ダーク・ファンタジー小説
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- 神が導く学園生活
- 日時: 2022/09/25 12:31
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: SEvijNFF)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12800
初めましての方は初めまして。こんにちはの方はいつも私の作品を見て下さりありがとうございます!
今回ファンタジー物に挑戦してみようと思いまして、このスレを立てました。しかし、いざ作品わ作ると私が書いてる既存の作品「裏の陰謀」と既視感があるように思えてしまいまして…… 難しいものですね(苦笑
〇小説大会2022・夏 ダークファンタジー板銀賞受賞。ありがとうございます。ありがとうございます。
さて前座はここで終わりまして注意書きです。
◤◢◤◢注意◤◢◤◢
○文才がありません。分かりにくい描写が多々あるため、その際は教えて下さると嬉しいです。
○グロ要素があるため苦手な方は閉じてください。
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【記録】
登場人物 生物紹介 >>2
世界の魔法と、国ランクと学園ランク、学年 >>5
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【物語】
プロローグ >>1
【第一幕】
大きな秘密を抱えた4人の学園物語。
第一章 入学式編
>>3-10
第二章 ファミリア編
>>11-13
第三章 日常、コウ編
>>14-16
第四章 日常、剣編
>>17-19
第五章 ダンジョン編
>>20-31
- Re: 神が導く学園生活 ( No.13 )
- 日時: 2022/02/06 12:27
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: hujSVxra)
「とゆーわけで…」
タミが一息にそういう。放課後俺達はいつものようにラナの席に集まっていた。
「ファミリア紹介やって来ましょー!特にクロ!その特殊なファミリア!」
タミがいつものように仕切り出すと俺の事を指す。やっぱりそうだよな。俺の竜の話になるよな。
「そう言えば名前とか決めたのか?」
コウが思い出したように俺に聞く。あぁ。もちろん決めてるさ
「こいつの名前はローズのロとラナンキューのラをとってロラだ!」
いい名前だろう!なんせラナの名前から取ってあるからな!俺の竜も清く正しく美しく麗しく育つに違いない!
「よくそれをラナが許したな…」
コウがラナの方を見て言う。ラナははぁっと一息つく。あぁそんな所も美しい。
「最初はラナって名前だったから即却下してお互い妥協した結果こうなった。」
ラナは珍しく一息で長文を読み上げる。俺もラナの要望を通したい意志と名前をラナにしたい意志があったからな。両方叶えられるこの形が1番と思ったんだ。
「てか、その竜?って何属性なの?てか竜って何?なんでラナにそっくり?」
タミが一気に多く質問をしてきて俺はキャパオーバーしそうになった。
「なんかクロがキャパオーバーしてるから俺が説明するわ。竜と龍について。」
俺が混乱しているとコウが先陣を切った。タミはキラキラとしためでコウを見つめた。ラナは…相変わらずの無表情。そこが麗しい。
「まず龍っつーのは世界で7匹しかいないSランク級のモンスターだ。」
Sランクって言うと…伝説級モンスターってことか。俺は生きているうちに会えなさそうなモンスターだな。まあ、会ったが最後なモンスター何だろうけど。
「それぞれ、魔法の属性を司っていて、俺たちの魔素や、魔法、妖精、魔物はその龍から分離された存在だと言われてる。」
コウは何故こうも歴史に詳しいのか。俺はそう思ったが、突っ込まずに聞いていた。
「え、てことはめちゃくちゃ凄い魔物じゃん!」
タミがワンテンポ遅いリアクションをとる。確かに、伝説級のモンスターってよくイメージが掴めなかったが、魔素や妖精、魔物の元となった存在と聞くと雲の上の更に雲の上の存在だということが分かる。
「で、次は竜だ。竜は龍から分離されたモンスターの中でも特に龍の部分を多く受け持って生まれた存在だ。と言っても希少性は高くて人生で1度お目にかかれれば良い方だな。」
ってことはそんな希少種をファミリアにした俺ってめちゃくちゃラッキーって事なのか…?
