コメディ・ライト小説(新)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 憑きもん!~こんな日常疲れます~【更新停止】
- 日時: 2024/01/26 23:11
- 名前: むう (ID: F7nC67Td)
中学2年生の私・月森コマリには一つだけ悩みがある!
それは、世にも珍しい【逆憑き】という体質なこと!
なんとなんと、自分の行い全てが悪い方向に行くみたい。
自分の存在自体が悪い妖怪とかを呼び寄せてしまうんだって。
治すには、悪い妖怪と一緒に集まってきた、いい妖怪か幽霊さんの力を借りるべし。
でもなかなか、そんな優しい幽霊来ないんですけど———!?
悪運強すぎJCの日常ラブコメディはじまりはじまりっ。
―-----------
《2023年夏☆小説大会
2023年冬☆小説大会 銀賞入賞!》
投票して頂きありがとうございます!!
作者とキャラの感想はコチラ→>>54
★重要キャラクターLog★
>>23
★応援コメント★
>>09 >>47
※不定期更新です!
※視点変更をメインとした展開です。毎話ごとの主人公がいます。ご了承ください。
※若干のシリアス描写がありますが、基本は日常コメディです。
---------------------
【目次】一気読み>>01-
〈第1章:新たな出会いは疲れます! >>01-17〉
プロローグ>>01
第1話「ヘンな同居人」>>02-04
第2話「誰だお前」>>05-06
第3話「ヘンな協力者」>>07-09 >>10
第4話「変化」>>11-17
〈第2章:新たな関係は疲れます!>>18-33〉
第5話「要らない力」>>18-21
第6話「契り」>>22-24
第7話「プレゼント」>>25-28
第8話「側にいれたら」>>29-33
アフタートーク>>34
閲覧数1000突破記念★キャラトーク>>46
閲覧数1400突破記念★キャラ深堀紹介>>51
閲覧数2100突破記念★○○しないと出られない部屋>>65-70 >>71-75
〈第3章:〔過去編〕疲れたきみと僕の話>>35-57〉
第9話「幽憂レコード:前編」>>35-38
第10話「幽憂レコード:後編」>>39-40
第11話「禍と鳥:前編」>>41-45
第12話「禍と鳥:中編」>>47-50
第13話「禍と鳥:後編」>>52>>53>>55>>56
アフタートーク>>57
〈第4章:新たな試練は疲れます!>>58-〉
第14話「転校生がやってきた」>>58-60
第15話「素直になれない僕らは」>>61-64
第16話「違和感」>>76-
【重要なお知らせ ※必読お願いします】>>81
[記録Log]
2023年1月11日、本編執筆開始。
2024年1月13日〜更新停止
[参考文献リスト]
・新訳:古事記
・妖怪大辞典
・京都弁(YouTube講座)
- Re: 憑きもん!~こんな日常疲れます~【特別編更新しました!】 ( No.72 )
- 日時: 2023/12/08 18:20
- 名前: むう ◆CUadtRRWc6 (ID: F7nC67Td)
[特別編:第8話]★トキマリ組×天敵組★
猿田彦(霊化状態)「ふう、ふう。やっと次の部屋ついた。やべえ、脱出する前に俺様の気力がなくなりそうだ」
由比「カッコよく編集してもらえて良かったねえ(ほわほわ)」
禍津日神「貴様、熱が上がってきているのではないか? ふらふらしていて危なっかしい」
由比「んー? だい、りょーぶ(ぐらっ)」
猿田彦「っぶねえ! おい由比、おい由比。あとは俺がやる。お前はちょっと寝ろ」
由比「へーきはよ。だってぇ、上手くいけばいとちゃんに会えるかもしれないんれしょー」
猿田彦「そんな状態で行っても向こう大変だろ。ってことで体貸せ」
由比「んぅー、猿ちゃん大丈夫だってば……うぉわっ、あ、意識が……なくなる………(スゥ)」
由比(猿田彦)「よし、交代完了。うわ、頭すっげえ重い。こりゃ三十九度くらいあるんじゃねえか?」
禍津日神「また貴様と二人か。チッ」
由比「てめー少しは俺の宿主のことも案じろよ」
~と、向こう側から美祢とコマリがやってくる~
美祢「はー、はぁー、何だアレ。マジ意味わかんねえ」
コマリ「なんか変なロボットが襲って来たね!?」
美祢「とりあえず近くにあったこのモップでバコーンやったけど。また来るかもしれねえな」
コマリ「力技すぎるよトキ兄」
美祢「アレ以外にどうしろっていうんだよ! 俺は小中高と帰宅部だったんですけど?」
コマリ「ご、ごめん」
禍津日神「何やら騒がしいな。ん? あれはこの小説の主人公ではないか?」
由比「いい加減名前覚えようぜ」
禍津日神「我はあの娘と、まだ本編で出会ってないからな。名前を言えと言われても無理な話だ」
由比「……なんでこの小説はこうも曝け出(以下略)」
コマリ「あ、トキ兄。あそこに人がいるよ!」
美祢「本当だ。って。とんでもねえ面子と再会してしまったよ俺ら」
コマリ「確かに。幽霊+神様+神様だもんね」
美祢「ここにこいとが居れば、あいつの目的【完】で一件落着なのに……はぁ」
コマリ「ど、どっちから声かける?(ガクガクブルブル)」
