ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 神の能力者
- 日時: 2011/04/23 20:50
- 名前: メゾ (ID: viAVUXrt)
- 参照: http://www.kaki-kaki.com/bbs_m/view.html?590552
はじめまして!メゾといいます。
小説を書くのは初めてだけど、読んでくれると嬉しいです♪
参照は、この物語の主人公・トレアちゃんのイラストです!もし宜しければ見てくださいね^^
それでは、「神の能力者」始まります><
*ストーリー*
人間を超えた存在、「特殊能力者」。主人公、トレアも人間を超えた存在。同じ存在の仲間と共に弟、リュランの仇、『月の騎士』を倒そうとする。
*前回までの物語*
「超」の能力者のトレアは、「炎」の能力者、コルルと「氷」の能力者、ソマリを仲間にする。
「無」の特殊能力の持ち主、ナタリーも仲間にし、ゆっくりと動き出そうとした矢先、学園がテロリストに襲われる。なんとか生徒たちを非難させることができ、月の騎士を捕まえようと、計画を立てていたところにミュリがペルソナとともに現れる。自分が皇女だということが知られ、ミュリは裏切られたと思い、復讐のため、月の騎士の一味になる。「死怨」という名をもらい、「操」の能力をかけられ、完全な僕となった。
目次>>54
登場人物紹介>>55
トレア、コルル、ソマリのプロフィール>>21
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- Re: 神の能力者 ( No.39 )
- 日時: 2010/12/13 14:20
- 名前: メゾ (ID: oBSlWdE9)
第二十七話 「不思議なユオ」
・・・・
「ようやく気付いたのか馬鹿だね。オリビア」
独り言をつぶやく。ミュリの顔は青ざめていた。すると、二人の前にふわっと天から舞い降りたようにトレアそっくりの少女が現れた。
「ク…ロア?」
驚くミュリをほうって
「邪魔するなよ。ユオ」
と、月の騎士はイライラが混じった声で言う。ユオ?誰?と言った表情で両方の顔を見る。彼女は
「あら。私にそんな言葉を使っていいのかしら?」
ふっと笑い、睨みつける。今度は月の騎士が
「なあ、ここで時間を食っているヒマはないんだよ。通してくれ」
と、強く言った。ユオはひるみもせず、
「いつでもあなたなんて切ってもいいんだよ?ただ、特殊能力者だからってことなんだよ。私が切れば、あなたなんてごく普通の人」
と、脅すように言った。トレアそっくりの声。しかし、言っている内容は意味不明だった。月の騎士の顔色が変わる。
「それだけはやめてくれ」
ひがむように言う。ユオは髪を揺らし、
「邪魔する気はないよ。でも、普通の人を巻き込むのはやめて」
と言った。そして、またふわっと姿を消した。月の騎士は
「無理な話だ」
とつぶやいた。
*
『次の作戦 テロリストの捕獲』
コルルからのメール。ナタリーはすぐに削除し、目の前にいる人の山を見た。山になっている人は皆手、足をロープでしばられていた。口には猿ぐつわがされている。これはすべて、彼女一人でしたのだ。
『作戦完了 二階すべて捕獲』
と、すばやくメールを打ち、トレアに送った。しばらくすると、ピリリ、と返信が来た。
『ありがとう 助かったよ』
短かった。いつもならメールはすぐに削除するはずだったが、このメールは保存した。なぜか嬉しかったのである。
「………………トレア」
小さくつぶやいた。またメールが来る。コルルから。
『悪い。こっち方、手伝ってくれないか?』
すぐに削除。ナタリーはたっと走り出した。
*
「これって…。一般人?」
ロープで縛り終わった黒服のテロリストを見ながらソマリは言った。テロリストの仮面を外すと、トレアの部屋で見た「エテリアル帝国住民」の中にある顔がちらちらあった。
『作戦完了 三階すべて捕獲』
しばらく間をおいて、また文を打った。
『テロリストは一般人じゃないか?』
トレアに送り、パタンと閉じた。返信は来なかった。
*後書き*
いつもより短くかきましたー。
なかなかユオちゃんと月の騎士君の言い合いを書くのがおもしろかったです。
次回もユオちゃんが一番に出てきます。そして、ついにこの回でのクライマックス(?)を迎えます!!
