二次創作小説(紙ほか)

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originalダンガンロンパ キャラアンケート 
日時: 2013/09/19 17:42
名前: 魔女の騎士 (ID: lMEh9zaw)

 皆様こんにちは。
初めましての方は初めまして。
以前、お付き合いくださった方はお久しぶりです。
編集などの都合で以前、別サイトに移転していたのですが、今回こちらでも活動を再会させていただくことになりました。
(わがままを言ってすみません)

 注意書きを読み、以下の内容にご理解いただけた方のみ、この作品を閲覧ください。



 最初に、公式とは一切関係ありません。
ダンガンロンパが好きで、その世界観に惹かれたファンの二次創作です。

 次に、モノクマを除いてすべてオリキャラのみのダンガンロンパになっています。
キャラクターの称号が公式と思いっきり被っていますが気に止めないでください。
(実はダンロン2公開前から執筆していたため、数名被っています)
また、本編【ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】と【ダンガンロンパ ゼロ】のネタバレが出る可能性があります。
クリアしていない方、苦手な方はお控えください。
なお、スーパーダンガンロンパ2のネタバレはありません。

 主人公は速水刹那(はやみ せつな)=[超高校級の警察官]とし物語は展開します。
 もちろんダンガンロンパであれば、推理やおしおきのシーンが前提としてありますが、作者は推理小説に触れたことがありませんので、無茶な推理や、矛盾点も多くありますが、ご了承いただけるようお願いいたします。
キャラ紹介の内容は話が進むごとに増えていきます。


以上のことを了解した方は、読み進めていってください。

……コメントいただけると喜びます(主に作者)





*お知らせ

>>96 >>97を追加 9/19
・次回の更新予定は未定です。

☆アンケート中 >>69 >>89

・コメント返信
>>17-18 阿部様
>>46-47 >>56-57 >>79 >>91-92 モノクマ様
>>50-51 >>58-59 >>67-68 >>79 >>82-83 >>84-85サニ様
 


プロローグ-
>>1

第一章 絶望のハジマリ
>>2 >>3 >>4 >>5 >>6
>>7 >>8

キャラクター紹介編
>>9-13
>>40 キャラクターイメージ

第二章 殺人ゲェム

一日目 日常編
>>14-16 >>19-21 >>22-24
>>25-27 >>28-30 >>31-33
>>34-36

二日目 日常編
>>37-39 >>41-43 >>44-45
>>48-49 >>52-53

三日目 (非)日常編
>>54-55 >>60-62 >>63-65

三日目 First学級裁判
>>73-74 >>75-76 >>80-81←おしおき編
>>86-87 >>88


キャラ劇場
>>90 >>93-94


第三章 サイコポップハイスクール

四日目 日常編
>>95-97

Re: originalダンガンロンパ ( No.37 )
日時: 2013/07/16 16:16
名前: 魔女の騎士 (ID: lMEh9zaw)

│─────────────────────────────────
 │     石  米  東  花
 │     蕗  倉  雲  月
 │
 │─────────────────────────────────
 │   │
 │   │
 │   │
 │ ? │   │─────────│
 │   │   │         │
 │   │   │ 安  雅  不 │
 │   │   │ 積     動 │
 │   │   │         │
 │   │   │─────────│
 │   │   │ 北  笹  大 │
 │   │   │ 条  川  山 │
 │   │   │         │
 │   │   │─────────│
 │ 間 │
 │ 宮 │
 │   │
 │─────────────────────────────────
 │     速  御  篠  ア
 │     水  剣  田  ヤ
 │              メ
 │─────────────────────────────────







 希望ヶ峰学園に来て二日目。
 朝日のない部屋で、早々目が覚めてしまったおれは昨晩書いたノートの内容を確認することに勤しんでいた。
昨日、明らかになったことや疑問はさておき、現時点で調べられそうな箇所に検討をつける。
おれがまだ直に調べていないのは、食堂と他の個室だ。
おそらく、なにか手掛かりがあるとすれば……16人目の無人の部屋が怪しいだろう。
もしかしたら、なにもないかもしれないが、誰の目にも触れられていない場所だ。
何か残っているかもしれない。