美祢「いやお前が行けよ主人公だろ(ガクガク)」
コマリ「その主人公がなんかあった時にサポートするのがボディーガードでしょ!」
美祢「いかなる時でも笑顔とプライドを捨てないのが主人公だろ?」
両者「(ぐぬぬぬぬぬぬ)」
両者「さいしょーはグー。じゃーんけーん」
コマリ「(パー)」
美祢「(グー)」
コマリ「ということでボディガードよろしくう!」
美祢「なんでだああああああ」
禍津日神「おい見ろ猿田彦。ピンク髪のチンピラ小僧が現れたぞ」
美祢「あ、あのう。禍津日神さんです、よね(もみ手)」
禍津日神「いかにも」
美祢「よ、横の人は、その」
由比「あー。猿田彦だ。こっちの体は由比若菜。よろしく」
美祢「あ、よろしくお願いしますう」
コマリ「(トキ兄って初対面だとあんな感じなんだ……)」
アナウンス(正鷹)「はい再びこんにちは! 天の声のバンでーす。おおっとそっちも合流した感じ? ヤバいなこの展開」
禍津日神「おい番正鷹! 貴様いい加減にしろ。SNОWで加工などしたことがないわッ」
アナウンス(正鷹)「知ってるよ。あれは俺からのご褒美だ。楽しめたようで何よりじゃねえか」
禍津日神「そうだった。此奴も煽りスキル高いんだった!」
アナウンス(正鷹)「てことで折角両サイド出会ったわけだし、そっちにも共通お題を発表するぜ」
コマリ「共通お題って何ですか?」
アナウンス(正鷹)「二つのチームが合同になってクリアを目指すお題だ。秘密共有組と俺の兄妹が今まさにこれをやってる。まあ、あっちは体力勝負のお題だけどね」
美祢「秘密共有組って……宇月とこいとか。うお、向こうは霊能力者三人か!」
コマリ「人外3人がいいか能力者3人がいいかってことか。で、私たちは人外の方になったと」
アナウンス(正鷹)「今回のお題はこれです! ばばん」
[共通お題:回答一致するまで終われま10!]
美祢・由比「急に大喜利みたいになったんだが」
アナウンス(正鷹)「神様2人居るこの状況で意見がそろうことなどまずない。ってわけで、今からアナウンスでお題出すから、それに各自答えて行ってな。回答が一度でもそろえばクリアだ」
コマリ「こっちは三人ともあんまり関りがないから難しいね」
美祢「そうだな。勘で行くしかない。向こうは多分こちらに合わせないと思うから、俺たちが向こうに合わせるしかないぞ」
コマリ「つまりヴィラン側の気持ちになって考えるってこと? できるかなあ」
由比「いやだから悪役はこの禍津日神だけなんだってば」
アナウンス(正鷹)「ということで終われま10ボタン、ぽち」
~第1問:憑きもんメンバーの中で一番人気があるのは誰?~
一同「一番人気??」
美祢「んなもん、集計取ってないからわかんねえだろうが」
コマリ「んーでも、いとこ組が好きって声はよく聞くよね」
由比「過去編が夏の大会と重なったことで、みんな結構読んでくれたから、案外俺ら幽霊組も人気かもしれない……」
禍津日神「愚問だな。我が一位に決まっている。30スレにも渡って相手を煽ってやった(ドヤ)」
美祢「うーん。正鷹さんは誰が人気だと思いますか?」
アナウンス(正鷹)「俺も一応登場人物なわけで。あ、そうだ。そういう時にこの人よ。むうーっ」
むう「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン。むうです。そうですねえ。この問題は要するに、私が一番気に入っているキャラを答えればいいのです」
美祢「まあそうか。視点が多く書かれているキャラは認知されやすいもんな」
由比「っ、それだと由比と俺がかわいそうだろおおおおおっ。俺ら数えるほどしか視点奪ってねえぞ!」
コマリ「でも猿田彦様は、過去編で見せ場たくさんあったじゃん」
美祢「長く本編に出てたのは、コマリと俺か」
一同「う―――――――ーん」
アナウンス(正鷹)「それでは回答どうぞっ」
コマリ「私がナンバーワン!だって主人公ですから」
美祢「なんだかんだ言って冷静な奴が勝つ。つまり俺だ」
由比「頑張っているキャラや過去編が重いキャラは愛されやすい。俺は自分の功績を称えて由比に入れるぞ」
禍津日神「ふん。我に決まっているだろう」
アナウンス(正鷹)「第1問、無事失敗—————————!」
むう「あかんコイツら自我が強い………」
Next→秘密共有組×双子組vs討伐Gメンロボ(グレードアップver)
次回もお楽しみに。
皆さんは憑きもんキャラで誰が好きですか?
良ければまたコメントしてね。ではでは。
- Re: 憑きもん!~こんな日常疲れます~【特別編更新しました!】 ( No.73 )
- 日時: 2023/12/10 20:59
- 名前: むう ◆CUadtRRWc6 (ID: F7nC67Td)
★憑きもんに対するFAQ★
Q1:コマリの逆憑きは現在どうなっているのですか?
A:宇月から貰った魔除けの腕輪の効果で、ポルターガイスト&曇天日が月1くらいになっています。
Q2:美祢が通っていた高校の偏差値はどれくらいですか?
A:75です
Q3:物語の舞台はどこですか?
A:20XX年の東京・黒女市です
Q4:なぜ美祢は宇月のいとこなのに霊能力が使えないのですか?