「てことはクロ人生の運使い果たしちゃってるじゃん…」
タミがポカーンと口を開ける。って言ってもエルフの寿命は長いからエルフぐらいなら人生で1度なら竜と巡り会えそうだがな。
「そうだ。それぐらい凄いことなのに…きっかけがな…」
コウがうーんとうなり始める。どうしたんだ急にそんな顔して。
「そうよね…きっかけが、『ラナみたいなファミリアがいい』って願った事だもんね…なんて言うか、こんな変態が主人の竜も可哀想っていうか…」
「おいそれどういう意味だ!」
俺はタミとコウの話に思わず叫んでしまった。
ラナの様な神々しい人のようにと願えばそれはそれは貴重なモンスターが出るに決まってるだろう!なんせ想像してるのがラナだからな!
「…よし!クロ以外のファミリア紹介しようか!」
なんかタミが諦めた様子でそういう。最初から思ってたけどこういう時俺よく呆れられてるよな。呆れられる要素が一体どこにあるっていうんだ?
「俺のファミリアはシャノワール。名前はシャノ。」
するとコウの影から黒猫が出てくる。この黒猫のようなのは妖精でシャノワールという種族だ。基本的に闇魔法を使う種族だな。
ていうかシャノワールのシャノってめっちゃ単純だな。意外とコウはネーミングセンスはないのかもしれない。
「うっわぁ名前単純。」
タミも同じことを思ったようで呆れていた。
そう言われたコウは顔を真っ赤に染め始めた。
「うっせーよ!指摘してくれる人が居なかったんだよ!」
あぁ、コウはぼっちだからな。俺達以外に指摘してくれるような仲の人がいなかったのか可哀想に。
俺とタミはコウに同情の視線を送る。すると更にコウは顔を赤くし始めた。
「次は私ね!私はルナール!名前はスイ!」
そう言うとタミは机の下から白キツネを取り出す。どこから出てきたんだ?!というかいつから俺たちの下にいたんだ?!あぁ、多分タミの気魔法でバレないようにしてたんだな。
と俺は1人納得をした。
ルナール。白色のキツネの姿をした妖精だ。使う魔法は水系統魔法。
「水系統を使うからスイってことか」
俺は言う。タミもまあまあ単純な名前なんだな。それにしても愛らしい見た目をしている。ラナとロラには叶わないがな。
「可愛いでしょー!次っ!ラナ!」
それまでずっと黙って俺たちを見ていたラナに焦点が当たる。
「私はフエット。名前もフエット。」
ラナはずっと膝に抱えていた白色のフクロウを取り出す。フクロウは寝ているようで俺たちに見つめられていることも知らずに目を瞑っている。
フエット。嵐系統を操る妖精だ。
うん、さすがラナの召喚した妖精だからけたたましく美しい!さすがラナだ。
「名前…そのまんま?!」
タミが驚く。そう言えばそうだったな。ラナとラナの妖精が美しすぎて気にならなかった。
「まあフエットもいい名前だけどな」
「そうだけど…」
コウがフォローを入れるとタミは押し黙る。ラナは何も言わず無表情でフエットを撫でている。
う、羨ましい…そこ変われ!フエット!