 キーンコーンカーンコーン………
『オマエラ、おはようございます! 朝です、7時になりました!
 起床時間ですよ〜! さぁて、今日も張り切って行きましょう〜!』

 ……朝か。
おれはモニターに映ったモノクマの映像を睨みつけると、ノートをそっと閉じた。


(シャワーを浴びるか……)


 昨晩入り損ねたことと気を紛らわすことも兼ねて、着替えを手にシャワールームに入る。
ご丁寧にも、クローゼットに入っていた着替えはどれも同じで、おれにぴったりのサイズだった。
なぜ犯人がこんなことを知っているのか、理由は分からない。
ただ、考えても事件に直接的な関係はなさそうなので、その件については保留することにしていた。

 熱いシャワーを浴び、手早く洗髪、洗顔、着替えを済ませる。
そうして、濡れた髪をタオルで拭きながら、着用済みの服を持ってシャワールームから出た、そのときだった。

ピンポーン


「ん?」
「速水刹那、僕だ。起きているか?」
「ああ」


 反射的に身構えるものの、すぐに聞こえてきた声に、肩の荷を下ろす。

 安積だ。
タオルを首にかけ、手持ちぶさたになった手でドアを開ける。
予想通り、そこにいたのは顔を強ばらせた超高校級のボクサー、安積闘真だった。


「ん、濡れているな? シャワーを浴びていたのか?」
「ああ、昨晩に入れなかったんでな……。何か用か?」
「朝食ができたから呼びにきたんだ」
「……一人か?」
「ああ? 食堂に石蕗優一人では心配だからな。大山力也に待機してもらっている。
 それに、僕は僕らをここに閉じ込めた卑怯者に負けるほど弱くはないからなっ!!」


 何かあったのか。安積は有無を言わせない勢いで言い切ると、拳を強く握りしめる。
 現状からすれば、安積の持論に賛成することはできないのだが……ひとまず、彼を一人にさせるべきでないことは明らかだった。
 今の安積が犯人に出会ったとしたら、入学式のときのような事態を招くだろう。


「……そうか。それなら、おれも一緒に回らせてくれ。一人では危険だ」
「ああ、もちろんっ! 君と一緒なら心強いよっ!!」


 張りつめた安積の頬が緩み、すぐさま笑みに変わる。
それに、内心おれは胸をなで下ろすとコートを着てから、部屋の外に出ていった。



 昨日と同じ蛍光色のライトに照らされた廊下では、朝の清々しさというものはまるで感じられない。
それどころか、未だにこの悪夢のような現状が現実であることを思い知らされる。


「おー、刹那じゃん。おはよーっ」
「……」


 廊下に出たところで声の方向、一階への階段のある方向に顔を向ける。
そこには、大きく手を振っている花月と深く頭を下げている東雲がいた。


「二人はさっき僕が起こしたんだ」
「そうなのか。おはよう、花月、東雲。よく眠れたか?」
「正直あんまり眠れてないわ。朝からおつかれさん」
「いいや、気にしないでくれ。僕が好きでやってることだ。食堂で会おう」
「オッケー、じゃあなっ」


   花月と東雲の姿が階段に消える。
その姿を見送ってから、おれたちは皆を起こしに回ることにした。
安積の話によると、既に起きていたのがアヤメ、大山、石蕗、花月と東雲の五名。
まだ起こしに向かっていないのは御剣、篠田、北条、笹川の四名。
起こしにいったが留守なのか、起きていないのか分からないのが、不動、間宮、雅、米倉の四名、だそうだ。


「まずは他のメンバーから起こしていくつもりだ。
 最後に間宮式、雅歌音、米倉澪をもう一度回る。これでどうだろう?」
「ああ、それで問題ない」
「よしっ。では、早速いくぞ。まずは御剣隼人からだ」


 御剣隼人はちょうどおれの隣の部屋にあたる。
近いところから順次回っていくつもりのようだ。


「分かった。いこう」


 頷き返し、安積が踵を返す。
こうして、おれは安積と共に皆を起こしいくことになった。


Re: originalダンガンロンパ ( No.38 )
日時: 2013/07/18 07:44
名前: 魔女の騎士 (ID: lMEh9zaw)

—御剣隼人と北条花梨の場合

「御剣隼人、起きないか!! 朝だぞ!!」

ピンポーンピンポーンピンポーンッ!!!!!

