二次創作小説(紙ほか)

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東京喰種re ーもう一人の半喰種ー 第二部開始!
日時: 2016/05/09 00:58
名前: 竜 ◆CmqzxPj4w6 (ID: Rebn9tUA)

ここは人が多く住む街 ー東京ー

ここには人間と

人間を喰らう喰種が存在している


これは人間と喰種の間に産まれ

人間と喰種の戦いに身を投じ

様々な運命と戦いながら己の生きる道を探す奇跡の双子の物語である。






※タイトル変更しました






どうも、忙しくて若干疲れぎみな掛け持ち大学生作者の竜でございます。
今回は最近、アニメと漫画を視聴・読破し、一気にハマってしまった東京喰種の二次創作を書きます。(映像で予定していましたが書けないようなのでこちらで更新する予定です。たぶんあっちはロックします。)

設定

・オリキャラ主人公及びオリキャラ組織あり
・死亡表現あり
・if設定あるかも
・物語は基本原作沿い
・原作キャラも出す
・オリ設定若干あり
・更新少し遅い(掛け持ちしているため&大学生だから)

こんな感じ。(増やしたり減らしたりするかも)


主人公

名前 皐月香苗
性別 女
年齢 19
性格 比較的温厚な性格。ただ争いとなると好戦的となる。ただ仲間や弟を大事にする。統率力があり慕われる。
容姿 身長180ぐらいの長身。紙は黒よりのセミロング。胸はFぐらい。

能力
赫眼 右目

赫子 羽赫・鱗赫・尾赫を扱う(上手く出し入れ可能。ただし羽赫のみあまり機能しない)

赫胞 羽赫 二つ(正常機能を練習中)
   鱗赫 四つ
   尾赫 一つ
赫子の形状
羽赫 蝙蝠の羽のような形状、少し鍵爪
鱗赫 鋭利な突起
尾赫 二股に別れた鍵爪形状

設定 人間と喰種の間から産まれた喰種。ハイブリッドのため片目のみ赫眼。喰種としては珍しく3つの赫胞・赫子を持っている。父親を喰種に喰われ母親を謀殺されたため人間と一部の喰種を恨んでいる。母親の旧友・芳村の計らいであんていくに勤務している。四方さんに武術を鍛えてもらっている。あんていくに勤務の傍ら様々な区に渡り歩き同士を集結、謎の喰種集団「漆黒の翼」を結成、その大将を受け持つ。「アオギリの樹」とは時に共同・時に敵対している。アオギリの幹部・タタラとはライバル関係だが交友関係でもある。マスクが犬をモチーフにしているためCCGからはSSレート「ケルベロス」の名がついている。


弟も

名前 皐月飛燕
性別 男
年齢 19
性格 好戦的だが姉主義のシスコン。仲間を大切にする。統率力はあまりないが頭脳明晰。
容姿 身長178ぐらい。華奢な細身体型だが弱くはない。髪は蒼よりのセミショート。

能力
赫眼 左目

赫子 甲赫・鱗赫・尾赫(上手く出し入れ可能。ただ尾赫のみ機能しない時がある。)

赫胞 甲赫 二つ
   鱗赫 四つ
   尾赫 一つ(正常機能の練習中。)
赫子の形状
甲赫 カブトムシの背中のような形状
鱗赫 鍵爪の形状と鋭利な突起。左右に1つずつ。
尾赫 鋭利な突起

設定 香苗の弟。(産まれるのが遅かったため弟)赫眼は左目。幼い頃から姉に守られて育ってきた。姉と同じくあんていくに勤務している。情報収集の為に姉とは1日置きにシフト交代している。謎の喰種集団「漆黒の翼」の副大将兼参謀。姉とは違い嗅覚に特化している。龍のマスクをしているのでCCGからはSSレート「ティアマト」の名がついている。腹が減ったときの肉調達担当。アオギリのアヤトとはライバル関係だが交友関係でもある。ヤモリが大嫌い。

W主人公はこんな感じです。

こちらが第二部から登場する主人公ポジション(メンター)。

名前 九重焔
性別 女
性格 冷静に物事を判断する。ただ狂うと手が付けられなくなる。
年齢 25
容姿 巨乳のスレンダー美女。Fカップの189cmぐらい。デニムをよく履いていて上はベストが主体。
赫子の種類 鱗赫と羽赫
鱗赫・・・サソリの尾のような形状。周りに無数のとげを出し入れすることができる
羽赫・・・悪魔の羽をモチーフにしている。少し霧状のため、あまり飛べない。霧状からスコールのような弾丸を放つ。