A:時常家のご先祖様が疫病により命を落とし、術が途絶えました。
Q5:コマリの本来の学力はどれくらいですか?
A:必死に勉強すれば全教科50点くらいは取れます
Q6特別編終わったら、地の文章に戻りますか?
A:はい。本編進めます
Q6:時系列の順番を教えて!
A:Prologue→過去編→本編1~4章→特別編へと繋がっていきます
初見さんは目次の通り読むのをお勧めします
Q7:更新日は?
A:決まっていません。不定期連載です
--------------
〈特別編:第8話〉秘密共有組×双子組
>>71の続きより
飛燕「センパイ! とりあえず一旦撤収して作戦を練りましょう。このままだとジリ貧です!」
ロボット「がガガガガガガ(ジリジリと四人に迫る)」
宇月「……せやな。桃根ちゃん、飛鳥ちゃん。逃げるで」
こいと・飛鳥「了解です!」
~一同、全速力で来た道を引き返す~
~曲がり角の陰に隠れる~
ロボット「目標を見失いマしタ。見失いマしタ」
一同「ふぅー」
こいと「一旦状況を整理しましょう。わたしたちが対処するのは、むうちゃん作のロボット【討伐Gメンロボ】です。あのロボットには戦闘用ソフトウェアが入っていて、自動的にグレードアップします」
飛燕「こっちは霊能力者3人に幽霊一人。俺とこいと先輩がアタッカー、飛鳥とセンパイがサポーターですね」
宇月「桃根ちゃんとヒエは術の多用は避けるべし。飛鳥ちゃんは発動のリスクがでかい。ボクも使いすぎると体調が悪くなる」
飛鳥「僕等の主な戦闘方法は、こいとさんと飛燕が攻撃。先輩がサポート。僕が状況分析でしたね」
宇月「さて、どうしたものか。って炎狐サン、貧乏ゆすりすんのやめてくれん?」
~宇月の隣で、少女に化けた炎狐が舌打ちする~
炎狐「ウム? 戦わないのか? わらわはいつでも準備オッケーじゃが。折角代償を貰ったのに。このままだとわらわは、制限時間まで時間をつぶさなければならん」
飛燕「ごめん炎狐。状況が変わったんだ。少し我慢してくれ」
こいと「あの、思ったんですけど、アナウンスをしている正鷹さんに協力を頼むのはどうでしょう。確か、結界を制御しているのは彼ですよね。うまいことやってくれないでしょうか」
アナウンス(むう)「バンはいまコマリ陣営の説明中だから、手が離せないよ。あと私と彼は今回運営側だから。ごめんね」
一同「うーーーーん」
ロボット「お掃除しマス お掃除しマす(一同の横を通り過ぎる)」
一同「ひぃっ」
宇月「現段階で考えられるのは、誰か一人がロボットを引き付けて隙を作り、あとのメンバーが追い打ちをかける感じで攻撃とかやろか」
飛燕「でも、奴はソフトウェアを更新しますよ。学習能力を持った相手に俺らが適いますかね」
宇月「与えられる情報がないと学習できんやろ。やから、学習するまでの一瞬で攻撃を決めないと。強烈なやつだったら、相手をひるませることができるかもしれん」
こいと「わたしの能力は同じ技を繰り返すだけですから……飛燕さん、他に召喚できる妖怪とかいませんか?」
飛燕「ずっと試してる!(右腕を突き出して)」
~飛燕の右腕から血がポタポタ零れ落ちる~
飛燕「試してるんだ。体に影響がない範囲で、コストを支払ってる。けど今日は調子が悪い。契約してるやつらは他にもいるのに、全然応答しねえ……!」
こいと「そんな……。な、なにかないんですか? 正鷹さんまでとはいかなくとも、強い攻撃持ってないんです……あ」
飛鳥「どうしました?」
こいと「わ、分かりました! 状況を打破する方法!」
宇月「ほんまか!? なんやそれは」
こいと「(頬を上気させて)飛鳥さん、家族はどうですか! 年齢も性別も能力の詳細も把握してる、長い付き合いの人間ですよ」
飛燕「つまりお兄様に変身するってことか? できんのお前?」
飛鳥「確かに。お兄ちゃんの術は私たち兄妹が一番近くで見てきた。なんとかなるかもしれない」
宇月「でも正鷹さんの憑依術は、霊を取りつかせんと――あ、まさか飛鳥ちゃん、やっちゃうんか?(こいとのほうを振り向いて)」
飛鳥「そうです! お兄ちゃんは超希少な憑依特化型! 取りついた霊の能力を自由自在にカスタマイズできる!」
宇月「うおおおおおおおおお、御三家すげえええええええええ」
こいと「え? え? つまり飛鳥さん、変身した状態で私を取りつかせるってことですか?」
宇月「それ以外に突破方法がない。頼む桃根ちゃん、どうなるかは分からんけど、君の力が必要なんや! ボクとヒエが上手いことサポートしたるから、頼む!」
こいと「え、ええ……人間に取りついたことなんてありませんけど」
飛鳥「頼みますこいとさん。やりましょう。飛燕とセンパイのサポート力は僕が保証します。二人は強いです」
こいと「しょ、しょうがない、かあ。わ、分かりました。よろしくお願いしますっ。(どちらにせよ私も、もっともっと強くならないといけないんだ!)」
飛鳥「それでは行きますよ! 術式展開:【転写】! 対象:番正鷹! えーっと3月31日生まれAB型、性格は面倒見がよく時に大雑把、饒舌、好きな食べ物はお寿司で嫌いな食べ物は家で出される高い定食料理、特技は料理(以下永遠に続く)」
