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- もしもきみが、ここにいたら
- 日時: 2011/02/03 16:38
- 名前: とある板の住民 (ID: y0p55S3d)
移転しました
キーワード「空前絶後のこの世界で」
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- Re: もしもきみが、ここにいたら オリキャラ(男)募集中 ( No.44 )
- 日時: 2010/12/29 14:42
- 名前: からあげ ◆qTm8IKA.tA (ID: d3Qv8qHc)
__第六話「正反対」
「ねえ、弥夕」
彼女は桃色の口紅を塗り終えてから、口を開く。
「なんでしょうか? ファレナお嬢様」
鏡越しにお嬢様と目を合わせながら、私は答える。
お嬢様はフフッと笑うと、持っていた口紅をポーチの中へ戻した。
「私がどうしてあなたを雇ったと思う?」
「……どうしてですか?」
憎たらしさを覚えながらも、聞き返してみるが——お嬢様は勝ち誇ったようにふふんと笑うと、化粧台に頬杖をついた。
「私が好きなものは二つある」
エメラルドのような美しい瞳と細くてセミロングの髪が、彼女の美貌をひと際輝かせており、まだ十九歳なのにどこか色気を漂わせている。
「一つ目は、美しいものよ。私はあの方に仕えてから、たくさんの美しいものを目にしてきたわ。あなたも、そのうちのひとつよ」
そう言われて、鏡に映る自分の姿に目を当ててみる。
黒髪の前下がりボブ、普通すぎる体系、無意味に浮かべている笑顔——自分が彼女と比べ物にならないものだと、実感させられる。
私は鏡に映ったエメラルドの瞳を見つめながら、苦笑する。
「私は美しくなんか……ないです」
「あなたは美しいわ。自分が気づいていないだけ」
お嬢様は言葉を続ける。
「二つ目は、特別な魔術」
桃色のリップが艶やかに光る。ふっくらとした唇を動かしながら、お嬢様は言う。
「私が望むのは、普通の魔術なんかじゃないわ。だって、物足りないと思わない? 同じ魔術を持った人が他にもいたりしたら。だから、私は美しくて珍しい魔術が欲しいの。あなたを雇った理由も、その為よ」
イスを百八十度回転させ、お嬢様はこちらを向いた。バスタオル一枚の格好で足を組むと、子供のように物足りなさそうな顔をする。
「今まで真似してきた魔術は、何か物足りなかったのよね。美しいのに弱かったり、強いのに珍しくなかったり……でも」
お嬢様は言葉を途中で切ると、魅惑的な笑顔を浮かべる。全てを魅了するような、魅惑の笑みを。
「あなたといれば、見つかりそうだわ」
私はその場にひざをつき、頭を下げる。
「なんなりとご命令を、お嬢様」
私のような人間は、誰かに利用されて生きていくしかない。這いつくばってでもいい。とりあえず、生きていけばいいのだ。
私はあの子のようになれない。
家族でもなければ友達でもない、あの子のようには。
- Re: もしもきみが、ここにいたら オリキャラ(男)募集中 ( No.45 )
- 日時: 2010/12/05 20:33
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: 07JeHVNw)
- 参照: よっしゃあああ!!金曜も更新できるようになったぞぉぉぉ!!
どもー、随分前に読み方を教えて欲しいってこと見逃してました・・・orzすいません・・・。
読み方は「きりん」って読みます。
- Re: もしもきみが、ここにいたら オリキャラ(男)募集中 ( No.46 )
- 日時: 2010/12/06 21:47
- 名前: からあげ ◆qTm8IKA.tA (ID: d3Qv8qHc)
>>45
いえいえ、返信ありがとうございますw
きりんくんのキャラも活躍させてみせます!
- Re: もしもきみが、ここにいたら オリキャラ(男)募集中 ( No.47 )
- 日時: 2010/12/08 14:18
- 名前: 更紗蓮華 (ID: lNJ.MCVY)
今度は弥夕・・・ありがとうございます!
そして、やっぱり面白いです。
何だか先が楽しみというか、わくわくするというか。特に最後のほう。
あの子って・・・
それでは。
- Re: もしもきみが、ここにいたら オリキャラ(男)募集中 ( No.48 )
- 日時: 2010/12/17 16:25
- 名前: からあげ ◆qTm8IKA.tA (ID: d3Qv8qHc)
ミシュナと弥夕はひいきではないですがすごく気に入ってます
特にミシュナのほうはストーリーに大きく関わっていきますw
こめんとありがとうございます
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