五感の強化箇所 聴覚

Rc値 2958
赫眼は左右どっち? 左
捜査官の階級 一等
クインケ ホラン Å+
どんなクインケかの説明 日本刀のようなクインケ。しなるように作られているため鞭にもなる。
設定 佐々木琲世と同じく半喰種。製造者は嘉納。佐々木より早く捜査官として育てられていたが、クインクス班ができるまでCCGでは極秘事項として扱われていて、公になったのはつい最近。今までの情報や資料を基にプロファイリングすることを得意とし、数々の喰種事件を陰からサポートしてきた。CCG内でも『プロファイリンガー焔』の異名がついている。
クインクス班のメンターに任命されてからは指導を主にしていて捜査は班長や班員に基本的に任せている。個人自身の実力としては昔、有馬班に所属していたが、実力は佐々木とほぼ同レベル。だが、喰種としての力を使うときは情緒が狂い、沈静弾を10発ほど当てないと喰種としての破壊衝動を抑えられない。喰種としてのレートはSS++という特殊なレート。佐々木より格段に強い。
子供のころからの記憶はなく、唯一覚えているのは男のように生きろと言われた父の言葉のみ。焔という名前はそこから由来し、改名している。(昔の名前は遥香)赫胞は利世の物と霧島絢都の赫胞を少し改造したものを埋め込まれている。
料理は格段にうまく評判が高い。佐々木班のクインクスとシェアハウスを開始してからはほぼ毎日料理を作っている。

原作キャラとの関係 暁とは有馬班時代からの親友。佐々木を同じ境遇という関係から少し親近感を持っている。

サンプルボイス
「私は九重焔。このクインクス班のメンターよ。」
「久しぶりね暁、有馬班以来かしら。」
「佐々木一等・・・私もあなたと同じ半喰種よ。」
「殺す!コロシテヤルウウウウウウウウウウウ!!!!」(狂気状態)
「私は焔・・・・・CCGの焔よ・・・・。」



よろしくお願いします!!

自分のオリキャラ(増やすかも)
皐月香苗(さつきかなえ)あんていく兼漆黒の翼・頭領→漆黒の翼・頭領
皐月飛燕(さつきひえん)あんていく兼漆黒の翼・副頭領→漆黒の翼・副頭領
高城零(たかじょうれい)中立→漆黒の翼・幹部兼医療
火神幸司(ひがみこうじ)喰種集団「紅蓮」リーダー→漆黒の翼・幹部兼紅蓮隊・隊長
樟葉勝利(くずはしょうり)喰種捜査官・准特等

現在オリキャラ提供してくれた方
黒露様 (雨宮水月 あめみやみなつき)あんていく→アオギリ
   (賤ヶ夜斎 しずがやいつき)喰種捜査官・上等
赤様 (九弥快斗 ここのびかいと)中立→漆黒の翼
  (笹川天 ささかわてん)アオギリ・龍氷会
  (青波静 あおなみせい)喰種捜査官・上等
  (雛森秋 ひなもりあき)野良→漆黒の翼・スナイパー
豆つぶ様(東雲唯里 しののめゆいり 東雲善 しののめぜん)アオギリ
    (瑞慶山相馬 ずけやまそうま)あんていく→漆黒の翼・諜報員
夜南様 (蜂条雀 ほうじょうすずめ)あんていく→漆黒の翼
    (水縁・ベアトリクス シュイユェン・ベアトリクス)喰種捜査官・上等
露扇様 (薬袋朱奈 みないすな)喰種捜査官・上等
アマグリ様 (如月牡丹 きさらぎぼたん)元アオギリ→漆黒の翼・特攻隊
      (柊琥珀 ひいらぎこはく)漆黒の翼・裏切り者→アオギリ(予定)
ヘ音記号様 (鬼背朝霧 きせあさぎり)喰種捜査官・一等
(名儀御言 なぎみこと)喰種捜査官・上等
アーリア様 (片桐謙史朗 かたぎりけんしろう)喰種捜査官・上等
      

