二次創作小説(紙ほか)

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originalダンガンロンパ キャラアンケート 
日時: 2013/09/19 17:42
名前: 魔女の騎士 (ID: lMEh9zaw)

 皆様こんにちは。
初めましての方は初めまして。
以前、お付き合いくださった方はお久しぶりです。
編集などの都合で以前、別サイトに移転していたのですが、今回こちらでも活動を再会させていただくことになりました。
(わがままを言ってすみません)

 注意書きを読み、以下の内容にご理解いただけた方のみ、この作品を閲覧ください。



 最初に、公式とは一切関係ありません。
ダンガンロンパが好きで、その世界観に惹かれたファンの二次創作です。

 次に、モノクマを除いてすべてオリキャラのみのダンガンロンパになっています。
キャラクターの称号が公式と思いっきり被っていますが気に止めないでください。
(実はダンロン2公開前から執筆していたため、数名被っています)
また、本編【ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】と【ダンガンロンパ ゼロ】のネタバレが出る可能性があります。
クリアしていない方、苦手な方はお控えください。
なお、スーパーダンガンロンパ2のネタバレはありません。

 主人公は速水刹那(はやみ せつな)=[超高校級の警察官]とし物語は展開します。
 もちろんダンガンロンパであれば、推理やおしおきのシーンが前提としてありますが、作者は推理小説に触れたことがありませんので、無茶な推理や、矛盾点も多くありますが、ご了承いただけるようお願いいたします。
キャラ紹介の内容は話が進むごとに増えていきます。


以上のことを了解した方は、読み進めていってください。

……コメントいただけると喜びます(主に作者)





*お知らせ

>>96 >>97を追加 9/19
・次回の更新予定は未定です。

☆アンケート中 >>69 >>89

・コメント返信
>>17-18 阿部様
>>46-47 >>56-57 >>79 >>91-92 モノクマ様
>>50-51 >>58-59 >>67-68 >>79 >>82-83 >>84-85サニ様
 


プロローグ-
>>1

第一章 絶望のハジマリ
>>2 >>3 >>4 >>5 >>6
>>7 >>8

キャラクター紹介編
>>9-13
>>40 キャラクターイメージ

第二章 殺人ゲェム

一日目 日常編
>>14-16 >>19-21 >>22-24
>>25-27 >>28-30 >>31-33
>>34-36

二日目 日常編
>>37-39 >>41-43 >>44-45
>>48-49 >>52-53

三日目 (非)日常編
>>54-55 >>60-62 >>63-65

三日目 First学級裁判
>>73-74 >>75-76 >>80-81←おしおき編
>>86-87 >>88


キャラ劇場
>>90 >>93-94


第三章 サイコポップハイスクール

四日目 日常編
>>95-97

Re: originalダンガンロンパ ( No.52 )
日時: 2013/07/31 08:30
名前: 魔女の騎士 (ID: lMEh9zaw)
プロフ: http://akanohadou.web.fc2.com/oridann-character.html


‐”あいつは若いのによくやるよ。さすがはリリアの息子だ”

‐”あ〜、またこいつの相棒自慢が始まったぞ……”

‐”ほっとけほっとけ。酒がまずくなるわ”

‐”ひどいことを言うんじゃない。ジャンはおれにとっちゃ息子のようなもんなんだぞっ!!”

‐”耳にタコができるくらい聞いてる。お〜いジャン、どうにかしてくれこいつ。お前の相棒だろ”


 仕事の終わりに仲間と飲みに行ったときの光景が思い出される。
それは、日本に帰る直前のもので、年齢の都合で飲めないおれのためにわざわざ酒場でなく、 レストランで食事をしていたときのもの。
…最後に見た仲間の姿だ。


(……なぜだ)


 あんなに強い彼らが、”絶望”というものに負けた?
 こんなにも、短い間に?