色々入り組んでて、読みにくいとは思うのですが、次回も読んでいただけると光栄です^^
第二十七話、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
メゾ
- Re: 神の能力者 ( No.40 )
- 日時: 2010/12/15 21:38
- 名前: メゾ (ID: e.VqsKX6)
第二十八話 「親友の裏切り」
「悪いな。ナタリー」
二人でテロリストを縛っていく。ナタリーは顔色一つ変えない。ようやく終わった。コルルはメールを打つ。
『作戦完了 別棟すべて捕獲』
すぐに返信が来た。内容は
『放送室に集合』
だった。二人は階段を下り始めた。一階につき、向かおうとすると、
「待って」
と、呼びとめられた。コルルとナタリーは振り返る。
「へえ。あなた達が『炎』と『無』の特殊能力者か」
ユオが二人をまじまじと見ながら言った。
「トレア?なぜここに?」
コルルの言葉を無視し、彼女は続ける。
「久しぶり。ナタリー」
ナタリーはずっと睨みつけている。あいつか…。この前隣に来たのは…。その考えていることを読みとったかのように
「そうだよ。気持ちよかったね。あの場所」
と言った。コルルは銃を向ける。
「お前はトレアじゃないな。テロリストか?」
ふっと彼女は笑った。すると、ぶわっと風が吹き、姿が消えた。
「な…」
驚きを隠せないでいると、ユオは階段に座っていた。
「だめだよ。私は死なないんだから」
と、笑いながら。そして、
「トレアによろしくね」
と言い残し、ふわっと消えた。
*
「さぁて。これからどうするか…」
ペンをくるくる回しながらほおずえをついていた。トレアは全員ここに集合とメールを回し、テロリストの親を捕まえようとしていた。
ミュリは月の騎士に手をひかれ、放送室の前に来ていた。
(なにするの?皇女様を殺すの?やだよ。そんなの…)
ぐっと目をつむる。皇女様に直接会ったことはなかったが、人が死ぬのは嫌だと思っていた。
月の騎士は静かにドアを開けた。キィ、と小さな音がする。
中には金髪の少女がいた。後ろ姿は
「クロア!!……」
ピタッと空気が止まった。トレアは振り返ったまま、動かない。
「皇女…様…?」
顔、髪形、制服は間違いなく自分の親友であるクロア。しかし、目が違っていた。いつものトレアならきれいな青色だった。でも、今は黄色で、変な形が中にある。テレビで見たことのある顔だった。
「ペルソナ……!!」
きれいな顔が、怒りで歪む。月の騎士は
「その呼び方はやめろ。オリビア」
と、勝ち誇ったように笑った。ミュリは混乱している。自分のいつも隣にいた親友が皇女?しかも、なんでそれを教えてくれなかったのか。もしかして自分は
そう思っていただけ?——————
自分の隣に庶民を置いて、心の中で嘲笑っていた?——————
ひどい——————
親友だと思っていたのに——————
こみ上げる感情。涙が出そうだった——。
*後書き*
書けるようなふいんきじゃないので、短く終わらせたいと思います。
ミュリちゃんが最後中心でした。次回はこの続きとなります。読んでいただけると幸いです。
第二十八話、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
メゾ
- Re: 神の能力者 ( No.41 )
- 日時: 2010/12/16 20:38
- 名前: メゾ (ID: dSN9v.nR)
第二十九話 「操の能力」
「ね。君の親友は嘘つきなんだよ」
月の騎士が耳元で囁いた。トレアは銃を向ける。
「お前…。ふざけるのもいいかげんにしろよ…」
怒りにより、声が震えていた。月の騎士は前髪をかきあげる。目が見えるようになった。藍色の目。「操」の特殊能力だった。
「それで一般人を使ってテロを起こしたか…」
ふふっと彼は笑った。目が鋭く光る。
「ミュリに何をしたの?」
「何もしていない。ただ、君が嘘つきだということを教えてあげただけだよ」
トレアがミュリに視線を移す。彼女は震えていた。
「僕は何もしない。ほら、お友達に教えてあげたら?」
月の騎士はすっと離れた。警戒しながらも近づいていく。
バンッ
放送室のドアが勢いよく開く。コルル、ソマリ、ナタリーが息を切らしながら中に入ってきた。
「トレア…」
はっとコルルが中を見ると、ミュリに近づいているところだった。
(しまった…)
そう思っていると、トレアが手を伸ばした。震えている彼女の肩をつかもうとする。
パンッ
「触らないで!!」
手を振り払い、叫んだ。ミュリは泣いていた。茶色の瞳が歪む。
「ひどい…。ひどいよ…。友達だって…。親友だって思っていたのに…」
