二次創作小説(紙ほか)

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originalダンガンロンパ キャラアンケート 
日時: 2013/09/19 17:42
名前: 魔女の騎士 (ID: lMEh9zaw)

 皆様こんにちは。
初めましての方は初めまして。
以前、お付き合いくださった方はお久しぶりです。
編集などの都合で以前、別サイトに移転していたのですが、今回こちらでも活動を再会させていただくことになりました。
(わがままを言ってすみません)

 注意書きを読み、以下の内容にご理解いただけた方のみ、この作品を閲覧ください。



 最初に、公式とは一切関係ありません。
ダンガンロンパが好きで、その世界観に惹かれたファンの二次創作です。

 次に、モノクマを除いてすべてオリキャラのみのダンガンロンパになっています。
キャラクターの称号が公式と思いっきり被っていますが気に止めないでください。
(実はダンロン2公開前から執筆していたため、数名被っています)
また、本編【ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】と【ダンガンロンパ ゼロ】のネタバレが出る可能性があります。
クリアしていない方、苦手な方はお控えください。
なお、スーパーダンガンロンパ2のネタバレはありません。

 主人公は速水刹那(はやみ せつな)=[超高校級の警察官]とし物語は展開します。
 もちろんダンガンロンパであれば、推理やおしおきのシーンが前提としてありますが、作者は推理小説に触れたことがありませんので、無茶な推理や、矛盾点も多くありますが、ご了承いただけるようお願いいたします。
キャラ紹介の内容は話が進むごとに増えていきます。


以上のことを了解した方は、読み進めていってください。

……コメントいただけると喜びます(主に作者)





*お知らせ

>>96 >>97を追加 9/19
・次回の更新予定は未定です。

☆アンケート中 >>69 >>89

・コメント返信
>>17-18 阿部様
>>46-47 >>56-57 >>79 >>91-92 モノクマ様
>>50-51 >>58-59 >>67-68 >>79 >>82-83 >>84-85サニ様
 


プロローグ-
>>1

第一章 絶望のハジマリ
>>2 >>3 >>4 >>5 >>6
>>7 >>8

キャラクター紹介編
>>9-13
>>40 キャラクターイメージ

第二章 殺人ゲェム

一日目 日常編
>>14-16 >>19-21 >>22-24
>>25-27 >>28-30 >>31-33
>>34-36

二日目 日常編
>>37-39 >>41-43 >>44-45
>>48-49 >>52-53

三日目 (非)日常編
>>54-55 >>60-62 >>63-65

三日目 First学級裁判
>>73-74 >>75-76 >>80-81←おしおき編
>>86-87 >>88


キャラ劇場
>>90 >>93-94


第三章 サイコポップハイスクール

四日目 日常編
>>95-97

Re: originalダンガンロンパ ( No.12 )
日時: 2013/07/03 16:36
名前: 魔女の騎士 (ID: lMEh9zaw)


☆北条 花梨(ほうじょう かりん)

一人称:私(わたくし)
身長:163cm
体重:52kg
特記:お嬢様 

「お黙りなさい、みっともないですわよ」
「あらあら、そこの貴方。教養のなさがにじみ出てますわよ」

 有数の名家のお嬢様。
勉強、作法などはもちろん、バイオリンなども得意。
 小さい頃から厳しい指導をされたとはいえ、甘やかされて育ったため、わがままで傲慢。ある意味欲に忠実ともいえる。
自分にできることを相手に求める傾向がある。

CV.平野綾
涼宮ハルヒの憂鬱 ハルヒ
ぬらりひょんの孫 家長カナ



[作者&モノクマより]

 見た目からしてインパクトの強いいかにもお嬢様な女の子です。
なにせ縦ロール×4+センス+ヒラヒラですから。

「うぷぷぷ、大した画力もないのに、そんな設定つけちゃうんだから、ほんと、後悔先に立たずだよねっ」

 お前は引っ込んでろ。
 口調は丁寧語ですが、棘のある言葉をけっこう使います。
育ちはいいけれど毒舌家、といった雰囲気を感じ取ってくださればありがたいです。

「ドМなぼくにはたまりませんっ!」

……お前そんな設定あったけ?