第22話 ( No.111 )
日時: 2015/09/06 00:52
名前: 竜 ◆CmqzxPj4w6 (ID: Rebn9tUA)
プロフ: http://monjiro.net/


第22話 「潜行」


情報による金木達が嘉納潜伏場所に突撃する日が来た。アオギリはエト・東雲・ナキ・鯱の4人、漆黒の翼は香苗・飛燕・九弥・カヤ・火神・蜂条の6人が突入する。アオギリの目的は嘉納教授の勧誘、漆黒の翼はマダムの護衛だった安久姉妹とリゼの誘拐及びそれに伴う邪魔者の妨害を目的としている。


金木達が嘉納の居場所に到達する直前、香苗はエト達と会っていた。


香苗「お久しぶり、エトちゃん。」

エト「久しぶりだね、香苗ちゃん。結構有名な人たち連れてきてるね。」

香苗「エトちゃんもあの武骨な人連れてくるなんて、よっぽど金木君を警戒してるんだね。」

エト「元人間だけど仮にも半喰種だからね、念のためだよ。」

香苗「火神を鯱と共に着かせようか?この人、たぶん鯱さん並みに強いし。」

エト「う〜ん・・・・、たしか、四方だったっけ?あの人が襲ってくる兆候があるんでしょ?」

香苗「うちの情報収集係の零によるとね。なんでもリゼを狙ってるらしいわ。」

エト「火神君はそいつを相手してもらった方が良いよ。金木君なら鯱さんだけでも十分だから。」

香苗「わかった。じゃあお互いの目的のために頑張りましょう。」

エト「うん、そうだね。」


首領同士の会談は終了した。



香苗「快斗、今回は金木君のことは心配無用ね。援護はしないこと。」

快斗「わかってる。金木を見守ることが芳村さんに言われたことだ。」

香苗「あなたが金木と仲良しであることはわかってる。でも、今は敵。あなたの手では終えないほどの力を手にしてる。今は私に着いた方が自身のためにもなる。わかった?」

快斗「強くなるために着いている。わかってるさ。」



その後、マダムを引き連れ嘉納潜伏場所に赴いた金木一味。後を追うようにしてアオギリ・漆黒の翼が進入。地下への道を彼らが発見し進み、とてつもなくでかい広間に出た後、そこを防いでいたのはマダムの護衛だった半喰種・安久姉妹だった。