「だーっ!! なんだよ朝っぱらからっ!!
 しかもかわいいレディじゃなくてお前さんかよっ。ほんっとついてねえええええっ」
「早く出てくるんだ。もうご飯ができてるぞっ」
「やだねっ。どうせ時間なんてありあまってんだから、もう少し寝たっていいだろっ」
「そんな生活をしていたら、いつか後悔するぞっ! 
 起きるんだっ!!」
「うるせえ、ほっとけっ」


 売り言葉に買い言葉、といったところだろうか。
どうも、御剣はテコでも出てくる気はないらしい。
安積が再びチャイムを何度も鳴らしているが、沈黙を保っている。
さすがに、いつまでもそうやっている訳にはいかないため、おれが別のメンバーを起こしにいくことを提案しようとした、そのときだった。


「あら、速水様、安積様、ごきげんよう」
「ああ…北条か。おはよう」
「朝から騒がしいですが、何かありまして?」
「御剣が起きてこなくてな。いま安積が起こしたのはいいんだが、もうしばらく眠りたいと」
「あら。それはいけませんわね。
 私のボディガードの癖に、眠っているだなんて」
「げっ。そ、その声はまさか……花梨ちゃん?」


 扉ごしから、凍りついたような御剣の声がもれる。
昨日から、北条と行動を共にしている間になにがあったかは知らないが、少なくとも穏やかでないことは理解できた。


「呆れましたわ、御剣様。やっぱりあなた様には私のボディガードなんて務まりませんわね。契約破棄させてもらいますわ」
「ちょちょちょっ、待ってくださいって。
 すぐに起きますから、出ますからっ」
「だったら早く身支度を整えて出てきなさい。
 一分も待たせたら即座に首を切りますわよ」
「わ、分かりましたっ。すぐに出ます、今すぐ出ますからっ!!」

バタバタバタッ……


 忙しい足音がその場に響きわたり、おれは北条の方を見やる。
 北条はロールした亜麻色の髪を揺らしながら、どこか退屈そうな様子で肩を落としていた。
 

「北条花梨、感謝する!!」
「別に、大したことじゃありませんわ。こちらの都合です」
「そうか。それじゃあ、また食堂で会おうっ」
「ええ、またのちほどお会いしましょう」



—笹川辰美と米倉澪の場合

「ふぁああ〜。なに、もうそんな時間?」
「笹川辰美、なんだその声はっ。だらしないぞっ!」
「相変わらず、朝からやかましいやつだな……。
 おーい澪、起きろよー」
「…米倉がいるのか?」
「ああ? あ、そうそう、泊まり込みってやつ。
 一人のベットで二人寝てさ。ほら、あそこにいるだろ?」


 笹川がそう言って親指を向けた先には、ベッドの上にある白くて丸い塊があった。
一定の間隔を空けて膨らみ、縮むことを繰り返している。
 どうやら、米倉はまだあそこで眠っているようだ。


「ほんと、澪の抱き心地は最高だぜ〜? 暖かいし柔らかいし」
「き、君はなんてことをしているんだっ!! そんなことをして恥ずかしくないのかっ!?」
「あぁ? 女子同士だし問題ねーだろが?
 それともなにか、嫌らしいことでも想像したのかな、闘真くん?」
「なっ! そっ、そんなこと、断じてあるかっ!!」
「安積、その辺で……」


