ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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神の能力者
日時: 2011/04/23 20:50
名前: メゾ (ID: viAVUXrt)
参照: http://www.kaki-kaki.com/bbs_m/view.html?590552

はじめまして!メゾといいます。
小説を書くのは初めてだけど、読んでくれると嬉しいです♪
参照は、この物語の主人公・トレアちゃんのイラストです!もし宜しければ見てくださいね^^
それでは、「神の能力者」始まります><

*ストーリー*
人間を超えた存在、「特殊能力者」。主人公、トレアも人間を超えた存在。同じ存在の仲間と共に弟、リュランの仇、『月の騎士』を倒そうとする。

*前回までの物語*
「超」の能力者のトレアは、「炎」の能力者、コルルと「氷」の能力者、ソマリを仲間にする。
「無」の特殊能力の持ち主、ナタリーも仲間にし、ゆっくりと動き出そうとした矢先、学園がテロリストに襲われる。なんとか生徒たちを非難させることができ、月の騎士を捕まえようと、計画を立てていたところにミュリがペルソナとともに現れる。自分が皇女だということが知られ、ミュリは裏切られたと思い、復讐のため、月の騎士の一味になる。「死怨」という名をもらい、「操」の能力をかけられ、完全な僕となった。

目次>>54
登場人物紹介>>55
トレア、コルル、ソマリのプロフィール>>21

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Re: 神の能力者 ( No.84 )
日時: 2011/12/28 16:16
名前: メゾ (ID: 49hs5bxt)

皆さまお久しぶりです。

ここ最近この『神の能力者』を読み直してみて、オリキャラを募集し、また応募してくださったのにもかかわらず、まったく登場させていないということに今更になって気がつきました。誠に申し訳ありません。

もう少しでロニエ君の話が終わるので、それまで待っていただけると幸いです。
その前にトレアちゃんの執事が出てきますが、気にしないでください。

これからもよろしくお願いします。
でわでわ、この辺で。
                       メゾ

Re: 神の能力者 ( No.85 )
日時: 2012/02/04 21:10
名前: メゾ (ID: kct9F1dw)

第五十一話 「笑う理由」

しばらくすると、すー、と小さな寝息が聞こえてきた。見ると、ナタリーが椅子にもたれかかり、小さく丸まって眠っていた。ロニエの目線に気がついたメニィはその様子を見ると、あら、と呟く。
「ふふふ、まだまだあの子も子供ね」
にこっと微笑んで、作業を続ける。ナタリーはまるで小さな子供のように眠っていた。
「ここだけの話だけど、ナタリーはね、トレア様からあなたのそばに付いていてほしいって頼まれたのよ。年が同じぐらいだから、少しは話しやすいかと思ってね」
ハイ終わり。そう言ってロニエの胸から聴診器を話す。ロニエはシャツのボタンを留めながら、もう一度彼女の方を見た。
「実はね、ナタリー、人と関わるのがあまり好きではないの。なかなかうちとけようともしないし。自分の過去に付いても喋ろうとはしないの。あの事件以来ずっと一緒にいるけど、いまだに私もあの子が何を考えているのか分からない時があるのよ」
メニィの言葉を聞いていると、ふいにナタリーがパチッと目を覚ました。
「おはよう。ナタリー」
ロニエが冗談半分で名前を呼ぶと、寝起きのムスッとした表情を浮かべ、
「ロニエ」
と名前を呼び返した。そう言った様子がいつもの無表情の彼女とは違い、幼い感じがし、面白くてつい吹き出してしまう。あははは、と声を上げて笑っていると、
「……笑った」
ナタリーが、今度は無表情のままつぶやいた。
「……ずっと寝ているままだし、あの時も笑っていなかったから、心配してた、トレア」
ロニエは笑うのをやめ、大きな目で彼女を見る。目線を下げ、
「……笑わないと、だめ」
聞こえないぐらい小さな声で言った。え?っと聞き返す。すると顔を上げ、ナタリーは何でもないというふうに首を横に振った。
「そう言えば、僕はナタリーが笑うところを見たことがないな。笑わないよね?あんまり」
興味で少し聞いてみる。表情は変わらなかったが、少しピクッと体が反応したのが見えた。その話を聞いていたメニィは道具を片付けるのをやめ、振り返る。不安そうな顔で様子をうかがう。
しばらくすると口を開いた。
「……笑えない。笑ってはいけない。私が、私なんかが…」
その答えの意味が分からず、首をかしげる。でも、雰囲気からして聞いてはいけないことを聞いたような気がした。その場の空気を変えようと、明るい声で
「よし!じゃあ僕がナタリーを笑わせてあげる!」
と言った。ナタリーは顔を上げず、うつむいたままだが、メニィはえ?という表情をする。
「僕の初めての友達だもの。何か理由があって笑えないのは分かった。でも、やっぱり笑わなくちゃ。せっかく可愛いのに、もったいないよ。それに、ナタリーはトレアの仲間だよね?トレアは僕に関する何かを知ってる。僕の記憶のことだって何か知っているはずだよね。それを知りたい。だから、僕はナタリーの友達として仲間になるよ」
しばらく沈黙が続いた。うつむいたまま、小さくナタリーが尋ねる。
「……トレアは弟の仇を討とうとしてる。あなたの目的は違う。それでもいい?」
ロニエは大きく頷くと、
「もちろん。トレアに助けてもらったし。恩返しぐらいしなくちゃ。それに、他にすることもないしね」
と、最後は少しさびしそうに言った。それを聞き届けると、ナタリーはゆっくりと顔を上げ、
「……よろしく」
と言った。そして、手を差し伸べてくる。ロニエはその手をぎゅっと握り、
「よろしくね!」
にっこりと笑った。