その日から俺にライバルが出来た。
ファミリア編 ~完~
- Re: 神が導く学園生活 ( No.14 )
- 日時: 2022/03/20 23:07
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: fqLv/Uya)
第三章 日常、コウ編
俺の名前は赤魔 光ただの人類だ。
今回は俺の日常を紹介していこうと思ってる。
起床6時。ルームメイトは皆寝ている。それもそうだ。俺は皆が起きる時間より早く起きるようにしているから。
俺は誰よりも早く学校に登校する。
正道光魔法学園は森のど真ん中にある学校で、完全寮制。学園を中心に広がる学園都市。かなり充実した学校であり、入学するのは基本貴族等身分が高い。俺は地方の小さい貴族出身だ。因みに養子である。
そして俺がいつも朝早く登校する理由。それは…
「また無くなってる。」
今日は上履きの片方と箒、ファミリアであるシャノのエサ1ヶ月分が無くなっていた。ついでにこっそりラナのロッカーを開ける。やはりラナも物が無くなっていた。上履き丸々とフエットのエサのミミズ3袋分。シャーペン、ボールペン、制服のコートが無くなっていた。
直球に言う。俺達は虐められている。
俺は小さい貴族出身だから、悪魔のような見た目だから。
ラナは分からない。けど、行動が生物離れしていて不気味だからだと思う。
この場合、3つのパターンに分かれると思う。
1つはその不気味さ故に虐めること。
2つはそれを崇め奉ること。クロがいい例だな。あれはやりすぎだけど。
3つ目は少数派。俺とタミのように普通に接すること。3つ目はかなり難しい。俺自身ラナを初めて見た時鳥肌が立った。この世のものでないような物をみる感覚。俺も道を踏み外していたら1つ目のようにラナを虐めていたかもしれない。
まあというように虐められているのだ。つい最近俺には暴言が書き綴られた紙まで送られてきた。ラナの現状は分からない。けれどこうやってラナのロッカーを朝見てなるべく無くなったものを揃えることにしている。
さてと、今回買うものは上履き2つと箒1つとシャノ、フエットのエサ。シャーペン、ボールペン、女性用制服のコート1枚と…
制服のコートと箒は高いからな。合計7万程。親からの仕送りと放課後のバイト代から差し引いて毎日この額を払うとなると娯楽に使えるお金はない。
さて、いつもの所に行くか。
ーーーーーーーーーーーー
「あらぁ?いらっしゃい小僧。」
緑の髪を頭のてっぺんでお団子にして、白色のエプロンを来ているおばあちゃんが迎えてくれる。
ここは服屋。と言っても色んなものが売っており、学校のものは1式揃っている。しかしまだお店は開いていない。
「いつもすみません。今日も売ってくれませんか?」
俺は丁寧な言葉でおばあちゃんに話しかける。
「あらまぁ、今日も取られたのかい?ほら、安くしとくから持ってきな」
そう言っておばあちゃんは俺が欲しいものを半額にしてくれた。これはありがたい。と言ってもいつもいつも半額にしてもらってるのだがな。
「なんで女子制服のコートが必要なんだい?お前さん他の子庇ったりしてないだろうね?」
このばあちゃん。嵐系統魔法使いだからもちろん気魔法も使えるわけで、こういうことの勘は鋭すぎるほど良い。
さぁ、どう、言い訳すか…
「俺のおかず用だよ」
「私の服をお前さんの薄汚い欲で汚さないでくれ。二度と来るんじゃないよ。」
おばあちゃんは顔をしかめる。
そう言っていつも半額にしてくれるんだよな。いつかばあちゃんに、大きな貸しを返さないとな。
ーーーーーーーーーー
《マイ》
あたしゃ80の人間。もうそろそろガーデス様のお迎えが来る歳だ。しかし、死ぬまでは自分の好きなことをして生きていこうと誓っている。それは服屋だ。今やお菓子や学校の必要道具1式売る何でも屋みたいになってるがね。
それより、今年度から厄介なお客さんが来てるんだよねぇ。炎系統使いの悪魔みたいな小僧だ。
虐められてるようで毎日私の店にしかも開店時間前にやってくる。本当に厄介な客だよ。
しかも私の丹精込めた学校の制服コートをおかずにするとまで言う。1度懲らしめた方が良いかね?