声が震えている。トレアはおろおろして立ち尽くしている。月の騎士は笑っていた。ナタリーは彼につかつかと歩み寄り、銃を向けた。
「おやおや。殺人鬼さん。また罪を重ねる気かな?」
彼はひるみもせずに、ニヤリと笑った。向けられている銃の先を握り、自分の頭に当てる。
「僕はね、君の殺した村人の中に、一人生き延びた人がいてね。その人と知り合いなんだよ」
ナタリーの顔色が変わった。コルルとソマリの顔色も変わった。そのスキを見て、月の騎士は「操」の特殊能力を使った。
「ナタリー!!」
二人は叫んだ。ミュリとトレアには聞こえていなかった。
*
辺りは静まりかえる。ナタリーは「操」の能力にはかかっていなかった。
「え…?」
見ると、かかっていたのは
「ミュリ…?」
彼女は肩をがっくりと落とし、笑っていた。顔を上げると涙により、髪が顔にくっつき、不敵に口を歪ませている。
「ねぇ、トレア。あなたにとって私は何?」
生きる気力を無くしたかのように、目はとろんとしている。その目は茶色ではなく、「操」の能力により、藍色だった。
*後書き*
目がチカチカします〜
ということで、今回の後書きはここら辺にしときたいとおもいます〜^^
ではでは(‘‘)
第二十九話、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
メゾ
- Re: 神の能力者 ( No.42 )
- 日時: 2010/12/18 19:15
- 名前: メゾ (ID: dSN9v.nR)
第三十話 「さよなら」
「ねえ、答えてよ。トレア様。ねえ?」
「あなたは私の大切な友達だよ。親友だよ?」
真剣に言った。すると、彼女はいきなり笑いだした。
「あははははははは。あなた本当に嘘つきね。そんなこと一つも思っていないくせに。あはははは。あー。面白い。笑わせないでよ」
腹を抱えてトレアの方を見るミュリ。コルルとソマリは信じられないという表情で彼女を見る。
「あははは。そうだ…」
無邪気な子供のように、ナタリーの方に近づいて行く。ガッと手首をつかみ、笑う。
「ねえ。貸してくれない?これでぇ、最低な皇女様を殺すからさー」
銃を奪おうとする。ナタリーは痛みで顔をゆがめ、暴れている。
「やめろ!!ミュリ!!」
ソマリが銃を奪おうとする彼女の肩をつかむ。するといきなり、ガッと蹴られた。
「っ…」
頭を壁でぶつけ、痛みにより、唸る。月の騎士が蹴ったのである。
「よけいなことするなよ。せっかくの計画が台無しになるだろ?」
また蹴る音が聞こえてくる。ガッ、ガッと鈍い音がする。
「う…。がっ…。つぅ…」
蹴られる音に合わせて声が聞こえる。耐えきれず、
「やめろ。撃つぞ」
後ろから銃を向けるコルル。その刹那
カァァァァァン
と、大きな音がした。辺りが白い光に包まれる。ミュリの悲鳴があがる。
「……さわらないで」
と小さな声がしたかと思うと、光はふっと消えた。
見ると、ナタリーから出ていた。掴まれた手首は引っ掻かれ、赤く、蚯蚓腫れになっている。しかし、しっかりと銃はしっかりと握っていた。彼女はじっとミュリを睨んでいた。
「あは。やーめた。ねえ、トレア様。死んでぇ」
ナタリーから放れ、素手でトレアに走って近づいてくる。向かってこられる方にとってはその動きはスローモーションだったが、
ガッ
腕の動きが異常に早く、よける間もなく首をつかまれた。キリキリと、締め付ける音がする。
「かはっ…。ぐ…」
声を絞り出す。が、全く声にならなかった。自分の首をつかんでいる腕を放そうとするが、力が入らない。
このまま自分は死ぬのか———。
そう思い、目を閉じた瞬間、
「そこまでにしておこうか。オリビアを殺すのは僕だ」
この声がかかった。それがまるでスイッチかのように、ミュリは手をぱっと放した。
「げほっ。げほっ。くぅ…」
一気に空気が入ってきた。あと十秒ぐらい掴まれていたら、間違いなく死んでいた。コルルが近づいてきて、
「大丈夫か?!」
と言った。大丈夫、と小声で言い、顔を上げた。
「ミュ…。ミュリ…を…かえ…せ…。げほっ」
途切れ途切れに言葉を発した。月の騎士は
「はは。返す?彼女は今や、君の敵だよ?」
と言って笑った。
そして、パチンと指を鳴らすと、ミュリが操り人形の糸が切れたようにガクン、と倒れた。月の騎士はそのまま部屋を出て行った。
四人はヴァニアに報告するため、学園を後にした。
*後書き*
どうもです〜(^^) もうすぐ冬休みなんです。
たんのしみ〜★
話は変わりますが、私、小説はノートに書いているんですよ。そのノートがなんと、二冊目に入ったんです。
私、致命的な三日坊主で、あきやすいんですが、なんかこの小説はあきないんですよ。
次回はユオちゃんが出てきます。どうぞ見てください。
第三十話、最後まで読んでくださり、ありがとうございました!!