~ボフンッと煙が上がって~
正鷹(飛鳥)「よし、上手く行った! 慣れない身体で歩きづらいけど。うわ、めっちゃジャンプできる(ぴょーん)」
飛燕「お兄様の体で遊ぶんじゃねえ!」
正鷹(飛鳥)「よし、こいとさん、どうぞ! 思いっきりタックルしてもらって構いませんよ」
こいと「は、はい。うおおおおおおおおおおおおおお!っひゃ(スイッ)」
宇月「どうや?いったか?」
正鷹(飛鳥)「うん、良い感じです。こいとさん、ちょっと僕技出してみますね」
正鷹(飛鳥)「(思い出せ。お兄ちゃんがやってた、術の発動方法。体の使い方を……!」
飛鳥は手を銃の形に組み、そっと腰を落とした。
スウ、ハアと息を吐く。全身に、力がみなぎっていく。
これが霊能力者最強(だった)兄の力。何という霊力。
正鷹(飛鳥)「お兄ちゃん、ありがとう。行くよ!」
正鷹(飛鳥)「番家流・憑依術! BANG!!!!」
宇月「うわっ」
飛鳥の右手のひさし指から発生したエネルギーの球は、正面にいた宇月の髪スレスレを飛んで行った。
バコンッッッッッッッ!という凄い音が響き渡った。球が着地した地点のトタン板が、円形状に沈没している。
宇月「こっわ! ボク! ボクの手と指ちゃんとついとる!? ちゃんと立ってる? こ、怖! 当たったら即死やったんだけど。ひぃいいいいいいいいっ」
飛燕「…………な、懐かしいぜ。この桁違いの術の感触……。そうだったこんな感じだった。そりゃあ、拳一振りで300体倒すわ……」
こいと(うわああああああ、何ですかあれ、何ですかあれ! なんかすっごい音したんですけど!??)
正鷹(飛鳥)「はぁ……はぁ………はぁ………。OK、感覚はつかめた。これは、行けるっっ」
宇月「ゴメン、今ので腰抜けてしもた。も、もうちょっと時間くれへん? た、タンマ」
※Next→終われま10!のクリアを目指すトキマリ組&天敵組!回答一致なるか。次回もお楽しみに。
- Re: 憑きもん!~こんな日常疲れます~【特別編更新しました!】 ( No.74 )
- 日時: 2023/12/18 11:11
- 名前: むう ◆CUadtRRWc6 (ID: F7nC67Td)
[特別編:第9話]★トキマリ組×天敵組★
【回答一致するまで終われま10! 継続中】
お題bot「第18問~。問題:『体の大きい哺乳類と言えば?』open!」
コマリ→熊
美祢→シロナガスクジラ
禍津日神→知らぬ
由比→ゾウ
美祢「だああああああ、おいマガ野郎! なんだこの回答は!」
禍津日神「フン。我は過去に多くの動物を創造した。何万、何千もの種族を生み出した。いちいち覚えていられぬ」
美祢「意地でも思い出せっ。次っ!」
お題bot「第19問。問題:『パスタの具と言えば?』」
コマリ「うーん。私は王道のアレが好きだけど、トキ兄はあっさりした味が好きだよね」
美祢「ああ。良く作るな。潮の味がしておいしい」
由比「あ、僕分かった。ど、どっち行きますか?」
美祢「ここは王道で決めよう」
由比「ま、マガさんは分かりましたか?」
禍津日神「勿論」
お題bot「open!」
コマリ→ミートソース
美祢→ミートソース
由比→ミートソース
禍津日神→知らぬ
猿田彦「おおおおおおい戦犯! マガっち!」
禍津日神「我は人間の血しか口にせぬ」
美祢「ダメだこれ。おい由比、コマリ、この神の回答に合わせるぞ」
コマリ・由比「はいっ」
美祢「スマホの情報によると、宇月たちは順調らしい。俺らも早くタスクを終わらせないと」
お題bot「第20問! 問題:『敵が膝をついて倒れています。貴方ならなんと声をかけますか?』」
由比「(僕だったら『大丈夫?』になるけど、マガっちさんはそんなこと言わないよな)」
美祢「(あいつは人の気持ちなんて考えていない。簡潔、それでいて冷酷な一言を考えろ)」
コマリ「(えええええ、分かんないよお。『どうした、立てないのか?』とかかな? あ―ダメだ、どうしても読んでいるマンガのセリフになっちゃう)
お題bot「open!」
コマリ→フッ。愚かだな人間
美祢→雑魚め
由比→人間風情が
禍津日神→どうした、大丈夫か
一同「なんで!??」
禍津日神「合わせろと言われたので合わせたまでだ」
コマリ「マガっちさん、もう合わせなくていいんですよ。私たちが合わせますから。話ちゃんと聞いて下さい!」
美祢「せっかく俺らが合わせに行ったのに、なんで逆を行く??」
由比「キャラに合わない言葉書いちゃったよ……」
美祢「あああああああ、もう! イライラしてきた! おいbot、質問ジャンルの変更とか出来ねえのかよ」
bot「出来ます」
一同「できんの!?」
bot「皆さんが答えやすいお題ですと、憑きもんに関するものがございます」
美祢「よし。それでいこう。特別編から俺らのことを知ってくれた読者の為に」
コマリ「私たちで宣伝して好きになってもらうってことね!」
由比「でも、合わせちゃいけないと!」
禍津日神「フン」