 内容はともかく、手紙の筆跡は間違いようもなく先輩であり、血痕も本物。
モノクマを操っている真犯人の狙い通り、動機としては確かに十分だろう。
この閉鎖された空間を出ない限り、アメリカに帰国することははっきりいって不可能だ。

……もちろん、おれはだれかを殺すつもりなど微塵もない。

 ようやく平静を取り戻したところで、静まり返った小ホールを見渡す。
小ホールに残っていたのはおれとその場に座り込んだ米倉、そして端の方に佇んでいた大山の三名だった。


「二人とも……大丈夫…か?」
「ああ……なんとかな。米倉、大丈夫か?」
「………」


 米倉は顔を伏せたまま、こくこくと頷き返す。
あまり大丈夫そうではないが、こちらの声は聞こえているようだ。


「……単刀直入に聞くが、手紙はどういうものだった?」
「おいは…信じられない……。こんな手紙……」


 大山は首を振ると、白い封筒に入った手紙を差し出してきた。
読め…ということか?


「読んでいいのか?」
「かまわない……。他のを…読めば…少し……冷静に……なれる」
「ありがとう。なら、おれのも渡そう」


 互いに手紙を交換し、封を切ってから裏返す。
出てきた手紙は、便箋ではなく和紙で文字もペンとは違い炭筆で丁寧に書かれていた。


(これは………)


 大山の手紙の主は、雰囲気から女性からのようだった。
内容は道場が何者かによって爆撃を受け、道場が保たないということ。
大山は逃げろという旨だった。


「この手紙は一体だれからなんだ?」
「師匠の奥さんで……おいたちの……母さんみたいな…人、だ」
「そうか。この文字はその人のもので間違いないか?」
「……多分、間違いない……と、思う。速水の手紙は……英語、か?」
「あぁ、仕事の仲間からきたんだ。 助けてほしい、と」
「そう……か。本物……なの、か?」
「今のところは、分からない。この状況では明らかに怪しい内容だが……
 筆跡が完全に偽装されたものとも思えない」


 内容は偽装できるだろうが、筆跡まで偽装となればかなり難しい。
筆跡はその人物の癖まで浮き彫りになるからだ。
いくら犯人がおれたちの周囲を把握していても、真似をするのは限界がある。

 特におれの手紙と大山の手紙では言語がそもそも違うため、その違いも踏まえると更に偽装は難しくなるだろう。
おれがこの手紙を嘘だと決めつけられないのもそれが原因だ。

Re: originalダンガンロンパ ( No.53 )
日時: 2013/07/31 08:42
名前: 魔女の騎士 (ID: lMEh9zaw)
プロフ: http://akanohadou.web.fc2.com/oridann-character.html

「……辛い、な」
「……ああ。大山は辛くないのか?」
「正直……おいは……唐突過ぎて……信じられない……。
 確かに……心配……ではある……」
「そうだな。すまない、当然のことを聞いたな」
「いや……。気にして……ない」
「そうか。……米倉、大丈夫か?」
「………うん」


 米倉の前まで膝を折り、尋ねてみる。
そこで、米倉はようやく顔をあげた。
 元から白い肌なこともあってか、顔色は幽霊のように青白い。
泣いていたのか、彼女の青い瞳は赤く腫れあがっていた。


「これがおれの手紙だ。読みたくないのなら構わないが……」
「……ううん、読む」


 米倉が手を伸ばして手紙を受け取る。
祖父が外国人とあって英語も分かるのか、彼女は黙々と読み進めているようだった。


「この人……どうなっちゃったの?」


下りの部分まで読み切ったのか、米倉が目を丸くする。


「分からない。ただ、この手紙からすれば彼は既に……」
「……そう、なんだ」

 先輩がどうなったのか、分からない。
その先を早く知りたいのなら、殺人を起こせ、ということだろう。
最も、この情報が本物であるのか疑わしいところだが……。


「あの…力也くんのも、いい?」
「ああ……見て、いい」
「ありがとう。刹那くんも、ありがとう」


 おれの手紙を返し、今度は大山の手紙を読み始める。
彼女の顔はまだ青白いが、ようやく落ち着いてきたようだった。


「大山くんのも……ひどいことになってるんだね」
「米倉、落ち着いたか?」
「うん。刹那くんと力也くんのを見たら、みんな同じなんだなって思って。まだ、不安だけど……」


