コメディ・ライト小説(新)

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憑きもん!~こんな日常疲れます~【更新停止】
日時: 2024/01/26 23:11
名前: むう (ID: F7nC67Td)

 中学2年生の私・月森コマリには一つだけ悩みがある!
 それは、世にも珍しい【逆憑き】という体質なこと!
 なんとなんと、自分の行い全てが悪い方向に行くみたい。
 自分の存在自体が悪い妖怪とかを呼び寄せてしまうんだって。
 治すには、悪い妖怪と一緒に集まってきた、いい妖怪か幽霊さんの力を借りるべし。
 でもなかなか、そんな優しい幽霊来ないんですけど———!?
 悪運強すぎJCの日常ラブコメディはじまりはじまりっ。
 ―-----------
 《2023年夏☆小説大会 
2023年冬☆小説大会 銀賞入賞!》
 投票して頂きありがとうございます!!
作者とキャラの感想はコチラ→>>54

 ★重要キャラクターLog★
 >>23

 ★応援コメント★
 >>09 >>47

 ※不定期更新です! 
 ※視点変更をメインとした展開です。毎話ごとの主人公がいます。ご了承ください。
 ※若干のシリアス描写がありますが、基本は日常コメディです。
 
 
---------------------

 【目次】一気読み>>01-

 〈第1章:新たな出会いは疲れます! >>01-17
 プロローグ>>01
 第1話「ヘンな同居人」>>02-04 
 第2話「誰だお前」>>05-06
 第3話「ヘンな協力者」>>07-09 >>10
 第4話「変化」>>11-17

〈第2章:新たな関係は疲れます!>>18-33
 第5話「要らない力」>>18-21
 第6話「契り」>>22-24
 第7話「プレゼント」>>25-28
 第8話「側にいれたら」>>29-33
 アフタートーク>>34

 閲覧数1000突破記念★キャラトーク>>46
 閲覧数1400突破記念★キャラ深堀紹介>>51
 閲覧数2100突破記念★○○しないと出られない部屋>>65-70 >>71-75

 〈第3章:〔過去編〕疲れたきみと僕の話>>35-57
 第9話「幽憂レコード:前編」>>35-38
 第10話「幽憂レコード:後編」>>39-40
 第11話「禍と鳥:前編」>>41-45
 第12話「禍と鳥:中編」>>47-50
 第13話「禍と鳥:後編」>>52>>53>>55>>56
 アフタートーク>>57

〈第4章:新たな試練は疲れます!>>58-
 第14話「転校生がやってきた」>>58-60
 第15話「素直になれない僕らは」>>61-64
 第16話「違和感」>>76-


 【重要なお知らせ ※必読お願いします】>>81
 

 
[記録Log]
 2023年1月11日、本編執筆開始。
 2024年1月13日〜更新停止
[参考文献リスト]
・新訳:古事記
・妖怪大辞典
・京都弁(YouTube講座)
 

Re: 憑きもん!~こんな日常疲れます~【第3章開始★】 ( No.42 )
日時: 2023/08/28 07:56
名前: むう (ID: viErlMEE)

 禍「どうもーっ! 暗黒の禍神ヴァイオレンス・ゴッド、もとい禍津日神ことマガっちでーす!
 今日はついについに、猿田彦が人間の由比くんとこいとちゃんを助けに行くよっ。あ、時間軸は
 メインストーリーの一年前だから、よろしくねーっ。ということで本編……ってなんだこの台本はああ!」

 むう「すごいマガっち。ちゃんとキャピキャピできてる」
 禍「やめろっ! 『この時期テストでみんな疲れてると思うから、悪役ボケで読者の疲れを癒そう』など、おかしなことを言いおって貴様! 作者だからって何でも許されると思うな。いいか、今度舐めた真似をしたらお前の魂をあの世に送るからな(胸倉をつかんで)」

 むう「トゥンク」
 禍「なぜときめく」

 むう「最近の子って、ギャップに萌えるのよ。一見ツンツンしてる子が時折見せるデレに、キュンってするもんなのよ」
 禍「ほう。そうか。つまりこの小説の読者は我を前に恋に落ちると……。ふ、貴様は馬鹿か? 神が両手ピースで目をキュルキュルさせる世界線がどこにある」

 むう「HERE(ここ)」
 禍「………………よし、今すぐあの世に送ってやる」


 ------------------------

 〈由比side〉

 僕は屋上のフェンスから身を投げて、空を飛んだ。
 やっとこれで解放される。やっとこれで楽になれる。
 痛いこともつらいことも苦しいことも、もう終わりだ。

 やり残したこともない。僕は充分頑張ったよ。
 お母さんの前ではいい子を演じて。友だちの前ではのんびり屋さんを演じて。
 塾では、流石に嘘はつけなかったけど、それでも毎日足を引きずりながら生きたよ。

 そうだ、生き切ったんだ。だから何も悲しくなんてないんだよ。
 つらくない、苦しくもない、痛くもかゆくもない。
 この命がこぼれたとしても、それは自然の摂理で。
 
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、いとちゃん、いとちゃんいとちゃんいとちゃんっ………」

 …………どうしようもないくらい、最期まで僕は馬鹿だった。

 僕は、震える足を必死に動かしながら、ほふく前進で彼女の元へ行く。
 自分の横、中庭の地面に仰向けで倒れているひとりの女の子の元へ。
 砂利を濡らしているのは、自分のあごから滴る汗と、額から流れる大量の血と、そして友だちの生きた証である、赤い、赤い何か。