「もっちろん、うっそで〜すっ!!」

 はいはい、ワロスワロス。
問題のありそうな性格ゆえに、なにかしら起こりそうと考えている方は多いと思います。
もちろん、そういう期待を裏切らない展開にしていくつもりなので、楽しみにしていてください。




☆アヤメ・ローゼン

一人称:私
身長:176cm
体重:57kg
特記:俳優 ♀

「うふふ、よろしくね、ボクサーさん」
「あら、いけない子ね」

 世界中の映画や演劇の舞台で活躍する若手俳優。
 思っているよりも気さくで、話術が上手いため、刹那とまとめ役に回ることも。
 年頃の女子とは思えない程、魅惑のプロポーションをみせつけていて、純粋で小さい子供をからかうのが趣味。
アヤメ・ローゼンは芸名らしい。


CV.遠藤綾
セーラームーン マーキュリー
テイルズオブヴェスペリア ジュディス


[作者&モノクマより]

 キャラクターが12人確定したところで、最後まで悩んだキャラクターの一人です。

「ぶっちゃけ、本当は20近くいたんだよね〜」

 案だけだとね。
 で、お姉さん系のキャラクター、物語を円滑に進めてくれそうな立ち回りのいい役が欲しかったので彼女を採用しました。
称号の超高校級の俳優、は妹から案をもらっています。

「おやおや、妹がいたなんて初耳なんですけど?」

 言う必要がないからな。

「ひっどいな〜っ。ぼくとお前の仲なのにそんな重要なことを言わないだなんて……がっかりだよ」

 いやそこまで仲良くないから! 
 さて、実は察してらっしゃると思いますが、彼女の本名はまだ明かされていません。
アヤメ・ローゼンはいわゆるニックネーム的なもので、こちらの方が世間に知れているので名乗っているだけなのです。

「つまり、本名がいずれ明かされるってことですね、どこかで見たことあるようなありきたり設定だよね〜!」

 ……まあね(呆れ顔)
そのときがいつになるかは物語でお待ちください。





☆大山 力也(おおやま りきや)

一人称:おい
身長:210cm
体重:120kg
特記:力士 ♂

「おいは……話すの……苦手、だ」
「元気なら……いいこと、だ」

 相撲界で活躍する山のようにでかい力士。
その巨大な腕から出される突っ張りは、
かつての優勝候補者を一撃で沈めたほどである。
 しかし、性格は優しくて縁の下の力持ち。
 喋ることが得意じゃないらしく、声は小さいことが多い。
でも、意思表示はハッキリする。


CV.八代駿(故人) 
ソニックアドベンチャー ビック・ザ・キャット
くまのプーさん プー



[作者&モノクマより]

 アヤメと同じく、最後の方でどうするか悩んだメンバーの一人です。
力持ち系の男子、とのことで素早く攻める安積と対比して重量系の人にしました。
巨体で大らかな性格から能力に国技である相撲を選択しています。
お相撲さんってみんな優しそうな顔してる気がするので←

「でも実は動かしづらくて、すっごく参ってるんでしょっ?」

 それは言わない約束だろ。
 喋るのが苦手なのは、本編の合間合間に挟む軽いおしゃべりなどで明かしていく予定です。
倒すには相当手間がかかる。
しかし、犯人にはなりそうもないですが……。

「うぷぷぷ……どうなるのか、たっのしみだね〜☆」

Re: originalダンガンロンパ ( No.13 )
日時: 2013/07/03 16:57
名前: 魔女の騎士 (ID: lMEh9zaw)

☆東雲 菊(しののめ きく)♀
    
一人称:わたし
身長:153cm
体重:40kg
特記:大和撫子

「……す、すみません」
「あの……わたし……。なんでもない…です」

 茶道、生け花、日本舞踊において極めた着物美人。
いつも鞠を持ち歩いている。
 昔の日本人の典型的な少女で内気で大人しく、引っ込み思案で積極的に発言することはない。
また、怖いものが苦手(特に主人公の刹那はもっとも苦手らしい)
小さい頃から体が弱く、よく体調を崩しては自室で休んでいる。


CV.能登麻美子
戦国BASARA お市
君にとどけ 黒沼爽子



[作者&モノクマより]