金木は月山達にこの場を任せ先へと向かった。安久姉妹も慌てて追いかけようとしていたが変態・・・・じゃなくて月山に足止めされていた。


香苗「じゃあ手はず通りに・・・私と蜂条、カヤさんはここで応戦。火神と飛燕、快斗はやつの妨害ね。行動開始!」

飛燕「了解!!」

火神「承った!!」

快斗「了解・・・。」


先手を斬ったのはアオギリ幹部・ナキだった。もっとも、安久姉妹と戦っていた月山を助ける結果となったが。

ナキ「!?!?今俺助けなくても良かったよな!?登場の仕方間違えた!」

万丈「アオギリ!!」

ナキ「キザ野郎を助けちまったのは悲しい誤算だが・・・まあいい。マッドサイエントスは俺らがいただくぜ。」

蜂条「サイエンティスト・・・・。」

万丈「エトまでいやがる・・・・それに、あいつは皐月香苗!!てことは・・・漆黒の翼もきてんのか!?」

月山「皐月・・・・!!」

クロナ「どれからいく?」

ナシロ「どれからいこうか。」

情報収集を怠らなかった金木達も漆黒の翼の襲撃は予想出来なかった。

すぐに戦いが始まり、ナキと東雲は月山や万丈一味と交戦開始した。


香苗「どうするエトちゃん。もう先に進んじゃう?」

エト「そうだね。あまり長居もできないし行っちゃおうか。」

香苗「雀ちゃん、もうすぐCCGも来るはずだから・・・相手を頼んだよ。カヤさん、今回ばかりは違うお面での交戦宜しく。」

蜂条「わかった。香苗ちゃんも気をつけてね。」

カヤ「無理をしないでね。」


そう言うと、エトと共に香苗は嘉納の元へ歩き出した。


ナシロ「クロ!あいつ・・・!」

クロナ「行かせるか・・・!!」

香苗「(追ってきた追ってきた)」



少し進んだ路地で彼女らは立ち止まって安久姉妹を待った。この少女達に真実を突きつけるためである。


エト「クスクス。」

香苗「あんよがじょうず、あんよがじょうず。赤子の赫子。」

エト「やまない吐き気と引き替えに手に入れたのは、愛してやまない愛された日々。」

香苗「でもけして、空いた穴をいくら塞いでも空いた事実は変わらない。」

クロナ「何を・・・訳の分からない事を!!」


姉妹の攻撃を軽々避ける彼女たち。話を続けた。


香苗「あの日、ご両親を失ってさぞかし悲しんだんでしょうね。」

エト「でも嘉納は貴方たちのパパじゃないよ。」


そう、この安久姉妹。安久クロナと安久ナシロは金木と同じ元は普通の人間。かなりのリスクを受け入れて半喰種となることを臨んだ。もちろん赫胞はリゼのものである。移植の副作用かは知らないが記憶も少し改ざんされている。

ナシロ「パパはパパだ・・・。」

香苗「ちがうよ。」

エト「たとえ『貴方たちの生家を買い取っても』あの家は帰ってこない。代替品は代替品でしか無いもの。」

香苗「本当のことから目を背けるのは・・虚飾の世界の方がよっぽどマシだから?」

嘉納の潜伏場所であるこの家、じつは安久姉妹の生家だった場所なのだ。数年前に謎の喰種によって襲われているため姉妹には親がいない。嘉納が親代わりとなっている。

クロナ「うるさいな・・・このガキ!!」

エト「おもうの、人に愛される最も簡単で効果的な方法は・・・・『その人のキズを見抜いて』『そっと寄り添うこと』」

香苗「本当はあなたの弱さにつけ込んでいるだけなのに、過去の痛みをほじくり返して痛みで貴方たちを支配している。」

エト「ねえ・・・ナシロちゃん、クロナちゃん。」

姉妹「!!」

香苗「あなたたちを本当に愛してくれるのは、本当のパパとママだけ。じゃあもうこの世では愛されないね。」

ナシロ「何で・・・名前・・。」

エト「そんな身体になってしまったらヒトの世にも帰れない。」

香苗「『喰種になる』ってどんな感じ?貴方たちは何人殺した?」

クロナ「うるさい!!」

エト「『元人間』が人間を食べた感想は?」

ナシロ「うるさい・・・うるさい!!!」

エト「きかせて。」

香苗「私達に。」


安久姉妹に悲しい現実を突きつけた。彼女らも心中ではわかっていただろう。だが心のよりどころが嘉納教授しかいなかったからそれに頼るしかなかった。心の弱みにつけ込んだ香苗はそれを許さず、時期が来たらこの子達を連れて帰る決心をした。

しばらくして万丈が安久姉妹が項垂れている所にたどり着いた

万丈「嘉納の手下・・・やられたのか?」

エト「落とし物」

万丈「!?!?」

エト「骨。」

香苗「あなたのよ。」

万丈「なっ・・・!?」


刹那のような早さで万丈を瀕死にした。


一方、金木は先の部屋で鯱と争っていた。鯱は意図的に力を抜いているのも知らず、金木は攻撃をしていたが鯱の反撃をくらい、大広間へと飛ばされた。

そこにいたのは・・・・・金木をこのような運命に会わせた張本人である嘉納昭博と赫胞移植のドナーであるリゼの姿があった。


続く(いろいろ設定変更すみません)

Re: 東京喰種 −奇跡の双子− ( No.112 )
日時: 2015/09/06 15:13
名前: 夜南 (ID: EP9rvI.Z)

漆黒の翼が、ようやく本格的に動き出しましたね。

原作と少しずつ違いが生まれて来て、もう1つの東京喰種を見ている気分です!

エトさんと香苗さんが共闘していたり、バトルシーンはとても楽しませて頂いています。

蜂条も登場させて頂いており、ありがとうございます!