 本当に仲がいいのか、悪いのか。
おれは再度口論になりそうな二人の間に割ってはいると、笹川に要件を告げた。


「笹川、米倉を起こしたら食堂に向かってくれ。朝食ができている」
「あいよ。やっぱ、刹那は話が早くて助かるわ。
また後でな、お二人さん」
「むうっ!」
「安積、行こう」
「……ああ。分かった」



—篠田眞弓と雅歌音の場合

「すぴー……むにゃむにゃ……。もう食べれないよぉ……」
「悪い……雅は後で引きずっても連れていくから、今は見逃してくれ」


篠田はそう言って、彼女のベットで大の字で眠っている雅を一別する。
彼女の話によると、先ほどのモノクマのアナウンスが流れてから何度も起こしにかかっているものの、まったく起きないらしい。
現に雅は今も寝言を呟きながら大きく寝返りをうっている。
なにも変哲もない日常なら苦笑するところだが、この状況下だ。
あそこまで熟睡できるとかえって羨ましい。


「分かった。……大変だな」
「ああ。……まぁ、なんとかするさ。わざわざありがとう」
「どういたしまして。それでは、また食堂で」
「了解した。またあとで」


Re: originalダンガンロンパ ( No.39 )
日時: 2013/07/18 07:38
名前: 魔女の騎士 (ID: lMEh9zaw)

—間宮式の場合

「間宮式、起きるんだ!」
「…やはり、起きないな」
「やはり? それはどういうことだ?」
「昨日、おれと米倉が迎えに行ったときもこうだったんだ。
 そのときは数式を解くのに夢中になっていて、まったく気づかなかったんだが」
「じゃあ、今回もその可能性があるんだな。そのときはどうしたんだ?」
「モノクマを呼んだ。やつはマスターキーを所持している。
 それでどこの部屋でも開けられるらしい」
「では、今回もそうするしかないのか?
 僕としては、あんなやつに頼るなんて御免だが……」


 いかにも不服そうに安積は顔をしかめてみせる。
できることなら当然、おれもやつを呼ばずに事をすませたい。
だが、そいつはおれたちを見透かしたかのようにやってきた。


「ああ、なんて君たちはおバカさんなんでしょうっ」
「モノクマッ!?」


 背後から話しかけられ、とっさに振り返る。
白と黒のクマのぬいぐるみ。
間違いなくモノクマがそこにはいた。


「この学園でボクほど頼りがいのある存在はいないのに……
 ほんっと、君たちは頭が悪いねえ。呼んだらすぐこうやって来てあげるのにさ」
「だれが、貴様みたいな卑怯者にっ!!」


 噛みつかんばかりに安積が叫ぶ。
朝から気になっていたが、安積はどうもやつに強い敵対心を抱いているようだった。
拳を強く握りしめ、モノクマをギラギラとした瞳で睨みつけている。


「やれやれ。強がっちゃって。
 まあ、ボクがここで助けちゃうと今後の君たちのためにならないしねぇ〜。
 愛のムチとはいえ、生徒が困っているのを見ているだけっていうのは辛いね〜っ」
「なっ! お前のようなやつに生徒呼ばわりされる筋合いは」
「安積、落ち着けっ」


 モノクマの挑発にのりそうな安積を後ろに押し込み、前に出る。
 性質(たち)の悪いこいつのことだ。
安積が自らにとびかかってくるように仕向けているのだろう。
モノクマに対する暴力は校則の五項目に違反。
違反した者には容赦のない”おしおき”。つまり、思いのまま殺すことができるという意味だ。
警官としても、友人としても、見過ごすわけにはいかない。


「悪いが、用が済んだのなら、とっとと出払ってもらえないか?
 こちらはいま取り組み中なんだ」
「ちぇっ、ひどいなぁ。そうやってまたボクをないがしろにするんだから。
 でも、先生負けないぞぉっ!! それじゃ、まったね〜っ!」
「っ。待てっ!! のわっ!?」


