩に両手で掴んだできた。
私は抵抗する力が無くて、笹ヶ峰の目をじっと見つめた。
「いいか?俺たちはさっきまでショッピングモールにいたんだ。俺は、腹が減ったから2階のフードコートでオムライスを頼もうとした。千里は、テラスの空いている席を探して、俺が来るまで本を読んでいた。で、俺が来たら千里は椅子から倒れて気を失っていた。俺はこれやばくね?って思って千里を抱き抱えて医務室に行った。千里を見ると頭に血が出てて体がアザだらけになってて応急処置はしてもらったけど千里が目を覚まさないから。電話で千秋さんを呼んで、家に帰ったと。こんな感じで今になった。」
「そう。あれは夢じゃなかったのね。」
「何が?」
「別に、何でもない。」
「言ってよ。俺は千里が倒れたところしか見てないんだよ。」
「心配?」
「ああ。」
「心配しないで。逆にうざいだけだから。それに、私は1人になりたいから笹ヶ峰は自分の部屋に行ってよ!」
「嫌だ。」
「最悪。」
私はベッドから降りて、自分の机の上にあるパソコンを手にとり、起動ボタンを押し、起動するまでヘッドホンをパソコンのいくつかある穴に差し込み、じっと待った。
「今から何するんだよ。」
「黙ってて、あんたには関係ない!
私はそう反抗したら笹ヶ峰は私の頬を手でつねった。
「痛いじゃないの!」
私は頬を手でさすりながらパソコンの画面を開き、LINEを開いた。
笹ヶ峰の声がうるさい。
「関係ないだって?人がせっかく重たい思いをしてここまで来て、ベッドを整頓して、寝かせてあげて、千里が目覚めるまで看病してあげた。なのに、関係ないってお前、いい加減にしろよ!」
笹ヶ峰がガミガミ言ってるのはそっちのけで私はLINEで晃にメッセージを送ろうとした途端、
笹ヶ峰にパソコンの画面を閉じられ、両手を掴まれた。
「痛いじゃないの、離しなさいよ!」
「離さない。もう怒った。俺の話しを聞いてくれない奴とは口を聞きたくない。明日から俺1人で行く。」
「メ、メイクはどうするのよ。」
「自分でやる。」
「あっそう、好きにすれば?」
「ああ好きにするよ!お前は学校に行かなくていいからな!俺が熊みたいな先生に言ってやる。」
笹ヶ峰は私の手を離して、部屋を出た。
「な、なんだったのよ今のは。めっちゃ笹ヶ峰怖かった。やっぱり笹ヶ峰嫌い。」
気を取り直して私はまたパソコンの画面を開き、LINEを開いた。
- Re: 地味子の恋嫌い ( No.35 )
- 日時: 2019/03/19 00:12
- 名前: アンジュ (ID: 0BucpTCd)
トーク欄に何件か通知が来ている。
晃からだ。
晃とのトーク欄を見ると、
『千里ちゃん大丈夫!?さっき千里ちゃんのお母さんから電話で聞いたよ』
『シルビアの中で倒れてたらしいね。それで紫苑ちゃんが千里ちゃんを抱き抱えていろいろと大変だったらしいね。ごめんね。そこに居てなくて。』
これを私はどう返せばいいのか少し悩んだ。
そして、
『晃、心配してくれてありがとう。大丈夫。まだ頭がズキズキして痛いけどまた寝れば治る。』
とそう返すと直ぐに既読が付いた。
『そうなんだ。』
『あのさ、聞いて欲しいことがあるんだけど。』
『うん。』
『私、紫苑にお礼言ってない。起きたら紫苑が近くにいてくれて、私寝起きだとイライラしてしまうからつい冷たく言ってしまったの。それで喧嘩してどうすればいいか分からない。』
『思ったんだけど、紫苑ちゃんって男の子だよね?』
『え、』
晃もう気づいたのかな。
頭の中がぐちゃぐちゃになって何がなんだか。
『うん、そうなの。』
『なんで女装してるのか分からないけど、でも今は千里ちゃん、紫苑ちゃんに謝った方がいい。早く。』
そう言われて私は返信をせず、早足で歩き、部屋のドアを開けたまま笹ヶ峰の部屋に向かった。
着くと、
コンコンッ
ノックをして笹ヶ峰が何か言ってくるのを待った。
少しして、ドア越しで笹ヶ峰が、
「何だ?」と言ってきた。
私はすかさず「あ、謝りに来た。入らせて!」
「無理。」
思いがけない返事を聞いて私は止まった。
「どうして。」
「顔見たくない。」
「あっそう、せっかく謝りに来たのに気分悪いわ。」
と言って私は自分の部屋に戻ろうとした。
バタンッ
なにやら笹ヶ峰の部屋のドアが開いた。
私はすぐに振り返ると笹ヶ峰は怒った顔をして、
「そんなにお前って偉いんかよ!どんだけ俺に向かって上から目線で なんだよ!俺だって気分悪りぃんだ!もう話したくない!」
と怒鳴ってそのままバタンッとドアを閉めた。
涙が溢れ出した。私はその場でしゃがんで手で顔を覆って泣いた。
胸がすごく痛い。
こんなの久しぶりに感じた。
涙が止まらない。
そしてふっと力が抜けて倒れて気を失った。
- Re: 地味子の恋嫌い ( No.36 )