 最初から確定していたメンバーの一人。
能登さんのキャライメージで作ったといっても過言ではない女の子です。
だれにでも対して明るく素直な澪ちゃんに対して、内気でひっこみじあん、昔の日本人女性の謙虚さで違いをつけています。

「いいねいいねぇ、謙虚さは大事ですよ。
 けど、謙虚も度を越すとむかつくんだよねっ」

 お前は何を話しているんだ。 
 ちなみにですが、彼女は女性陣のなかで一番乙女です(きっぱり)
 京くんとは実家が近いので幼なじみかつ気になる人、のようです。
恋する乙女ってかわいいですよね。

「おおおおお、それはもしやフラ」

 はいはーい、野暮な突っ込みは入れないでくれませんかー(棒)
まあこの設定が本編にどう影響するかは……皆様のご想像にお任せします。




☆花月 京(かげつ きょう)

一人称:おれ
身長:163cm
体重:54kg
特記:歌舞伎者 ♂

「いいよなぁ、その身長」
「歌舞伎はおもしろいぜ。女形ばっかやるのは嫌だけど」

 小さい頃から舞台で活躍している歌舞伎役者。
人懐こい好奇心旺盛な青年で、ノリがいい性格。
歌舞伎は男のみしか参加できないので、女装もやってのけるが、本人は心底嫌な様子。
身長が低いことを気にしている。

CV.三瓶由布子
hack.//Link 九竜トキオ
交響曲エウレカセブン レントン


[作者&モノクマより]

 菊ちゃんとセットにして作った男の子です。
菊ちゃんが内気なので、京くんは社交てきでノリがよくしています。
 肝心の菊ちゃんとの関係ですが、残念なことに恋方面には向いてないようです。

「うんうん。一方通行の恋ってやつですな。
 分かる、分かるよぉ。ぼくもとあるウサギに恋をしてたからね」

 ふーん(棒)

「あれれ〜? なんか白い視線を感じますなぁ」

 そりゃ嘘だからな。というかメタ発言やめれ。
 しかし、京くんも体調やらなんやら、何かと気にかけてくれているようなのでチャンスはあるかも!?
 菊ちゃんとセットでお楽しみください。




☆石蕗 優(つわぶき まさる) ♂

一人称:ぼく
身長:158cm
体重:43kg
特記:シェフ

「食べたいものがあれば、いつでもおっしゃってください」
「大切な命を頂いてますから、残さず食べていただきたいんです」

 グルメの舌を唸らせる料理人。
一時的に、希望ヶ峰学園の食堂を経営したこともあり、当時は生徒や教職員で毎日行列ができていた。
 本人は謙遜しがちな性格で自分を褒めることは少ない。
優しい性格で料理の前には生き物たちに感謝をこめて必ず祈りを捧げている。

CV.桑島法子
薄桜鬼 雪村千鶴
ガンダムSEED フレイ・アルスター


[作者&モノクマより]

 最後まで悩んだメンバーの一人。
全体的に苗木くんたちよりも年下の設定なので、
小さく優しい男の子にしました。
能力の由来はダンガンロンパ/ゼロの一説をもとにしています。

「まあ、公式で出ちゃいましたけど」

 うん、そうだね。
 お料理の腕はもちろん一流で、細かい装飾のデザートを作るのが好き、という芸術的な面も持っています。
あと、食材になった生き物に感謝の祈りをささげるくらい慈愛の精神に満ちている、人当りのいいとてもいい子です。
悪役モノクマには嫌われそう……。

「うぷぷぷぷ…そんなわけないじゃないですか〜」

 どうなんだが。
 

Re: originalダンガンロンパ ( No.14 )
日時: 2013/07/03 16:58
名前: 魔女の騎士 (ID: lMEh9zaw)

 長くなりました。
本日のところはこれにて更新を終わります。

なにか質問や希望がありましたら遠慮なく書き込んでください。

Re: originalダンガンロンパ ( No.15 )
日時: 2013/07/04 09:20
名前: 魔女の騎士 (ID: lMEh9zaw)

『誰かを殺した生徒だけがここから出られる…』


 おれはモノクマの言っていた言葉を飲み込む。
幸い、まだおれはそれを受け止めるだけの余裕はあった。
しかし、他のみなはその言葉で完全に思考が止まっているように思えた。
あたりに漂った重い空気が、それを物語っている。