 全身が鉛のように重い。体温が徐々に下がって行く。それでも僕は視界を使って、なんとか、なんとか前へ進む。

 よし、もうちょっと。あと少し。……ついた。
 僕は涙でぐしょぐしょに濡れた顔を、堂々と相手に見せつけてしまった。

「………ゆ、い…………あはは、だい、じょう、ぶ?」

 いとちゃんは掠れる声でそう呟き、右手をそっと上げる。日々の運動で、ほどよく日焼けしていた肌は、枯葉のような真っ青な色へ変わっていた。
 爪の中に血の塊が入っていて、ううん、セーラー服の襟元もスカートも、赤一色で。
 きみの身体は、比喩でも何でもなく、黒々とした赤に染まっていて。

「い、いと、いとちゃ………っ」

 僕はそのあと、何も言えなくなってしまった。
 何を叫んでも、すべて言い訳になりそうで。何を伝えても、すべて無意味になりそうで。
 だから、だから僕は、最期の力を振り絞って、いとちゃんの指に自分の指を重ねた。
 目と目を合わせて、体と体をぴったり寄せ合って、お互い弱くなる心拍数を、合わせた。

「…………ゆいの、せいだ。ゆいが、……『死にたい』なんて思わなければ、うちも、飛ばなかった」
「…………っ」

 いとちゃんの言葉をかみしめる。
 そうだ、その通りだ。今の現状に終止符を打とうしたから、いとちゃんは僕を止めようとしてくれたのだ。僕が何も言わなかったから、僕が何も話さなかったから、彼女は『一緒に飛ぶ』ことを選んでしまったのだ。

 飛んで何が変わったか。
 明るい未来が待っていたか? 痛い思いをしなくて済むようになったか? 解放されたか? 楽になれたか? 苦しくなくなったか?

 …………何も変わらなかった。だって、飛んだのは自分ひとりじゃなかったから、
 横にきみがいたから。きみが横にいてくれたから、僕は飛ぶことを躊躇してしまったんだ。
 そして今、きみの命がこぼれていくのを理解して、苦しくてたまらない。


「でもね、ゆい……。自分を責めないで……。ゆいは、何も、なにも、悪くないんだから……」
「ちが……。ちが――っ。ゴホッ。ゴホッゴホ」

 喉の奥からせりあがった血で窒息しそうになる。
 僕らに遺された時間は、あとどれくらいだろうか。

「わかってるよ、ホントは、ホントは、とっても生きたかったんだよね……」

 いとちゃんは、薄く笑う。そして、横に倒れている僕の髪を、空いている左手でそっと撫でた。教室で同じように髪をいじられたことがあったが、今回は状況が違う。いとちゃんの右手は、ぶらんぶらんしていて、ちょっと力を抜いたらすぐに崩れそうなくらい、動作が危なかっかしくて。

「いき、たかった……?」
「そうだよ。いきたかった、でしょ? ほんと、は。いきたい、から、しのうと……したんでしょ」


 お母さんに干渉されることなく、日々を過ごしたい。そう思っていた。
 お母さんなんか大きらいだ。お母さんのせいで僕の世界はこうなった。
 ずっとそう感じていた。


 でも、心の中では……いや、昔から僕は、お母さんのことが好きで。
 感謝の気持ちは本物で。母親と息子の愛は本物だと思っていて。

 そうだ、僕が求めていたのは、「死」ではない。
 僕は、生きたかった。この世界を、もっともっと楽しみたかった。

 成績とか頭のよさとかキャリアとか、そんなものではなく、もっと、もっと単純に、自分を認めてほしかった。それさえクリアできれば、後は自力で乗り越えられる気がしていた。
 それだけでよかった。シンプルで複雑な、愛情ってもんが、ただただ欲しかった。

 
 無理だった、けど。


  
「いき、たかった……」
「うん、わかってる」
 
 視界が暗くなる。

「あいされたかった。……あい、したかった」
「うん、そうだ、よね。わかってる。だから、……最期まで、うちはゆいの……そばに……る」


 全身の力が抜ける。 
 

「ぶんかさい、いちばんまえ……で……みたかった」
「うちも、みて……もらいたかった」


 確か演目は『バラとイバラ』。
 どんな内容なのかわからないけど、いとちゃんがやるなら、絶対神作品。



「ら――せは、いっしょに、……みに……いこう」
「うん、ぜ、ったいね」


 痛みが、消えていく。
 あ、ダメだ。右耳が聞こえなくなってきた。

「ねえ、さいご……言いた………ことがあったんだ」
「………き……よ」

 自分の声もなかなか聞こえない。
 いとちゃんの声も、あんまり聞こえない。


 唇の動きで、なんとか推測できる。
 さっき言ったのは多分、「遅いよ」とかかな。


「………ぼ……は」


 ああ、無理だ。左耳も機能しなくなるなんて。
 血がどんどん外に流れていく。
 言わなきゃ、さいごに……さい、ごに、これ………け…………は。


「……………だい、すき」




 ――――――――あ。死んだ。




 ------------------------------------------------

「うわ、血生臭ッ。こいつらまさかあの高さから飛んだのか? 嘘だろ。……魂と体の分離が始まってんな。さて、どうしたものか。自ら死を望んだものに介入するのはご法度だ。……どうする、偶然の再会その2」

 猿田彦は、由比とこいとが通う中学校の上空に浮いていた。
 目線を前に向けたまま、後ろにいる相手に呼びかける。
 

「――なんじゃその変な呼び名は」と、相手は渋い顔。
「おい、睨むんじゃねえ。わかった、言い換える、言い換えるから!大国主オオクニヌシ、な」
「ふん。それで良い」

 答えたのは、長い黒髪の女性だった。若葉色の着物を着て、白い帯を締めている。
 縁結びで知られる、日本の有名な神様であり、猿田彦の古い知り合いである。
 …………さきほど偶然出会った。