香苗さんと飛燕君がいるという事は、原作の一部とは違った結末になるのでしょうか?楽しみです。


さて、利世さんの本名は、鎌名不 九十九(カマナフ ツクモ)と考えました。

鎌名不は、アカ・マナフという、人々を悪の世に連れ込む悪神が元です。カネキ君が、喰種の世界に入るキッカケが利世さんなので、どこか似ているなぁと思ったからです。

後、イニシャルをアニメの主題歌を歌っていらっしゃる、TKさんと同じにしました。(凛として時雨さんが個人的に好きなのと、あの歌は東京喰種にリンクしているので)


そして漆黒の翼の呼び名は、「無秩序者」(アナーキー)なんてどうでしょう。

利世さんは、自由奔放な感じがするので、この名前が合うなぁと。


考えて下されば嬉しいです。

これからも、陰ながら応援しております、頑張って下さい。







コメント返信 ( No.113 )
日時: 2015/09/06 20:54
名前: 竜 ◆CmqzxPj4w6 (ID: Rebn9tUA)
プロフ: http://monjiro.net/

夜南様

まあようやく動き出したところですね。ここから安久姉妹とリゼを加えてさらに増強するのでもっと強くなります。

エトとの共闘は一応、第一部までの予定ですのでそこからもいろいろ考えます。

リゼさんの本名を考えて下さってありがとうございます。ネタ元も書いて下さって非常に参考になります。

これからもちまちま頑張ります。

第23話 ( No.114 )
日時: 2015/09/07 00:47
名前: 竜 ◆CmqzxPj4w6 (ID: Rebn9tUA)
プロフ: http://monjiro.net/


第23話 「未知」

喰種の世界へと誘った張本人である嘉納昭博教授との出会いに成功した金木。鯱との激闘(鯱は傷1つついてないが)の末、大広間にたどり着いた。

そこには赫胞移植のドナーであるリゼの姿があった。彼女は生きてはいるが意識がなかった。

嘉納は言葉を発し、金木は落胆・憤怒した。嘉納は自らアオギリの傘下に下った。


刹那、リゼが入っていたボックスのガラスが割れた。そこには飛燕の姿があった。どうやら四方の進入を妨げることが出来たようだ。いや、正確には理解して貰えたのが本当ではないだろうか。その証拠に飛燕にはあまり傷がついてない。


嘉納「何事だ・・・・ドナーは?」

飛燕「四方さんから聞いたよ、あの時『一人で歩ける』と言ったんだってな。金木自身の道だ。もがきながらも一人で歩いてみな。」

そう言うと、飛燕はリゼを抱えて去って行った。

金木「飛燕・・・待って・・!!」


直後、嘉納に向かって金木は攻撃を仕掛けたが、それは鯱によって阻止された。そして嘉納は鯱によって連れられ去って行った。金木は嘉納の実験体の成れの果ての相手をさせられた。共食いも重ねながら・・・・・本来の人格も失いながら・・・


