ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 神の能力者
- 日時: 2011/04/23 20:50
- 名前: メゾ (ID: viAVUXrt)
- 参照: http://www.kaki-kaki.com/bbs_m/view.html?590552
はじめまして!メゾといいます。
小説を書くのは初めてだけど、読んでくれると嬉しいです♪
参照は、この物語の主人公・トレアちゃんのイラストです!もし宜しければ見てくださいね^^
それでは、「神の能力者」始まります><
*ストーリー*
人間を超えた存在、「特殊能力者」。主人公、トレアも人間を超えた存在。同じ存在の仲間と共に弟、リュランの仇、『月の騎士』を倒そうとする。
*前回までの物語*
「超」の能力者のトレアは、「炎」の能力者、コルルと「氷」の能力者、ソマリを仲間にする。
「無」の特殊能力の持ち主、ナタリーも仲間にし、ゆっくりと動き出そうとした矢先、学園がテロリストに襲われる。なんとか生徒たちを非難させることができ、月の騎士を捕まえようと、計画を立てていたところにミュリがペルソナとともに現れる。自分が皇女だということが知られ、ミュリは裏切られたと思い、復讐のため、月の騎士の一味になる。「死怨」という名をもらい、「操」の能力をかけられ、完全な僕となった。
目次>>54
登場人物紹介>>55
トレア、コルル、ソマリのプロフィール>>21
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- Re: 神の能力者 ( No.24 )
- 日時: 2010/11/20 18:54
- 名前: メゾ (ID: 4mXaqJWJ)
第十六話 「真資料室」
「なぁ、トレア。ちょっと訓練所借りていいか?」
次の日の朝。コルルは軍事服を着て、コーヒーを飲んでいたトレアに聞いた。
「構わないけど。何をするの?」
「いや、新技の研究をしたいと思ったから」
すると鍵が投げられた。受け取るとコーヒーをすすりながら
「午前中だけ。午後は使用しないこと」
と言われた。あぁ、と頷き訓練所に向かった。トレアはコルルが完全に出て行ったのを見て、コーヒーをすべて飲み干した。そして最地下にある『真資料室』に入った。パスワードを入力すると、『真資料室』の重い扉が開いた。その中には、ホコリをかぶった大量の本が保管されていた。
目を特殊能力にし、その山を見回す。本の中に『特殊能力』と書いてある本が置いてあった。手に取り、ホコリをはらう。パラパラとページをめくり始めた。
この『真資料室』は最高位の貴族、軍人も知らない部屋。この部屋は、皇帝の血族しか知らない。しかも、血族と言っても正妻の子供ではないと知ることはできない。トレアは父、ヴィレア皇帝とその正妻であるリリアの間で生まれた。だから、この資料室について知ることができた。しかし、今やリリアはこの世にはいないため、この資料室について知っているのは皇帝、ヴァニア、トレアの三人だけなのである。
しばらくページをめくりながら、手を止めた。そして、「炎」の能力について書かれているページを食い入るように見た。そのページには始めて生まれた炎の能力者や、技のことが書かれていた。やがて見終わると、またパラパラめくり始めた。最後の方には「神の能力者・神の一部・神は世界を動かすことができる」と書かれていた。少しその方に目を向けた後、パタンと本を閉じた。ホコリが舞う。けほっけほっと咳をし、本を元の場所にもどした。
『真資料室』の扉を再びロックした。ふと視線を感じ、後ろを向いた。すると、一人の少女が立っていた。髪はオレンジ色で、目はピンク色。小学生に見える。いたって普通の女の子かと思ったが、目は大人のようだった。大きいのだが、するどく、心を閉ざしたように見える。
(なぜここに…?入れないはずなのに…)
この『真資料室』のセキュリティロックはかなり強力で、パスワードを知らないと入ることはできない。なお、ハッキングしようとすると逆に相手をハッキングするという優れ物だった。あやしくなり、少女に声をかけた。
「あなた、どこから入ってきたの?」
少女は何も答えず、フイっと後ろを向き、出て行った。
(不思議な子…。まさかハッキングなんてできないよね…)
そう自分に言い聞かせ、目をもどした。
*
ソマリは自分の部屋にこもり、ベットで寝ていた。昨日のトレアの入った言葉を思い出す。