「なにやら慌てておるが、どうしたんじゃ」
「おう。つまりだな。『道開きの神、ラスボス退けて人間救助! ~旧友と再会したんで協力たのんでなんとかします!~』って流れだ」

「なぜ、ライトノベルのタイトル的にまとめるんじゃ。緊迫感に欠ける」
「なにって、ライトノベルにおいて神の存在は不可欠だろ」

 長年人の世にいたせいで、猿田彦も大国主命も、人間に関する知識がかなり豊富だ。
 その気になればパソコンだって使いこなせる。ネ○フリだってみようと覚えば見れる。
 取り憑く相手が子供なので、彼らに影響されたのだろう。

「はあ。まあいい。状況は自力で理解する」
「かなり複雑だが大丈夫か」
「………大丈夫じゃ、なんとかなる。さて、なるべく早急に済ませるぞ。奴が来る前に」



 ※次回に続く!

 






 






Re: 憑きもん!~こんな日常疲れます~【第3章開始★】 ( No.43 )
日時: 2023/12/05 08:29
名前: むう (ID: F7nC67Td)

 〈拡長編:本編前のキャラトーク!〉
 ※本編に組み込んだら長くなりそうだったので、拡長編にしました。
 今度のストーリーを分かりやすくするための用語などを、キャラがお話します。
 それでは、どうぞ。

 宇月「ご無沙汰してますメインストーリーの方の夜芽宇月と!」
 美祢「同じくメインの世界線の時常美祢だ……って、なんでコイツと一緒なんだ(舌打ち)」
 宇月「それはこっちのセリフ。なんでこんな奴と一緒やねん。マジで意味わからへん。って違う違う違う違う、あああああ、まーたボクはいらんことを……」

 美祢「え、お前俺と一緒がいいの?」
 宇月「ま、まあ、別に? 隣に居ってやってもええかな、とは、その、まあ、はい」
 美祢「…………………え、なんか変な虫でも食った?」
 宇月「なあ、むうちゃん。美祢が懐いてくれへんのやけど」
 
 (日頃の行いがなあ)

 むう「おい美祢、『協力しよう』って言ってたでしょ」
 美祢「まだ過去編だろ」
 むう「まーたおまえはそうやってメタ発言をする……。そんな子に産んだ思えはないぞ」
 美祢「知らねえよ」

 むう「本当は好きなくせにぃ」
 美祢「好きじゃないし」
 むう「尊敬してるくせにぃ」
 美祢「してねえって」

 むう「はい、ここに取り出しますは時常美祢の日記帳」
 美祢「……はっ!? お、おいどこから持って―」
 むう「『5月6日 また宇月とうまく話せなかった。本当は一緒にゲームしたいのに』」
 美祢「うわああああああああああっ! 返せ、早く返せっ(真っ赤になりながら)」
 宇月「………………(同じく真っ赤になって黙り込む)」 
 美祢「何か喋れよ!」 
 

 宇月「は、はいはーい(手を叩いて)。それでは本編前のキャラからの挨拶やってくでぇ」
 美祢「はぁ、はぁ。おい、お前今すぐテーブルの角に頭ぶつけて忘れろ」
 むう「無理。もう録音しましたので」
 美祢「………………………死にたい…………」


 (禍「なら我が冥府へ送ってさしあ……、お、おい貴様なにをする、我の手を気安く触るなっ」)
 (猿「ここは俺が食い止めるから早く進行しろっ!」)


 宇月「えーっと(台本を開く)。『霊能力者について説明せよ』? え、ボクに言うてる?」
 むう「(口下手なもので上手く説明できません。お願いします、の視線)」
 宇月「……はあ。しゃあない。OK。んじゃ、説明していくで。今回は今後のストーリーにもかかわってくるから、みんなついてきてな」


  ★宇月さんによる霊能力者講習会★

 宇月「霊能力者は主に三つのパターンに分けられる。憑依系・使役系・操術系や」
 美祢「なんだそれ」
 宇月「詳しく見ていくで~」

 【使役系】
 ・妖怪、幽霊と契約し共に戦う

 宇月「まず初めに使役系や。このスタイルが一番多いで。代々続く家柄だと、共闘する怪異も決まっとったりする。最近は自由に選べるようになっとるかな」
 美祢「具体的に何人くらいいるんだ?」
 宇月「せやなあ。霊能力者が全国に3000人ほどおるから、うーん。6割はこれやな」
 むう「へえ。けっこう多いんだね」

 宇月「最近知り合った子ぉの一人が使役系やな。あの子、変な性格やけど腕前は確かなんよな……。なにか収穫が得られるかもしれんし、今度コマリちゃんらに会わせてみよかな(小声)」

 宇月「みんなに分かるように言い換えるならば、吸血鬼との契約とか、悪魔との契約とかみたいなもん。使役系の霊能力者は、共闘する怪異に対価を支払うで。血液とか、お供え物とか」
 美祢「妖怪はどんな奴らなの?」
 宇月「一番多いんは、動物の霊。猫、犬、狐、狸なんかは有名やな。こっくりさんってあるやろ? あれで狐の霊がよく出んのは、それだけ扱いやすいって事や」

 【操術系】
 ・自分の特殊能力を使って霊を祓う戦闘スタイル

 宇月「お次は操術系。これは全体の3割。ボクのマインドコントロールもこれに当たるな」
 むう「特殊能力って、霊能力のこと? 霊能力者は全員能力もってるんじゃないの?」
 宇月「それが違うねん。霊能力は、操術系の人しか持ってへん。つまり、霊能力をもって生まれたら、絶対そのチカラを使って戦わんとあかんってことや。使役系や憑依系は、能力とは言わん。『体質』って言い換えられるな」