 どこからともなく白い煙が噴出し、モノクマの姿が視界から消える。
それから数秒も経たないうちに煙は晴れ、目の前には蛍光色のライトに照らされた廊下が広がっていた。

 ……どうやら、やつは撤退したようだ。
ひとまず、無事であったことに胸をなで下ろし、おれは再び間宮の部屋の扉に向き直る。
 モノクマを追い払えたなら、後の問題は間宮がいることを確認するだけだ。


「あら、二人とも。こんなところにいたのね」
「アヤメ・ローゼン!? 君がどうしてここにいるんだ?
 先に食堂にいただろう?」
「ええ。でもあなたたちが来ないから、一応きたのよ」
「……一人で、か? あまり感心しないな」
「うふふ、そうかもね。ところで、どうかしたの?」
「間宮が部屋から出てこないんだ。チャイムも鳴らしているが、返事もない」
「あら、いけない子ね。それじゃ、わたしに任せてもらえる?」
「別にかまわないが……どうするんだ?」
「見ていれば分かるわ」


 アヤメはおれたちにウインクを投げると、インターホンを押す。
それから、彼女はひと呼吸おくと空気が震えるような声でこう叫んだ。


「間宮、世紀の大発見よっ!! 新しい数式が見つかったんですってっ。
 いまから食堂でその話があるそうよ、早く起きなさいっ!!」
「アヤメ、それ本当っ!!!?」


 アヤメの迫真の演技から間を置かず、目を輝かせた間宮が飛び出してくる。
 ちょうど今起きたところなのだろう。
寝癖で髪があちこちにはね、サイズの大きい白衣は紙のようにくしゃくしゃになっている。


「一体どんな式なの!? 常識が覆るくらいすごいのっ!?」
「うふふ。残念、嘘よ」
「……えっ?」


 アヤメの笑みに、彼は全て悟ったらしい。
 間宮は最初ぽかんと口を開けていたが、すぐさま崩れ落ちるようにその場に倒れ込んだ。


「…アヤメの嘘つき〜っ」


うつ伏せのまま、じたばたと手足を動かす。
……まるでだだをこねる幼い子どものようだ。


「間宮、いくぞ」
「そうだ間宮式! いつまでもうつ伏せってないで、早く行くぞ!
 君で最後なんだ!!」
「や〜だぁ〜。もう動けないよ〜。眠いよ〜」
「わがままを言うんじゃないっ!」
「い〜や〜だぁ〜っ!」
「むっ…。まいったな」
「……ああ」

 相当騙されたのがこたえているのか、間宮は喚くばかりで絶対に動こうとはしない。
とは言え、この場に置いていくわけにもいかないので、どうしたものかと安積と顔を合わせた、そのときだった。


「あら、朝ごはん食べないの?
 それじゃ間宮の分のご飯、わたしが食べちゃおうかしら」
「え……」
「今日の朝ごはんはフレンチトーストなんだけど……食べないのなら仕方ないわよね」
「フレンチトーストっ!?」
「石蕗がせっかく作ってくれたもの。わたしがおいしくいただくわ」
「まっ…待ってっ!」
「あら、なあに?」
「僕フレンチトースト食べるからっ。だから、食べないでっ」
「本当?」
「うん、食べるっ!」
「じゃあ、朝ご飯にいきましょ」
「うんっ」


 先ほどまでテコでも動かなかった間宮が自ら立ち上がり、アヤメの後ろについていく。
その光景におれたちはただ呆然とするだけだった。


「さすが超高校級の俳優だな」
「いや…あれは俳優であるかどうかは関係ないと思うが」


 そんな会話を交えながら、おれたちも二人に続き一階の階段に向かって歩き始める。
 確か雅の話では、二人がお似合いという話だった気がするが、
どちらかと言えばあの二人は母親とその子どもという方がしっくりくる。


(とにかく……大事がなくてよかった)


 見ていて微笑ましい後ろ姿を見ながら、久しく穏やかな気持ちで食堂に戻っていった。


Re: originalダンガンロンパ ( No.40 )
日時: 2013/07/18 14:17
名前: 魔女の騎士 (ID: lMEh9zaw)
プロフ: http://akanohadou.web.fc2.com/oridann-character.html

