ダーク・ファンタジー小説
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- とある町の何でも屋の無能力者
- 日時: 2024/10/13 15:27
- 名前: monmon (ID: Jolbfk2/)
- 参照: http://kakiko.info/profiles/index.cgi
能力がある世界で生きる無能力者の何でも屋の人生。
注意 駄文&下手くそストーリー
列強・・・この世界での5人の最強能力者。国家を滅ぼせる。5人だけが入ることが出来、入るには列強に勝利する必要がある。
A級能力者・・・軍隊とある程度殺り合える。
B級能力者・・・軍隊の一部隊。
C級能力者・・・熊と同等の強さ。
D級能力者・・・一般人よりかは強い。
E級能力者・・・無能力者。強さも一般人レベル。
この小説はフィクションです。グロもあるので注意。
追記 小説☆カキコ大会2024・夏 ダーク・ファンタジー板では銀賞受賞
全部見たい方へ>>1-
世界の光教編>>1-3
ドミナター編>>4-20
外伝 異世界転生編>>21-29
赤眼の過去編>>30-44
揺らぐ列強編>>45-54
黄金の都編>>55-63
- 黄金の主の過去 ( No.59 )
- 日時: 2024/06/30 22:50
- 名前: monmon (ID: Jolbfk2/)
ムージャ「??????」
ムージャはおかまという人間を見たことがない。というか会ったことがない。だが自分が目を覚ますと、ヨーロッパ人でおかまで医者はムージャにとって恐怖の対象だった。
??「おはよ~。体調はどう?変なところはある?」
ムージャ「え、ええと…」
話しかけられて困惑と恐怖が入り混じっているが、「大丈夫です」というと医者は微笑んだ。瞬間、ムージャに悪寒が走った。
神谷「ようムージャ、起きたのか」
ムージャ「神谷さん、この人は一体…」
神谷「この人はラディー。イギリス、というか世界でも特に優秀な医者だ」
ムージャはそう言われるが、おかまが世界でも特に優秀…?と思ってしまった。
ラディー「今失礼なことを考えたでしょ」
ムージャ「す、すみません…ああそうだ神谷さん」
神谷「俺?」
ムージャは握手を催促するように手を差し出した。ラディーは机に戻って何かパソコンをいじっていた。
神谷「これは?」
ムージャ「俺の能力は記憶の共有です。触れた相手のの記憶を読んだり、共有をすることが出来ます。神谷さんには今から俺と握手をしてもらい、あの男の記憶を見てください。あの男、つらい過去を持っているようですし、神谷さんにも知ってもらいたいです」
神谷「あいつの情報を一気に知ったら俺の脳がやばくないか?」
ムージャ「記憶を厳選したので、頭痛が起きる程度です」
神谷「そうか、それなら」
神谷はムージャの手を握り目を瞑る。そして脳内には、ザハブの記憶が流れ始めた。
中東はかつて戦乱の世だった。ザハブは小国の王子だった。
「ザハブ様、隣国の○○国から、婚約をしたいとの申し出がありましたが、どうしますか」
ザハブ「そんなもの興味ない。さっさと拒否の趣旨を送ってこい」
「分かりました」
ザハブはその容姿と、強力な能力で他国から結婚の申し込みが後を絶たなかった。だがザハブはそんなものは興味が無く、申し出が来るたびに蹴っていた。
「ザハブ様、○○国からの侵攻が確認されました…!」
ザハブ「分かった。俺が対処する」
ザハブが邪魔な国、結婚の申し込みを一蹴させられた事に憤りを覚えていた国は、ザハブの国に度々侵攻を仕掛けていた。だがザハブは侵攻軍をことごとく壊滅させ、侵略をはねのけていた。軍が壊滅した後は、他国に攻め入り占領。そうしてザハブの国は中堅国になりつつあった。