お題bot「第21問。『憑きもんのイメージソングを答えてください』」
美祢「イメージソング???」
コマリ「むうちゃんがYouTubeに保存して、よく聞いてるよね。モチベになるからって。つまりそれを答えるってこと?」
由比「これは一致するんじゃないかなあ? むうちゃんから皆、話を聞かされているからね!」
美祢「それじゃ、宣伝もかねて行ってみるか。せーのッ」
コマリ→プライド革命
美祢→プライド革命
由比→プライド革命
禍津日神→人間っていいな
美祢「なぁんでだよッッ!なんでそれなんだよッ」
禍津日神「人間のことを唄にした曲で、真っ先に思い浮かんだのがこれだったのだ。これをイメージソングにすれば、皮肉っている感じがして非常に気持ちいい」
美祢「それはお前の感想ですよね!?」
由比「マガさんの流行り曲は、昭和で止まってるんだね」
コマリ「ってことで、憑きもん!のイメージソングはHoneyWorksさんのプライド革命だよ!キャラごとのイメソンは、【キャラ深堀紹介】に記載してあるから是非聞いてみてね!」
お題bot「第22問!」
美祢「いい加減決めたい……。おい、みんなラスボスの気持ちになるんだ。いいな!」
コマリ・由比「はいっ」
美祢「そんでおまえは意見を曲げないこと! 頭に浮かんだものをそのままフリップに書け。いいな!」
禍津日神「御意」
お題bot「22問。『憑きもんで一番強いのは誰?』」
コマリ「来たっ、ラッキー問題! これはあれでしょ!」
美祢「おい禍の神。自分を貫けよ頼む」
由比「もうほぼ答え言っちゃってますよ美祢先輩」
お題bot「open!」
コマリ→禍津日神
美祢→禍津日神
由比→禍津日神
禍津日神→我
お題bot「パンパカパーン! クリアです! 皆様には次の部屋の鍵をお渡ししましょう!」
美祢「よっしゃああああああああああああ!やっと出られるっ(ガッツポーズ)」
コマリ「長い道のりだった……。ラスボスの気持ちになるって、難しいんだね」
由比「うんうん。まさか、童謡が来るとは思わなかったよ」
お題bot「それでは鍵をお渡ししますね」
~天井の通気口から、銀色の鍵が落ちてくる~
一同「いや適当すぎる!!!」
美祢「うおおおおおおおおっ、誰か拾って!」
由比「任せて!右手だけ実体化させて……。(スイィと飛行移動。パシッ)キャッチ!」
コマリ「おおおお。流石幽霊」
由比「えへへ。この鍵を鍵穴に差し込んで」
~カチャカチャ~
~ギィィィィィィッ~
由比「! 開いたっ。みんな早く外へ!」
~一同が、部屋の外に出ると~
扉の先は、広い廊下だった。幅は一メートルほどだろうか。左手にある突き当りの壁は行き止まり。右手側は、シャッターで封鎖されている。
どっちに行けばいいんだ、と辺りを見回した美祢。
その視界に突然、ある人影が映り込んだ。
宇月「うわ、ちょ、なんでここに居るん!?」
美祢「! 宇月!? ま、まさか俺たち、戦闘組のすぐ近くで終われま10やってたってことか?」
宇月「なんやよう分からんけど今取り込み中やねん!巻き込まれんのが嫌なら、はよ逃げや!」
美祢「へ? うわっ、あれはさっきの、ゴキブリロボ!?」
宇月「知っとるんかいな!」
振り向いた先に、鉄製のゴキブリ型ロボットがいた。目を赤く光らせ、ホース状のアームを伸縮させている。
それは間違いなく、美祢が数分前モップでバコーンと倒した、例の敵だった。
コマリ「宇月さん!? なんでこんなところに居るんですか?」
宇月「そのセリフまんま返すわ。なんでこんなところに居るん? ちょ、今マジでやばいから動かんどってな」
コマリ「? うわ、何あのロボットッ」
宇月「コマリちゃんがたちが何のお題やったかは知らんけど、ボクらの共通お題はアレを倒すことやねん。やから、ほんま動かんどってな」
宇月「【黒呪符】!」
ロボット「ウ゛ッ」
宇月は、白衣のポケットから一枚の黒いお札を取り出し、それをロボットに向かって投げつけた。
呪符はシュッと空気を切り裂いて、有刺鉄線の縄へと姿を変える。
縄に右足をグルグルに縛られ、ロボットは大きくよろけた。
宇月「今やヒエ!」
飛燕「了解っすセンパイ! どりゃああああああああああああ!」
曲がり角に隠れていた水色髪の少年が、宇月の掛け声を受けてバッと飛び出した。
リスのような素早い動きで、敵の背後に回る。右足を踏み込み、軽々と彼は地面を蹴って空を舞った。
ロボット「対象を確認シまシタ。攻撃にうつりまス」
飛燕「今だ飛鳥! 撃て――――――ッ」
飛鳥「【番家流:憑依術】……」
ウルフカットの少女・飛鳥が術を発動しようとした0.001秒前。
扉の隙間から顔をのぞかせたおかっぱの少年が、右手のひらから黒い球を発生させていた。
禍津日神「なんだ、敵か」
※Next→憑きもんだよ、全員集合!(違う)。特別編はあと2,3話で終了になります。最終話公開時の閲覧数に応じて、誰の視点で本編を再開するかを決めます。よろしくお願いいたします。
うーん。カオスになる予感しかしないわね。