『私と戦いなさい。一瞬でも私に特殊能力を使わせたら軍人に昇格させる。特殊能力は使って構わない』
(でも…、皇女様に傷は付けられない。でも…皇女様に勝たないと軍人になれない…。どうすればいいんだろう…)
ふと時計を見ると、一時になっていた。
(どうすれば…)
ずっと考えていると、眠気がおそってきて、ついに眠ってしまった。
「おい、ソマリ。おい!!聞いてんのか!!」
どんどんとドアを叩く音でソマリの目は覚めた。
「いつまで寝てんだよ!!もう六時だぞ!!つーかさっさとドア開けろ!!」
寝ぼけ、相手が誰だかも分からずにドアを開けた。コルルが入ってきて、寝ぼけていた目は一気に覚めた。
「おい!!なんで入ってきてんだよ!!」
大声で叫んだ。
「おまえが入れたんだろ?」
そう言い返され、黙ってしまった。コルルは椅子に座った。ソマリも渋々椅子に座る。
「なぁ、おまえ、特殊能力を使わずにトレアに勝とうとしてるだろ」
そう言われた瞬間、目が大きく開いた。「やっぱり」とつぶやく。
「はっきり言うぞ。無理だ。おそらく俺との練習の時、実力の一割も出していなかったはずだ。だが、軍人になれるかがかかっている以上、実力の一割ぐらい…、いや、本気でくるはずだ。トレアはすべての技に長けている。下手すりゃおまえ、死ぬぞ」
ソマリはむっとした顔で話しを聞いていた。しばらく二人は何も喋らなかった。やがてコルルが椅子から立ち上がり、
「まぁ、別に心配しているわけじゃねえし。貴重な時間を無駄にする奴は好かない。邪魔したな」
と言って部屋から出て行った。
*後書き*
すみません。途中で切ってしまいました。
ようやくトレアちゃんの本気が見れそうです。ですが、特殊能力は使わないので、五割程度のところでしょう。(どんだけ強いんだ、トレア…)
気づけばミュリちゃんがあまり出てきていません。
ネタばれなんですが、ミュリちゃんは、いずれ敵キャラにするつもりです。 はい。
またまた私の好きな女の子を出せそうです。楽しみだな〜^^
まあ、こんな感じですが、今後も「神の能力者」をよろしくお願い致します。
第十六話、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
メゾ
- Re: 神の能力者 ( No.25 )
- 日時: 2010/11/20 19:45
- 名前: メゾ (ID: 4mXaqJWJ)
第十七話 「トレアの本気」
三日後—
大会のあったフィールドにトレアとコルルは先に来ていた。ソマリは後から走ってやって来た。
「遅くなって申し訳ございません」
深々と頭を下げた。トレアは苦笑すると
「いいからいいから。早く始めるよ」
と言って上着を脱いだ。剣を持ち、深く息を吸い、ゆっくりはいた。そして、恐ろしいほどの殺気を出し始めた。
(うわっ。これでなめてかかったら間違いなく死ぬぞ)
コルルはそんなことを思いながらソマリの方を見た。
彼も、前と見違えるような剣幕で構えていた。
「じゃぁ、スタート」
いつもと全然違う声で掛け声をかけた。こっちに向かって走ってくる。地面から氷の柱がトレアが立っている位置に出てきた。それをよけると、すぐ上から剣が振り下ろされた。
キインッ
受け止める。今度はトレアが剣を振り始めた。今までに見たことのないスピードだった。
「くっ…」
押されていく。
(負けるぞ。特殊能力を使わないと…)
コルルがそう思った瞬間、
ボゴォッ
十本近く同時に地面から氷の柱が出てきた。すぐによけられたが、攻撃が止まったため、押されることはな
くなった。
「面白い技だね」
いつもとは全く違う声で話しかけた。ソマリは少しよろけ、息を切らしていた。特殊能力を使うと、その能力者は体力を使っただけ消費する。だから、あまり使いすぎると死ぬこともある。同時に十本もの柱を出したため、以上に体力を消費してしまった。その様子を見て、
「終わらせようか」
と言い、トレアは走り出した。
「っ…」
苦しそうに顔を歪めながらも構えた。目の前で高くジャンプし、剣を頭の上に振り上げた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
大声で叫んだ。小さい時の苛めの様子が蘇る。
—嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ————
—終わりたくない————————
バキィィィィィィィィン
氷の柱がいたる所から現れた。トレアはとっさに目を変え、安定している柱に着地した。
「うわっ」