まあ、本当は全部分かってるんだけどね。私も伊達に嵐系統魔法使いじゃないのよ。嵐系統魔法使いは風、空気、音を操る。小僧の心音、息遣いで嘘かどうかは全部お見通しなのさ。
あの小僧。毎日毎日虐められて物を盗られては買いに来る。同じくいじめられてる子の分も一緒にね。
なんで悪魔みたいな見た目であんな優しいのやら。わたしゃまったく理解できないよ。
あぁ。ガーデス様。何故悪魔の容姿を怖くし、天使の容姿は美しくするのですか?
悪魔が理不尽すぎて見ていられませぬ。
ーーーーーーーーーー
《コウ》
「おはよー」 「おはようございます」 「はよー!」
ようやく皆が登校する時間になる。俺はそれまでゲームしたり、勉強したり、うつ伏せになったりして時間を潰してた。
皆が登校する時間になると俺は決まってうつ伏せになっている。
「おぉっ!コウ!おっはー!」
すると頭から明るすぎる声が聞こえてくる。タミだ。
「あぁ、おはよう。」
俺は周りから妬まれているからクラスの人気者のタミと深く関わると取り返しのつかなことになってしまうため、あまり関わらないようにしていたのだが…
もう手遅れか…
「はぁぁっ?!」
すると透き通った青年の叫び声が教室内に響き渡った。この声は…クロだな。ってことはラナ関連で何かあったな。
俺とタミはすぐさま悲鳴の上がった方へと急ぐ。
「これは…ひでぇ…」
俺はつい声を上げてしまう。今日新調した服はラナのフエットのエサまみれになっていて、箒は折られ、シャーペン、ボールペンは見事に散らばっていた。
おいおい俺が折角今日用意したのに…いつもはこんなんじゃないぜ?何があったんだよ。
するとラナはロッカーの奥に丁寧に置かれた紙に手を出す。そこには…
『死ね』
大きくそう書かれていた。死ねって…ガキかよ。もっと言うこと無かったのか?いや、俺らガキだけど…
でも分かっていた。シンプルでガキっぽい言葉。しかしそれが心に突き刺さり骨を砕くかのように痛くなることを。
ラナはその紙を見た瞬間紙を凍らせ散り散りにした。するとどんどん周りの温度が下がっていく。もしかしてラナ怒ってる?いや、悲しんでるのか?だからラナに魔素が集まって温度を低くしているのか?
クロの方は…明らかに怒っている。
頭からは耳が生え、尻からはふさふさのしっぽが出ている。そして口元は大きな犬歯が生え、『グルルルル』と牙狼族のように唸る。いや、クロは半分牙狼族なんだけど。
さて、これからどうするのか…俺は虐められてる側だからコネクションがある訳でもない。そのため犯人探しなんて出来ない。
すると1人の女の子が声を上げた。
「この…この悪魔が、ローズさんのロッカーをぐちゃぐちゃにしてる所を見たわ!」
は?!俺そんなことしてねーよ!
唐突に言われた言葉に俺は怒りでどうにかなりそうだった。いや、落ち着け、落ち着け俺。もしかしたら毎日ラナのロッカー覗いて新調してる所を見られたのかもしれない。なら誤解だ…!
「あ、俺も見たわー」 「私もー」 「拙者も」
どんどん皆がカミングアウトする。いや、誰もいないはずの朝の時間の俺の犯行現場をこんな大勢が知ってるはずがないだろ?!誰か嘘ついてるな…
けど、ここで俺が犯人になった方が丸く収まるんじゃ…
「俺が…俺がやりま…」
その瞬間。辺りが凍った。空気も床も壁も天井も…
空気が凍り結晶化した景色はまるで幻想の世界にいるような気分だった。
まてまて正気に戻れ俺。これをしでかした犯人は…ラナだ。ラナから大量の魔素が溢れ出ている。あの時…クロの獣化を収めた時以上の魔素量だ。しかし、ラナ本人は長髪になってないし髪先は赤くなってない。逆に余計青みが強くなった気がする。
辺にいた皆ゾッとその現状を見守っている。クロなんかしっぽも耳も牙も収まって逆に子犬のようにクンクン言ってるみたいだ。
するとラナは俺に近づいてくる。え、この状況で俺に近づいてくるってことは…ラナも俺が犯人だと誤解してる?!まて!違う!俺は違うんだ!