- Re: 憑きもん!~こんな日常疲れます~【本編・修正作業中です】 ( No.75 )
- 日時: 2023/12/19 12:53
- 名前: むう ◆CUadtRRWc6 (ID: F7nC67Td)
[特別編:最終話]★憑きもんメンバー全員集合!★
禍津日神「なんだ、敵か(技を発動させようとして)」
由比「ちょっ、ちょっと待って!(禍津日神の前に立ちふさがる)」
廊下の通路に取り付けられている扉から顔を出しかけた禍津日神を、白髪の少年が咄嗟に制した。
白色のニットに、薄水色のシャツを着た彼の体は透けており、宙にフワフワと浮いている。
禍津日神「なんだ童。退け。前が見えぬ」
禍津日神は心底嫌そうに肩を回した。
いきなり脱出ゲームに参加させられる、嫌いなものと一緒に同じ部屋に入れられるなど、ストレスの多い展開が今日は続いていた。
これでやっと、自分の本来の目的――敵を排除すること―を行えそうだったのに。
由比「こ、ここで術を発動すると、今戦っている人たちにも攻撃が当たっちゃいます! そうすると、貴方以外全滅する可能性もあります」
俯き加減でボソボソと喋る由比が、珍しく大きな声で話し且つ自分を睨んできたので、禍津日神は目を丸くする。自己主張をせず、相手に合わせるだけの人間だと思っていたが、どうやら違うようだ。
禍津日神「つまり一旦ここは奴らに任せろと」
由比「はい。それに、この話が終わったら本編が再開します。人を死なせるわけには行きませんっ」
禍津日神「成程。確かに。我としても遊び相手がいないのはつまらぬ。貴様の考えには納得できるな」
由比「あと戦いの場では、自分の立ち位置を把握するのも重要です。僕たちが、あの場所でも戦えるかと問われれば……」
美祢「まあ無理だろうな。俺はコマリのボディーガードとして、コイツの隣にいるのが最善策だろう」
コマリ「そうだね。つまり私たちは宇月さんが言った通り、ステイするのが良い」
コマリ「だけど……他の人たちが戦っているのに、何もできないのはなんか嫌だなあ」
宇月たち霊能力者組は、現在もロボット―討伐Gメンロボと対峙中だ。禍津日神の発言のせいで、飛鳥が攻撃を発動するタイミングがずれてしまった。
飛鳥はロボットの攻撃を回避することが出来ず、鉄製のアームによって数メートル先に飛ばされる。彼女が立ち上がるまでの時間を稼ぐため、宇月と飛燕がロボットに立ち向かっていた。
ロボット「ガァアアアアアアアアアアア」
宇月「【操心術!】」
ロボット「!? ……(飛燕の方に向かっていく)」
宇月「よし。って、いだああああああ!!??」
宇月の能力である操心術は、長時間使い続けると頭痛や腹痛を引き起こしてしまうと言うデメリットがある。頭の中を駆け巡る鈍い感覚に、宇月は顔をしかめた。
飛燕「大丈夫っすかセンパイ!?」
宇月「……なんとか……ヒエ、そっち行ったで!」
飛燕「ハイ!」
ロボット「お掃除……しマす!」
飛燕はロボットの攻撃を右に飛んで回避すると、ダッと右足を踏み込んで再び空を舞う。そして着地点が敵の頭上と重なると、両腕を前に突き出した。
飛燕「【謁見】!髑髏!」
シュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!
飛燕が詠唱すると同時に、黒い靄が彼の体から発生する。その靄から出てきたのは、体長約二メートルもある大きな骸骨だった。
骸骨はガシャガシャと骨を鳴らしながら空中から落下。物理的に押しつぶされたロボットの頭部は破損。空いた穴から中の絡繰りが出てくる。
ロボット「ブッ……ブスブスッ……」
飛燕「飛鳥、いいぞ!」
飛鳥「OK(よろよろと起き上がって)BANG!」
飛鳥の指の先から発生したエネルギー砲が、ロボットにトドメの一撃をくらわす。正面から攻撃を食らった鉄の塊は、その後起き上がることはなかった。
★ミッション・コンプリート★
アナウンス(正鷹)「お、やるぅ。みんなお疲れ! これにてすべてのミッションが達成されました! 突き当りのシャッターを上げます。出口はその先にあるから、安心して通ってください!」
霊能力者一同「ふぅー」
傍観者一同「ふわああああああ(感嘆のため息)」
コマリ「すご……すごいよトキ兄! あの人たち、あっという間に敵を倒しちゃった!(目をキラキラさせて)」
美祢「そ、そうだな。あっという間にじゃなかったけど、皆強いな」
コマリ「漫画の登場人物みたい。いいなあ、かっこいいなあ! 後でサイン貰おっかなああ」
美祢「なんで芸能人扱いなんだ。って、そんなに身を乗り出すなコマリ。まだいいって言われてないだろ!」
こいと「はー、何とかなりましたねえ飛鳥さん!わ、わたし上手にできていましたかっ?(飛鳥の体から出る)」
飛鳥「うん。ばっちりだったよ。僕の方こそごめんなさい、無理言って。ありがとうございました」
飛燕「はぁ、はぁ、はぁ。やっと呼び出せた! ったく、見ろよこの手!(両腕を髑髏に見せる)」
飛燕の両腕には、肘から手首にかけて血の線が引かれていた。
