ダーク・ファンタジー小説
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- 神が導く学園生活
- 日時: 2022/09/25 12:31
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: SEvijNFF)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12800
初めましての方は初めまして。こんにちはの方はいつも私の作品を見て下さりありがとうございます!
今回ファンタジー物に挑戦してみようと思いまして、このスレを立てました。しかし、いざ作品わ作ると私が書いてる既存の作品「裏の陰謀」と既視感があるように思えてしまいまして…… 難しいものですね(苦笑
〇小説大会2022・夏 ダークファンタジー板銀賞受賞。ありがとうございます。ありがとうございます。
さて前座はここで終わりまして注意書きです。
◤◢◤◢注意◤◢◤◢
○文才がありません。分かりにくい描写が多々あるため、その際は教えて下さると嬉しいです。
○グロ要素があるため苦手な方は閉じてください。
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【記録】
登場人物 生物紹介 >>2
世界の魔法と、国ランクと学園ランク、学年 >>5
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【物語】
プロローグ >>1
【第一幕】
大きな秘密を抱えた4人の学園物語。
第一章 入学式編
>>3-10
第二章 ファミリア編
>>11-13
第三章 日常、コウ編
>>14-16
第四章 日常、剣編
>>17-19
第五章 ダンジョン編
>>20-31
- Re: 神が導く学園生活 ( No.23 )
- 日時: 2022/04/01 22:57
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: 5obRN13V)
《ラナ》
と、バルタザール事件が収まり数週間経ってから。いよいよ明日ダンジョン探索が始まる。私とコウは席の端っこでぼーっとしていた。
「カタバミさん!私のチームに... 」
「いやいや、俺の所に...」
「クロさん!私の所に来ませんか?」
「私達の所の方がいいって!」
ダンジョン探索にはグループを5人で作らなければならない。そこでだ。クラスで...いや、学年で2人しか居ない黄梅であるクロとタミが大人気だ。皆死に物狂いでクロとタミに迫っている。因みに余った人はその人だけで探索することになる。例え1人であろうと。私は1人の方が楽だし、クロが人混みに飲まれて私に近づけないから嬉しいことこの他無い。平和だ。
「チームか...私。チームはクロとコウとラナと組むから!」
否、ここに平和をぶち壊す奴1名。なぜあんな人が囲まれていた中で私の元へ来ることが出来るのだろう。タミを囲んでいた人たちも驚いて私達のことを見てるよ。まあ近づく人は居ないけど。
「ラナ!グループ組も!もちろんコウもね!」
相変わらずのムードブレイカーな事で。コウはビクッと体を震えさせる。
「また、俺達か。」
コウも流石に慣れてきたようで呆れている。
「何何?私達じゃ不満な訳?」
「いや、そういう訳じゃ...」
タミは頬をプクッと膨らませるがコウは頭を抑えている。嫌ではあるけど無くなってしまうのもなにか心につっかえるものがある。要するに慣れてしまったのだ。このメンバーに。
「もちろんクロも参加するよね!」
また出たムードブレイカー。クロの周りにいた人達はたちまち黙ってしまった。しかし、それはクロにとっては好都合だったようで...
「あぁ。勿論だ。」
クロは爽やかな笑顔を向けると私達の元へやってくる。何だかんだで4人が揃ったところで...
「もう1人はどうするの。」
ダンジョン探索で盛り上がっているところに水を差す形になってしまったが、グループは5人でないといけない。あと一人。足りてないのだ。
「「「...」」」
3人は黙りこくってしまった。コウは人脈が全くない。そのためもう1人のメンバー確保できるわけが無い。そしてタミとクロ。2人は学年1人脈がある2人だが、私達への偏見が全くない人が居ないのだろう。かくいうタミとクロも私たちへの偏見が0とは言い難い。
「なら、私が入ってあげなくもないわよ?」
そこに居たのは赤髪にお団子ツインテールの、前に私を虐げていたアリス・スカーレットが居たのだ。
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というわけで私達アインスは学園裏の森の奥の奥、ダンジョンへと向かっていた。そこまで3日もかかるため馬車で向かっていた。そこまでの食料は学園から支給される。
「ねぇ、アンタ達知ってる?ダンジョン探索の噂」
私達は丁度昼ご飯のサンドイッチを食べていた。そこでアリスが口に物を含みながら言う。
「え、何その噂?!聞いたことないんだけど?!」
食いつくのはもちろんタミである。私は特に反応もせず馬車の外を見ている。
「ふふん。大貴族の噂から聞いたのよ!ここ数年。学園からの生徒の対応が疎かになっててさ。元々数人死亡だったのが、数百単位で死者が出てきてるらしいの。だから最高学年は最高学年のゼクス(6年生)は数十人しか居ないんだって。」
アリスはふふんと鼻を鳴らしているが、衝撃的な事実を目の前にした私達はあんぐりと口を開けることしか出来なかった。
「死者が出るって...噂だよ...な?」
コウは恐る恐るアリスに聞く。
「何言ってんの?フゥンフ(2年生)は去年ダンジョン探索で250人死者が出たらしいわよ。」
アリスはますます自慢げに話していく。もしかして、この学園って結構危険なのか...?同じ馬車に乗っていた生徒の達もガヤガヤと話し始める。
「ちょっと、スカーレットさん!それ言わない約束なんですよ?!」
すると外の窓を開けて馬を操縦してるヘル先生が慌てて修正する。...ということは...