そんなことはいえなかった。ラナが発する圧に魔素量、そして冷たい碧眼の目。碧眼の目?ラナは緋色の目の筈だろ?もしかして瞳の色が変わってる…?
ラナは近づき、マイナスイオンかと思うほどの冷たい手で俺の手を握る。握った後には…金があった。
え、どういうことだ?この金でもうやめてくれって事なのか??
「いつも…ありがとう。いつも…ごめん」
ラナはぼそぼそと呟く。
どうやら俺がラナの道具1式新調していたのがバレていたらしい。手のひらを見て見ると…
『1万円』
足りねぇんだけどな。『ごめん』はそういう意味もあったのだろうか。
するとラナは黙って自分の机に座った。一応これで朝の事件は収まった。炎系統使いが廊下の解凍に駆り出されたのは別のお話。
>>15
- Re: 神が導く学園生活 ( No.15 )
- 日時: 2022/03/20 23:08
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: fqLv/Uya)
今は3時間目。実技の授業だ。俺は今朝買った箒を手に持っている。
「皆様が卒業した後、様々な職に着くことになるでしょう。その中でも役に立つのは箒。移動はもちろん。敵を撹乱するのに使います。」
今回は箒の授業。箒に乗って魔法を中に浮いている風船に当てる。これは魔法によって得意不得意が分かれるな。
実技の魔法授業は成績によっては学園ランクが上がるからな。引き締まって行かねば。
と言っても俺は広範囲の炎魔法が使えるから結構有利だ。心配なのは...ラナだな。ラナが使ってる魔法は氷魔法。単体攻撃が得意な魔法だから風船割りは苦手だろう。クロもだ。闇魔法も単体攻撃特価の魔法のため風船割りは苦手だろう。タミは...炎魔法以上に広範囲技は得意だから心配はしなくても良いだろう。
俺たちは箒にまたがり白色のラインに立つ。先生は小さい赤旗を持ち上へ上げている。
「それでは、スタート!」
先生が旗を下げる。それで俺は一気に力を込めて箒で飛ぼうと...した。
幾らジャンプしても飛ばない。
やばい。飛べない。なんでだ?!
俺は様々な疑問が頭を飛び交うが、それよりも教師陣の視線が痛くなった。
どうしたらいい、箒に乗らないまま魔法を使うか?いや、そしたら最悪ランク降格されてしまうかもしれない。
マジで...ヤバい。どうしようか。
すると空を飛んでいたラナが降りてくる。
は?ラナ何やってるんだよ?!
するとラナが俺の手を掴んだと思ったら...
飛んだ。
いや、え?どういうことだ?
俺は何が起こってるのか分からなかった。そんな中でも両足で箒を一生懸命落とさないように挟んでいるぐらいには冷静さを取り戻していた。
飛べなかった俺を見かねてラナが助けてくれたのだろう。けれど、後教師陣に何で言われることやら...そんなことはいい。とりあえず目の前のことに集中しよう。
ラナは一生懸命氷魔法で風船を割っているが、2人分の箒の魔素を使ってる上に広範囲が苦手な魔法だ。全然割れていない。このまま助けてもらうのもアレだもんな。一気に俺は外の魔素を手に集中させる。
「アン・ブレイズ!」
すると俺の手から炎が漏れだし俺たちを円のように囲い炎が暴れ出す。半径数メートルの範囲の風船が一気に割れる。
「...」
ラナは無表情だ。けれど、結構驚いたのでは無いのかと自画自賛した。ラナは自分が風船を割る必要が無いと感じたのか箒に魔素を込めることに集中する。
さてさて、これから無双していくぜ!