「しっかりしろ。おれたちがこのまま、こうして疑心暗鬼に睨み合っていては相手の思う壷だ」


 できるだけ声音を落とすように努めて、おれは全員に語りかけた。
 みなの顔が一斉におれの方に向く。
その表情はどれも怒り、不安や恐怖といったものに支配されていた。


「まずは出口を探そう。それに、ここがどこなのか調べるんだ。そうすれば、あいつの目をかい潜って逃げることができるかもしれない」


『逃げることができるかもしれない』

 その言葉に、希望を見出だしたのだろう。
みなの顔には光が戻っていた。


「……そう、だな。ありがとう、速水刹那。
 その可能性を忘れるところだった」
「ああ……。まだ、全部……決まってない、な」
「そうね。案外抜け道も用意されてるかもしれないし」
「具体的なことはどうお考えですか?」
「手分けしてここを調べるんだ。何があるか分からない。
 できるだけ、複数に分かれて探索しよう」
「それで犯人を見つけたら、即刻ボコボコだな!!」
「いや、相手が何を持っているか分からない。
 犯人とおぼしき人物がいても、一人で追いかけず、必ずだれかを呼んでくれ。いいな?」
「うん、分かった。えへへ、刹那君は頼りになるね」
「じゃあ、早速行きましょうか?」
「ちょっと待った。その前に、電子生徒手帳を確認しようぜ。
 モノクマの言ってた“校則”ってやつに従わなきゃ、首ちょんぱだろ?」
「首ちょんぱって……そんなえげつない言葉使いなさんな」
「だが、あいつならそうしかねないぞ。
 わたしたちに向かって殺し合え、なんて言ったくらいだからな」
「じゃ、その校則ってのを確認しよっかー」


 気の抜けた間宮の声に頷き、おれたちは手元にある電子生徒手帳を起動させる。

『速水 刹那』

 すると、最初におれの名前が浮かび上がった。
モノクマの言ったとおり、ここには持ち主本人の名前が表示されるらしい。


「えと……どうすれば、いい……ですか?」
「ん?菊は機械はダメか。じゃあ、教えてやんよ。みんな分かるか?
 右サイドの電源ボタンを入れて起動させたら、上から三番目の規則って書いてあるとこにタッチして開くんだぞ」
「えーと……こう?辰美ちゃん?」
「澪、それはみんなのプロフィール画面だろ。
 だからいったんメニュー画面に戻って……」
「さすが“超高校級のゲーマー”だな。もう使いこなせるのか」
「おれにはこれくらい朝飯前さ。さて、後分かんねーやつはいるか?」
「わ、悪い、笹川。わたしのも見てくれ」
「おいのも……頼む」
「了解。待ってろよ。見れるやつは先に見てていいんじゃないか?」
「言われなくとも、俺様はとっくに目を通している」
「私も、一足先に見ていますわ。非常に読んでいて気分が悪くなりますけど」