飛燕「姉貴、リゼは攫ってきたぞ。」

香苗「ご苦労様、飛燕。あなたは先に帰って零の治療をリゼに受けさせて。食料はそこらへんの人間を使えば良いから。」

飛燕「了解。安久姉妹は頼んだぜ。」




一方、篠原・鈴屋・真戸・青波・亜門・斎の6人が嘉納潜伏場所にたどり着いた。

青波「・・・・・構造が24区に似ている。」

斎「厄介だな。」

篠原「やはり、ただの医者じゃなさそうだ。戦闘態勢で行くよ。」



地下を見つけた直後、鈴屋は爆走していった。

真戸「篠原特等、鈴屋が爆走していったが?」

亜門「あの馬鹿・・・。」

篠原「通常運転・・・。私はさっきの横道を進んでみる。斎と真戸は亜門に、青波は私と来てくれ。」

亜門「篠原さん!お気をつけて・・・。」

篠原「ああ・・・お前もな。」

亜門「行こう、真戸、斎さん。嫌な胸騒ぎがする。気を引き締めていこう。」

真戸「言われなくても。」

斎「わかっているさ。」

二手に分かれた篠原班。爆走していった鈴屋は先ほどの真実をつけいられていたショックから立ち直れずにいた安久姉妹と邂逅していた。

実は鈴屋と安久姉妹はCCG養成所の同期だった。当時から鈴屋の行動は目に余るものだったが安久姉妹は途中からいなくなっていた。あまり仲良くなかった噂もある。

戦いに特化した鈴屋に安久姉妹が勝てるはずもなく小型クインケに目を射貫かれるなど防戦一方で安久姉妹は敗走した。


アオギリのナキと東雲、漆黒の翼のカヤと蜂条は万丈一味と月山と対峙していた。そこへ白鳩が表れトライアングルバトルとなっていた。

真戸「20区の厄介者に狂人『喰女』、S層から脱走した5体のうちの一体に漆黒の翼か・・・・良い素材になりそうだ。」

シノ「白鳩も来ちゃったか〜。どうするナキ?」

ナキ「チィ・・・アメリカ野郎を相手にしながらどうすりゃいいんだ!!」

蜂条「面倒・・・・。」

カヤ「増えてきたわね・・・。」

月山「ムッシュとレディ。提案だがこういうのはどうだろう?ここは一時、共同戦線を張るというのは?」

ナキ「キョウドウセンセン!!?」

蜂条「手を組んで白鳩を撃退することだよ・・・・。」

ナキ「(そうか・・・そうすりゃたくさん相手にしなくてすむ!!)張ったぜそのセンセン!!このナキ様が二度もコクリアにぶちこまれるわけにはいかねんだよ!!!」

蜂条「月山・・・妙なまねしたらすぐになぶり殺すから・・・・・。」

月山「おお怖い怖い。わかってるよ。」



こちらで激戦が繰り広げられる頃、大広間(ラボ)では篠原・青波が実験体を喰い殺して半赫者となっていた金木と対峙していた。その姿はさながら百足のようだった。

篠原「クインケ展開しろ!!」

金木「だめ・・・だめだってばあ・・」

篠原「ぐ・・が・・・だりゃ!!」

篠原は間一髪、オニヤマダで防いだ。直前にアラタを起動していたので背骨粉砕は免れた。

篠原「目的はお前じゃなかったが・・・こんな危険な喰種。一捜査官として放って置くわけにはいかんのだよ!!(亜門・暁、応援を頼めるか・・・ちと面倒なヤツに出会った。)」


青波も静かながら戦闘態勢に入っていた。篠原は応援を頼むためインカムで亜門と交信した。


亜門「すみません!現在こちらも交戦中で・・・終わり次第すぐに!」

ナキ「もしも〜し・・・ママにお電話かぁ〜デカブツ?」

亜門「くっ・・・・重い・・・。」

ナキ「おら!!肘っ!!」

明らかに膝蹴りである。ナキは馬鹿なのだ。

ナキ「くいんけなんて持ってても腕は二本だけだもんなあ!!Bぃ!!赫子の方が優秀!!」

これも正確にはV。ナキは馬鹿なのである。

直後、暁がキメラクインケで援護しようとしたがそれは蜂条によって阻止された。

蜂条「あなたの相手は私よ・・・・。」

真戸「SSレートの『スズメバチ』か・・・たしか尾赫だったな。羽赫を持ってきたかったが・・・生憎今回は尾赫・甲赫のキメラクインケしかない。」

蜂条「クインケごときで私を殺せると思わない事ね。」

真戸「クズは駆逐だ。死ね。」

蜂条「死ぬのはあなたよ。人間。」


蜂条は漆黒の翼の中でも特異な赫子を持っている。恐ろしいのは特化した伸縮性と仕込んだ猛毒。一秒間に3kmは軽く伸ばせる。また、自身の赫子に猛毒を仕込んでおり、擦っただけでもひとたまりもない。