ある日、ザハブはとある国に攻め込んでいた。既に王城は陥落しており、都は瓦礫の山と人が焼ける生臭い死臭、熱い炎に包まれていた。ザハブは御前に一人入ると瓦礫の山と炎の中、ある少女が空いた天井から来る月の光に照らされていた。
ザハブ「お前はなんだ?何故逃げない?」
少女「すべて、どうでもいいの。この国が滅びようと、親が死のうと、誰かに殺されようと」
少女は透き通った声でそう言った。ザハブはその少女に興味が湧いた。今までザハブの見た女は、自分に媚びを売り、自分の顔と能力にしか興味のない生き物と思っていた。だがこの少女はザハブに一寸も興味を沸かそうともせず、空いた天井から見える月を見ていた。
ザハブは面白半分でその少女を国に連れ帰った。
- 十字軍最高司令官 ( No.60 )
- 日時: 2024/07/24 16:34
- 名前: monmon (ID: Jolbfk2/)
ザハブは彼女に高度な教育、うまい飯、広い部屋を与えた。ザハブを知る従者や王は驚いた。女性を嫌悪しているザハブが、女性をだ。従者の中には「ザハブ様が女性を連れて帰ってくるとは!喜ばしいことだ!」という者や、「女性を嫌悪しているザハブ様が女性を連れて帰ってくるのはおかしい。何かあったに違いない」と心配する者もいた。
王城のテラスでは、ザハブと少女が紅茶をたしなんでいた。
ザハブ「どうだ?王城の生活は」
少女「…」
だが少女は何も答えない。
ザハブ「どうだと言っているんだ。どうでもいいのか、よくないのか」
少女「…貴方が私を勝手に連れてきた。捨てたければ捨てればいい」
ザハブは思わず顔をしかめた。少女はいつもと変わらないペースで、表情も変えずにそう答えたが、ザハブはイライラと同時に、ここまで自分に興味が無い少女に興味が一層湧いた。
ザハブ「…はぁ…まあいい。4日後、十字軍の将軍と会談をする。お前もついて来い」
少女はこくりと頷く。
十字軍は聖地エラサレムを奪還し、イメニア周辺諸国に侵攻を何度も繰り返していたが激しい抵抗にあい、停戦交渉をしようと通達が来た。交渉は隣国の「ムヘーレス王国」の部屋で行われるようになった。
ザハブ(緊張するな…)
少女「…」
ザハブは初めてする国家間の交渉に緊張しており、少女は無関心だった。イスラム風の椅子に座り、将軍を待つ。
??「へぇ~、なんや、一応王城だけあるんなや」
そう言ってきたのは、数人の護衛を連れてきたつり目の将軍だ。彼は椅子に座り足を机に置く。ザハブは彼の行動に嫌悪感を感じつつも丁寧に話しかける。
ザハブ「お待ちしていました。使者であるザハブと申します」
少女「…ブルカと申します」
??「十字軍最高司令官のクラリッサや。今日はよろしく」
クラリッサの言動は相手を敬おうという気が全くしない。ザハブは更に嫌悪感を増大する。
ザハブ「今日は停戦についt」
クラリッサ「そうやね。じゃ、おたくらの条件を聞きましょか」
ザハブ「まず、サウジェラビア以降は撤退し今後不干渉を守ること、エラサレムには信者の自由な出入りの許可です」
クラリッサは考え込むが、直ぐに口を開ける。
クラリッサ「別にオタクらの条件は飲んでもいいけど、一つうちの条件を飲もか」
ザハブ「なんですか?」
クラリッサは嫌らしい顔をする。
クラリッサ「そこのブルカちゃんをちょーだい。そうしたら飲んでもええよ」
ザハブ「それは…無理ですね。人質は認めません」
クラリッサ「そうかいな」
周りの護衛は剣を抜き始め、クラリッサも剣を抜く。
ザハブ「なに?」
クラリッサ「この剣はアロンダイト。俺の家に受け継がれている骨董品や。あと交渉決裂ね」
- 砂と黄金 ( No.61 )
- 日時: 2024/10/09 14:49
- 名前: monmon (ID: Jolbfk2/)
大変申し訳ございません!!!久しぶりの投稿です…言い訳をすると、どうしても内容が思いつかなくて…
追記 小説☆カキコ大会2024・夏 ダーク・ファンタジー板では銀賞を取りました!!!!やったぁぁぁ!!!!!