 まだ電子生徒手帳が上手く使えないやつは笹川に任せて、おれは表示されたメニュー画面の中から、“校則”と書かれたアイコンを選択する。

画面上に浮かび上がる箇条書きの文章。
これが“校則”だろう。おれは確認を終えると文字をたどっていった。



1.生徒たちはこの寮内だけで共同生活を行いましょう。共同生活の期限はありません。

2.夜10時から朝7時までを“夜時間”とします。夜時間は立ち入り禁止区域があるので注意しましょう。

3.就寝は2階に設けられた個室でのみ可能になります。他の部屋での故意の就寝は居眠りとみなし罰します。

4.寮内を調べるのは自由です。特に行動に制限は課せられません。

5.学園長ことモノクマへの暴力を禁じます。監視カメラ・鍵のかかった扉の破壊を禁じます。

6.仲間の誰かを殺したクロは“卒業”となりますが、自分がクロだと他の生徒に知られてはいけません。

7.なお、校則は順次増えていく場合があります。



 校則は以上……か。
おれは、最後に一度すべてに目を通してから顔を上げた。
見ると、他のみなも一様に渋い表情を浮かべている。


「これ、違反したらやっぱり殺されちゃう?」
「だったら破ったらどうだ?俺様も気になるところだ。
 供養は死んでもやらないがな」
「えー。せめて線香一本はあげてよ〜っ」
「突っ込むとこそこ!?」
「雅、絶対破るんじゃないぞ!
 そんなことで死ぬなんてわたしはごめんだからな」
「わわっ。まゆゆんごめんごめんっ。絶対破らないから、怒らないで」
「ちっ」
「おいおい、なんでそこで舌打ちするんだよ。可愛いレディが死ぬ姿なんて見たくないだろ?」
「こいつのどこが可愛いレディなんだ?うるさいだけのクソガキだろ?俺様は」
「それ以上は止めろ。きりがない」


 おれが不動と雅の間に入り、制止する。
すると、不動は腕を組んで呆れたように息をついた。
赤い蔑んだ彼の視線が向けられる。

おれは、別にそれでどうともしないが……まいったな、こいつは。


「あの、ちょっといいですか?校則の6番目の項目ですけど……これって、どういう意味なんでしょう?」
「後半の『他の生徒に知られてはならない』の部分よね?わたしも気になっていたの」
「……卒業したいなら、誰にも知られないように殺せ、という事ではありませんか?」


 確かに文面通りに受け取れば北条の言った意味だろう。
だが、これには他の意味も含まれている気がする。


「な、なんで……どうして……です?」
「そんな事、気にしても仕方ねぇよ。与えられたルールは守らないと命を落とす。それだけ気にしてりゃいい。
 あんな狂人の考えを理解するだけ時間の無駄さ、菊」


 笹川が東雲と一緒にルールを眺めながら、おれに視線を映す。


「……にしても、まさかお前が警察官だったとはな。正直、驚いたぜ」
「なっ!?」
「え?ちょっと待て!?どういう意味だ?」
「ああ。プロフィールにも大方目を通したんだが、そこにあったんだよ。速水刹那は“超高校級の警察官”ってな」


 笹川の言葉に全員が一斉に静まり返る。
その沈黙を破ったのは……一人の嘲笑だった。


「はははっ。警察官が捕まってるとは……とんだ喜劇だな?速水刹那っ!!」
「待って!刹那君だって知らない内に事件に巻き込まれたんだよ!仕方ないよっ!」
「仕方ない?仕方ないわけあるかっ!偉そうなこと抜かしやがって!事後じゃ何もかも遅いんだよ!!」
「っ」


 おれは何も言い返せず、声を荒げる不動を見る。
先ほどの件もあるのだろうが、おそらくは挑発の意図が大きいだろう。

 警察官であるおれが、犯人に捕まっている。
本来ならば、犯人を逮捕しなければならない立場で、これ以上の挑発はない。
だが、ここで何かを言えば、彼に言い訳と指摘されるだけだ。
 これ以上、無駄に争うわけにはいかない。
そのため、おれは不動の好きなように言わせておいた。


「税金で養ってもらってるいいご身分が、ずいぶんなザマだなぁ?ああ?」
「…………」
「おい!何か言い返さないのか!?」
「…………」
「ちっ。だんまりかよ……。もういい、てめぇらのお遊びに付き合ってられるか」
「どこへ……行く?」
「出口を探すんだよ。一人でな」
「おいおい。そりゃ、危ないだろう」
「他人を殺すしか脳のない、馬鹿な連中と一緒に行動するよりマシだ。役立たずの警察の言うことなんか、聞けるか!」
「君というやつはっ!!」
「まーくん待って!一人で、怖くないの?」
「っ。怖い……?はっ。教えてやろうか?一番怖いものってやつを」


 既に背を向けて歩き始めた不動は白衣をひらめかせながら、おれたちを赤い瞳で睨みつけた。


「この世界で一番怖いものは………人間ひとだ」


そう言って、凄んだ視線を戻すと不動は一人、小ホールを出ていった。
どこか重みのある、その言葉を残して。


Re: originalダンガンロンパ ( No.16 )
日時: 2013/07/04 09:21
名前: 魔女の騎士 (ID: lMEh9zaw)