キャラクターのイメージイラストです。
左が妹、右がわたしが描いています。
数名抜けていますが書き足していく予定です。


皆さんのイメージと合ってますかねぇ……。

Re: originalダンガンロンパ ( No.41 )
日時: 2013/07/20 09:36
名前: 魔女の騎士 (ID: lMEh9zaw)
プロフ: http://akanohadou.web.fc2.com/oridann-character.html


 朝食を済ませた後、今回は各自、自由行動をとることになった。
まだ見ていないところを調べるのもよし、誰かと共に過ごすのもいい。
この場合、おれは間違いなく前者の人間だった。
新しい関係を築くことが苦手なこともあるが、一刻も早くこの現状を打破したい。
その気持ちが大きかった。


「……やはり、開かないか」


 二階の西側、皆の部屋が集まっている寝室の一角にある名前も、プレートも存在しない扉の前でおれは肩を落とす。
ここにも鍵がかかっているらしく、ドアノブを回して押しても引いても扉はびくともしない。
校則で捜査は自由と謳われているが、実際施錠されてる場所が多いだけに、モノクマの思いのまま制限されている点は否めないだろう。


(わざわざ施錠するということは、なにかあるのか……?)


 おれの予想が正しければ、この部屋は本来おれたちとクラスを共にするはずだった16人目、超高校級の怪盗の部屋になるはずだ。

 相変わらず、どうしてやつがこの場にいないのか分からないが…各国の警察や防犯技術者たちが総動員しても捕まえられなかったやつだ。
入寮式でも15名と名言しているところ考えると、モノクマといえど、やつを捕まえられなかったのかもしれない。
あるいは、入学する予定だったが拒絶したのか……。
色々と考えられることはあるが、これ以上この場にいても進展がないことは明らかだろう。


(別のところを調査するか……)


 ほぼ調査が終わった現段階では、改めて一度調査した場所をやり直すのもいいかもしれない。
特に…不動の言っていた部屋にある毒の件については。


「刹那くんっ」
「…米倉?」


 足音が聞こえたと同時に廊下の角から長い金の髪を揺らして、米倉が現れる。
慣れない運動をしたせいなのか、彼女の息は少し荒かった。


「どうした? 急いでいるようだが……」
「はぁ…はぁ…うん。みんなが扉を一生懸命なんとかしようとしているから、刹那くんにも手伝ってもらえないかな…って…」


呼吸を整え終え、米倉が顔をあげる。


「わたしじゃ、邪魔になるから…こうしてみんなを呼びに行ってるの」
「なるほどな。だが、こんなところに一人でいるのはあまりよくないぞ」
「あっ…ごめんなさい。次は気をつけるね。……あれ? でも刹那くんも一人だよ?」


 申し訳そうに首をもたげていた表情から一転し、米倉は小犬を思わせるような仕草で首を傾げてみせる。

 そういえば、確かにおれも単独行動をしていたな……。
 他人に注意しておいて、自分ができていないことにおれは内心苦笑する。
言い訳を言わせてもらえるのであれば、一人の方が調査に集中しやすいためだが、
そうは言えど、それが自分の言う”危険な行為”には違いない。


「そうだな…おれも気をつけよう」
「うん、お互い様だね。あ、ところで刹那くん。話を戻すけど、受付前に来てもらってもいいかな?」
「そうだったな。もちろんだ。
 それに…いきなりあんたに約束を破らせるわけにもいかないからな」
「あっ…。ありがとう、刹那くん。それじゃ、行こう」
「ああ」


 米倉の隣に並び、おれはできるだけ歩幅を合わせて歩き出す。
どうしてか、こうして歩くことが自然な気がしてならなかった。




‐受付横、玄関前

 扉の前には思っていたよりもかなりの人数が集まっていた。
安積を始め、大山といった力の強い者や御剣、花月などの男子や笹川といった扉を懸命に叩いているグループと、
アヤメ、東雲、北条、間宮といった彼らを見守るグループが混在している。