コルルが立っていた所にも柱が現れ、ボッと体に炎をまとい、氷を溶かした。ソマリはしばらくふらついた後、
バタッ
と気を失った。
*
目を覚ますと、自分はベットに寝ていることに気がついた。両脇にはトレアとコルルが立っていた。
「あなたの勝ちだよ。ソマリ」
そう言ってバッチを渡した。それを受け取るとコルルがにっと笑って
「よかったな」
と言った。そして剣を差し出した。コルルが受け取った剣と同じで、「somari」と彫ってある。
「おめでとう」
にっこりとトレアは笑った。
「あ…、ありがとうございます!!」
ソマリは初めてとてもうれしそうな表情を二人に見せた。
*
次の日—
トレアは学校を休んだ。もちろんコルルもいっしょに。二人はソマリの部屋に向かっていた。
「へぇー。あいつも仲間にすんのかよ」
「当たり前でしょ。特殊能力者は何人いたって損することはないんだから」
「ふーん。そうか?」
あやしい顔でトレアの顔をのぞきこむコルル。二人の目的はソマリを仲間にすることだった。
*後書き*
どうも!!最近しもやけ気味のメゾです。やっとトレアちゃんの本気バージョンを書くことができました。
幸せです〜❤^^
でも、まだまだ「神の能力者」はこんなものではございません。血みどろ(?)の戦いがいつも(?)出てくるのです!! (嘘です、いや…案外ホントかも…?)
では、書くことがなくなってきたのでこのくらいに後書きはしておこうと思います。
第十七話、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
次回もよろしくお願い致します^^
メゾ
- Re: 神の能力者 ( No.26 )
- 日時: 2010/11/27 18:54
- 名前: メゾ (ID: 4mXaqJWJ)
第十八話 「仲間」
コンコン
ドアをノックする、が返事はなかった。ドアを開けると、部屋には誰もいなかった。
「あれ…?」
思わず声をもらす。しばらく二人はその場に立ち尽くしていた。どのくらいたっただろうか、コルルが声をだした。
「探しに行こうか」
うなずき、部屋を出て、訓練所、資料室など探してみた。しかし、ソマリはみつからなかった。
「どこいったんだろー」
う〜んと二人は考えこんだ。すると目の前に昨日のトレアの見た少女が現れた。その少女はチラッとこちらを見ると小声で
「フィールド」
と言った。そしてすぐに目線をもどし、前を通りすぎた。顔を見合わせ、とりあえずフィールドに行ってみた。
ソマリはフィールド内を走っていた。息を切らして汗はびっしょりかいている。
「ソーマリー。話があるんだけど〜」
走っているソマリに話しかけた。声が聞こえたとたんピタッと走るのをやめ、また二人のいるほうに走って来た。
「よう。今日はお前にお願いをするために学校休んだんだぞ」
あいさつとともに目的を述べた。ソマリはきょとんとした顔でコルルを見た。
「その通り。お願いは仲間になってほしい、なんだけど…」
「えぇ?!」
「だめ?なら仕方ないなぁ…」
「いっいえ!!皇女様のお役にたてるならもちろん喜んで!!」
「本当?ありがとう」
ソマリの慌てようを見ながらトレアはくすくす笑っていた。コルルもふっと笑っていた。
「じゃぁ、これからは『皇女様』じゃなくて、トレアって呼んでね」
「は…はい!!」
「あと、敬語も禁止」
「え…?」
それから三人は長い間しゃべっていた。ようやく時間に気付いた時にはもう夕方になっていた。
「じゃあな、ソマリ」
「明日、学校に行くからね。遅れないように。じゃ、バイバーイ」
「じゃーなー」
長い間しゃべっていたからか、二人にすっかりうちとけていた。最初は嫌いだったコルルともしゃべることができ、憧れだったトレアに近づくこともできた。帰る間、嬉しさのあまり顔がほころんでいた。
*
朝。ソマリはきっちりと制服を着ていた。高校に通うのは初めてだったので、少し緊張していた。大きく深呼吸をし、かばんを持った。勢いよくドアを開ける。
「おせぇよ」
ドアの前にはコルルが立っていた。隣にはトレアも立っている。
「おはよう。ソマリ」
「お…おはよう。ト…トレア」
がちがちなあいさつをかわす。あはは、と笑った。
「早く行くぞ。遅れる」
コルルはそう言い、先に歩きだした。
「行こ」
にっこり笑ってトレアもコルルの方に走って行った。ソマリも
「待てよ」
と言って、二人の方に走って行った。
*後書き*
ひっさしぶりに書きました。色々忙しくて…
さあ、皆さん気になっているでしょう「あの少女」!!(あ…気になってない?)
