コメディ・ライト小説(新)
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- 地味子の恋嫌い
- 日時: 2017/09/18 14:43
- 名前: アンジュ (ID: 0BucpTCd)
昔から、恋だの愛だのしろって言われてあーうるさい。
恋愛のない世界に生まれたかったなぁ。
そしたら、あんなことに巻き込まれずにすんだのに。
建物などなく、自然豊かな野原で寝そべって本を読んでいる私。
私の名前は雨宮千里15歳の高校1年生。
地味で中学の時はイジメにあって人間不信になっている。
なぜ、地味かって?今に分かる。
私は今家に居るのが嫌でここで優雅に読書を嗜んでいるところだ。
風が気持ちいい。
今は秋、4月から泉水高校に通い始めた。
でも、友達とかが出来ず不登校になった。
まぁ、いずれはまた通うから今は休憩というところかな。
自己紹介はさておき。
また、読書をし始めようとしたとき、
「なぁ、ここで何してんの?」
- Re: 地味子の恋嫌い ( No.38 )
- 日時: 2019/03/26 00:28
- 名前: アンジュ (ID: 0BucpTCd)
「ごめんなさい。」
私が謝ったあと笹ヶ峰は私の頭を撫でた。
「合格。」
晃はニコニコしながら私らの方を向いていた。
「一件落着だね。」
「いや、まだ!千里聞いて!明日学校に行こ!」
「え、なんで?」
「この前分かったんだけど、千里を怪我させたのは須藤さん、長谷川さん、橘さんの3人だってことが分かったの!なんで分かったかと言うと監視カメラがあって3人が映ってたわけ!」
「で、その3人って今どうしてるの?」
「ついこの間に事実が分かって、3人は10枚の原稿用紙に反省文を書いたり、校長先生に呼び出されたりなどといろんな罰を受けている最中なの!でね明日には詳しくいろいろとお話しがあるみたい。」
「そうなのね。」
笹ヶ峰は私の手を取って真っ直ぐに私の目を見ながら、
「千里、明日行くよね!」
私はとっさに頷いた。
晃は急に立ち上がり、「よし、そうと決まれば、早速準備に取り掛かろうよ!」
「なんの?」
「そうよ!忘れてた!千里に聞きたいことがあるんだった!」
「なに?」
「取り敢えず、一旦座ろうよ。それから話し合おうよ。」
私たちはソファに座りなおした。
私を真ん中に左に笹ヶ峰、右には晃が座った。
本当は誰かが私の椅子に座ればいいものの、2人は私の両側がいいって言う顔をしてた。なにも言えない。
私は足を組み、話し合う体制に入った。
「で、私に聞きたいことってなに?」
「千里ってあの日、あの日って言うのはこの事件の当日のことね。あたし、千里があそこで本を読んでたことは後ろを振り返って見た。でも、詳しいことは分からない。長谷川さんたちは急に来たん?」
「来たと言うか、私はあのとき、ささ、し、紫苑を待ってた。本を読みながら。何分かしたところでテラスの入り口から誰かが出てきて、紫苑かなって思って振り返ったら水をかけられて全部、制服も本も濡れていた。そして目の前には3人がいてそのあとは、気を失ったからよく分からない。」
「初めて紫苑って呼んでくれた!嬉しい!」
「紫苑ちゃん、今は喜んでる場合じゃないよ。話に戻すけど、なるほど、千里ちゃん、よく耐えたね。」
「あれくらい普通だし。」
「でも、あたしが見たときはなにもかもぼろぼろだった。それ見たとき怒りたかった!誰よ!千里をいじめた人は!ってね!」
笹ヶ峰がそう思ってくれてたとは思ってなかった。でも私は返事をせず、黙り込んだ。
- Re: 地味子の恋嫌い ( No.39 )
- 日時: 2019/04/01 00:06
- 名前: アンジュ (ID: 0BucpTCd)
