ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 神の能力者
- 日時: 2011/04/23 20:50
- 名前: メゾ (ID: viAVUXrt)
- 参照: http://www.kaki-kaki.com/bbs_m/view.html?590552
はじめまして!メゾといいます。
小説を書くのは初めてだけど、読んでくれると嬉しいです♪
参照は、この物語の主人公・トレアちゃんのイラストです!もし宜しければ見てくださいね^^
それでは、「神の能力者」始まります><
*ストーリー*
人間を超えた存在、「特殊能力者」。主人公、トレアも人間を超えた存在。同じ存在の仲間と共に弟、リュランの仇、『月の騎士』を倒そうとする。
*前回までの物語*
「超」の能力者のトレアは、「炎」の能力者、コルルと「氷」の能力者、ソマリを仲間にする。
「無」の特殊能力の持ち主、ナタリーも仲間にし、ゆっくりと動き出そうとした矢先、学園がテロリストに襲われる。なんとか生徒たちを非難させることができ、月の騎士を捕まえようと、計画を立てていたところにミュリがペルソナとともに現れる。自分が皇女だということが知られ、ミュリは裏切られたと思い、復讐のため、月の騎士の一味になる。「死怨」という名をもらい、「操」の能力をかけられ、完全な僕となった。
目次>>54
登場人物紹介>>55
トレア、コルル、ソマリのプロフィール>>21
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- Re: 神の能力者 (オリキャラ募集終了しました) ( No.69 )
- 日時: 2011/03/19 16:23
- 名前: メゾ (ID: viAVUXrt)
こんにちわ。メゾです。
オリキャラ募集、終了しました。応募してくださった皆様、ありがとうございました。
決まったのは、
聖也さんの ロラン・ジュピート君
綾愛 雪夜さんの ロリー・アデンゼルちゃん
です。
本当にありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。
メゾ
- Re: 神の能力者 (オリキャラ募集終了しました) ( No.70 )
- 日時: 2011/03/23 14:47
- 名前: メゾ (ID: viAVUXrt)
第四十四話 「正体」
『無』の能力で影を粉砕する。
影は何とかナタリーを取り押さえようとするが、彼女のまとっている結界により、すべて消されていた。
ピリリッ ピリリッ
携帯が鳴る。トレアからだった。無言で出る。
『ナタリー?上から確認してみたところ、発信源の所に大きな塊があるみたい。私じゃ破れないと思うから、あなたが上から大きく能力を使って攻撃して。頼んだよ』
「……うん」
『あと一つ。少し離れた所にクモの巣のようなものがあった。たぶんコルルだと思う。やられたみたい。これがすんだら助けに行くから、ナタリーは破ることだけに集中してね』
「………」
『じゃ、終わったら連絡して。バイバイ』
プチッ
電話が切れた。ナタリーはパタンと携帯を閉じ、ポケットに直した。
少し遠くに、黒い塊が影をうごめかせながら存在している。彼女はそれを一目見ると、大きくジャンプし、がれきの上に飛び乗った。
ジャンプ、着地を繰り返しながら塊の上に位置するビルに来た。
影は忙しなく動き続け、攻撃を続ける。ナタリーは携帯を取り出した。
シュルルルルルルルッ
大きな音がし、彼女は下にあるはずのものをとっさに見た。
「……?」
そこに、塊は存在していなかった。
おかしい、そう思い、身を乗り出した。辺りを見回すが、影すら見当たらなかった。
ナタリーは体力の消耗を防ぐため、『無』の能力をいったん解いた。
その隙を『影』の能力者は見逃さなかった。
後ろから殺気を感じ、振り返った。しかし、一瞬遅く、
グワッ シュルルルルルッ
ナタリーは影に飲み込まれた。次々と覆いかぶさってくる影を、『無』の能力では消しきれなくなった。
「…っ」
小さく悲鳴を上げ、出ようと必死でもがく。しかし、彼女の細い腕ではびくともしなかった。ふと顔を上げると、影と影の間から一人の少年が見えた。
「…?…!」
ナタリーの見た少年は、トレアの弟、リュランと全く同じ顔だった。
(何故生きている———?)