まあ、ネタばれなんですが、あの子は特に重要な位置にいずれ立ちます。名前はナ○○ーです。次次回ぐらいにどんな子かわかりますんで。ぜひ読んでください。
またしばらく書けないかもしれません。ですが、がんばりますんで次回もどうぞよろしくお願いします!!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。 メゾ
- Re: 神の能力者 ( No.27 )
- 日時: 2010/12/02 20:31
- 名前: メゾ (ID: 4mXaqJWJ)
第十九話 「気になる出来事」
エテリアル帝国スーヴァン帝会議室。コルルとソマリは先日の大会により、軍人になった。軍人は小さな軍隊を一つもらえる。ただ、リーダーというような役割なので、会議などは将軍にならないと出ることはできない。しかし、二人は会議に参加していた。
理由は、トレアだった。昨日
「ねぇ、二人に会議に参加してもらいたいんだけど」
突然言われた。
「でも、俺らはいけないんだろ?」とコルル。
「行きたくない…」とソマリ。
「いや、始めて軍人になったから、会議の様子とかにもなれておくべきだと思ってさ。特別に許可とっといたから。明日の午前中。よろしくね。あ、でも私はこれないから」
「え…」
という訳だった。もう一時間も長い話が続く。
(帰りたい…)
二人の考えることは同じだった。ふとソマリが周りを見ると、場違いな少女がいた。小学生ぐらいで、目は以上に大人びていた。その少女はずっと携帯をいじくっている。周りにいるのは皆体格のいい大人ばかりで顔つきは恐ろしい。その空気の中にいるだけで嫌になるのに、少女は気にもとめていないようだった。視線を感じたか、ソマリの方を見た。笑う訳でもなく、ただ無表情で見ていた。ごくっと唾を飲む。
「おい、どうしたソマリ」
コルルがこそっと言った。
「いや、なんでもない」
そう答えた後に、もう一度少女の方を見た。彼女の目線はもう携帯のほうにいっていた。
(どんな立場なんだろう…)
会議中、ずっと考えていた。
*
ようやく会議が終わった。ふぅ、と息をついて部屋から出て行こうとする二人に一人の女性が話しかけてきた。
「こんにちは。あなたたちが軍人になった二人ね。噂は聞いているわ。私は第一科学研究部隊教授助手、メニィ・ダエルです。よろしくね」
優しく、清らかな声だった。メニィと言う女はすらりと身長が高く、髪はショートカット。実験服を着ている。
「は…はい。あの…ウワサって…?」
おどおどしながら答える。メニィはふふっと笑って
「知らなくていいのよ。科学実験って興味ない?もしよければ実験室でお茶でもしない?」
「い…いいんですか?」
コルルが少しわくわくした声で言った。ソマリはええ?!とした顔でいる。
「いいわよ。ついてきて」
メニィと一緒に実験室に向かった。さっきの少女はその様子をじっと見つめていた。
*後書き*
どうも〜!!最近書くのを忘れていたメゾです。
最近また風邪気味のようでつらいです。
でもですね、新キャラを考えていると急に
「どんどん進めてこのキャラ出したい!!」
と思うようになったんです^^
「神能」はかなり長編小説です。ですが、みなさん最後までよんでいただけると幸いです!!