 美祢「だからお前、本編で『こんなチカラいらん』とか言ってたのか」
 宇月「あ。一応、霊視とか、乗っ取りの耐性とかはみんな持っとるで~」

 むう「こちらは何が有名なんですか、宇月先生」
 宇月「人の数だけ術があるから、あんまり把握しとらんけど……。【光の使者】は強いな」
 美祢「光の使者?」
 宇月「古来より、光には闇を祓う力があるとされとる。よって、光系統の霊能力を持つ霊能力者は、最強とうたうわれがちや」


 【憑依系】
 ・自分の身体に霊を憑依させ、自分の代わりに戦わせる戦闘スタイル

 宇月「最後は憑依系や。霊能力者の中ではめちゃくちゃ希少。割合はわずか1割や。やから、憑依体質がわかったら、こちらも強制的に討伐に参加させる決まりや」
 むう「霊能力者界隈、めっちゃシビア……」
 宇月「あまりに珍しいから、『~様』とか、『~姫』とか呼ばれとる。ボクはそういうのはあんまり好きやないけどな」

 美祢「ちなみにお前、憑依系の人に会ったことあるの?」
 宇月「京都ではない。こっちに移ってきてからは、二人。一人は上司の篠木さん。でもあの人、いい人過ぎて逆にこっちに様付けするんよ」

 むう「篠木さん……今度登場させようか迷ってるけど、宇月さん的にはどう?」
 宇月「え、ここで聞くん? あーそうやな、ピンチの時は頼るかもしれんな」


 -------------------------

 宇月「ということで、霊能力者のタイプ、わかってもらえたかな?」
 美祢「わざわざこんなコーナー作ったってことは、出るんだな? この先、新しい霊能力者が」
 むう「さあ、どうでしょう」

 美祢「まあ、とりあえず今は禍津日神VS猿太彦・大国主命がバチバチだから、そこをなんとかしねえとな」
 宇月「せやな。そこがないと、ボクらのおる未来に繋がらんし。むうちゃん、頼んだで」
 むう「まっかせなさい!」

 (猿・大「頼む相手こっちだろうが!」)

 むう「それでは次回もお楽しみに! 講習会のお相手は作者のむうと、」
 美祢「ボディーガード役の時常美祢と、」
 宇月「霊能力者の夜芽宇月でした!」
 一同「ばいばーい!」


 -------------------------

 ??「あ~。なっかなか登場出来ねえな。早くカッコいいとこみせてえのに! 推しの配信も我慢して、ずっと待機してんだけどな。あ~~、早く観てえ!」
 ??「……ねえ、………僕も観たいから、………先、観ないでね……」
 ??「はいはい。わぁーったよ」


 ※次回に続く!

 

Re: 憑きもん!~こんな日常疲れます~【第3章開始★】 ( No.44 )
日時: 2023/08/25 23:15
名前: むう (ID: viErlMEE)

 〈猿田彦side〉

 俺—猿田彦は、13~14歳くらいのガキんちょの身体を乗っ取っている。
 名前は確か……「バン」とか言ったか。苗字なのか名前なのか、どんな字を書くのか分からないが、彼の友達がそう呼んでいたので、自分も同じように呼んでいた。

 バンを一言で表すなら、「変な奴」だな。
 コイツはとにかくお喋りで、こちらが口を挟まない限り、会話をやめない。いったいいくつネタを持っているんだと引くくらい、めちゃくちゃ喋る。こっちは、息をつく暇もない。
 
『へ? 乗っ取り? ああいいよいいよ、なんか少年漫画みたいでおもろいし俺一応霊能力持ってるし、憑依系だしこれくらい余裕余裕』

 な? 句点どこ行った? って思うだろ。
 だが正直な話、説明する手間が省けて実に助かった。彼の家が霊能力者の御三家であること、彼が妖怪幽霊を取り憑かせて戦う「憑依系」であることが、道開きの神を安堵させた。
 
 俺たちは、互いに助け合うことを第一条件とし、同じ身体を共有する仲間として仲良くなった。
 こうしてみると、ガキの癖に妙に達観しているなと思う。良家のお坊ちゃんという生い立ちが、子供をそうさせているのかもしれない。
 

 ……さて、話を戻そう。
 現在俺は、ある中学校の上空を飛んでいる。人間を助けるために。

 神である俺らは、人間の生死のタイミングが分かる。
 一つの個体がいつ、どうやって生まれるか、どのような人生を生きるか。そして、どう死ぬかを予見できる能力を持つ。
 ただし、視えるだけ。運命を変えようとする者はまずいない。よほどのことがない限り、俺らは力を使わない。これは神々における暗黙のルールだった。

 今どきの若者言葉で、分かりやすくまとめるならば。
「万物を生み出したせいで体力切れたわ、ぴえん」
「生かすも殺すも結局そいつ次第じゃね? 生きようと思えば人は生き、死のうと思えば人は死ぬ。そういうもんっしょマジで」
「あ、じゃあ俺ら、しばらく傍観者になっていいってこと? マ?」
「えー、神やん」
 って感じだ。だいぶギャルくなってしまったが、かなり伝わった気がする。たぶん。
 

【神頼み】という言葉があるが、俺からすれば「自分で何とかしろよ」って話。
 あれ、神様ってこんなゆるい生き物だったっけ……。まあいい。

 そんなこんなで人々の生活を陰から応援していた俺様だったが、ある日ふと違和感に気づいた。
 ――人が死に過ぎている。

 例えば、20代の女性とすれ違ったとする。
 俺の目には、その女性が今後どのような人生を送るかが映る。日々平穏に過ごしていたが、七月の○○日にトラックに撥ねられて死亡、とかな。

 そして自分の予見は、一度も外れたことがなかった。
 しかしここ数日、急に運命が変わる人間の数が増えてきていた。なんなんだ、この不快感。全身にまとわりつく、ねっとりとした憎悪の念……。間違いなく近日中に何かが起こる!