飛燕「さっきから貧血でフラフラするし…もっと早く来いや……。炎狐と蜘蛛爺は制限時間切れでもう呼び出せねえし……。なんで今日こんな遅かったんだ?」
髑髏「誰ガ行コウカッテ、モメマシタ」
どうやら、飛燕と契約している妖が、謁見権を競い合っていたらしい。最初に出現した炎狐は周りの意見を聞かず飛び出してしまったようだ。蜘蛛爺は長年の付き合いなので、あっさり召喚できたが。
飛燕「はぁ……って、う゛!?(頭を押さえて)い、痛ッ」
宇月「あ、ごめん。ヒエに術かけてたから、それ解いたんや。どう? 体調とか平気か?」
飛燕「は、はい。なんとか。平気っス!」
美祢「(待って、あの骸骨喋れるんだ。すげえな)」
~憑きもんメンバー、全員でシャッターへと向かう~
コマリ「お、お疲れ様です皆さん! す、すごかったです!(扉から出て)」
宇月「おーコマリちゃん。美祢と恋人つなぎしたんやって? どうや、上手く行ったか?」
コマリ「え、えと、まあ、はい。ていうか宇月さんも壁ドンしてませんでした?」
宇月「あ、あぁー……うーん(目をそらす)」
由比「い、いとちゃんっ! ぼ、僕のこと覚えてるかな」
こいと「!? 由比っ」
由比「ごめんね、いとちゃん。沢山言いたいことがあるけど、伝えるのはまだまだ先になりそう。いつかちゃんと、本編でも話すから」
こいと「ううん、ううん。(ブンブンと首を振って)由比が元気そうでよかった! 待ってるよ、わたしも頑張るからっ」
由比「うん、約束。お互い頑張ろう。指切り」
こいと「ふふふ。また、一緒に笑えますように(小指を重ねる)」
飛燕「あーあ、これ終わったらまた怒涛の毎日だぁ。うわ、冬休みの課題あるじゃん。マジだるいんだけど……しかもACEの研修もあるし」
飛鳥「僕も色々やることが増えそう。はぁ」
美祢「まぁ、たまにはこういう日も悪くないな」
コマリ「そうだね。皆に会えたのも、逆憑きの効果かな。はは、だったら全然嫌な体質じゃないね」
美祢「俺は迷惑してるけどな」
アナウンス(正鷹)「それではみなさん、お憑かれ様でした――っ。次からは本編に戻りますので、またよろしくお願いします!」
むう「只今本編修正中です。ちょっと文章が変わってたりするから、ご了承ください。話の展開はあんまり変わらないから安心してね。それではまた次回! ばいばい!」
- Re: 憑きもん!~こんな日常疲れます~【特別編終了&本編修正中】 ( No.76 )
- 日時: 2023/12/25 16:45
- 名前: むう ◆CUadtRRWc6 (ID: F7nC67Td)
視点変更ルーレットをやった結果、コマリ視点になました。
書きやすいし良かったかも(・・?
あと本編修正・終了しました。変更した個所は、第一章です。
今冬なのに、本編ではまだゴールデンウイーク明け。
本編再開です。
―――――――――
〈コマリside〉
番飛鳥ちゃんが転校してきてから早一週間。私は彼女と一緒に行動することが増えた。
席が前後なので授業では頻繁にペアになるし、選択科目は同じだし。その上、なんと委員会や掃除場所まで一緒になっちゃったの。
先生は「たまたまだよ」って笑っていたけれど……。うむむ、これも逆憑きの効果かしら。
でも、最近私の悪運体質はだいぶ落ち着いているんだよね。
というのも一か月前、私は同居している高校生・トキ兄のいとこから、魔除けの腕輪を貰ったんだ。お風呂に入る時以外はつけとけって言われてたので、毎日肌身離さず持ち歩いているんだけど。
この腕輪、本当にすごい。毎日起きていたポルターガイストはぴたりと止み、突然雨が降ることも知らない人に突然声をかけられることも無くなった。よって、比較的安定した生活を送れているんだ。
でも、私は『嫌なことが立て続けに起こる』のが普通だったわけで。未だ、些細な出来事も「これって……」って疑ってしまうんだよね。
さて。話は変わまして。
私は現在学校から歩いてニ十分ほどの距離にある自習OKのファミレスに、飛鳥ちゃん、そして幼なじみである杏里たちと来ている。
今日は土曜日だったんだけど、学校がある日でね。午後は授業がないから、皆で勉強会も兼ねてご飯を食べに行こうってことになったんだ。
ちなみに中学生は家族の同伴がないと買い食いできないため、杏里のお母さんが同行してくれている。ありがとう、おばさん。
「コマちゃん、そこの古文の読み方間違ってるよ?」
対面に座る杏里が、テーブルに広げた私のノートを指さす。
「え? どこどこ?」
「上達部。うえたつべ、じゃなくて上達部って読むんだよ。この前の授業でやったじゃん」
もう、と頬を膨らませる杏里に対して、私は真顔。横に置いていた筆箱の中から消しゴムを取り出し、無言で回答を消していく。
なんで部で『め』って読むんだろう。うーん謎だ。
「福野くんも、そこの英作文間違ってる」
と言ったのは、私の右隣でオレンジジュースを飲んでいた飛鳥ちゃん。
腰に巻いた学校指定のセーター、緩めた黒色のネクタイ。半袖Tシャツの下には紺色の薄手のヒートテックを着ている。
「え、どこ?」