この二人の会話をトレアは廊下からこっそり聞いていた。
(ナタリーの抱え込んでいたものもわかったし、ロニエも仲間にできたから良かった。あんな小さな子を戦わせるのもどうかと思うけど、特殊能力者をみすみす手放すわけにはいかないしね。まあ、記憶のことに関してもいずれ話すべきだし、ナタリーの過去についても少しメニィから聞き出しておくべきかな)
最後の言葉を聞き、安心してトレアはその場を去った。










*後書き*
ようやく書き終わりました。
これにて『影の特殊能力者』については終わりです。次は学園が中心になるかと思います。オリキャラを出していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
でわでわ、このへんで。ありがとうございました。

Re: 神の能力者 ( No.86 )
日時: 2012/02/08 18:29
名前: メゾ (ID: yOB.1d3z)

第五十二話 「望む日常 前編」

「ロニエー。学校遅れるよー。ナタリー先に行っちゃうよー?」
トレアが廊下から扉に向かって声をかける。目の前の部屋の中からはドタバタと騒がしい音が聞こえていた。
ロニエが仲間になってから約二週間。事態は落ち着き、今では彼もナタリーと一緒に中等部の方で学校生活を送っている。ある程度の知識は消されていないようで、成績はいいらしい。自分の弟が生きていたら、こんな風に楽しく学校生活を送ることができたのかな、と物思いにふけっていると、
「お嬢様。遅刻してしまいすよ」
ふと、後ろから声をかけられた。振り返ると後ろには青年が立っていた。その青年はトレアの顔を見るなり、にこっと微笑んだ後、一礼をした。
「おはようございます」
「おはよう。セシェル。後ろに立たないでもらえるかな?驚くんだけど」
セシェルと呼ばれた青年は、顔立ちが凛々しく、左目の方を銀の髪で隠していた。身長は百八十ぐらいと長身で、細身の体をしている。切りそろえられた髪が目立つ。
彼はトレアの執事、また彼女率いる親衛隊の一員である。表向きでは親衛隊にはトレアしかいないということになっているが、それはセシェル本人が希望したからだった。