米倉は自らを抱え込むように小さく縮こまると、震える声で言った。


「わたしのお手紙は…友達からなの。
 わたしのおじいちゃんが変な人たちに家を爆破されて、重傷になっちゃったって。
 おじいちゃんはわたしに会いたいって言ってて…。早く戻ってきてあげてって」
「そうか……。辛い、な」
「うん…。でも、だからってだれかを殺すなんて嫌だよ。
 そんなことをして、おじいちゃんが喜ぶ訳ないし……」


胸に手を当てて大きく息を吐き出し、隣に置いていた彼女自身の手紙を手に取る。


「これ……渡すね」
「いいのか?」
「うん。わたしのも……見たほうがいいかなって。刹那くんなら、何か分かるかもしれないし」
「ありがとう。善処する」


 米倉が大山の手紙を返した後、おれは彼女から手紙を受け取り、中身を開く。
 彼女の手紙は、おれと同じ便箋でピンク色で四方をふちどりされていたものだった。
表記はイタリア語だろうか、見慣れない文字が並んでいる。
が、所々英語と似ているので、なんとか読むことはできそうだ。


「イタリア語か……。米倉は達者だな」
「そんなことないよ。家族でお話するのに必要だから、いつの間にか覚えちゃっただけなの」


 米倉は手を前で組むと、かすかに笑みをみせる。

…やはり、彼女は泣き顔よりも笑っている方が似合うな。

 おれは彼女傍目に、手紙に一通り目を通す。
手紙の文体はおれのもの大山のものとも異なり、少女を思わせるような丸い文字が続いている。
内容は……米倉の言ったことと一致しているようだ。
特に、彼女が言及していない部分で気になるところはない。


「速水……なにか……分かる、か?」
「そうだな……」


 手紙から目を離し、考えられることを二人に話す。

 第一にこの手紙はおれたちをここから出たいと思わせるような内容であること。
 第二にどの手紙にも何かしらの事件が起こっているということ。
 第三に、手紙が届いた日付が明記されていないことだ。

ただ、紙の質からモノクマの言っていた通り、比較的どの手紙も最近のものであることは分かる。


「そういえば……みんな……携帯電話、なかった」
「アヤメちゃんはスケジュール帳がないって言ってたね。わたしのくまさんの腕時計もなくなってたし……」


 おれたちの持ち物のなかに時計や携帯電話、スケジュール帳といった日付が分かるものが全てなくなっていたことも考えると、 犯人はおれたちに今の時間を知られてはまずいのかもしれない。
連絡手段である携帯電話はともかく、日にちを明かさない意図は不明だが……。
他の皆の手紙を見れば、また何か分かるのだろうか?


「ところで、二人に聞きたいことがある」
「なん、だ?」
「………いや」


 開きかけた口を閉じ、おれは頭を振る。

 おれは、あの動機とやらが起こるまでは、例の毒の件は伝えるべきだと思っていた。
殺人を未然に防ぐことは無論、それまでのおれたちならモノクマに対抗するためにも、
毒物を集めて処分する方向になるものと思われたからだ。

だが、今は違う。

皆を疑いたくはないが……今回の件で殺人のことはとにかく、少なからずここから出たいとは思っているはずだ。
だとすれば、殺人が起きてもなにもおかしくはない。
むしろ、ここで毒のことを伝えるのは、殺人を促す可能性すらある。
 大山と米倉はおそらく、殺人を起こすことはないかもしれないが……
彼らが万が一だれかに話せば、その人物が必ずしも殺人を起こさないとは断定できない。