「ほらここ。I going to play game this weekend.これ、なんて書こうとしたの?」
「え、『私は今週末ゲームをする予定です』って」
飛鳥ちゃんは真剣な顔。
「be動詞が抜けてるよ。be+going to~で、○○するつもりだ・○○する予定だになる。このままだと『です』部分が抜けていることになっちゃう。Iとgoingに入る単語を考えてみて」
「えーっと。そうだ、am忘れてた」
「正解。よくできました」
流石、元律院附属中。教え方が丁寧で無駄がない。彼女のワークブックや教科書は、テーブルの奥に閉じて重ねてある。
なんとこの子、ファミレスに来てから数十分で今日出された課題を全部解いちゃったの。全教科合わせて、六つくらいはあったのに。
「飛鳥ちゃんすごいね。難しい問題もスラスラ解けてさ。先週やったゴールデンウイーク明けテストも満点だったじゃん」
私はシャーペンの頭で頭を掻きながら、ちょっと不貞腐れて言う。
自分もあれくらい素早く問題を解けたらいいのになあ。一問解くのに三十分かかるようじゃ駄目だよね……。
「そんなことないよ。僕の場合は友達が居なくて、ずっと勉強してただけだから」と飛鳥ちゃんは笑い、顔の前で両手を振った。
「人付き合いが苦手でさ。小1から小6まで、友達が出来なかったんだよね。その寂しさを埋めるために勉強してたの。中学入って話す人は出来たけど、あんまり気を許してなかったな」
そういえば転校した日、学校に馴染めなくて公立中学に移ったって言ってたっけ。勉強が好きだから点数が取れているのかなと思っていたけど違ったんだね。
「そうなんだ。ごめんね、なんか」
「いいや。大丈夫だよ。今はちゃんと話せる友達がいるしね」
飛鳥ちゃんの笑顔には、暗い影が落ちていた。
——小1から小6まで、友達が出来なかったんだよね。
私も、同じような経験をしたことがある。
逆憑きの対処法も分からず、頼れる人間もいなかったあの時期、自分の世界は黒一色に染まっていた。
仲良くなった友達は、ほとんど引っ越した。運動会や遠足、体育祭、卒業式は全部雨だった。娘のせいで家の修理代は馬鹿ならない。自分が存在しているだけで、周りの人間が不幸になる。
いっそ、死のうかな。と考えた日もあった。
だけど今年の春、お父さんがアパートを紹介してくれて。トキ兄と出会って。私の生活は変わった。
『お願いします! 私の逆憑きを直してください! いい妖怪見つけてくださいお願いしますううううう!』
トキ兄と初めて会った日、私は部屋の扉を開けた彼の足にしがみついて、泣きながら頼み込んだ。
『っ!? 何だお前!? はなれっ、はなっ』
『迷惑をかけるのは重々承知をしているのですが、わが家を倒壊させるわけにもいかないんですうううううううううう! この後このアパートも半壊させるかもしれませんけど……』
『なにそれ怖ッ。ちょ、半壊させる奴と一緒は流石に無理なんだが』
『う。うぅ……』
『うわ。泣くな! 分かった、分かったから。とりあえず話聞くから!』
想えば、トキ兄には色々と我慢させてしまっているよね。幸い台風が直撃することはなかったけど、ポルターガイストが起こるだけでも十分怖かっただろう。
「私も沢山の人に迷惑かけてるから、その気持ちは分かる」
「そっか。月森さんも色々苦労してるもんね」
飛鳥ちゃんはトレーに並べられたフライドポテトを頬張る。
………って、あれ? 今の発言、なんかおかしくなかった?
『月森さんも色々苦労しているもんね』。色々苦労しているんだね、じゃない。『苦労しているもんね』だ。
飛鳥ちゃんはこんな風に、まるで私の過去を知っているかのような口ぶりで話すことが度々ある。
転校初日にも、『嫌なことが起こらないといいね』と言っていた。図書当番で一緒になった日は、私に妖怪大辞典をお勧めしてきた。
これは、偶然? それとも彼女は、私のことを知ってる?
もしかして過去に会ったことがあるのかな。珍しい苗字と名前。一度会ったら忘れることはなさそうだけど……。
「ねえ、飛鳥ちゃん。私と飛鳥ちゃんって、昔会ったことあったっけ?」
「なんで?」と飛鳥ちゃん。
「だって。いかにも私のことを知ってそうな言い方だったじゃん。ちょっと不思議だなって思ってさ」
幼稚園が同じだったとか? いや、一個下の学年にも知り合いはいたけど、番なんて苗字の子はいなかった。
転校した友達ではないよね。そもそも歳が違うし。
スーパーやデパートで見かけたとか? けど、それだけで私が苦労していることが分かるものなのだろうか。もしそうならエスパーとしか……。
恐る恐る右隣を見る。
飛鳥ちゃんは、「ふふっ」と妖艶に笑い、テーブルに頬杖をついた。綺麗に磨き上げられた爪に照明の光が当たる。
「どっちだと思う? ていうか、どっちなら月森さんは安心するの?」
『うん』でも『いいえ』でもない返答に、私はただただ目を白黒させるしかなかったのでした。
――――――――――
※次回に続く。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16