護衛はザハブに剣を向ける。一人の男は叫ぶ。
「かかれえぇぇ!!」
護衛たちはザハブたちに飛んでいく。
パキキ………
護衛たちは一瞬、1秒もかからず黄金の像にに変えられる。
クラリッサ「へえ…これがザハブ君の能力、あのカス達をきれいな黄金にするとはやるね」
ザハブ「部下の心配を知ったらどうだ?」
クラリッサ「カスの心配をしてどうするんや?別に変わりはいくらでもいるんや。カスが死んでもどうでもいいやろがい」
ザハブ「…クズが」
ザハブはクラリッサに嫌悪感を示す。そんなザハブを見て、クラリッサは嘲笑する。
クラリッサ「ザハブ君の国にもあるやろ?奴隷。どうせ君も奴隷をカスだと思っとるんやろ?同じやで」
ザハブ「お前と俺を同類にするな」
クラリッサ「ならそのブルカちゃんはどうや?奴隷やろ」
ザハブ「…黙れ」
ザハブは剣を抜きクラリッサに飛び込む。クラリッサはザハブの剣を受け止める。
クラリッサ「おっそ」
ザハブの剣は砂と化しサラサラと崩れていく。驚いたザハブは飛びのく。
クラリッサ「俺の能力、『あらゆる物質を砂に変える能力』や。君の能力とは相性最悪、詰みやね君」
ザハブ「どうかな?」
クラリッサの真上の天井から黄金のつららが無数に落ちてくる。
クラリッサ「うっとおしいなぁ…」
つららを剣でさばいていく間に、ザハブはブルカを左腕でつかむ。
ブルカ「…少し苦しい」
ザハブ「悪かったな!」
無理やりドアを右拳で破壊し部屋を脱出する。だがそれをクラリッサは逃していない。
クラリッサ「待ちいや!」
激高しすぐに部屋を出てザハブを追う。ザハブは黄金の矢を30本だしクラリッサに飛ばすが瞬時に剣で落とされてしまう。クラリッサは剣を振る。
ザハブ「ちっ!!」
ザハブはすぐにジャンプする。瞬間、人を肉塊にせんとするほどの風圧がザハブのいたところをすり抜け壁にぶつかる。風は部屋をいとも簡単に破壊し外界に飛んでいく。ザハブは避けたが右足を欠損してしまう。
ザハブ「ぐっ…この程度!」
ザハブは黄金で右足を義足として修復する。だがクラリッサは許さずザハブのいたところにジャンプする。
クラリッサ「じゃあねザハブ君。楽しくもなかったわ」
クラリッサは剣をザハブに向けて振り下ろす。ザハブは黄金で生成した剣で受け止めるが、破壊されそのままブルカもろとも切られてしまう。更にクラリッサはザハブを蹴り床に大きなひびが入るほどの勢いで落とす。
クラリッサ「さって、これからどうしたもんやね。もうこのまま俺がこの国を…」
クラリッサはブツブツ独り言を話す。騒ぎを聞いた兵団は現れる。
「ザハブ様!?」
「ブルカ様も…」
「貴様あぁぁ!!!!」
全員がクラリッサに剣を構えて突撃する。が、クラリッサは兵団に向けて睨む。
恐ろしいまでの重圧。これだけで数万人を虐殺を出来てしまうのではないかというほどまでに。
「あっ…あっ…」
「………」
「あっあっははははははははははは!!!!!」
その恐ろしさに兵士たちは一瞬で戦意喪失する。中には精神に異常をきたしているものや植物人間になっているものまでいた。
クラリッサは兵団に向けて剣をふるう。さっきと同じ威力の風はいとも簡単に兵士たちを粉々にした。
- 嫌な真実 ( No.62 )
- 日時: 2024/10/11 11:55
- 名前: monmon (ID: Jolbfk2/)
『覚醒』
能力者、無能力者が死の淵に追いつめられると稀に発生する現象。既存の能力が覚醒し強力なものになる(神谷悠の赤眼は少し違う)。
ザハブは覚醒を終え目を覚ました。近くにはブルカの遺体がある。が、信じられない光景を目にした。
ザハブ「…は?」
クラリッサ「が…は…」
目に映ったのはぼろ雑巾のようになっているクラリッサ、その胸倉をつかんでいる異形の人間。その姿は複数の人間が混ざり合った、何とも言い難い恐ろしい姿。そしてその後ろにいるのは、今の状況に合わない少女。
??「…あら?覚醒したのね」
ザハブ「…誰だ」
喉にたまった血を咳で吐きながら問う。少女はクスクスと笑う。
??「せっかくなら見る?この男の最後」
クラリッサ「なん…でや…女ごときに……俺が負けるねん……」
??「女性差別は良くないことよ?男が女性差別をするのって、大体2種類だと思うの。自分の無能さを隠したいがためか、そのみみっちいプライドのためか、まあ貴方は人形になるもの。どうでもいいけど」
少女は微笑を浮かべながらクラリッサに触れる。すると、クラリッサはさっきの余裕からは考えられない悲鳴を上げる。
クラリッサ「がっあああっああああああああっあああああああああああああああああ!!!!!!!!」
??「…いいわね、貴方、いい人形になるのね。いいわあ」
クラリッサはどんどん小さくなっていき、最終的には人形と化す。少女はその人形をボリボリ食す。その光景に、ザハブは呆然とする。