影は絶対に出ることのできない空間に彼女を閉じ込めた。
*後書き*
どうも、メゾです。今回は少し短いです。ナタリーちゃんのことで終わってしまいました。
最後、少年君のことが出てきています。しかし、彼は「リュラン」という名前ではありません。この次の回の時に名前がわかります。ぜひ読んでください。
では、目が疲れてきたのでこの辺にしておきたいと思います。
ありがとうございました。
メゾ
- Re: 神の能力者 (参照500ありがとうございます) ( No.71 )
- 日時: 2011/03/24 16:09
- 名前: メゾ (ID: viAVUXrt)
第四十五話 「神の一部」
「シリユー」
大通りから外れた高いビルの屋上。一人の女が座っていた。顔に布をすっぽりとかぶり、全身を服で隠している。髪は長く、青色で、前髪の横を一束にまとめていた。声がかかると、女は振り返った。
声の主は、にこにこと笑い、
「どうしてあの子を手放したの?」
と、聞いた。女は布を取り、
「ロニエには、『超』の能力者のそばにいてもらった方が都合がいいからだ」
と、ぶっきらぼうに言った。布の下からは、きれいに整った美しい顔が見えた。青色の目。大きく、透き通っていた。彼女は、少し違う世界にいそうな雰囲気だった。
声の主——ユオは
「ったく。大変なことになっているんだからね。コルルとナタリーはもうやられちゃったんだから。あとはトレアだけなんだよ。あーあ。今回は私が出なくちゃいけないかな」
と、呆れたように言った。女——シリユは大通りの方を見る。
「残念だが、私には人間の気持ちはわからない。ロニエが何故あれだけ私を求めるのかも。お前の気持ちさえも」
つぶやいた。ユオははあ、と息をつき、
「私も人間じゃないんだけどね」
と、苦笑いしながら言った。
シリユは立ち上がり、パンパンと服に付いたホコリをはらった。そして、もう一度布をかぶった。
「どこいくの?あまり私の一部に勝手なことされたくないんだけど」
ユオはそう言って彼女の方を見た。布越しで、表情は分からなかったが彼女は笑って
「私は偽の『神の一部』だ。お前には本当の神の一部がいるだろう?」
と、尋ねた。
ユオは、『神』と呼ばれる存在。シリユは『神の一部』と呼ばれる存在である。
『神』は人間の世界を守るため、己が見込んだ人間に能力を与え、『神の能力者』を生みだした。そして、人間の気持ちを知るため、一人の人間を自分の一部にし、『神の一部』とした。
それらは、神が造り出した人間を超えたものである。
人間であり、人間ではない。ちょうど境目に生きている。そんな存在。
「いるよ。けど、あなたも契約した以上、あなたも一部なのよ?」
クス、と笑い、言った。
「私は造られてばかりだ。この命も、この力も」
風が吹き、ユオとシリユの長い髪が揺れた。
「ヴィレアから呼び出しをくらっている。行かなければ殺されるのでな」
そう言った後、目を『時』の能力、青色に変えた。同時に、ユオも変わる。
「ロニエの私に関する記憶をすべて消しておいてくれ。頼んだ」
彼女の座っていた地面が光り出し、カァ、と輝いた。その光が消えたときには、もう姿はなかった。
「分かったわよ。人造人間」
静かに返事をした。
*後書き*
メゾです。集中力が途中で切れました。
最後に、「人造人間」とあります。読み方は「ホムンクルス」です。読んで字のごとくです。造られた人間(?)です。
さて、もう充電切れなので、ここら辺にしておきたいと思います。
また充電したら更新します。ありがとうございました。
メゾ
- Re: 神の能力者 ( No.72 )
- 日時: 2011/04/23 21:27
- 名前: メゾ (ID: viAVUXrt)
第四十五話 「リュラン」
「ナタリー?!」
トレアは大声で叫んだ。彼女が来たときはもう遅く、ナタリーは影に飲み込まれていた。影はザワザワと音を立て、トレアを捕えようと周りを囲んでいた。
「邪魔者。最後」
影の中心から声がした。ふとその方向を見ると、彼女は心臓が止まりそうになった。
少女のように華奢な体躯。整った顔立ち。瞳は中心にトレア達と同じ妙な模様があり、「影」の特殊能力と表す黒色だった。
リュラン・エテリアル。半年前、死んだと思われていた彼そのものだった。
間違えるはずがない。
考えるよりも先に声が出ていた。
「リュラン!!」
思わず手を伸ばした。しかし、その少年は顔色一つ変えず影を伸ばした。
ギュルンッ
それは勢いよくトレアの体に巻きつき、自由を奪った。
油断していたため、よけることができず、その場にひざまずく形になる。手首は縛られ、足も影により地面につけられている。首にはすぐ絞め殺せるように、他のカ所よりも太く巻きついていた。
少年は冷たく見下ろしている。もう、何も言えなくなった。
「リュ…ラン」
喉からかすれ声だけが出てくる。彼には全くその声は届かない。
「リュランというのは誰?」
あどけない声。見上げる先から、聞こえた。
「僕の名前はロニエ。リュランって?」
殺されると思っていたのに、少年——ロニエはすぐに殺そうとはしなかった。
敵を目の前にして、この子は聞かなくてもよいことを聞いてきた?