この話し合いの後晃は自分の家に帰らず、実は私の家に泊まろうとしていたらしく既に荷物は持ってきてあった。笹ヶ峰は取り敢えず自分の部屋に戻り、ラフな格好に着替えに行った。
話し合いの時ずっと制服だったってことを忘れていた晃と笹ヶ峰。
「千里ちゃんと同じベッドで寝たい。」
晃の発言に驚いてソファからピョンと飛んで立ち上がった。
「な、なに言ってんの、晃ってたまにバカな発言するよね。」
私は笑いながら言ってみたけど本人はそうでなかった。
「僕、千里ちゃんが心配だよ。」
「大きなお世話。ほら、さっさと着替えてよ。制服のままだとシワになる。」
私は晃の背中を押して部屋から追い出した。
そのあと私は1人でまたソファに座りなおしてボーっと考えてた。
明日は学校行かなければならないのか、なんだろう、また怖いって思ってしまう。
「千里ちゃーんもう入っていい?それと紫苑ちゃんも入れていい?」
晃が大声で私を呼んでいる。
あれ?男になった笹ヶ峰だと分かっているのか。
そう思いながら私はソファから立ち上がり、部屋のドアを開けると、上は猫の絵が描かれてある黒色のトレーナーと下は普通に青色の線が入ったジャージのズボンを着た晃と、メイクとヴィッグはそのままで、なにやら私のジャージを着た笹ヶ峰が立っていた。
「紫苑、その服いつか着てた。」
「あーこれ?千里がいらんって言ってたからもらった。」
「本当は貸してあげるって言ったんだけど。」
「えーそんなの知らなかった!ごめんね!」
「別に構わない。それより早く入って寒い。」
2人は再び私の部屋に入った。
居心地が悪い。
私たちはまたソファに座った。
さっきと同じ座り順で。
「僕、思ったんだけど。」
最初の発言は晃から始まった。
「なに?」
「どうしたん?」
「紫苑ちゃんって本当は男の子だよね?」
「そだよー」
「どうしてその、女装してるの?」
「あー晃はこの理由が聞きたいんだねー。」
「もしかして、千里ちゃんが絡んでる?」
「そうよ。でも私が頼んだわけじゃない。お母さんが紫苑に頼んだ。私が学校に行かせるように女装してでもいいから一緒にいてあげてってそしたら紫苑は即オッケーしたわけ。」
本当の名前ってなに?」
「時雨だよーカッコイイでしょー」
笹ヶ峰は笑いながら本名をさらした。
それを聞いた晃は目を輝かせながら笹ヶ峰を見た。
「カッコイイなぁ、中学はモテた?」
「んー微妙。まぁ告られたことは何回かあるけど。」
「うわぁ!すごいね!」
いつの間にか笹ヶ峰は男のときの口調になっていた。
晃、楽しそう。
私は晃の方をじっと見つめてながら2人の会話を聞いていた。
それに気づいた晃は顔を赤らめて両腕を交差して顔を隠した。
「わ!千里ちゃんなに僕の顔をじっと見てんの!もう!恥ずかしいよー」
私はクスクスと笑いながら晃を見た。
「晃って可愛いよね。」
「はぁ!可愛くないし!千里ちゃんの方が可愛いよ!」
「私は可愛くないもん。私のどこが可愛いのさ、ほら、言ってみ?」
「その、顔が小さくて、服が可愛くて、笑っている顔がめっちゃ可愛い。」
その発言に私は晃の頬をペチッとビンタした。
「痛い!」
「晃、うるさい。これ以上言うと許さないわよ。」
「ごめんってば!」
「あのー」
「なに笹ヶ峰。」
「俺も気になったことあんだけど。千里と晃って恋人?」
笹ヶ峰の発言に私たちは爆笑した。
「なに言ってんの!私と晃はただの親友。」
「えー!」
「なによ!晃!なにかご不満ですか?」
私はニヤニヤしながら晃につっかかった。
「違うよ。違うって言いたいけど。うんそうだよ。僕たちはただの親友。」
「おい、千里、晃否定してっぞ。」
- Re: 地味子の恋嫌い ( No.40 )
- 日時: 2019/04/02 00:09