ならば、毒のことを伝えるのはせめて全員が落ち着くのを待った方がいいだろう。


「すまない、なんでもないんだ」
「そうなの?」
「ああ……。そろそろここから出よう。もう五時過ぎだ」
「そう……だな……」
「米倉、立てるか?」
「うん。ありがとう、刹那くん」


 米倉にむかって手を差し伸べる。
それに米倉は捕まるとよいしょっと呟いて立ち上がった。


「……ふふ」
「どうした?」
「いや……和むなと……思った」


 大山が姿勢を中腰から元に戻して、小さく笑みを浮かべる。


「笹川が……よく…夫婦だと……言っていたな、と。
 ……確かに…似合ってる」
「……悪いが、そんなつもりはないぞ」
「そうだよ。刹那くんとは友達だから、夫婦じゃないよ」


 米倉……間違ってはいないが、否定するところはそこじゃないだろう。
おれの視線を感じたのか、米倉がちょこんと小動物のように首をかしげてみせる。
その隣で、大山はにっこりと満面の笑みになった。


「ふふ……。じゃあ、みんなで……帰ろう、か?」
「ああ。そうしよう」
「うん。帰ろう」


大山に続いて米倉が、米倉に続いておれの順番で並び、小ホールを出る。そうして、各自自室へと戻っていった。

Re: originalダンガンロンパ (非)日常編開始 ( No.54 )
日時: 2013/07/31 15:34
名前: 魔女の騎士 (ID: lMEh9zaw)
プロフ: http://akanohadou.web.fc2.com/oridann-character.html


「お……い……? ……花月?」
「びっくり……じゃ、なさそうね」


 三日目の午前12時、食堂。
おれも含め、数人がその場に硬直していた。
長テーブルの厨房側に近い、おれの隣の席で、小さな影が倒れている。
それは、ついさっきまで元気に話していたはずの「超高校級の歌舞伎役者」花月 京だった。
今は口から泡を吐き、真っ青な顔で大の字に倒れている。


「キョンキョン……? ねえ、どうしたの!? 起きてよぉっ!」
「雅、近づくなっ」


 雅が花月の方に駆け寄ろうとするのを静止し、おれは頭を振る。
遅れて後ろの方でガラスの割れた音がした。


「嘘……どうして……? どうして、花月さんが!?」
「石蕗優、落ち着け。なにかの悪い冗談だっ!! こんなことは……っ」


 落としてこぼれたジュースとガラスの破片をそのまま、石蕗がその場にがっくりと膝を落とす。
そして、安積が怒りで震えているところで、忌まわしい笑い声が流れた。


『死体が発見されました。一定時間後、裁判殺人を行います。
 ヒャッハァ——————ッ!!! たっのしみだねぇッ、うぷぷぷぷぷっ!!』


 その言葉は……本当に花月が死んだことを決定づけた。
同時に、このメンバーの中に花月を殺した犯人がいるということも……。



 昨日のあれからは、ただいたずらに時間が過ぎていくだけだった。

 ここから早く出たい。
しかし、そのためにはだれかを殺さなければならない。

 その緊迫した状況のためか、ほとんどのメンバーは単独で行動していることが多いように思えた。
幸い、おれと大山と米倉はまだ繋がっていたため、各々の親しい友人たちを説得。
それ以外も、次第に落ち着きを取り戻したメンバーもおれたちと一緒に集まるようになった。

 今日の昼、数も集まりつつあったおれたちは、一度食堂に集まって話し合うことになっていた。

 発案は昨夜、個人的に安積を訪れ、おれの手紙を見せたのがきっかけだった。
 安積も動機の手紙で悩んでいたが、おれの手紙を見て、自分だけではないことが分かり落ち着いたという。
そこから、全員で手紙を共有してはどうか、という案に発展し、一晩話し合って食堂で話し合うことを決めたのが今朝のことだ。