頭が混乱し始めた。しかし、このチャンスを逃すわけにはいかないと、声を張り上げた。
「私の弟!!リュラン・エテリアル。半年前の反乱で死んだと思われている…」
もう一度息を吸い込み、言った。
「あなたは、あの子とそっくりなの!!あなたはリュランじゃないの?!」
言い終わると、当たりはシンとなった。
しばらくの間、静寂に包まれ、トレアは祈るように彼をもう一度見た。
ロニエは、首をかしげると、一言
「知らない」
そう言って、首を絞めた。
「がっ!!」
そのまま影は、彼女の体を持ち上げた。手首、足の影は外され、自由になったが、宙に浮いたままでは何もできない。物凄い力で首が締められるため、外そうとして、影をつかむが、力が入らない。
「く…。は…」
キシキシと音を立て、絞まっていく。
気が遠くなっていくのが分かる。視界が揺らぎ、辺りがぼやける。
目の前に、大切な弟がいるのに———。
嫌だ———。
死にたく、ない———。
「トレア」
自分そっくりな少女が、優しく声をかけてきた。
*後書き*
お久しぶりです。ちょうど一カ月ぶりの更新です。最近忙しかったので書くことができませんでした。すいません。
さて、皆さんお忘れ気味の、リュラン君ですが、ああ見えて実はナタリーちゃんと同い年なんですね^^
ロニエ君、トレアちゃん、リュラン君の関係は、おいおい分かってきます。ぜひ読んでくださいね。
今回はここまでにしておきたいと思います。
ありがとうございました。
メゾ
- Re: 神の能力者 ( No.73 )
- 日時: 2011/05/28 20:42
- 名前: メゾ (ID: e/CUjWVK)
第四十六話 「神と能力者」
ユオは一歩一歩、ゆっくりと近づいてくる。ロニエは妖しげに彼女を睨みつけ、
「誰?」
やがて口を開き、聞いてきた。ユオはちょうど彼の正面、十メートルくらい先のところで近づくのをやめた。そして、
「シリユの知り合い。さっきも会ってきたんだ」
笑顔で答えた。ロニエは『シリユ』という言葉を聞いた途端、体がびくんと動き、目が大きく開いた。力を最大限にし、一気に彼女の方に影を向けた。
「シリユは…。シリユは…どこに行った?!」
大声で叫び、影を伸ばす。トレアは朦朧とする意識の中、ユオの姿が真っ黒く包まれていくのを見た。
「………オ!!」
キシキシと音を立てて首が閉まるのをこらえ、呼びかける。しかし、返事は来なかった。
ロニエは、ハァハァと息を切らし、顔を青くしていた。
影はシュルシュルと包んで行き、やがて圧縮をし始めた。大きさを見ると、もう顔は潰れているだろう。トレアはその小さくなっていく体を見て、激しい吐き気に襲われた。術者の精神が揺らいでいるため、首を絞める力は先ほどよりも小さくなっていた。
まさか、コルルやナタリーも———。
急に不安になる。心臓の動きが早くなり始めた。
ピシッ
何かに、亀裂が入ったような音がした。ふと、音のした方を見る。
真っ黒く染まった人間の形をしていたであろう物からだった。
クスクスクス
笑い声も聞こえてきた。その物体はまるでその声を合図にするようにぐにゃぐにゃと形を変え始めた。しばらく動いていたが、やがてピタッと動くのをやめた。そして
パキンッ
影が割れた。影は残骸となって辺りに散っていく。一つ一つ落ちて行くごとにパキンパキンと小さく音を立てていた。
中から、頭から血を流したユオが現れる。彼女は舌で流れた血を舐め、
「神に喧嘩売るなんていい度胸じゃないの」
と、言った。そしてその刹那
フッ
と姿を消し、ロニエとトレアの前に一瞬で現れた。ニヤッと笑い、『影』の能力を使ってロニエを襲った。
ちっ、と彼は舌打ちし、ギリギリのところで攻撃をよける。トレアに巻きついていた影は、ユオの影により、切り離され、自由になった。
げほっと少し咳き込み、攻撃と防御を繰り返す二人を見る。ユオはその視線に気づき、目配せをして、『少し休んでいろ』と口パクで伝えた。
*後書き*
約一か月ぶりの更新です。久しぶりだったので疲れました。
今回は三人しか出てきません。おそらく次回もこんな感じです。
がんばって更新したいと思います。
でわでわ、この辺で。ありがとうございました。
メゾ
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