「そして出会ったのが、あの禍野郎ってわけだ。これで疑いが晴れた。アイツは絶対何か企んでるぞ」

 俺は空中でバランスを取りながら地上へ降りる。
 風の流れを利用して体勢を整え、両足に全意識を集中。着地の衝撃を最小限に抑え、学校の中庭の地面に右足をつける。

 ストッ。

「あの鬼神か。昔からコソコソコソコソ、鼠のように闇に隠れておったが……」

 続いて着陸した大国主が、形のいい鼻を鳴らす。
 着物の裾をたくしあげ、血だまりで濡れないように注意しながら足を進める。

「敵に回すと厄介じゃな」
「ああ、まったくだ」

 俺は肯(うなず)く。

「こいつらの未来を視た。ガキ二人とも、禍の神の贄として吸収される。復活後の最初の餌として」

 地面に倒れているのは、二人の子供だ。
 白いシャツを着た少年と、セーラー服の少女。
 両方とも、服と顔を、血と泥で汚していた。



 なるほど、少年は家庭環境と勉強の不安に板挟みされ、逃げたくても逃げられず自殺。
 友人の少女は彼を助けようと、後追いで命を絶った……か。

 なんとも哀しい最期。彼らが救われる未来は、なかったのだろうか。
 ………いや、あった。俺様がみて見ぬふりをしなければ。

「俺のせいだ」
「おぬしのせいではない」

 肩を降ろした俺に、大国主が言う。
 その端正な顔を、悲哀の色で染めながら。
 
「お主は定められた規則をしっかりと守っただけじゃ。道はこれから切り拓けばよい。最悪はこれから訪れる。わしらはそれを止めるのじゃ」

 ――自らの選んだ死を、他人に利用されてはならぬ。
 ――闇の中に取り残すわけにはいかぬ。

 と、彼女は言葉を続ける。

「……なぜ奴は、こんな若造を狙うのじゃ? なにか解るか、猿田彦」
「負のオーラが強いんだろうな。死は、奴の好物だ。子供は経験が浅いがゆえに、物事を大きくとらえがちだ。綺麗なものを綺麗と言える純粋さを持ち合わせているのと同時に、一度醜いと決めつけた物はどこまでも醜く映る」

 禍津日神は、穢(けが)れから生まれた存在。その本質はどこまでも悪だ。
 どこを切り取っても、あの神には肯定できる箇所が無い。存在そのものが、我々にとっては悪でしかない。禍をつかさどる者として、当然のことかもしれない。与えられた使命を全うしているだけかもしれない。

 でも、他人の正義が必ず善とは言い切れない。

「それで、どうする。何か策はあるのか」
 大国主は俺を見上げる。

「――こいつらの身体に乗りうつるのはどうだろう。いや、こいつらの身体から発生した霊魂と合体する,と言った方が正しいのか?」
「は!?」

 大国主は、ぽかんと口を開けた。
 そりゃ、そうなるわな。横で友人が真面目な顔でおかしなことを言ったのだから。逆にこれで「わかった! うむ!」とOKされたら困る。

「正気か貴様? 通常、霊魂というのは現世に留まるものではない。乗りうつろうとする前に、体から離れた魂は冥府へと送還される。だいたい、我々も霊体みたいなものじゃろう。霊と霊が合わさって、いったい何になるというんじゃ」

 俺の提案は100パーセント無理ゲーだ。
 前例も成功の実績もない。バカな神が思いついたヘンテコなアイディアだ。もしかしたら、そもそも論理から間違っているかもしれない。

 でも、それでも。何事もやってみないと分からないだろ。
 俺だってどうやればいいかわかんねえ。言ってみただけだ。
 けれど、俺らは神だ。万物を生成し、国を作り、命の概念を作り出した神だ! 
 だから、ひょっとして……となんの根拠もないのに希望を持ってしまう。これもいけるんじゃないか?って。


 それに。お前さっき言ってたじゃん。

「道はこれから切り拓いていくんだよ! いいか、時に大胆に、だ。渡ればとにかく道になるんだ。たとえそれが獣道だったとしてもな。俺はやるぞ。おまえが何を言おうとやるぞ!」
 
 やり方はこれから神スピードで考える。とにかくやるんだ。
 やれるって思うんだ。神が自信を失ったら、いったい誰が二人の人生を肯定するんだ?



 と。ふと、ビュウウンと強い風が吹いた。
 はっとして後ろを見る。


 「おやおや。ずいぶんと楽しそうではないですか。我も入れてくださいよ」
 

 おかっぱの小柄な少年は、あごに手を当てながら静かに云ったのだった。
 

Re: 憑きもん!~こんな日常疲れます~【第3章開始★】 ( No.45 )
日時: 2023/08/25 23:20
名前: むう (ID: viErlMEE)

 
 閲覧数1000突破ありがとうございます!
 今後ともよろしくお願いします!
 -------------------------

「おやおや。ずいぶん楽しそうじゃないですか。我も入れてくださいよ」

 禍津日神はぞっとするような低い声で言い、両手を広げた。
 彼の身体からは黒い靄が発生しており、空気の流れに合わせてゆらゆらと揺れている。おそらくこれが、けがれというものなのだろう。