 内容は、モノクマの用意した動機である手紙の中身を共有すること。
もちろん、無理に提示する必要はない。
 一人でもだれかが提示すれば、理不尽なことが起こっているのが自分だけじゃないことが分かる。
それに、互いの腹の中を明かすことで、また信頼関係が築けるのではないか。

おれたちはその期待を胸に、今朝から部屋を回って食堂に集まるよう伝えてきた。
中には東雲のように部屋に閉じこもった者もいて、困難を極めたが……数名の説得でなんとか参加してもらえることになったのが、事件が起きる前だ。

 ようやく実現されるはずが、まさかこんなことになろうとは………。
悔やんでも、悔やみきれない……っ。


「おいっ! 今の放送なんだって、わあああああああっ!!?
 ちょ、ちょっと待てよ。もしかして、もしかして今モノクマが言ってた死体って……京?」
「……え?」
「はっ。騒がしいと思ったら……そういうことか」


 今の放送を聞いたのか、笹川と不動、米倉も食堂に集まってくる。


「……きょう…くん……? いや……っ。いやあああああああああああああっ!!」
「お、おい菊ちゃんっ。しっかりしろっ」
「ほおっておきなさい。今はそれどころではなくて?」
「そんなことあるかっ!! 気絶しているレディをほおっとく訳にはいかないだろ!!」


 北条の言ったことを気にせず、御剣が蒼白の顔でふらついていた東雲を受け止める。
おそらく、花月が死んだことで二重の意味でショックだったのだろう。
次の瞬間、東雲は完全に気を失って御剣の元に倒れ込んでいた。


「ねぇ、花月……死んだの?」
「そんな……一体、だれがこんなことをしたんだっ!!」
「そりゃあ、この中のだれかでしょッ」


 場にそぐわない呑気で明るい声におれたちは一斉に声の方へ振り向く。
いつの間にか、長テーブルの中心にヤツ、モノクマが悠々とあぐらをかいて座っていた。


「なっ、なんだとぉっ!! お前、またふざけたことをっ!!」
「ふざけてなんかないって。だってボクはし〜っかり監視カメラで見ていたからね!
 それに、規則正しい子を罰することなんてボクはしませんっ!!」
「ほお……で、あのネカマを殺した犯人はだれだ?」
「うぷぷぷ……それは今からみんなで決めることだよ」
「みんなで……決め、る?」
「どういうことだよっ!」
「うぷぷぷぷ。さて皆さん、寮の規則は覚えていますか?」
「寮の規則の六番目、仲間の誰かを殺したクロは“卒業”となりますが、自分がクロだと他の生徒に知られてはいけません。でしょう?」
「さすがは北条さんッ。よく覚えてますねぇ、手間が省けるよ」
「それで、これでどうしてわたしたちが犯人を決めることになるのかしら? 多数決でもするの?」
「んん〜〜ッ、惜しい! 最終的には多数決だけど、もっともっとおもしろい方法だよっ」
「おもしろい?」
「学級裁判の開幕で〜すっ」
「学級裁判?」
「うぷぷぷぷっ。まずはルールの補足からだねっ。耳の穴かっぽじってよ〜く聞けよ!」


 あぐらをかくのを止め、モノクマが立ち上がる。
それから、やつはまるで台本を読むようにスラスラと話し始めた。


「誰かを殺した者だけがここから卒業できる、とは以前説明した通りですが……その際に守ってもらわないといけない約束があったよね?」
「自分が殺したってことをだれかにばれちゃダメ?」
「その通りっ。ただ殺すだけじゃダメ。他の生徒にもばれないように殺さないとダメなのですッ!
 で、それがちゃ〜んとできてるか査定するシステムとして、殺人事件が起きた際、一定時間後に『学級裁判』を開くことにしましたっ」
「しました?」
「だってぇ〜、ただ単に多数決で決めちゃったらつまんないでしょう? 視聴者の皆さん的にも盛り上がりに欠けるしね」