「みんなー、刹那くんが来てくれたよーっ」
「おーっ。サンキュー米倉っ!」
「刹那か。ありがたいね」
「喜んでもらえるのはありがたいが…あまり過度な期待はしないでくれ」
「いやいや、そこんじょそこらの男どもに比べりゃ、かなりありがたい存在だからな」
「おいおい辰美ちゃん、そりゃないでしょ」
「事実ですわ」
「花梨ちゃんまで……」
「御剣隼人、手を休めるなっ!」
「だーっ!! 分かってるっての!!」


 御剣ががっくりと肩を落とす隣で安積の叱咤が飛ぶ。
見ると、安積や大山がそれぞれジャブ、つっぱりを繰り出し、
かたやもう一方では御剣、花月、笹川がパイプ椅子を持ち寄って叩いているが、
出口を塞いでいる扉は乾いた音が鳴るだけで、傷一つついていない。


「ぜぇ…ぜぇ……。やっぱ全然びくともしねえな」
「ああ……。傷も…ついて……ない」
「ぜえ…ぜえ…。ほんっと、まじで装甲厚いときてんなこれ。超○金Zかよ」
「はぁ…なんのこれしきっ」


 長い間やっていることに加えて、手応えもないためか、
扉を破壊しようとしているメンバーはかなり体力を消耗している様子だ。
見た目に違わず、この扉が丈夫であることが伺える。


「すまない、少しの間どいてもらえないか?」
「あら、何か策があるの?」
「一応、な」


 一時前衛にいる皆には休んでもらい、おれは扉の前に立った。
遠くから見ても、おれの身長をゆうに越える大きさだと分かるが、間近であるとより一層、大きく見える。

 まず、おれは確認のため、扉に触れてみた。
指先をとおして、冷たい金属の感触が伝わってくる。

(……本物の鉄だな)

 過去にFBIの潜入捜査で、何度かこういう扉に当たったことがある。
このような扉がある場合、第一の選択としては爆弾を用いた爆破や、レーザーカッターなどによる切断が選ばれるが、あいにくそのような道具はない。
となれば、現状で選べる最もな選択肢としては最も装甲が薄い部分を探すこと。
当然、それでも物理的にほぼ不可能に近いが、それでも闇雲に打ち込むよりは確実だろう。


「………」
「刹那くん、どう?」
「……そうだな」


 手の届く範囲で扉に触れたり、耳を当てて試しにノックしてみるものの……特に装甲が薄い場所はない。
鍵穴と思しきものも存在していないことから、この扉は玄関の前に設置されたものか、玄関を取り壊して設置されたものであることが分かる。
こうなると、残念ながら人の力でどうなるものではない。


「…かなり厳しいが、やってみよう」


 結果はほぼ予想できるが、念のためおれは扉からある程度、距離をとって意識を集中させる。
そうして、おれは踵からの回し蹴りを数回、叩き込んだ。


カーン………カーン……


鉄扉が鈍い音を立て、脚に衝撃が走る。
その後も何度か試してみたが、予想通り、まるで手応えがない。


「おおおっ。すっげーっ! やっぱ本場は違うな!!」
「喜んでる場合でして?」
「こうなったら全員で体当たりだ!!」
「おいおいおいおい、そもそもお前さんの拳とか大山のつっぱりとか今の速水の蹴りでもどうにもならなんだぜっ!?
 今さらそんなのどうにもならないってのっ!!」
「そんなの、やってみなきゃ分からないじゃないか! 諦めたらそこで終わりだぞっ!!」
「それはそうかもしれないけど、物理的に破壊するのは無理じゃないかしら?
 安積も聞いていたでしょう。速水がかなり厳しいって言うことは、つまりほとんど無理ってことじゃないかしら?」
「む……。やはり…そうなのか?」
「ああ……。正直、人の力でどうにかなるものじゃない」


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