彼が親衛隊に選ばれた理由は、トレアと真っ向勝負をして勝ったわけではない。確かに銃の腕はこの組織の中ではトップクラスだが、特殊能力を持つトレアの前では当たるはずもなかった。
戦った時にはあっさりと手刀でやられ、言われた。
「うーん。やっぱり駄目かー。それなりに実力はあるんだけど……」
手刀は浅く、若干意識のあった彼は、年下で、しかもまだ十五である少女にこんなことを言われ、腹を立てた。
(こんな少女に負けてどうする……)
体を思いきり動かし、自分の隣に座っていたトレアの首に、目にもとまらぬ速さで手を伸ばす。反応はしたが、油断していたため、そのまま首をつかまれる。ひきはがそうと彼女は手をかけるが、男と女では力の差がありすぎて、意味がなかった。
「必死で銃の訓練をして…。国の…人の役に立とうとここまで来たのに…!」
ぐぐっと力が込められる。大の大人がこんな小さな子供にこのようなことをするのは良くない、たかが子供の言葉に腹を立てるのは恥ずかしいと頭では分かっていたが、手が外れない。トレアはそのように苦しそうな表情をする彼を上目づかいで見ていた。
なかなかセシェルが引き下がらないので、あきらめて特殊能力を使うことにした。青の瞳が一瞬にして不思議な模様が入った黄色に変わる。それに驚き、ひるんだが、やはり手は外さなかった。トレアの特殊能力は身体能力をかなり上げるので、腕力も上がる。
「みんなそうだよ。必死だった。でも、その程度じゃ足りないの。そんな力じゃすぐに殺されちゃうの。だから私を殺せない」
手を彼の手首に添える。ゆっくりとつかみ、ひきはがす。さっきとは違い、まるでセシェルが力を入れていなかったかのようにいたって普通に手が外された。彼女は特殊能力のまま、言い放った。
「戦場でなるだけ人が死なないように先頭に立って動くのが私の求める親衛隊。だから強さを求める。だって、死なれちゃったら駄目でしょう?あなたは私のことを弱いと思っているかもしれないけれど、あなた以上に色々なことを経験していることは、忘れないでね」
色々なこととは、そのときのセシェルには分からなかった。でも、その表情からして、己の命にかかわるような危険なことをしたということはすぐに分かった。
トレアは立ち上がり、少し伸びをして、
「仕方ないな。この能力を見てしまったし。本音も聞かれたし。いいや、認めてあげる。気にいったしね。その性格」
と言う。にっこりほほ笑んで、手を差し伸べてきた。
「よろしくね。そして、おめでとう」

こうして、セシェルはトレアに性格、また銃の腕を買われて親衛隊に入った。
今では執事としての仕事もこなすようになり、トレアのことはお嬢様と呼ぶようになっている。
「今からでは徒歩では間に合いませんね。お送りしますよ」
時計を見ながら言う。すると、目の前の扉が勢いよく開いた。
「ごめんなさい!寝坊しちゃって…。間に合うかなぁ…」
ロニエが不安そうに聞いてくる。にっこりと彼に微笑み返して、
「大丈夫、今日は特別に車で行くことにしたから。セシェル、ナタリーやコルル、ソマリに連絡してもらえる?」
と言った。かしこまりました、と声が聞こえ、すでに携帯で番号を打っていた。
「行こう。今日は仕事もないし、ゆっくりできそう!」
そう言って、二人は歩きだした。







*後書き*
こんにちは。メゾです。
すいません。執事君を出すため、今回は前編、後編と分けさせていただく形となりました。
なんだか微妙な終わり方になってしまい、自分でも読んでいて疑問を持ちました。
すいませんでした。次回はもう少し頑張りたいと思います。
ありがとうございましたー^^
                 メゾ

Re: 神の能力者 ( No.87 )
日時: 2012/03/13 13:50
名前: メゾ (ID: .uCwXdh9)