俺は周りよりも魔法ができてるため少し調子に乗りながら大得意に魔法をぶっぱなして行った。
ーーーーーーーーーー
はい。調子に乗りました。俺はチェック先生の足元で正座をさせられている。いや、正しくは俺達だったな。隣にはラナが正座で座っている。
「お前らなぁ...ファミリア召喚の時は面白いやつらだと思ったが...何やらかしてんだ...」
チェック先生はかなり呆れていたようではぁとため息を着いて手を頭に当てる。
俺は黒歴史をほじくり返される気持ちを襲う。
あぁぁぁ!なんで俺はあの時調子に乗って魔法ぶっぱなしてしまったのだ!正直に先生に飛べませんって言えばよかった!
ラナは横で何をしでかしたのか分からないという顔をしてキョトンとしていた。それが子猫のように愛らしく一瞬驚いたのは置いておこう。
「まずセキマ!飛べないならば正直にそう言え。他生徒が割る分の風船も全部割っちまって...」
はい。その通りです申し訳ない。
俺は明らかに威勢がいい先生に萎縮してしまった。あれは明らかにやりすぎだ。
周りの痛い目がキツかった。虐められるのはこうやって周りを見ずに登校するのが原因なんだろうな。
「そしてローズ!お前はセキマの悪ふざけに加担し、自分の魔法と、2人分の箒の魔法分の魔素を使い途中で倒れた。要するにバカだ。何故こんなことをした。」
チェック先生は呆れ過ぎたのがもう勢いが無くなってしなしなの声でラナに言う。
ラナは更にキョトンとした顔をする。
「私が何をしたというのでしょう」
ラナはその一点張りだ。チェック先生はまた手を額に当てる。そしてチェック先生ら俺に指をさす。
「よし。セキマ。お前は白梅に降格だ。」
「はぁ?!」
俺は思いもよらない言葉に叫んでしまった。
「ほぅ。先生に向かってその口調は何だ。」
するとチェック先生の威圧が復活し、俺は潰されるかと思うぐらい居心地の悪さを感じる。
「本当はラナも降格何だが...白梅は降格のしょうがないからな。とりあえず白梅2人組。もう戻れ」
チェック先生は俺のネクタイを取り上げ白色のネクタイを渡した。俺は屈辱を味わいながらそのネクタイを手に取った。
>>16
- Re: 神が導く学園生活 ( No.16 )
- 日時: 2022/02/23 18:23
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: Ga5FD7ZE)
「えぇ!コウ降格したの?!」
昼休み。俺ことコウを含むいつもの4人組はまたラナの席に集まっていた。
「なんでラナが助けたのに降格なんだ?よし、講義してこよう」
クロはいつもいつもラナが関わってると先生に講義しようとするよな。俺はいつものようにクロを止める。
「俺は良いから。」
「コウの為じゃない。ラナのためだ。」
俺がクロを止めると少し攻撃的に俺に言う。結構それ傷ついたぞ?!
「いいから、クロ。」
ラナはクロを収める。するとクロは子犬の如くすぐ座り直す。なんでクロはラナに対してこう、奴隷なんだ。
「うーん。次にコウとラナが黄梅に上がれるイベントと言ったら...」
タミはうーんと唸りながら考える。俺達は入学したばかりのためイマイチ学校のイベント等分からない。
「そうですね... 夏休み前の戦闘試験ならランクアップを狙えますよ!」
唐突に割り込んでくる大人っぽい声に対し、無邪気な子供のように跳ね回る声。この声は。俺たちの担任ヘル先生だ。
「戦闘試験?!なんですかそれ!」
食いついたのはタミだ。
「はい。戦闘試験はこの学校の森にある洞窟で行う行事です。ダンジョン探索と言ったらわかりやすいですかね?入学式の際のランク判定と時と同じで、魔法石をたくさん持ち帰ってきた人ほどランクアップを狙えますよ」
するとタミはパチンと指を鳴らす。
「それじゃんっ!ピッタシだよ!せんせー!ランクアップするためにはどうしたらいいですか?」
タミは真剣に先生に聞いてくれる。何気に俺たちのことを気にしてくれてるんだな。周りの人を巻き込んでキャッホーイ!やる迷惑人と思っていたがそうでも無いらしい。
「そうですねぇ。魔法の精度を鍛えていたら有利に動けるかもしれませんね。」
するとタミとクロの顔がパァァっと明るくなる。
「よぉし!明日から特訓するよ!」
タミが片手をグーにして宙に上げる。クロもうんうんと頷く。ラナはいつもの無表情だ。
まあ頑張ったらいいんじゃないかな?