「この噂って本当なんですね?」
クロが確信をつく。ヘル先生は何も言い返せずに窓を閉じてしまった。それが肯定と分かってしまい、馬車の中は淀んだ雰囲気が漂い始める。
「...私達...死ぬの?」
なんかデスゲームに連れていかれるバスの途中のようだ。まあ、私自身は死なないためそんなに慌てることは無い。しかし、タミもクロもコウもドヨンとした雰囲気を纏っていた。
「...アリスはなんでそんなに慌てないの」
私はアリスに聞く。それにアリスは当然というように答える。
「だって、学園よ?弱肉強食。強い物が将来を掴めて弱いものが死ぬ。ここの学園のスローガンにあったじゃない?」
...多分。スカーレット家は大貴族だから情報量の差が生まれたんだろうな。庶民や中級貴族(ほとんど)が見ている学園は表向き。健全で安全で生徒を自由に育てる素晴らしい学園。大貴族などの上級貴族は命を何回かけても足りない危ないハードな学園。けど、卒業できたら地位と名誉そして、実績が残る。
情報格差って酷いものね。私も今知ったんだけど。
「ラナ。お前は俺が死んでも守るから。」
クロが神妙な顔で私の方を見る。私は呆れてしまう。
「私はやられない。」
- Re: 神が導く学園生活 ( No.24 )
- 日時: 2022/04/05 00:10
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: rLG6AwA2)
こんにちは( *・ω・)ノ
皆様ベリーでございます!
この度私が投稿してる3作品のオリジナルMVをYouTubeに投稿しようと思っております。
そこで、皆様ベリーの作品を見てくださってる方には3作品の中からどれをMV化して欲しいか教えてください。(曲もあればお願いします)
予告編のムービー作成してるため、雑談掲示板の「雑談致しましょう」にて、確認お願いします。
投票はYouTubeで予告編が出た際にコメント欄に書いてください!お願いします。
- Re: 神が導く学園生活 ( No.25 )
- 日時: 2022/04/06 23:24
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: Re8SsDCb)
そこはなんというか、おどろおどろしい場所だった。そこら中ツタで絡まっている上に、ダンジョンの入口は草木で溢れかえっていた。先生達は先にダンジョンに入って生徒が死なないように安全確認と難易度調整をさるようだ。そして、私達はいよいよダンジョンに入ることになった。
「持ち物は大丈夫?」
タミが私達に声をかける。まず箒と、大量回復薬、食料に干した果物...うん。大丈夫そうだ。いくら私でもこの体だと流石に食べる物を食べないと死んでしまう。
「大丈夫だ。行くぞ」
クロがそういう。そうして私達は草木をかき分けてダンジョン内へと入っていった。
ダンジョン。それは簡単に言うと特殊な空間である。そこら辺の洞窟とはまたちがい、魔素に包まれた空間で、そこには魔素を求めて魔物や妖精が群がるのだ。時には特殊で強い魔物、妖精がおり、それらを『ボス』と呼んでいる。そして、ダンジョンの階層や出口は入る度に変化する摩訶不思議な空間なのだ。一説では闇魔法の空間魔法が使用してるとか…
まあ、今回は先生達がいるから安全だろう。
ダンジョン内は薄暗く、ギリギリ見えるか見えないかである。そして、ダンジョン内は複数の道に別れたり上下の道にわかれてるため全て自己判断で行かなければならない。
歩く。歩く。ひたすら歩く。ここはアインスレベルが入れるようなFランクダンジョンだ。そこら辺の魔物は私達から溢れる魔素に怯えて近づくことは無い。そのためひたすらに歩くしかない。
「死ぬ危険があるかもとか言ってたが、拍子抜けだな。」
コウが落ち着いたように言う。
「まあ、Fランクダンジョンだろうからな。」
「慌てて損したぜ...」
コウがほっと息を着く。けど、私は少し怪しんでいる。大貴族であるアリスの情報が間違ってるとも思えないのだ。「大貴族」それは貴族の上位約2%になる希少な貴族であり、権力もそれ相応の高さがある。そして、情報網も伊達ではない。そのため、この情報が間違いと思えない。
「ディアペイズ大迷宮と繋がってたりして...」
私がボソッと言うと他のみんながギョッとする。ディアペイズ大迷宮。全世界の地下にあると言われる世界最大のダンジョンである。先程も言った通りダンジョンは特殊な空間であるため、他のダンジョンと繋がってる可能性があるのだ。