真戸「ちょこまかと・・・・」

蜂条「蜂って言うのはね・・・・敵意を向けた相手には容赦せずに毒針を向けるの。だけど・・・私は無駄な殺生は好きじゃない。だから・・・。」

サクッ・・・・。後ろから回り込んだ蜂条の赫子が真戸の背中をかすらせた。直後、真戸は膝をついた。

真戸「くそっ・・・・毒か!!」

蜂条「そのまま苦しみながらもだえ死ぬと良いわ。とどめは必要ない。」

亜門「暁!!この・・・・野郎!!」

蜂条「・・・・・・・。」

亜門の反撃の一撃は蜂条には効かなかった。彼女もまた、香苗の手ほどきを受けているため生半可な攻撃では彼女には通用しない。

亜門「くそっ・・・一旦下がるぞ!!」

斎「暁・・・これを飲め。少しは毒を緩和出来るはずだ。」

真戸「感謝します。斎上等。」

ナキ「追い詰めんぞ!!」

シノ「たっぷりたっべちゃうぞ〜!!!」

蜂条「カヤ・・・どうする?」

カヤ「ここは一旦追いかけるわよ。」

蜂条「わかった。」

ナキ達はCCGを追いかけていった。もちろん漆黒の翼の二人もである。


ラボでは壮絶なる戦いが続いていた。篠原は甲赫と尾赫のクインケ、金木は鱗赫で半赫者。正直、篠原が不利だった。甲赫は鱗赫に弱いのである。

金木には確立した意識がなく、ただ殺戮の衝動に駆られているだけだった。だから攻撃の予測がつきにくく篠原は少し苦戦をしていた。意味不明な言葉を発しながら金木は攻撃していく。その姿はまさに赫者そのものだった。

篠原「これまで会った喰種の中で一番・・イカれてやがるね君っ・・・・!!!!」



続く


第24話 ( No.115 )
日時: 2015/09/08 00:24
名前: 竜 ◆CmqzxPj4w6 (ID: Rebn9tUA)
プロフ: http://monjiro.net/


第24話 「瓦斯」

漆黒の翼の一人、蜂条雀によって真戸暁二等捜査官は毒により負傷した。これによって亜門班は一時の退却を余儀なくされた。

だが、ナキ・東雲達アオギリ軍は追撃を開始した。蜂条・カヤもそれに続き追撃を開始した。


ナキ「オラァ豚共!細切れにしてやらあ!!」

シノ「いっただきまーす!!」

亜門「部下達が一人一人強いな・・・。」

斎「各個撃破するしかないだろう。」

真戸「はぁ・・・はぁ・・・これを試してみるか・・・。」

暁は懐から何かスプレー的な瓶を取り出し、ナキ達へ放り投げた。瞬間中からガスのようなものが飛び出した。ナキ達は不思議に思ったが、突撃した。すると・・・・・ナキや月山達の赫子が崩れ出し始めたではないか。


ナキ「な・・・んだ?赫子が・・・!」

シノ「あれれ〜?何か力がでないよ〜。」

真戸「はぁ・・・・CRCガス。呼吸と粘膜から作用しRc細胞の働き及び赫子の発動を阻止する。気体のRc抑制剤だ・・・・。」

月山「Rc細胞の抑制剤・・・・?少し・・まずいね・・・。」

真戸「少し力が戻った・・・。手始めに邪魔な虫けらを2体・・・死ね。」


毒から少し回復した暁は抑制剤により膝をついたナキ達を攻撃しようとした。が、それは蜂条によって阻まれた。暁は驚きの顔を隠せなかった。


真戸「なぜだ・・・?なぜ動きが抑制されない・・・!?」

蜂条「零さんの情報通り・・・・。CCGはこの抑制剤を使ってきた。だけど・・・・こんなガスで私達を抑制出来ると思わないことね。こんなもの、何も効かないわ。」

カヤ「突撃する前に飲んだ怪しげな薬はこのためだったのね・・・。」

この二人は突撃する前に零によって製造された薬により抑制剤の効果を受けなかったのだ。もちろんこれは零自身が抑制剤を分析しその抗体となるものを自分自身で作り上げたのである。

蜂条「しぶといわね・・・擦りだけであの世行き級の毒なのに・・・。ならば・・。」

瞬間、蜂条の赫子が真戸に向かって何度も伸び襲いかかった。2〜3度真戸に直撃し先ほどよりも苦しみだした。

蜂条「緩和剤ごときでは死は免れないわよ。おとなしく死になさい、惰弱な人間。」

真戸「ぐっ・・・・・がはっ!!」

亜門「暁!!」

蜂条「頃合いね・・・・退きましょう。ナキ達もこの状態じゃしばらく戦うことも出来ないでしょう。」

月山「この状態じゃ・・・たしかに分が悪いね。退こう。」

シノ「あう〜赫子が使えない〜。」

亜門「逃がすか!!」

斎「亜門!!ここは追うな、暁は私と共に先に離脱する。君は篠原さんの所へ向かってくれ!!」

亜門「・・・・!わかりました・・・。」


斎は暁の治療のため先に潜伏場所から離脱した。亜門は篠原の救援のためラボへと移動した。



ラボでは・・・・百足と篠原の瞬きさえ許さない早さの戦いが続いていた。金木の殺戮衝動は時間と共に増し、篠原のオニヤマダの一撃をものともしなかった。たまにリゼの本能も垣間見ていた。