メゾ
- Re: 神の能力者 ( No.43 )
- 日時: 2010/12/18 21:25
- 名前: メゾ (ID: dSN9v.nR)
第三十一話 「大嫌い」
次の日。何もなかったように学園はいつも通りだった。しかし、いつも通りじゃないものがあった。
「ミュリは休みか」
ぐったりとしたトレアは机に寝そべっていた。コルルもソマリもその周りにいる。
「あいつにはもう能力がかかっているから、取り返すのはきついよなあ」
コルルがのびをしながら言った。ソマリもうーんと唸る。すると、
「あ!!」
トレアが何か思いついたように顔を上げる。そしてぐるんと頭を回し、
「ソマリ大丈夫?蹴られたとこ、アザになってない?」
「は?」
突然言われ、目が点になる。そして、ようやく言っている意味がわかり、
「大丈夫だから。気にしなくていいよ」
と、微笑しながら言った。しばらくは別の話題で盛り上がっていた。
ピリリリ
トレアの携帯が鳴った。メールの相手は
「ミュリ———?」
慌ててメールを見る。コルルもソマリも覗き込んできた。
『さようなら。あなたなんて大嫌い』
空気が変わった。
*
トレアはガタ、と席を立ち、教室を出て行った。残った二人は追いかけようとはしなかった。
向かった先は屋上。ナタリーがいた。彼女はトレアを見ると、静かにハンカチを差し出してきた。受け取ると、たっと階段を下りて行った。
自分の顔を触ると、濡れていた。視界が歪む。一人でいることをいいことに、声を出して泣いた。
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい——————」
時間を戻せるのならば戻したい。会ったときから自分が皇女だということを告げればよかった。
ずっと後悔ばかりしていた。大切な親友を失い、弟も月の騎士に殺された。
自分は失ってばかりだ。
守れるものは一つもない。
だんだん屋上の柵から身を乗り出していく。ヒュウウ、と風が吹き、人が小さく見える。
ならここで死んで、リュランに会いに行こう———。
「まちなよ。ここで死んだらペルソナに負けたままだよ。それでいいのかな?」
ふと見ると、一人の少女が屋上のドアに寄りかかって自分を見ていた。
「わたし…?」
自分と同じ顔。同じ声。まるで鏡にうつしたようだった。少女はゆっくり動き、近づいてきた。身を乗り出したままのトレアの腕を引っ張り、柵から離す。ふふっと笑い、
「そっか。会うの初めてだっけ。私はユオ。よろしくね」
と、自己紹介をした。トレアはユオの目をじっと見てから
「あなたも特殊能力者?」
と、鼻声で聞いた。ふふふふと彼女は笑い、
「ちょっと違うなぁ。私は特殊能力者だけど、特殊能力者じゃない」
と、意味不明なことを言った。「?」とトレアは首をかしげる。もう一人の自分はしょうがないな、とばかりに目を閉じた。目を開けると黄色の目が赤色になっていた。
「え…?」
コルルと同じ目。「炎」の能力だった。もう一度目を閉じ、再び開けるともとにもどっていた。ユオはどう?という顔で同じ顔を覗き込んだ。
「あなたはいったいなんなの?なにがしたいの?」
トレアが聞いた。すると、一瞬、は?と言う顔をし、またもとの穏やかな顔にすぐなり、言った。
「ごめんね。もう時間だから。行かなくちゃ。バイバイ」
手を振り、飛び降りた。残されたトレアはすぐに柵の方に行き、
「え?!死…」
死んだ?!と思ったが、下には何もなかった。それから大きく息を吸った。グシグシと顔を拭き、ぐっと体に力を入れる。
「よし!!」
そして、階段を下りて行った。
ユオ、か。不思議な人だな。と思いながら。
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