- 名前: アンジュ (ID: 0BucpTCd)
「晃どうした。」
「な!何もないよ!千里ちゃんのバカ!」
「おいおい晃どうしたんだよ!らしくねーぞ!」
急に晃が泣き始めた。
今日の晃なんだかおかしい。
「なに泣いてんの。」
「千里ちゃんが僕のこと好きじゃないんだ。」
「は?」
「晃なに言ってんだ?正気になれよ。」
晃なに言ってんのか分からない。
好きじゃない?どっからそんな話が出てきただろうか。
晃は鼻をすすりながら長々と説明してきた。
私が晃を好きか嫌いかどうかや僕ばっかり好きで辛いよとか。
「てか、その話聞いてて正直どうでもいいんだけど。」
「はーい俺も千里に賛成。」
「2人ともー」
「晃は私がいなくて寂しかった。ただそれだけ。」
晃は黙って聞いてた。
もうなにも言えないって言っているような。
はーい!と笹ヶ峰が急に手を挙げた。
「なに笹ヶ峰。」
「俺気になったんだけど。お前らって付き合ったことある?」
「私の覚えてる限りない。」
「僕は本当は付き合いたかったよ。」
「うわ、キモ。」
「千里ちゃんのバカ!」
また晃が泣き始めた。どうしたら泣き止むんだろう。
「私別に振ったわけじゃないし、ただ親友だからそれ以上になれない。」
「なるほどな。だってさ晃。」
「ずっと親友ならそれでもいい。」
「千里って実は好きな人いるんじゃ、、」
「いません!そう言う気持ち悪い感情はありません。」
「気持ち悪い感情だってさ。お前ってもしかして好きな人出来たことないんじゃ、、」
「あるわ!」
私の発言に2人は驚いてしーんと静まりかえった。
「なによ、私だって人間だから恋愛の1つくらいあるわ!」
「マジか、意外。」
「僕も1番近くにいて一度も聞いたことなかった。」
「恋愛していた期間が短かったし。知らないもの無理はない。」
「あ!でも!小学生のとき一回だけすごい騒ぎがあったよねーあれは何だったんだの?」
「私、好きな人に放課後誰もいない体育館の外で告白してその次の日噂が流れた。」
「すげーなー放課後に告白ってさ。そのあとは?」
「告白したのがバレて、そのとき目立っていた女子グループにいじめられた。なんであんたみたいな暗い人が告白なんか出来んの?って。」私はだんだん俯向きになって話していた。
「最悪だな。」
「中学は持ち上がりだったからいじめはさらにエスカレートして、それから、、」
ポタリッ
下を向いていたせいでズボンが涙で少し濡れてきた。
私は必死に涙を拭いた。
また泣いてしまった。なんで て泣き虫な私なんだろう。
「ごめんな!俺、お前のことあまり知らなくてなんでも聞いてしまったな。本当にごめん!」
「別にいい。」
「いや、ダメだ。よし、今日は俺の特製オムライスを作ってやる!」
って言って立ち上がって腕まくりをした。
「時雨君料理作れるんだーすごいね!」
- Re: 地味子の恋嫌い ( No.41 )
- 日時: 2019/04/28 23:24
- 名前: アンジュ (ID: 0BucpTCd)
それから私たちはリビングに行き、着いたら早速笹ヶ峰が台所に行きオムライスを作る準備をした。
私と晃はリビングにあるソファに隣同士で座り、テレビをつけてぼ~っと見ながら待つことにした。
少し経って隣にいた晃が口を開いた。
「さっきの話なんだけどさ、明日本当に学校に行くつもり?」
「うるさい、行く言われたら行くしかないでしょ。」
「そ、そうだよね。ごめん。」
「全く、晃はまた私が逃げると思っているんでしょ。」
私が行った後晃は首を振った。
「違うよ。そうじゃなくて、ただ確認をしただけだよ。」
「あっそ。」
ここで私たちの会話はいったんとじた。
「おーい!お前ら俺様特製オムライスができたぞ!」