「旅は道連れというでしょう。ねえ、猿田彦? 同行してくれる仲間がいると、旅がより一層楽しくなる。貴方の仲間に混ぜてください」
と、奴は右手をこちらに差し出す。

「我とて独りぼっちは嫌なのですよ」

「……入れるわけねぇだろ! このクソ野郎!」
「おや、悪い子ですね」
「このっ。ああ云えばこう云いやがって!」

 俺—猿田彦は彼をキッと睨みつけ、怒鳴った。腹の底から、沸騰した湯のように、ふつふつと怒りが湧いてくる。
 俺たちは今、敵対関係にある。人間を守る側と、人間を殺す側。その手を握る訳にはいかない。


 敵意を向けられた禍の神は、めんどくさそうに首の後ろに手を回そうとし……俺の横にもう一人、神がいることに気づき、僅かに唇を開いた。

「まさかまさか、貴方ともう一度会うことになるとは。大国主」

 これは面白い展開ですね、と少年の姿をした人殺しは嗤う。
 彼は屈んで、グラウンドの土についていた血を左手の人差し指ですくう。そして指を口元まで持っていき、真っ赤な舌でペロリと舐めた。

 ………汚ねェな。
 と思ったが、お約束。声には出さない。

 っていうか、なんで呑気に脳内実況なんてしてるんだ俺様は。
 これから戦いの火ぶたが切って落とされるのだから、集中しろ!
 
「貴方ような美しいお方の顔を血で染めたくはありません。どうでしょう、お戻りになられては」
と、大国主の艶やかな黒髪にそっと指を絡める。

 こいつ、俺に対しては冷たいくせに、大国主相手になると機嫌を取ろうとするな。

 ああいや、昔からそうだった。彼は、能力の有無で人をはかる部分があるのだ。強い者は敬うべき存在なので、親密な関係を築き、「こいつは自分の事を見てくれている」と安心させてから始末。弱い者は即始末。人間を殺すときも、最初に狙うのは女子供。力の強い敵が、女たちを守ろうと背を向けたところに一撃。そういう神だ。

 まあ、大国主に比べれば道開きの神の能力は劣るのは事実だが。
 
「貴様は自分が見えてないようじゃな」

 しかし大国主は、その手を自分の右手のひらでバシッとさばいた。そして、汚いものでも見るような表情になり、ずいっと禍津日神と距離を詰める。

 そして、「え」と驚いた彼の額に、人差し指を突き付けた。

「綺麗な言葉を吐いたところでお主の性質は変わらぬ。つくならもっとマシな嘘をつけ。穢れを身にまといながら、血をなめながら云うなら、尚更のことじゃ」

 禍津日神は、数分間固まっていた。何を言われたのか分からず、理解が追い付いていないようだ。もしくは、事実を指摘されて悔しかったのだろうか。

 しばらく、場は静寂に包まれた。
 夕焼け空を渡っていくカラスの鳴き声と、五時間目の終了を告げる校内チャイムが虚しく響く。風が中庭の砂と血の匂いを運んでゆく。

「ふはははははははははははははは!!」

 静寂を作ったのが彼なら、静寂をやぶるのもまた彼だった。
 突然、両手で顔を覆い、ケタケタと笑い出した神に俺と大国主は顔を引きつらせる。右足を一歩前に出し、臨戦態勢を取った。

「あはははははははははははは………言ってくれるじゃないですか……。先刻、彼から受けた傷よりも此方の方が何倍もきつい」
 
 禍津日神は片腕を抱えながら、よたよたとこちらに歩み寄ってくる。
 背中を丸めて、ゆっくり、ゆっくりと。それはもう、じりじりと。

「あははははははははは、そうそうそうそうそう! その通りです! 我は全ての悪を管轄し、全ての闇を総べる者! 血と死が我の栄養。我の糧。闇から生まれし存在、それが我だ……」

 そこで彼は言葉を切り、口元を歪ませる。また笑う。嘲る。

「この空腹! この乾き! すべてを奪うことで満たすのみ! あはははははははははははははははは! さあ愚かな神ども、我の前にひれ伏せ!」

 と同時に、彼の身体をまとっていた黒い靄が、彼が伸ばした右腕に集中した。血の毛がない真っ白な肌が、握りしめた拳が、一瞬で黒に覆われる。

「大国主、後ろに下がってガキを守れ。遺体は絶対奴に渡すな。必ず死守しろ。頼むぞ」
 俺は敵を見据えたまま、小声で後ろにいる大国主に指示する。

「了解した。猿田彦はどうするっ。奴を止めるか? 奴は貴様ひとりで敵うような相手ではないぞ!」
 ガキの元へと走りながら、大国主が叫ぶ。

「………そんなこと、とうにわかってる!」

 中学校へ向かう前、俺は禍津日神を退けることに成功した。身体の中に溜まっている、ありったけの霊力を使って、なんとか彼の体力を一時的に消耗させた。

 だが……。
 片眼でチラリと相手の様子を窺い見る。シャツやズボンに土汚れがついているものの、特に目立った外傷はない。あの数分間でもう身体を修復しやがったのか。

 身体……。神様(俺たち)にとっての、器。
 こいつが乗っ取っているガキは、見たところまだ10歳くらい。服装から察するに、裕福な家で過ごしているボンボンだ。

 いきなり乗っ取られて。自我を失って。
 今、どんな気持ちなのだろうか。

〈―――バン、聞こえるか〉

 俺は意識を脳に集中させる。同じ身体を共有している俺とバンは、念話で意志の伝達が可能だ。
 心の中で問いかけると、聞きなれた甲高い声が頭の奥で鳴った。

『おっひさ猿! どしたどした? てかもう夕方? というからお前いつから乗っ取ってる? は? 二時間? 下校の時から? うっわだる。 俺この後塾なんだけど。乗っ取りは一時間までって約束じゃん』

 はーいめちゃくちゃうるさい。
 というかお前、その呼び方いい加減やめろよ。
「おい猿!」って普通に悪口だからな。せめて『猿田彦』だろ。流石に中学生で「おい猿」呼びはないだろ。泣くぞ。

『猿も俺のこと「バン」って呼んでんじゃん。あのな、それ友達が言ってるだけだから。「つがい」って呼べよ猿』

 だーかーらー、猿って言うなっつってんだろ!