第五十三話 「望む日常 後編」

「おはよう」
そう言って教室に入るトレア、コルル、ソマリ。すると、
「おはよう!クロアちゃん!今日はいつもよりに十分遅い登校だね!寝坊しちゃった?まぁ、健全な女子高生が寝坊をしないってことの方がおかしいけどね!そんなトレアちゃん、可愛いよ!!」
と、元気のよい声が教室内に響いた。コルルがそちらの方を向いて半分あきれ顔で言う。
「お前、朝からテンション高すぎるだろ。少しは静かにしてくれないか?聞いているこっちはとても耳が痛い」
「いやいや、コルル君。人生は明るく、そしてまた明るく過ごすべきなのさ!僕はただただ青春を過ごしているだけなのさ〜!」
「明るく二回言っただろ。お前のは青春とは言わねぇ。ただうるさく過ごしているだけだ」
そう二人で会話した後、その声の主がコルルと肩を組む。コルルはウザそうに少年を見て、腕をほどこうとする。トレアはそのやり取りを見て苦笑するだけだった。
コルルと肩を組む少年はロラン・ジュピート。真っ赤な髪を健全な男の子らしい髪型にし、身長はトレアよりも小さく、クラスの中では小柄である。制服はお洒落でもダサくもない着こなし方をしていて、女子からは「もう少し頑張ればカッコいいのに」などと言われていた。性格は話し方や様子からみても、明るく、プラス思考で、また天然でもある。トレアのことを好き、というのはクラス中、いや、学年中が知っていることだった。そのトレアと仲良くしているコルルに馴れ馴れしく(?)しているので、結構ウザがられ、またたまに軽く殴られたりしていた。
「おはよう、ロラン。朝から元気なのはいいことだけど、明らかにウザがられていることにいい加減気付いてほしいと思うところだね」
そう言って、遠まわしにコルルに助け船をだすトレア。天然なだけあって全くその意図に気づかず、きょとんとした顔で見返してくる。その神経に感動を覚え、必死にひきはがそうとする彼が哀れに見える。コルルは眉間にかなりしわを寄せ、わなわなとふるえていた。
ソマリはその様子を見ていたため、若干ロランを避けた。いつもは彼も巻き添えをくらい、一緒に肩を組まれたまま席に付かなくてはならないというめんどくさいことに巻き込まれてる。
今日はくらわずに済んだ、と少し安堵しながらそそくさと席に付く。
「おはよう!ソマリ!」
声が聞こえ、目線を上げるとティナが顔を覗き込んでくる。思わず笑みをこぼしてしまっていると、
「あら、鼻の下が伸びきっていますわ。そのままでは表情筋が伸びて戻らなくなるかもしれませんわよ?それに、下心がバレバレです」
と、声をかけられくすくすと笑われた。隣に座っていた女子生徒である。
薄茶色の細く美しい髪を二つに結っていて、体の少しの動きでその髪は大きくなびく。また大きな濃いめの茶色の目が特徴的。少し細めの体はきれいに椅子に腰かけており、背筋もピンと伸ばしていた。作法がしっかりと身に付いているところから、いかにもお嬢様と言った感じが印象に残る。
彼女の名前はロリー・アデンゼル。ティナと同様、貴族の娘で、控えめで、おしとやかな性格。比較的おとなしいため、あまりクラスでは目立たないが、その容姿に関しては一目置かれていた。また、それに比例して男子生徒から告白されることも多いらしいが、噂によると、それらすべて断っているらしい。理由は不明だが。
「ロ…ロリー、そんなこと言わないでよ…」
ソマリが顔を赤くしながら言う。ティナはその意味が分かっておらず、首をかしげ、きょとんとしていた。
「ごめんなさい。面白くて、つい…」
優雅に笑いながら謝罪するロリー。彼女が笑うのと連れられて、ティナも笑っていた。二人はある程度仲が良いらしく、貴族同士、パーティなどではよく一緒にいるらしい。しかし、ロリーの方はトレアが皇女であることは気づいていない。ティナは教える気はないようだった。
「そう言えば最近、中等部の方に転校生が来たみたいだよ?男の子だけど、女の子みたいに可愛いんだって。そういう子って、両親とかも綺麗なんだろうなぁ。一度見てみたいね」
そう言って、うっとりと笑う。ソマリはその転校生がロニエであることがすぐに分かった。彼はその通り女の子のような姿をしている。スカートでも履けば、そこらの女子生徒よりも似合っているだろう。
ティナとロニエはまだ面識がない。トレアがまだお互いに紹介していなかったからである。
「ロニエ君…でしたっけ。とても可愛らしかったですよ。一度そこの廊下で見かけました。それと、隣にオレンジ色の髪をした女の子もいたんですけど、その女の子も可愛かったです」
おそらくナタリーのことだろう。二人はよく一緒にいるようで、トレアは安心していた。彼女いわく、「安心できる場所があることはいいことよ」と言うことらしい。
「クロアちゃん!!コルル君が僕を殴り始めたよ!!これも愛の一種なの?!ねぇ!!」
「知らないけど…。たぶん違うんじゃないかなぁ…」
「愛な訳あるか!いい加減気付け!」
三人の言い合いが後ろから聞こえる。周りのクラスメイトはニコニコしながらその様子を眺めていた。
「コルル君!!悪いけど、僕の好きな人はクロアちゃんだから!!悪いけどこの愛は受け取れない!!丁重にガフッ」
「一回死ね!!」
「うわぁ!!いくらないんでもそんな勢いよく殴らなくても!!ロラン、しっかりして!!」
「あはは…。クロアちゃんに心配されてる…。朝から天国だよ…」
コルルに思い切り腹を殴られ、その場に倒れるロラン。それを見て心配するトレアの様子で、この朝の時間は終わった。