笹ヶ峰は言いながらオムライスをテーブルの上に置いた。
笹ヶ峰に言われて私たちは台所の向かいにある椅子に座り、テーブルに置いてあるスプーンを持ってオムライスをスプーンですくった。
「時雨君って呼んでもいい?」
「おうなんだ急にさっさと感想聞かせろよ。」
「時雨君って料理上手いんだね。」
「いきなりなんだよ。照れるじゃねーか。ってもっとこれの感想を言えよ。」
「不味い。」
「おい!誰だよ。不味いってい言ったやつ。晃か?」
「違うよ。」
「私よ、ほんと不味いわね。どうしたらそんなに不味いものを作れるのかしら。」
「千里ちゃんそんなこと言ったら時雨君がかわいそうだよ。」
「本当のことを言っただけよ。」
言った後に私は椅子から立ち上がろうとしたとき、目の前が真っ暗になった。
それから私は再び気を失った。
目が覚めたとき、また私はベットで寝ていた。
- Re: 地味子の恋嫌い ( No.42 )
- 日時: 2019/06/12 00:02
- 名前: アンジュ (ID: 0BucpTCd)
目を開けて横を見ると晃がいた。
ソファの上で横になっていたようだ。
晃は私をじっと見ていた。そして目が合うとびっくりした表情で私を見た。
「千里ちゃん大丈夫!?」
私はむくりと体を起こした。
「私は大丈夫。それより、笹ヶ峰は?」
「2階にいると思う。なんかね、俺は千里の顔なんか見たくねーよって言ってた。」
「そう、じゃあ明日学校行かない。晃、一緒に学校休もうよ。」
「ダメだよ。学校に行かないと僕は先生に怒られたくないんだよ。だから行くしかない。あとね、僕決めたんだ。今日は千里ちゃんと同じベッドに寝ることにするよ。」
「やめてよ、気色悪い。そんな晃なんて嫌いよ。」
「何もしないよ。昔は二人で寝てたよ?」
「無理。」
「じゃあ同じ部屋で寝るところは違うってのはどうだい?」
私はうなずいた。
それからは私はソファから立ち上がり、晃と一緒に自分の部屋に戻った。
部屋に戻ると私はさっさとベッドに入った。晃はソファの上で毛布にくるまって眠ろうとしていた。
明かりが真っ暗な中私は明日学校に行くことを考えていた。みんなからどう思われるのか、何か言われないのかなど。
ふと、なにやら晃が口を開いた。
「千里ちゃん起きてるよね。」
私はうんとだけ言った。
「僕さ、千里ちゃん好きだよ。」
急に何を言い出したかと思えば告白なのか。
私は何も言わなかった、ただ聞いていた。
それから晃はまた何かを言い出した。
「千里ちゃんと一緒にいたいし、千里ちゃんを守りたい。どうして時雨君とあのとき居たの、教えてよ。」
「うるさい。」
私はそう言って、ベッドから立ち上がり部屋と出た。
向かった先は笹ヶ峰の部屋の前であった。
ノックを2、3回叩いて少し待った。
すると、少しずつドアが開いた。
開いたドアの隙間から笹ヶ峰の顔が見えた。
眉間にしわを寄せて私に向かって怒っているように見える。
「なんだよ。」
「話がしたいの。」
私が言った後、笹ヶ峰は静かにドアを全部開き私を入らせようとした。
笹ヶ峰の部屋はいかにも男の子という感じがし、入口から見て右端にはベッド、正面には机と椅子またちょっとした本棚が置いてある。
そして中心には小さなテーブルがあり、その上にはメイク道具が置いてある。
奥にはクローゼットなど。
シンプルで私みたいにごちゃごちゃとしていない。
「あんまりじろじろ見んじゃねーよ。」
笹ヶ峰の顔は真っ赤になっていた。
後ろから見ても分かる。
「いいお部屋ね。」
「うるせえーよ。それよりも話ってなんだよ。」
「あら、私のこと心配してないんだぁ」
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