〈協力してほしい。討伐したい奴がいる。おまえの力を貸してほしい〉
『え? なにその急展開。え、どんくらい? 幽霊なの妖怪なの? 雑魚だったらまあ倒せるけどていうか急すぎないどした』
 
 おい、聞こえない。早口すぎて何言ってるか全然わからん。
 いいかバン。道開きの神は千年以上生きているんだ。
 じいちゃんなんだ。耳が悪いんです、ゆっくり喋ってください。

〈…………いや、神なんだけど〉
『はあ、神? 神を倒せと? おまえ毎回毎回厄介案件思ってきすぎ! この前倒した八尺様もかなりやばかったんだからね分かってる?』

〈いいかバン。今から乗っ取り解除する。前に敵がいる。俺の力はすべて使っていい。とにかく助けてくれ〉

 お前しかいないんだ。おまえだけが頼りなんだ。
 霊能力の家系の筆頭。世にも珍しい『憑依型』の霊能力者。
 神を取り憑かせることができる、特異な体質の持ち主。

『あー、なんか知らんけどヤバそうね。……仕方ねえなあ。ホントに全部使っていいのね? 出力100でもいいのね?』

〈いい。全部使って構わない。その代わり絶対に死ぬな。相手は強敵だ。………ごめん、バンにしか頼めないんだ。いいか、解除するぞ〉

『りょ。ま、お互い大切なもんがあるってことっしょ』
かい!!!!〉

 俺は乗っ取りを解除する。頭からつま先にかけて、ぞわぞわとした変な感触が走り、意識が遠のく。フッと全身の力が抜けていく。俺は―いいや、学ラン姿の少年は、その場にしゃがみこむ。


 ――――後は頼むぞ、バン。


「りょー」

 少年が、ふらりと起き上がる。
 身長は160センチ前後。オレンジ色の天然パーマの髪。半分閉じかかった瞼の奥の瞳で、襲い掛かってくる禍の神の姿をとらえる。

「初めまして敵サン、猿田彦に代わっておしおきよ~。なんつって。あー自己紹介先にした方が良い感じ? おっけおっけ」

 少年はスッと腰を落とし、すうーはぁーと深呼吸をして気持ちを静めると、さっきとは打って変わった静かな調子で名を名乗る。

「俺の名前は番正鷹つがいまさたか。またの名を『鳥神様』。人間だけど仲良くしよーね。禍神サマ?」


 ※次回に続く!

Re: 憑きもん!~こんな日常疲れます~【第3章開始★】 ( No.46 )
日時: 2023/07/18 15:20
名前: むう (ID: viErlMEE)

 【お知らせ】
 これから戦闘開始! となる予定だったのですがスミマセン。
 テスト勉強で、8月末まで更新できません。
 お詫びとして、閲覧1000突破記念にキャラトークを書き下ろしました!
 それではさっそくいってみましょう!

 〈閲覧1000感謝★キャラトーク第2弾!〉
 今回のテーマ:性格新聞

 むう「おーいみんなー。ちょっとこれ見て(スマホを差し出す)」
 美祢「は? なんだよむう」
 むう「【性格新聞】ってサイトが今流行っててさ。自分の性格を新聞にしてくれるんだー」
 コマリ「あ、それ知ってる! 学校でも話題になってたよ」
 宇月「結構当たるって話やんな」

 むう「そうですそうです。というわけで今日の企画! 『憑きもんキャラで性格新聞やってみたら果たして一致するのか』!ドンドンパフパフ」
 キャラ一同「………」
 むう「およ? なんでみんなどんよりした顔してんの?」

 コマリ「いや、なんか悪いこと書かれてたらヤダなあとか……」
 美祢「元厨二病の古傷が開いたら嫌だなぁとか……」
 宇月「これ以上印象悪なったら立ち直れへんのちゃうかなとか……」
 こいと「完璧作者の趣向入ってるよなあとか」
 由比「みんながつまんなそうだから僕もやめとこうかなとか」
 禍津日神「そもそも神に性格新聞ってどうなんだよとか……」

 むう「はい、やっていこー!(ガン無視)」


 〈① 月森コマリ〉
 【謙虚で明るい人柄の裏に「ギラつきを秘めている」との指摘も】
 記者「似ている生物はミズクラゲ。自然に景色になじみ、エネルギッシュではないが柔らかな性格」

 ・友達としては最も付き合いやすい人間
 ・彼女の部屋は掃除ロボットではどうにもならない
 ・遅刻しても笑顔で登場する人です
 ・中身はないが話す量は少なくない

 美祢「確かにコイツの部屋はルンバでも片付かん。ていうか俺と相部屋だけど。……おいコマリいい加減掃除してくれ頼む」
 こいと「堂々と授業をさぼれるバイタリティーの持ち主だよね」
 宇月「あたってるやん。コマリちゃん人当たりいし喋りやすいし」
 由比「いいなあ。僕もコマリさんみたいな性格になりたいなあ!」