ザハブ「何がどうなって…!?」
??「おいしかったぁ。どうだったかしら?この男の末路は」
少女はクラリッサとは全く比較にならない速度で、それこそ瞬間移動と錯覚するほどの速度でザハブのすぐ隣に移動する。
ザハブは少女に気づき黄金の剣で彼女を切ろうとする。が、彼女は人間の顔の形をした盾で防ぐ。
ザハブ「なっ…!?」
??「いい反応ね。でも遅い」
少女はザハブより早く動き、ザハブに触れる。ザハブは全く動けなくなってしまった。
??「人生お疲れさま。最後に何か言い残すことは?」
ザハブ「…お前の名は」
??「…えっ」
少女は名を聞かれクスクスとおかしく笑った。
??「フフッ…そうね…ジハード。それが私の名前」
ザハブ「聖戦を意味する名とは、皮肉だな」
少なくとも彼女の行動は聖なる事ではないだろう。ザハブは倒れる。
ジハード「さてと…サンプルは手に入った。後は…”彼”に任せましょう」
ジハード「お願いね?ザハブ」
ザハブ「…分かった」
王城のテスラにいるのはザハブとジハード。だがザハブには生気がない。顔色も優れていない。
ザハブは能力を発動する。
パキキキキキキキキキキキキキキキキキキ………………………
ザハブは能力で王城を、街を黄金にしていく。街に住む国民は気づかずに黄金と化していく。やがて”黄金の都”が形成されていく。
「くそっ!なんだあの化け物ども!」
「知るか!!とにかく矢を一本でも飛ばせ!!何としてでもあの化け物たちを足止めしろ!!」
「あ”あ”ー!!腕がー!!!助けてくれー!!!」
ジハードの能力は『人間を操る能力』。文字通り人間を操り、人間同士を合体する能力。その能力には自身も含まれる。彼女は能力で寿命という概念を自身から消し、2023年に至るまでおよそ3000年生きながらえてきた。
ザハブの国は滅亡。王城を攻めてくる敵軍を能力で作り出した異形の人間の軍団で襲い、生け捕りにした兵を能力で駒にする。その内、黄金の都が他国に知れ渡ると近づくことはいつしかなくたって行った。そして、ザハブは完全にジハードに操られていた。
ジハード「…フフフッ」
ザハブ「?」
ジハード「いや、何でもないわ」
神谷「頭がいてえ」
ムージャ「大丈夫ですか?」
神谷「ああ、問題ない」
時は現代。現代のザハブが忘れてしまった記憶を神谷は見た。溜息を思わず吐く。ブラウンはムージャの容体を見るためにキャンプに入ってくる。
神谷「…!」
ムージャ「どうしました?」
神谷「ブラウンさん、もう離れてください。あいつともう一人」
ブラウン「…!分かりました。ですが神谷さんは?」
神谷「俺は残って対処します」
ムージャ「俺も残ります」
神谷「…」
神谷は何とも言えない顔をしていた。だがムージャの目は覚悟の目だった。
神谷「…分かった。だが無理はするな」
ムージャ「はい!」
神谷とムージャは向かう。来る敵を打ち取りに。
- マッドサイエンティスト ( No.63 )
- 日時: 2024/10/11 14:55
- 名前: monmon (ID: Jolbfk2/)
ブラウンたちは急いで荷物をまとめる。だが遠くから数十体の異形の人間が押し寄せてくる。
神谷「面倒だな。いくぞ」
ムージャ「はい!」
神谷とムージャはすぐに走り出し異形の人間にたどり着く。先陣を切ったのは神谷。異形の人間に飛び移り首を斬っていく。
ムージャは殴ってきたり引っ搔いてくる異形の人間を殴り殺す。
一分もしないうちに異形の人間を全滅させる。
ジハード「あら?もう全滅していたのね。流石列強」
神谷「…!?」
神谷は驚愕した顔で後ろを振り返る。そこにはジハードがいた。
全く気付かなかった。気配の消し方がそれこそ列強の上位にも匹敵、或いは凌駕する。赤眼を発動していない神谷はそれこそ戦闘能力はアクシオンにも劣る。
圧倒的な実力の差。それに神谷は戦慄する。ムージャも信じられないといった顔でジハードを見ていた。
ジハード「初めまして、神谷悠。私の名前はジハード」
神谷「…」
ジハード「そんなに怖がらなくてもいいじゃない」
ジハードは頬を膨らませながら不満を零す。ただの女の子だったら、男は彼女に対して可愛いと思うかもしれない。”普通だったら”どれだけ良かったのだろう。
ザハブ「おい、そんなくだらないことをしてる場合じゃないぞ」
遅れてきたザハブがジハードに文句を言う。
ジハード「いいじゃないそれくらい、どうせ人形にするんだし、最後くらいいいじゃない」
ザハブ「…好きにしろ」
ザハブは黄金の剣を生成しムージャに突撃する。ムージャは剣を引いて防いだが遠くに吹き飛ばされる。土埃が舞う。
神谷は赤眼を発動し、ナイフでジハードの喉を突こうとするが、人間で生成した盾で防がれる。ナイフは盾に深々と刺さるが破壊には至らない。
ピイイイイイイイイイイ!!!!!!!!!!