「ははは...そんな訳ないじゃん...冗談キツいよラナ...」
タミが必死で笑顔を作る。あれ、これ言ったら行けないやつだったかな。まあディアペイズ大迷宮に行っても私だけでも生き残れるから別に良いんだけど。
そうして私達は何の苦もなく進んで行った。
「そろそろ夜だな。ここらで野宿するか。」
コウが持参してきた懐中時計を持って言う。
「え、もう夜...?てっきり2日ぐらい経ってると思ったわ。」
2日経ってたら体力的に歩けないでしょ。私はアリスの言葉に心の中で突っ込む。それより、テラテラ様の光が無いから体内時計が狂ってしまってる。私も数日経ってるんじゃないかと錯覚する程だ。洞窟の危険は魔物以外に精神的な面にもあるのだ。
私達は急いでそこら辺の枝や石を集め、テントを立てる。
「ねぇ...ラナ。このダンジョン、ラナの事好きなの?」
準備中。タミが私に聞いてくる。私ははぁとため息をつき呆れる。
「ダンジョンが私の事好きなわけないじゃない。何言ってるの。」
「...だよね...!なんか、ラナがダンジョンに入ったらさ、『気』が高揚したというか...なんというか...ごめんね!勘違いかも知れない!」
そう言うとタミは集めた小枝をコウの所へ持って言った。全く...これだから『気』使いは...
ー勘が良いから憎たらしいー
私は再び食料集めに着手した。
- Re: 神が導く学園生活 ( No.26 )
- 日時: 2022/04/09 17:13
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: rKVc2nvw)
小説MV化予告PVをYouTubeに投稿致しました!是非確認よろしくお願いします!
URLは雑談掲示板にて!
- Re: 神が導く学園生活 ( No.27 )
- 日時: 2022/04/13 22:17
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: DYDcOtQz)
《クロ》
ー危険だー
夜になり、ダンジョンの隅っこで野宿し、床に着いていた俺はそう感じた。何かを見たとか、何か聞いたとかではなく、ただの勘で。そして、俺の体は勝手に動いていた。
ガキンッ!
そこで金属音が鳴り響いた。
ラナの寝床に冒険者と思われる数名がラナに刃物を向けていたのだ。俺は爪を伸ばし、その刃物に対抗する。
「お前ら…ラナに何するつもりだッ!」
俺は高まった感情をそのまま冒険者達にぶつけた。冒険者達は顔を見合わせる。ラナを殺そうとしていた奴はガタイが良い斧を持ったスキンヘッドの男性。あとはシスターの服を着ているおそらく神言教の奴だろう。もう1人は鎧を着て腰に剣をさしている女性。そしてこっちも鎧を着て大きな盾を持っている男性だ。明らかに年齢的な差が大きく、俺たちよりも大きい。20はゆうに超えているだろう。
「…その制服だと正道光魔法学園の生徒ですね。すみませんが、悪魔は排除しなくては行けません。この子には罪はありませんがここで死んでもらいます。」
シスターらしき人が祈りを捧げながら俺たちに言う。ー悪魔ーラナのことだろう。というか、かなり強そうなパーティの人達だ。なぜこんなFランクダンジョンにいるのだろうか?多分、他のランクのダンジョンに行ってた所、このFランクダンジョンに繋がった所だろう。
取り敢えず戦うか?いや、俺に勝ち目はあるのだろうか…
そんなことを考えていると、斧が俺に向かってくるその瞬間。俺はコイツらを排除することにした。
「ガルルルッ!」
もうその後のことは覚えていない。微かに覚えていることは案外その冒険者は強くないこと。暴れながらラナ達の所から無意識に離れていたことだった。
気がつくと、俺は小川のふもとで倒れていた。別に起き上がれない程疲れてるわけではなかったため、軽々と起き上がった。そこは、まさに阿鼻叫喚であった。周りは血だらけで、鉄の匂いが充満しており、鼻をもぎたいと思うほどの悪臭であった。さらにパーティメンバー出会っただろう「物体」が転がっていた。
「これ…俺がやったのか?」
俺は信じられなかった。周りには骨が、鮮血に染まった骨が転がっていた。頭蓋骨は砕け、たまに目玉が転がっていた。シスターの服を着た何かは上半身は砕かれた骨の姿になり、下半身は所々肉が着いていた。
何故ほとんど骨しか転がっていない?