「ありゃあ……ダメだな。完全にオレたちとは相容れなさそうだ」
「だなー……。おれ、あいつ苦手だわ」
「むしろ、あいつが苦手じゃないやつがいるのか?」
「あー……わたしは平気、かも」
「え?どうしてですか?」
「なんだろう。まーくんってああだけど、なんか訳がありそうっていうか……うーん……」
「雅歌音、止めておけ。同情しても彼には無駄だ」
「そうだな。したら最後、潰しにかかってきそうなタイプだな」
「それでも……やっぱり、心配だから行ってくるよ!それじゃ!」
「あっ。歌音ちゃん!」
「雅!?待て!!」


 雅が、それを追うようにして篠田が小ホールを出ていく。
おれたちは二人の背中を見送ってから、互いに顔を見合わせた。


「というか、すまん。ここまでのことになるとは思わず……迂闊だった」
「いや。隠していたおれが悪い。いずれは、ばれることだったからな」


 笹川が頭を下げようとするのを制し、おれは頭を抱える。
それから、確認のため電子生徒手帳のプロフィール画面を開いた。
 たどっていくと、確かにおれ個人はもちろん、他のみなの身長、体重、出身校などの情報とともに超高校級の能力が記載されている。
もちろん、おれのところは”超高校級の警察官”の文字が躍っていた。

 まさか、電子生徒手帳に他人のプロフィールが書かれているとは……考えもしなかった。


「隠していた?どうして隠していたの?」
「こういう事件が起こったとき、警察官が中にいるとなれば騒ぎも大きくなるだろう?
 不安に思う人間もいる。だから、敢えて話さなかった」
「なるほど。私たちの暴走を防ぐため、ですわね?先ほどの野蛮な方を出さないために」
「それじゃ、刹那くんは全然悪くないよ。わたしたちのために嘘をついてくれてたんだから」
「いや……。だが、捕まってしまったのは事実だ。不動にああ言われても仕方がない」
「でも、あいつだって捕まってんだろ?」
「みんな……同じ、だ」
「それに、警察がいるんなら心強いぜ。正直どうなるかと思うけど、お前がいるならなんとかなるかもだろ?」
「僕も、頼りにしてます」
「わたしも」
「僕もだ!速水刹那、だから君は気にする必要はない」
「ああ……。みな、ありがとう」


 おれの身分がばれたことは不覚だったが、おかげで結束は強くなったのだろうか。
こう捉えてくれると、おれとしてもありがたい。
残念ながら、不動はどうにもできなかったが……。


「それでは当初の予定通り、何人かで分かれましょう。今いない三人は考えずに」
「そうだな……三人ずつ別れよう。一組がこの体育館。もう一組が一階。
 あとの二組は二階でそれぞれ分かれて行動しよう」
「オッケー。分かったぜ」


 花月の声を合図におれたちは近くにいた者同士で、三人の組を作り始めた。
 まず……


「速水刹那、僕と一緒に行こう!」
「ああ」
「刹那くん、わたしもいいかな……?」
「ああ、一緒に行こう、安積、米倉」


 一組目はおれ、米倉、安積。


「よーし!おれたちは二階行くぞ!」
「は、はい……京くん」
「はは。暴れて怪我すんなよ?」


 二組目は花月、東雲、笹川。


「それでは私たちはこちらを調べましょう」
「りょーかい」
「ええ。いいわよ」


 三組目は北条、間宮、アヤメ。


「なんだぁ?野郎ばっかりじゃないか、ここ!!」
「いや……か?」
「そりゃ、オレとしてはレディの一人や二人は」
「御剣隼人、文句を言うな!!」
「けっ。わーったよ。行ってやるさ男どもと!!」
「あはは……。それでは、僕たちは一階を探してみますね」


 四組目は御剣、大山、石蕗。
 これで全員分かれたな。


「もう一度言う。犯人を見つけても決して深追いするな。何かあったら、必ず他の組の人間にも知らせてくれ。
 一通り調べ終わったら、ここに集まろう」
「はい」
「それじゃ、探索を開始するぞ!」


 安積の言葉に一同は頷き、早速割り当てられた場所に向かう。
 出口はあるのか?ここはどこなのか?一体、何があるのか?
おれたちには知らなければならないことが多い。


(……みな、無事でいてくれ)


 先ほど出で行った三人の無事も祈りつつ、おれは警戒をしながら安積と米倉を率いて二階への階段を上っていった。


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