「視聴者? だれのことだ」

「さぁ〜て、今回の学級裁判の議題は花月 京くんを殺した犯人はだれか!?ですっ。

 学級裁判の場では殺人を犯した”クロ”と…それ以外の”シロ”との対決が行われますっ。
 学級裁判で身内に潜むクロをオマエラに議論してもらい、その結果は学級裁判の最後に行われる投票により決定されます」

「そこで、オマエラが導き出した答えが正解だった場合、
 秩序を乱した”クロ”だけがおしおきされるので、他の皆さんは共同生活を続けてください。

 ただし、もし間違った人物を”クロ”にしてしまった場合は罪を逃れた”クロ”だけが生き残り、残った”シロ”全員がおしおきされることになります」

「そのおしおきって……どういうことですか?」
「もっちのロン、処刑に決まってるじゃーん!!」
「しょ、処刑ぃっ!? 冗談じゃないぜっ!!なんで何もしてないオレたちまでやられなきゃいけなんだよっ!!」
「さりげなく自分が犯人じゃないって言ってるよね、それ。ちなみに処刑の内容としては、
 電気椅子で十万ボルトしたり、マグマの海に沈めたり、グングニルの槍で串刺しにしたりてんこ盛りだくさんっ!」

「…つまり、犯人を特定できれば犯人のみが処刑。犯人を特定できなければ、犯人以外の全員が処刑ということでいいんだな?」
「うんうん。ポリスくんは賢いね〜。ついでに、付け足すと犯人が特定できなかった場合、共同生活は強制終了となります。
 以上が学級裁判のルールなのですッ!! 裁判員制度みたいなもんだねぇ。
 ただし判断は慎重にねッ。なんたってオマエラの命がかかっているんだからっ。
 今のことはルールに追加しておくからしっかり確認するようにっ!
 言っておくけど、ボクは本気ですからッ。あ、いつでも本気だったね。ぶっひゃっひゃっひゃっひゃっ!」


 クロが処刑されることは百歩譲ったところであったとしても、間違えば他の生徒たちが全員処刑されるとは…無茶苦茶なルールだ。
まるで、おれたちを見世物にしているような……。
そういえばやつは視聴者と言っていたが、それが関係しているのか?


Re: originalダンガンロンパ (非)日常編開始 ( No.55 )
日時: 2013/07/31 15:37
名前: 魔女の騎士 (ID: lMEh9zaw)
プロフ: http://akanohadou.web.fc2.com/oridann-character.html


「あ、そうそう。速水くん以外は捜査なんてできっこないだろうから優しいボクが必要な情報をまとめてみました。
 その名も…ザ・モノクマファイル〜ッ。といいたいところですが、重いし紙代がかかるのでオマエラの生徒手帳にまとめて送信しときました。
 いやはや、技術の進歩ってすばらしいよねぇ〜」
「ただめんどくさかっただけだろ、それ」
「うぷぷぷぷ…ま〜ね〜っ。それじゃ、捜査ガンバッテちょうだいっ!! いつやるか……今でしょっ!!」


 いつやるか……今でしょ!!
モノクマは釘をさすように、再度言うと煙を撒き散らして消えていった。

理不尽なルールに困惑したおれたちと、二度と動かなくなった花月を残して。






 しばらくの間、だれもが口を開かなかった。
 おれや不動はともかく、それ以外の皆は人の死に慣れていない。
それどころか、この中に花月を殺した犯人がいるという事実に、疑いの視線を向けている者も少なくない。
疑念が疑念を膨らませる、最悪の状況だった。
 それでも、彼、不動だけは相変わらず平静のままだった。


「ちっ……いつまでこうしてんだてめぇら」


 舌打ちを交え、刺のある台詞をおれたちに浴びせてくる。
その行為が、ままならない状況に苛立っていた皆に油を注いだのだろう。
何人かの表情に怒りが浮かび上がっていた。