「ラナ!クロ!コウ!明日朝から特訓場集合ね!」
まてまてまて俺も入ってるのか?!いや、そんな予感はしていたが...俺も行くのか...
ここで嫌って言え...ないんだよな。空気的に。先生も居るし皆頑張るぞ!っていう雰囲気をタミが出してるから。
仕方ない。行くか。朝早くならいつも登校してるし。
「よぉし!全員黄梅目指して頑張るぞぉぉ!」
タミが両手を上げて大声で叫ぶ。いや、クロとタミ既に黄梅じゃねぇか...
俺は呆れながらため息をついた。でも、心のどこかで少しワクワクしてる部分もあるんだよな。
コウ、日常編 〜完〜
- Re: 神が導く学園生活 ( No.17 )
- 日時: 2022/03/23 19:40
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: rKVc2nvw)
第四章 日常、剣編
私はラナンキュー・ローズ。正道光魔法学園に通う一般学生だ。ギラギラと私たちの頭を照らすテラテラ様。まあいわゆる太陽だ。私は肌、髪ともに白いためテラテラ様の光は苦手なのだ。昔はこんなこと無かったのに。昔のとある事件のせいで体が貧弱になってしまった。
今私達アインス1組は学校の校庭にいる。本日は剣術を学ぶ実技授業だ。
私達には一人一人木の剣が配られる。そして、兜、プレート、レギンス等を配られる。実践するのだろうか?それにしても装備が重すぎて自由に動けない。
「今日は剣術の授業だ。まあ最初の授業はこの木の剣でひたすら降ってもらう。」
この木の剣をひたすら振るうのか。結構キツイな。魔法が得意な私にとっては地獄の授業と言えるだろう。学園受験の際は魔法ゴリ押しで受かったもののこういう授業でキツくなってける。
「見よう見まねでもいい!私がお前らの振りを見て、注意をしていく。一切手を緩めるな!それで初め!」
そして生徒は戸惑いながらも剣を降り始める。
「そこ!手が緩んでる!お前は姿勢が悪い!もっと背を伸ばせ!」
私も皆と同じように剣をふりはじめるが数振り程で腕が痛くなる。手もビリビリしてきて剣を離してしまいそうになる。
「くっ...」
つい声が出てしまう。汗が滲んで視界が滲む。このぐらいでへばってしまうなんて。自分の情けなさに嫌気がさす。
「ローズ!」
黒髪に、茶色と黒のオッドアイ。茶色メッシュの先生。コク先生が私の名前を鋭く呼ぶ。私は驚きビクッと体を動かしてしまう。
コク先生。剣術授業を主に担当している先生だ。鋭い狼のような目と誰も寄せ付けないような一匹狼のような雰囲気。正直怖い。
でも顔立ちはよく鼻が高く切れ目の美形。黒髪と茶のメッシュとオッドアイということもあり、光系統と地系統使いだろう。2つの系統を使えるということは天使か悪魔だろう。悪魔はこんな学校に居るわけないから天使だろう。
「振りがいいな!キレもあるし剣術の素質がある。さすがローズだ!」
うわぁ。なんかクロみたいなことを言ってくるな。それに私の特殊な髪を見ても動じないなんて結構な歳を重ねてそうだなこの人。それか天使だから内面も綺麗ってこと?いや、そんなわけない。天使の中でもクズはいる。
それより前列にいるクロがこっちを凄く睨みつけている。怖いなぁこれぐらいどうってことないのに。
私は先生に軽く会釈すると剣を振るい始める。この剣の形をした木。結構...いや、かなり重い。これを振るうどなんて両手に重りでもつけているようだ。キツイ...