- 日時: 2019/03/20 00:10
- 名前: アンジュ (ID: 0BucpTCd)
あれからどれくらい経ったのだろうか。
誰も助けてくれない。
私はむくりと起きて立ち上がり、部屋に戻った。
パソコンの画面にLINEの通知が来てた。
晃からだ。
『どうなったん?』
私は直ぐに既読をつけてそのままなにも送らなかった。
パタンとパソコンの画面を閉じて私はベッドに入って寝た。
この日を境に私と笹ヶ峰はなにも話さず目を合わさずただただ毎日を送っていた。
笹ヶ峰はちゃんと自分でメイクして学校に行っている。
毎朝バタバタと動き回っているのがドアの向こうから聞こえてくる。
私はというと、お風呂とトイレと時間をずらしてリビングに行って自分だけの食事を作って食べるだけであとは自分の部屋でずっと本を読んでいるだけの日々を過ごしている。
案外楽しいが、内心物足りなくて楽しくないって思ってしまう、そして夜になるとなにもないのに涙が止まらなくてずっと泣いている。
辛い、早く笹ヶ峰と仲直りしたいのに、声をかける勇気がない。
ただただ泣くだけ。
学校を行かなくなってからひと月が過ぎていた。
もう12月か、みんなは期末テストが終わってクリスマスや正月の予定を立てているんだろうな。
そう言えばお母さんからなにも言われない。
いつもならガミガミとうるさく私に言ってくるのに諦めたのか。
そう思いながらベッドで横になっているとコンコンッとドアをノックするの 音が聞こえてきた。
誰かと思ってベッドから降りて直ぐにドアを開けると、
ガバッと誰かが私を抱きしめてきた。
「ちょっと誰よ。」
私から体を離れると見えてきたのは笹ヶ峰ではなく晃だった。
「晃、何?」
「千里ちゃん酷いよ。」
パシッ
晃は何のためらいもなく私の頬を叩いた。
- Re: 地味子の恋嫌い ( No.37 )
- 日時: 2019/03/22 23:21
- 名前: アンジュ (ID: 0BucpTCd)
これは本気に叩かれたんだ。
自分の頬がすごく痛い。
心の傷と似ているような痛み。
「晃痛いじゃない!どうしてこんなことするの。」
「千里ちゃんってこんなにバカだったんだ。見損なったよ。」
私は一瞬止まった。
久しぶりに話した晃の言葉がこれだとは思ってもみなかった。
続けて晃は話し始めた。
「紫苑ちゃんから聞いたよ。まだ謝ってもらってなくて、仲直りしてないらしいね。ダメだよ!千里ちゃん、いくら冷たく言っても今回ばかりは酷いよ。素直に謝りなよ。ね?」
「嫌だ。めんどくさい。」
私が言った後また晃は私の頬を叩いた。
「またぶってくれたわね。まだ怪我の跡があるんだから手加減してよね!」
「ダメ!」
「どうしてよ!」
「紫苑ちゃんと仲直りしないと僕はまた叩くよ?」
「小学生みたいなこと言わないでよ恥ずかしいわ!」
「千里ちゃんはまだ少女みたいな子だよ。」
「晃に言われたくない。」
「当てはまってるんだね。まぁ僕たちのいさかいはこの辺で。で、ここで立ち話は飽きたから千里ちゃん、部屋に入らせてー」
そこで気が済んだのかい!ってつっこみたくなる。
「いいよ、入って。」
私たちは部屋に入り、隣り合わせでソファに座った。
晃はなにやらポケットの中からスマホを取り出して、誰かと通話を始めた。
「うん、そうなんだ。分かった、じゃあ今すぐ来て、今?千里ちゃんといる。うん、じゃまた。」
通話を終えると、スマホの画面を消した。
そして晃は私の方を向いて、
「今から紫苑ちゃん来るって。ここで3人で話し合おうよ。」
「いらない。」
「またそんなことを言う!」
「うるさい!だいたいなんで晃がうちにいるの。お母さんは仕事だと思うのに。」
「千里ちゃんのお母さんから電話がかかってきて、千里ちゃんずっと引きこもっているからなんとかしてって言われたんだ。僕たちは幼馴染でずっと仲良しだったじゃん?千里ちゃんがいないと僕寂しいんだ。」
私は頭に血が上ってテーブルをバンッと叩いた。
「じゃあ!なんで私を助けなかったの!私ずっと辛かったんだよ!あの3人にいじめられて、中学までかと思ったら高校でもあの3人に会うし!クラス全体が私を邪魔者扱いみたいに悪口言ったり、ありもしない噂を言われてもう嫌だった。」
またポタリと涙が出てきた。
「もう無理、晃、私晃と紫苑と話す気ない。今すぐ部屋から出てって!」
バタンッ!
いきなり私の部屋のドアが開いた。
入って来たのは笹ヶ峰だった。
「部屋の外で待ってたんだけどなに?千里、甘えんなよ!晃君はあたしよりいっぱい心配してたんだから!そりゃああのとき千里謝ろうとしてくれたんだけど、でもあの上から目線が嫌だった!」
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