「なにをっ。お前さんが一番怪しんだぞっ!
 毒の在り処も知ってる、ガキと仲が悪い、しかも動機だってあるっ」
「はっ。だったら俺様が犯人だって言うんなら証拠を集めてどうにかすることだなッ。
 言っとくが、俺様はやっちゃいない。殺すなんてのは、菌をそこら中にばらまく行為だからな。
 寒気がするぜ、気色悪ぃ」
「なっ! おい、お前。いくらなんでも京に失礼だろっ!」
「失礼? はっ、死んだやつに失礼もあるか。本当に失礼な輩はこのネカマを殺したやつだろ?」
「それは……」
「生き残りたいなら必死でやれ。そうでなけりゃ、何も言う権利はねぇ。俺様の邪魔をすんなッ!」
「あの〜、ちょっといい?」
「あぁ?」
「まーくんってさ、もしかして励まそうとしてくれてる?」
「へ……?」
「な、何を言うんだ雅っ。よりにもよってこの男がどうしてそんなことを」
「だって、まーくん、わたしたちががんばって捜査するように、って遠まわしだけど言ってるもん」
「あら、つまり自分を囮に、わたしたちに捜査をするように言ってるってことかしら?」


 アヤメの解説に一同は目から鱗と言わんばかりに、不動を見る。
 雅の言う通り、言葉の裏を返せばそう聞こえなくもない。
現にただ立ち尽くしているだけのおれたちが、彼の言葉で動き出そうとしているのだから。


「っ……このままクズどもと死ぬのは御免だ。それだけだッ」


 不動は一度、忌々しいものを見るような視線で雅を見下ろすと白衣を翻し、 かつかつと靴音を鳴らして一人花月の亡骸へと向かう。
それから、彼はおれの方を睨みつけて言った。


「見張りを用意しろ。だれかが証拠隠滅する前にな。…だろ、ポリ公」
「ああ、そうだな。だれか、見張りをしてくれないか? 二人いてくれるとありがたい」
「……僕がやろう。僕は推理とかは無理だ」
「おいも……見張り……やる……」
「ありがとう、頼んだ」


 安積と大山の二人は頷き花月の死体の前に移動する。
それから、おれは皆を見渡した。


「この状況だ。お互いに信じられないかもしれないが、まるっきり信じないのはよくない。
 いくら経験者とはいえ、おれも皆の力がなければこの事件を解き明かすことができない。
 だから……ある程度の協力は必要だ。だれを信用をするかは、皆に任せる」
「そうですわね。いつまでも死人のことを気にしていても仕方ないですもの」
「北条、その言い方はないだろう! さっきから、目に余るぞっ!!」
「私は本当のことを言っているだけです。篠田様、他人を気遣うのも誠によろしいですが、自分の命がかかっていることをお忘れなく」
「っ」
「篠田、今は犯人を突き止める方が先だ。喧嘩をしている場合じゃない」
「……わかってる」
「じゃ、だったら早いところ始めようぜ。犯人捜しってやつを」
「……やるしか、ないんですね」
「まじかよ……。ああぁっ、仕方ねぇやってやんよっ!」

 やるしかない。
皆は口々にそう呟いていた。
自分を奮い立たせるかのように。

 おれも…やるしかない。
生き残るためにも、これ以上犠牲を増やさないためにも。
おれは、鬼になろう。

Re: originalダンガンロンパ (非)日常編開始 ( No.56 )
日時: 2013/07/31 23:34
名前: モノクマ (ID: G2ENsTvw)

わ!!ついに殺しが!!殺されたのは超高校級の歌舞伎役者が殺されましたね…
おお、怖い怖い
そしてモノクマ、メタ発言(笑)
誰が殺したのか、楽しみです
では頑張ってください


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