ーーーーーーーーーーーーー
何時間たっただろうか。いや、1校時90分だから1時間ぐらいしか経ってないはずだ。
私はもう感覚が無くなりかけてる腕を見ながらそれでも剣を振るい続ける。横にはリタイアした生徒が倒れていたり休憩している。限界がきたら休ませてくれるからいい先生といえばいい先生なんだろうけど...
そんなことを考えながら腕を振るう。この体は脆い。そのためひょんな事で壊れてしまいそうだから気が気でない。今も結構きついが続けるべきか辞めるべきかわからない。
そんな事を考えながらひたすら振るう。剣を振る。
「よし、そこまで!授業も残り10分だ生き残ってるやつ。振るうのを辞めろ。」
コク先生はようやく辞める指示を出す。キツかった。腕はもう感覚がないし、手のひらなんて紫色になっている。根性でなんのかここまで出来たが、体がついていけないようだ。加減を考えないとな...
「最後は最後まで残っていた奴らの中から戦ってもらう。そうだな...ローズとガベーラ!立ち会え。」
タミも残っていたのか。他にも見て見たが残っていたのは私、タミ、クロを含む数名だった。コウは貧弱なのか1番最初にリタイアしていた。
それにしても私とタミか。タミは以外にも身体能力は高いらしい。エルフは成長が遅いため体力は幼児並みというのに...まさか...ね?
それより、私たちは剣を持ってタミと向き合っていた。
しかし、私の体はもうボロボロだ。あちらこちらに痣があり、手も真っ青になっている。ここは早めに決着をつけたい。
「始め!」
コク先生が合図をした瞬間。私は前に1歩踏み出し、水魔法の応用として足の裏からロケットの噴射の要領でスピードを上げた。
そしてすぐさまタミの懐へと入り込み、お腹の横を狙う。甲冑着てるからダメージは無いだろう。それに私の体だとタミを吹っ飛ばすのが限界だ。
そして私は剣を全力で振るった。しかし
『ギンっ!』
木と木がぶつかり合い綺麗な音を奏で出す。剣と剣がぶつかったのだ。タミは私の技の速さに追いつきガードをしたというのだ。
私はタミを舐めていた。正直この一撃で仕留められると思っていた。
タミはニヤリと笑い、私は嫌な予感がする。その瞬間周りの魔素はタミに集まり同時にタミの力も増していく。
「ラナごめんね、ちょっと痛くするから!」
それはごめんだわ。
その瞬間タミは私に向かって気を放つ。無口頭魔法でこれだけの高い威力の魔法を放てるなんて思ってなかったわ。私は素直に吹っ飛ばされる。しかし宙で1回回った後、水魔法を土に放ち、足のダメージを最小限に抑える。
そして次は霜魔法を使い辺りの温度を下げ、水魔法の応用でさっきと同じようにスピードを上げタミに迫る。タミは霜魔法のせいで体の温度が下がり、反応が鈍くなってるはずだ。
行ける。
私はそう確認し、タミの甲冑に剣を振るった。
見事にタミは尻餅を着く。
「私の...勝ち。」
私はそう呟いてタミの額に剣の先を指す。
勝ったのだ。正直タミを舐めていたため途中から勝てるか分からなかったが、何とか勝てた。
誤算だったのは私の全力の力をかけてもタミを吹っ飛ばさせることが出来なかったこと。少し鍛える必要があるなこの体。
私はそう思いながらふぅと一息ふいた。
>>18