 〈② 時常美祢〉
 【ぶ厚い理論武装と気持ちを隠す性格に「心が要塞化してる」】
 記者「たとえるならリクガメ。パワフルさは全然ないです。心に甲羅はありますけど」

 ・ニュアンスやテイストを肌で感じ取れる人
 ・全然目を見て話してくれないね
 ・無表情やと怒ってるみたい
 ・カラオケ連れて行ったけどずっとスマホ見てたね

 宇月「うっは! 美祢おまえめちゃくちゃおもろいねんけどwww なんやねん心の要塞化てww あーお腹痛いwww」
 美祢「おまえがほぼほぼ俺の心のドアを閉ざしてるぞ分かってるか」
 コマリ「確かにトキ兄、エスパーかな? って思っちゃうくらい人の気持ちに敏感だよね。言ってもないのに私が思ってること伝わるし」
 こいと「カラオケでスマホ見てるは分かりみが深い。歌うイメージが全然ないですよね」

 〈③ 桃根こいと〉
 【謙虚で明るい人柄の裏に「ギラつきを秘めている」との指摘も】
 記者「イメージは動物のふれあいコーナーにいるヤギ。恐ろし気な感じではないけれど、かなり欲に溢れている」
 
 ・カラオケ出て30分は最後の曲歌っているようです
 ・皮肉に気づかず笑顔でいる無敵な人
 ・落ち込んでからの回復は早い方だと思う
 ・優しいけど何かを背負ってまで優しくする方ではないね

 由比「……最後だけ訂正したいなあ」
 宇月「それなあ。っていうかそっか、桃根ちゃんの過去知っとるのはボクとユイくんだけやっけ」
 由比「あーでも、『生きろ!』って鼓舞するんじゃなくて一緒に飛ぼうとしてくれるとこは、優しくないかもなあ。あ、優しいよ? 優しいんだけどね!」
 コマリ「なるほど。こいとちゃんと私はギラギラしてるのか……」

 〈④ 夜芽宇月〉
 【必要ならば失礼なことも平気で言い放つ姿勢に賛否両論】
 記者「シュモクザメみたいですね。自分の領域を犯す相手には獰猛でパラフルな攻撃性があります」

 ・実はだらしないし日向が似合わない人
 ・彼が寝てないとか風邪ひいたとか言っても大したことない
 ・カワイイ子の顔しか覚えていない
 ・会うたびに「顔変わった?」「太った?」って言ってきます

 こいと「そうかきみはそんな奴だったんだな」
 宇月「エーミールやめてぇ! 少年の日の思い出ちゃうねん」
 むう「もうあんたフラグ回収王でいいよ」
 コマリ「逆に当たりすぎてちょっと怖いよ! でも、宇月さん第一印象怖いけど喋るとけっこう会話は弾むよね」
 美祢「人は選ぶけどな。俺らがOKなだけで、何も知らない奴からすれば嫌な人だと思うぜ」
 宇月「よしわかった! これから気を付けますごめんなさい!」

 〈⑤ 由比若菜〉
 【人への警戒センサーが利きすぎて「鳩を超えた」と話題に】
 記者「たとえるならコアラ。エネルギーもなく動きも鈍い」

 ・苦労しているけど、それだけ自分と戦っている
 ・盗聴器を仕掛けたけど、裏の顔もなく誠実な人だった
 ・年齢の割に世間知らずな感じがするんやけど…
 ・お金があったら贅沢じゃなくて平穏を買うタイプ

 こいと「コアラ! なんてぴったりなたとえ!」
 猿田彦「あー。わかる。こいつ、『気軽~に話してくださいね』オーラを無理して出そうとして、自分に圧かけてんだよ」
 むう「憑きもんキャラの中で一番の苦労人で繊細さんだよなあ」
 美祢「優しいけどその分闇もあるんだよな。でもマジで優しい。ただ何を言っても『そうですよね』しか言わないからちょっと心配になる」
 由比「あははは……うん、世間知らずだな……」


 〈⑥ 禍津日神〉
 【高い雑談スキルを持つも人に壁を作る珍種を発見】
 記者「この人もシュモクザメですね。夜芽さんよりさらに攻撃力が高いのが特徴です」

 ・ヤなやつヤなやつヤなやつ
 ・動物ふれあいコーナーで食えるかどうかの話するのやめて
 ・性格が丸くなるのに40年かかる
 ・彼が語る理屈には人の血が通っていない感じがする
 ・Gを素手でパンチ!

 他キャラ一同「いやこの人、人間じゃないんです(震え)」
 コマリ「血も涙もない性格がそのまんま診断されたんだね」
 美祢「ヒールを全力でやってるようなキャラだからな」
 宇月「おー、禍さん、あんたボク以上に嫌われとるやん。見て? 新聞に直接『ヤなやつ』って書かれとるよ」
 禍津日神「ふん。人間の診断などどうでもいい。嘘を書いていないところは褒めましょう」

 むう「いやー笑ったわぁ。『Gを素手でパンチ!』『アウトプット至上主義』『適職一位・資産家』て」
 猿田彦「資産家はマジでやめろ?」
 こいと「この人に資産家をやらせると悲惨なことになるよ……」

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 むう「という訳でいかがだったでしょうか性格新聞。サイトで気軽にできるので、自分や創作のキャラの名前を入れて試してみるのもいいかもしれませんね! ちなみにむうは」

 【他人を大事にして自分を大事にしない本末転倒ぶりに驚嘆】

 むう「でした! 繊細の由比とは一番話が合うそうです!それでは、テスト勉強頑張ります。次回の更新日は、8月31日! まるまる一カ月(以上)かかりますが、把握お願いします。ではでは!」
 


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