*後書き*
やっとオリキャラを出すことができました〜。
とっても嬉しいです^^
ロリーちゃんの容姿のことなんですが、あまり詳しく載っていなかったので、こちらで勝手に決めさせていただきました。イメージと違っていたらすいません。
でわでわ、今回もこの辺で。ありがとうございましたー。
               メゾ










                  

Re: 神の能力者 ( No.88 )
日時: 2012/03/26 20:01
名前: メゾ (ID: .uCwXdh9)

番外第二話  「消えかけリュランの日記」

?月△日
今日は不思議なことがあった。いきなり、お姉ちゃんの悲鳴が聞こえた。すごい大きな声で、今まででこんなに悲鳴を上げたお姉ちゃんの声を聞いたのは初めてだった。怖くなった。いったい何があったんだろうと様子を見に行こうとしたけど、××××に止められた。駄目だよって首を振られた。××××は目に涙をためていて、悲しそうな顔をしていた。なんでそんな顔をしているの、って聞いたら、何でもないよ、と言われた。そんな顔をするのには絶対理由があるはずなのに。隠された。僕は何だかむかっとした。僕が小さいからこんな風にみんな黙っているんだと思った。僕は言った。なんなの?って。答えてくれなかったけど、××××は、「トレアに守ってほしいって頼まれているから、僕が君から目を離すわけにはいかないんだ」と言った。意味がわからなかったけど、あまりに顔をゆがめているから、これ以上迷惑をかけないように黙ることにした。
しばらくしてから、屋敷にたくさんの男の人が来た。頑丈そうな服を着て、手に銃を持っていた。僕もそれを使って撃ったりしたことはあるけど、物凄く銃が大きかったから、僕じゃ持つことはできないだろうなと思った。その人たちの中の一人の人がお姉様たちがいる部屋に入ってきた。何があったんだろうと思って、××××の部屋の窓から身を乗り出した。でも、すぐに肩を引っ張られてダメ、と怒られた。
そうしたら、お姉様たちの屋敷の方から銃の音がした。びっくりして振り返ったら、今度は××××のいる方からドスッという音がした。さらにびっくりして、今度は正面を見た。そうしたら、他の大きな男の人が××××を気絶させて抱えていた。驚いて、悲鳴をあげそうになった。
でも、その男の人の後ろに、××様がいた。写真でしか見たことがなかったけど、確かにその人だった。××様は、にっこり笑って、僕の名前を呼び、頭を撫でた。頭を撫でる間に、××様は悲しそうな表情をしたり、嬉しそうな表情をしたり、色々顔を動かしていた。上目づかいで見ていたけど、お姉様にそっくりだな、と思った。
××様は僕の手を引いて、部屋を出て行こうとした。僕が××××の方を振り返ったら、思いっきり手を引っ張ってきて、「行きますよ」って少し低い声で言った。怖くなった。綺麗な顔なのに、怒るとものすごく怖かった。
それからどこかに連れて行かれて、僕は—————


(これから先は破かれているため、読むことはできません)
 
(×で書かれている部分は、何者かによって消されており、読むことができません)




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