篠原「くそっ・・・一撃を食らわしても赫胞に届かず・・・さらに別形状の赫子を出すとは・・・・。」

青波「・・・・・・・・・俺を忘れるな。」


瞬間、青波が金木に向かって走り出した。それは金木も気がつくことが出来なかった。正確には気付けなかった、あまりにも速いスピードだったからだ。


青波「居合い乱斬・刹那!!!」

細身の刀状クインケから繰り出された無数の斬撃。それは金木の行動を鈍らせるには十分の技だった。

金木「が・・・・・あ・・・・・・。」

篠原「よくやった青波!ふん!!」

篠原の渾身の一撃が金木に直撃した。瞬間篠原は気絶した。何度か喰われていたのである。

金木は篠原の一撃で遠くに吹き飛ばされ、そのおかげか赫者の衝動をおさえることが出来、気絶していた。

青波「篠原さん!!」

亜門「青波!!」

青波「亜門・・・・・ここは退こう。嘉納もアオギリによって逃した。あの喰種は今は放っておこう。」

亜門「(眼帯か・・・)わかった。篠原さんを運ぼう。」

亜門と青波は負傷により気絶した篠原を運び戦場を後にした。鈴屋は安久姉妹を退けた後、迷い途中で篠原を発見し共に離脱した。


モニター室ではエト・嘉納・鯱がこの戦いの様子を見ていた。エトは亜門の事を気にしていたが心の中では嘲笑っていた。嘉納はアオギリ参入を決めた。

鈴屋との戦いにより重度の怪我を負った安久姉妹。嘉納に直してもらおうと思っていたが、ナシロの赫胞損傷が異常だったため嘉納では治せなかった。嘉納は置き去りにして来なさいと言ってその場を後にした。クロナはその場に崩れ落ち泣き崩れた。
その時、香苗がモニター室を訪れた。


香苗「クロナちゃん。」

クロナ「あなた・・・・パパの敵!!」

香苗「嘉納も残酷の事を言うものだね。この損傷ならまだ直せる。」

クロナ「それは・・・・本当なの?」

香苗「本当だよ。条件をつけるけどね。」

クロナ「条件・・・?」

香苗「簡単な条件。クロナちゃんとナシロちゃん、私達と一緒に来ない?」

クロナ「・・・・・・・・。」

香苗「悪い条件じゃないはずよ。嘉納に捨てられた今、私を頼るしかないと思うけど。」

クロナ「シロが直るなら・・・私はいいわ。パパ・・・いや、嘉納は私達を捨てたから・・・・許さない!!」

香苗「交渉成立ね。じゃあ・・・行きましょうか。よろしくね。」

クロナ「うん・・・ママ。」

香苗「(順応早。しかもママって・・・・。」


安久姉妹が漆黒の翼に加入した。少し単純すぎるが。









漆黒の翼・根城

イトリ「お帰り、香苗ちゃん。飛燕君が運んできたリゼは零が今治療してるわよ。」

香苗「ありがとうございます。それとこの子の治療もお願いしたいのですが・・・。」

瑞慶山「とても赫胞を損傷してるな。だが・・・かろうじて直せる。姐さん、奥にある治療薬を使いますよ。」

イトリ「いいわよ、そのぐらいの損傷なら5粒ぐらいで3日経てば直るはずよ。」

瑞慶山「OK。」

飛燕「リゼの方は1週間辺りで回復するそうだ。今回の作戦は大成功だな。」

香苗「安久姉妹とリゼの獲得は我ら組織にとっても多大な戦力になるわ。しばらくは傷を癒やしましょう。相馬と快斗、カヤさんと西尾はそれぞれの場所で情報収集をお願いするわ。」

西尾「わかったよ。」

瑞慶山「了解。」

快斗「・・・・・・・・・。」

カヤ「わかったわ。」


それから1週間、アオギリ・漆黒の翼・CCGは動きを見せず静かな時を過ごしていた。そして・・・・リゼが目覚めた。


続く


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