ジハードは血のレーザーを神谷の横っ腹に振るう。その速度はマッハ6。
神谷(…”悪趣味”だな)
神谷はジハードに嫌悪感を感じながらよける。
神谷「人間だろ。その血のレーザーといい、あの盾といい」
ジハード「よく気づいたわね。流石列強」
神谷「お世辞は良いんだよ。ヤな趣味だな」
嫌悪感を示す神谷を見て、ジハードは笑う。
ジハード「別にいいじゃない。人間の一人二人、どうせ増えていくもの。それに」
神谷「…?」
ジハード「人間の可能性、私はそれを信じている。改めて名乗るわ、私の名はジハード。3000年を生きた科学者」
神谷「マッドサイエンティストが言うか」
ジハード「私は1000年をかけて思い至ったの。人類の可能性を。人間は強制的に合体するとそのそれぞれの強さが掛け算で強くなる。私はそれに気づいてこう考えたの」
ジハードの口調はあくまで穏やかで、だが心底楽しそうに言う。
ジハード「この世界の人間、約80憶人を合体させる。そうすれば宇宙で最も強い人間が誕生する」
神谷「…それは、笑えないな」
ジハード「笑えない?面白そうじゃない。最強になれるのよ?」
神谷「仮にお前が生み出したその最強の人間に殺されるってなったらどうするんだ?」
ジハード「最初の犠牲者になれるのもまた面白そうじゃない」
神谷「そうか」
神谷は消える。ジハードと同様恐ろしい速度でジハードの後ろを取る。
ジハード「流石ね」
ジハードは感心した顔を見せる。神谷が首を狙おうとした瞬間、地面から大量の手が飛び出してくる。神谷は上空に退避する。
神谷「どんだけこいつの目的のために犠牲になったんだよ」
赤いオーラをナイフに宿しナイフを振る。大量の手はオーラの斬撃により消し飛ばされジハードに近づいていく。
ジハードは超スピードで即座に避ける。オーラは地面にぶつかり、深い跡を残して消える。
「ピイイイイイ!!!」
大量の人間の面影を残した怪鳥がマッハ3で神谷を襲う。神谷は器用に突進してくる怪鳥を切り伏せる。神谷は頭をジハードに向ける。
ドオオオオオオオン!!
とてつもない音が鳴る。空気を蹴り音速を超えジハードに突進する。ナイフを一気に振り落とす。
が、ジハードは人間の面影を残した大剣を片手で持ち神谷のナイフを防御する。途轍もない衝撃波があたりを襲う。草は激しく煽られ土埃が舞う。
神谷は着地し土埃でジハードの姿は見えなくなる。神谷の後ろの存在は大剣で神谷を袈裟斬りにしようとしたが神谷は後ろの存在に気づき飛び避ける。大剣は神谷を切ることなく空振りする。
神谷(気配が読みづらい、赤眼を使ってもだ。しかも相手は人間を使った多彩な手を使ってくる)
ジハード(彼、強いわね。はっきり言って想像以上。フフフッ、人形にするのが楽しみ)
二人にとっても全くの未知数な戦いが続く。一方そのころ、ムージャはザハブ相手に大苦戦を強いられていた。
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