ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- Lacquer black
- 日時: 2010/12/25 10:11
- 名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
久々のダークファンタジーものでドキドキ。
心臓バクバク。
この小説は、前回書いた「モノクロⅡ」の続編っぽい
やつですが、別に読んで無くても読めますので(>_<)
登場人物>>5
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- Re: Lacquer black ( No.13 )
- 日時: 2010/12/27 11:24
- 名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
- 参照: http://yaplog.jp/akirahayate/
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光が、見えた。
だけどそれは、一瞬のこと。
「失敗、じゃねぇのか?」
「そんなわけないよ。 ジキル先生は魔力に非常に長けているからっ」
「いやでもさー、オレ何も忘れてねぇし」
チェシルは困ったようにロキを見ている。
手の平をじっと見ながら、
「なまったか?」
ジキルがボソリと呟いた。
しかし、考えている暇まどない。 一般人に学園内の事は一つも豪語してはならないのに、記憶操作ができないとなりると厄介だ。
「記憶操作ができねーってなると、あれだよ? ずっとここに居なきゃいけねぇんだよ」
「ええっ、それは勘弁しろよ。 何とかならねぇのかよっ」
「しゃーないでしょーが。 魔力が効かないんだから、アンタ」
そこまで言って。
ジキルが気づく。
「…………………魔力効かねぇってのは、おかしいよな」
「あ?」
まじまじとロキを見て、首を傾げて、唸って。
しばらくそんな素振りを見せ、
「考えるのやーめた」
「テメー、それでも魔術師かよ!」
「だって面倒くさいし。 こんなガキ一人に割く時間もねぇし」
「あンだとっ!?」
二人が騒いでいるのを、職員室中の教師がジト目で見ている。
「あの、先生。 そろそろ昼休みが終わるので、わたし授業に戻らないと」
「おいおい、コレット。 こいつお前が連れて来たんだろ。 メンドー事押しつけんな」
「人を疫病神みたいに言うな!」
怒鳴っても、ジキルは知らんふり。
「あ……、じゃあ寮のわたしの部屋で待ってて。 午後の授業が終わったら、もう一度記憶操作の魔術かけてもらおうよ」
「ああ、サンキュな」
二人が出て行った後、ジキルは煙草を灰皿におしつけて、
「聞いてたか、ウリエル」
そっと呟いた。
同時刻──、
職員室からかなり離れた、旧校舎の一室で一人の男子生徒が目を覚ました。
耳に手をあて、
「ああ、聞こえてた。 バッチリ聞こえてた」
ジキルの質問に答える。
『寝てたんじゃねぇだろうな』
「んーどうだろ。 半分記憶がガタッて抜け落ちた」
『それを寝たっていうんだろうが』
今度の転入生の話だが──、そうジキルは続けた。
生徒の表情が、少し険しくなる。
『並の魔術師じゃ気づかないのも当然だ。 彼には魔力が無いんだから』
「………どういう意味? 魔力が無くて、なんで魔術師なんだよ」
ジキルの言っている意味がわからない。
『魔力が無いのに、魔力が効かないんだ。 ロキ・アダルバートの場合はな。 お前でも、分からないよな。 ウリエル』
ウリエルと呼ばれた少年は、ほんの少し笑みを浮かべた。
嬉しさ。
今まで会った事のない人間と出会えるのかという、歓喜の気持ちだった。
「おもしろそうな後輩だな」
ニヤリと。
脳内通信を途絶えてからも、その笑いは抑えられなかった。
- Re: Lacquer black ( No.14 )
- 日時: 2010/12/27 12:13
- 名前: アキラ (ID: STEmBwbT)
- 参照: http://yaplog.jp/akirahayate/
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「……………………うわ〜〜〜〜〜〜」
ロキは、後悔していた。
別に学園に入ってしまった事やらそんな事じゃない。
問題なのは、ここが女子の部屋だという事だ。
チェシルの態度が自然すぎて忘れていたが、ここは女子が着替えたり寝たりしている寮室。 勘違いしてほしくはないが、思春期真っ只中のエロ男子みたいな感情を抱いているわけではない。
「あれ? チェシルいないの〜?」
「………………………」
ロキ・アダルバート、只今クローゼットの中に潜伏中なのだ。
チェシルに案内され、彼女が授業に戻ったため、一人部屋の中でボーとしていたのだが、彼女のルームメイトが帰ってきてしまったため、慌ててクローゼットの中に隠れたのである。
「おっかしいなぁ。 数分前くらいのあの子の魔力を感じてたのに」
(今ならオレに魔力が無い事を感謝するっつーの!)
クローゼットの中でそんな事を思うロキ。
ここが男子の部屋だったなら、まだマシだとは思う。 しかし、女子の部屋だ。 何かとんでもない誤解をされるかも知れない。
(チェシルはまだかよ)
「しょうがないか。 着替えでもしよーっと」
(やっべええええええええええっっ!!)
かなりやばい。 自分が隠れている所がクローゼットの中という事に気づき、焦る。 変な汗までかいてくる。
絶体絶命だと思ったとき。
「エミリア、オレだけど。 ちょっといいか?」
「あ、はーい」
扉の開く音がして、ルームメイトの少女が出ていく気配もした。
助かった。
ホッと息をついていると、また扉の音が聞こえた。
(戻ってきた!!)
再び気配を殺していると、クローゼットがガラリと開く。
ああ、もう終わりだと思っていたのだが、
「よう! ロキ・アダルバート発見なり♪」
「……………………」
そこには、赤い髪をかきあげ、太陽のような笑顔の男子生徒がいた。
状況に思考がついていけず、絶句していると、腕を引っ張られてクローゼットから出される。
「う〜む、そうだな〜」
ジロジロと自分を見てくるそいつ。
「………なんだよ」
「うん? 観察だよ観察。 お前はなんちゅーか、どういう奴なんだろうってな」
親しげに話しかけてこられ、警戒心も薄れる。
やがて顔を上げ、ロキの頭一つ分は長身のその少年は、
「ん、想像してた通りだな。 でももうちっと髪が長い奴を想像してたんだが………まあ、それ以外は想像通りだ」
「テメー、誰だよ。 オレの名前知ってたけど」
知っている、と彼は答える。
「オレはウリエル。 お前のセンパイ、このアリシア寮の寮長もしてる」
- Re: Lacquer black ( No.15 )
- 日時: 2010/12/27 12:51
- 名前: 氷兎 (ID: 8hgpVngW)
ウリエルくん、やっぱ素敵ですなっ
でゎ、ウリエルくん攫っていきます!!←ぇ
更新頑張って下さい(^^)
ウリエルくんと影ながらオーエンしてます(^^)/~~~
- Re: Lacquer black ( No.16 )
- 日時: 2010/12/27 12:58
- 名前: ポアロン (ID: rb3ZQ5pX)
- 参照: 今年も残りあとわずか……
うぎゃああぁぁぁあ、あっきゃんの新小説がぁぁぁ!!
ロキ君のキャラが好きです、個人的に。いやでもなー、ジキル先生も好きなんだが…。というか皆好きです、あっきゃんのキャラは!!ちなみにあっきゃんも好きでs
ではお気に入り登録させて頂きマスカット。←
- Re: Lacquer black ( No.17 )
- 日時: 2010/12/27 17:06
- 名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)
おぉぉ、話進んでました……←
私的にチェシルが好きですねvv あ、でもウリエルも……!!
そしてロキはどうなるんでしょうか……。
あ、お気に入り登録させていただきました♪
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