いつもすんごく短い後書きなんですが、ここら辺までにしときたいと思います。
第十九話、最後まで読んでくださり、ありがとうございました^^
メゾ
- Re: 神の能力者 ( No.28 )
- 日時: 2010/12/05 16:34
- 名前: メゾ (ID: 4mXaqJWJ)
第二十話 「その名はナタリー」
「ようこそ、我が実験室へ!!」
ガチャッとドアを開けた。中は散らかってもいないし、そう大してきれいでもなかった。ただ、一つ目立つケージが置いてあった。
コトッ
メニィが三つカップをテーブルの上に置いた。その中に紅茶を注ぐ。二人は椅子に座った。メニィも座り、カップを手に取る。
「いいわね。トレア様に戦ってもらえて。ソマリ君…だっけ?」
「はい。でも、そんなにいいものなんですか?」
「もちろん。トレア様はとっても素晴らしい人なの。武術は完璧、それに美少女だし。文句なしの女の人よね。そんな人と話をすることができるなんて、すごいことなのよ」
ソマリはへえーと聞いていたが、コルルは紅茶を飲みながら、研究品を見ていた。メニィは話を続ける。
「あなた達の戦った様子はしっかり見せてもらったわ。すごかったわね。この実力なら将軍になれるんじゃない?今度は軍人同士の大会があるから出場してみたら?」
「将軍になると会議に参加できるんですよね?じゃあ、将軍が最高位なんですか?」
コルルが口を開いた。
「ううん。一番すごいのは親衛隊隊員。この部隊に入った人はトレア様の近くで戦うことが許される。すご腕の人じゃないと無理だけどね」
「じゃあ、将軍同士で戦うんですか?」
ソマリが聞いた。メニィは首を横に振り、
「ううん。トレア様と戦うの」
「ええ?!」
二人は同時に言った。くすっと笑うと
「おもしろいわね。今の将軍の人たち、みんなトレア様と戦ったの。でも、十秒ぐらいで決着は着いた。だから、誰も隊員にはなれなかったの。今、親衛隊がないのはそういうことだからなのよ」
「へえー」
しばらく三人で色々なことを話した。ソマリはずっと疑問に思っていたことを聞いた。
「あの、さっき女の子が会議に出ていたんですけど、あの子はなんなんですか?」
「あの子?」
「えっと、髪を二つ上で束ねてて、ずっと携帯をいじくっていた…」
「ああ!!ナタリーのことね。あの子は『天才』なのよ」
「『天才』?」
コルルが敏感に反応した。
「うん。名前はナタリー・シフォレット。十二歳。義務教育の期間なんだけど、『天才』だからもう大学ぐらいの知識はもうもっているのよ」
「じゃあ、今は将軍なんですか?」
「うーん。微妙なところかな?去年の大会で優勝。今はその知識を生かして、第一作戦部隊長」
「両親はどういう人なんですか?」
そう言うと、メニィは悲しそうに目を伏せた。ソマリは慌てて
「すっ、すいません!!何かきに触ることを…」
と、謝った。
「いいの。彼女の両親は今はいないの」
首を振り、そう小さく言った。
「七年前、彼女の生まれた村は消滅した。跡形もなく、証拠も何もない。ただその村のあったであろう所にナタリーは倒れていた」
「村が消えた…?ワープ?」
「違う。大きな光が村を包んで人、家をすべて消していったの。科学班は色々調査してみたけれど、何もなかった」
「あの…」
ソマリがおずおずと声を出した。
「こんなこと言っていいのか分からないんですけど…。彼女が村を消した…ということは考えられませんか?」
メニィの目が大きく見開く。コルルはすぐに叫んだ。
「バカ!!んなわけ…」
言い終わる前に少女——ナタリーが現れた。ぴたっと空気が変わる。彼女はじっとソマリを見ると、
「……出てって……」
と小声で言った。二人が動けずにいると
シャキンッ
と剣が突き付けられた。冷酷な目がますます険しくなる。コルルが
「帰るぞ」
と言った。ソマリは慌てて部屋から出て行った。残されたコルルは
「すいませんでした」
とメニィとナタリーに謝り、出て行った。
*後書き*
どうも〜 長いですね。すいません^^
最近いいことがなくてですね、つまらないんですよね
さあ、もうすぐ山場です。がんばって書くのでよろしくお願いしますね!!
まあ、相変わらず後書きは短いのですが。次回予告みたいなものをしたいと思います。
次回は「月の騎士」からスタートです。よろしくお願いします。
第二十話、最後まで読んでくださり、ありがとうございました!!
メゾ
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