そう思った瞬間。自分の口に手を当てた。そこには明らかに鉄の味が広がっており…直接的に表現すると生肉を食べたあとの感触だった。もしかしたら…もしかしなくても… 最悪の状況が俺の頭を過ぎる。「こいつらを食べた?」そう思った瞬間。俺は吐いた。吐けば吐くほどこいつらパーティ達の肉の味がし、余計気持ち悪くなり吐くという負の連鎖が続いた。
粗方吐き終わると小川で口をすすいだ。肉体的には無事のようだが、精神的に大ダメージを負った。
「牙狼族は人を襲うこともあり、捕食する」
最悪のタイミングで本に書いてある内容を思い出した。頭が黒く染まっていく。狂いそうだ。何もかも投げ出して感情に身を任せそうになる。獣化の時と同じだ。しかし、魔素量と体力がなく、耳としっぽがはえるだけだった。
「クロ」
後ろから声が聞こえた。「見られてた?」その言葉が脳裏をよぎり、警戒体制に入る。がしかし、獣化しかけていたため、四つん這いで「グルルル」と唸っていた。
人を殺すことは犯罪である。数名殺したら死刑にあたる大罪である。そしてこの状況を見たら直ぐに通報しかねない。どうする?声掛けてきたやつも殺すしかないか?
俺の頭はもうイカれていた。
「クロ。」
もう一度名前を呼ばれる。声の主は…ラナだった。今1番見られたくない相手だ。軽蔑されるか?いや、恐怖?とにかく、俺がラナに嫌われるのは確実であった。絶望。ただ絶望でしか無かった。
「……」
ラナはこんな状況でも無表情である。そして、何か考え込んでいる。逃げるか?逃げようか。俺はもう逃走体制に入っていた。
グシャッ
すると、目の前にありえない光景が広がった。ラナが…唯一肉が残っていたシスターを食べ始めたのだ。しかも豪快に。口周りは血だらけで骨まで食い尽くしていた。
「ラ…ラナ…?」
意味が分からなかった。空腹だったのか?そんな呑気なことは考えられない。俺に敵意を示している?そのようには見えない。
分からない分からない分からない分からない
「…これで…仲間。」
ラナがシスターを食い尽くす。そして発した第一声は「仲間」であった。ラナは…俺を安心させたかったのだろうか。しかし、安心させる方法がぶっ飛んでいる。すると、ラナが俺を抱き寄せてきた。
「ごめんなさい。私のせいでしょ」
ラナが謝った。何故謝る?ラナが襲った奴らを殺しただけだぞ?ラナは何も悪くない。俺が、全部悪いんだ。
「いや、俺が、悪いんだ。ダンジョンから出たら罪に問われるだろ。」
俺は半泣きになりながらラナに言う。ラナはコクンと首を横に傾ける。
「罪には問われない。罪に問われるのは国の大都市内だけ。ダンジョンや小さい街は無法地帯だから法律は通用しないの。」
…知らなかった。俺は都市でしか育たなかった所謂温室育ちだ。法律という常識が身に染みており、パニックになってしまった。
「あぁ…そうか。」
俺はラナを見た。いつも通りラナを見た。霞んだ緋色の目、サラサラな白髪に綺麗な青い髪先。そして、やはり無表情である。しかし、ラナは何か、俺達人間に…いや、生物にはない何かがあると思った。なんの根拠もなく、ただ、勘でそう思ったんだ。
「好きだ…」
俺は無意識にそう呟いた。恋愛なのか敬愛なのか慈愛なのかそんなことはどうでもいい。ただ、今目の前に居るラナが。ラナンキュー・ローズが好きで好きで仕方ないのだ。ラナは表情筋ピクリとも動かさない。
「知ってる」
ラナが言う。付き合いたいとか、愛を育みたい訳では無い。今は、気持ちを伝えられただけで十分だ。
「戻ろ」
ラナはそういうと、先に皆がいる場所へと戻って行った。俺もそれにつづいた。
『都市外は人を…生物を殺しても良いんだ。ラナを守れるんだ。』
そして俺の頭の中は狂気で満ち溢れて行ったことを俺は気づいていなかった。