二次創作小説(紙ほか)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 探偵チームK'z事件ノート 《寂しがりやは知っている》
- 日時: 2017/03/23 22:36
- 名前: よなよな (ID: Mq8ZPl.i)
たまに…本当にたまになんだけどね
自分には出来ることなんか全くないんだって考えることがあるの
前々から思ってはいたんだけど
新しい仲間が増えて、自分にできることってなんだろう?
そんな風に最近は考えることもあるんだ
少しでも暇になっちゃうと、すぐに考えだしちゃう
多分そういう子は沢山いると思う
皆はどうやってそれを乗り越えて、大人になっていくのかな?
《よろしくおねがいします》
- Re: 探偵チームK'z事件ノート 《寂しがりやは知っている》 ( No.11 )
- 日時: 2017/03/27 01:03
- 名前: よなよな (ID: Mq8ZPl.i)
「そこで!この依頼を探偵チームK'zとして俺達は受けようと思う!」
コイツ…
目立ちたがり屋の若武にとってはこれはとてつもなくラッキーなことかもしれない。
「俺、パス。大体それK'z関係ないだろ?」
真っ先に上杉くんが否定。
まぁ、そうだよね。上杉くんがそんな快くいいよって言うわけないよ
「ほぉ、上杉よ。お前これはれっきとしたK'zの活動だぞ?」
「どういう意味だよ?」
「K'zは人の為に活動するんだろ。今、天堂社長はスランプという危機に晒されている。お前だって、スランプの恐ろしさは知ってるよな?そんなお前は困っている人を見捨てるのか?」
上杉くんはすっごく逃げ道のない事を言われて言葉が出ないという感じだった。
「わかったよ、やりゃあいいんだろ?」
そして折れた。
「よっしゃ!お前らもやるだろ?」
皆はお互いに顔を見合わせて頷いていた。答えは決まってるというように
「俺、ホテルとか初めてだから行きたい」
忍の言葉に黒木くんも付け加えた。
「こんな業界の人に声をかけてもらえるなんてレアの経験もないだろ。それに、K'zの活動ならなおのことな」
小塚くんも翼も頷いていた。そして、最後に皆の視線を受けるのはやっぱりお約束ながら私だった。
「アーヤ、行けそうか?」
多分、若武の中で一番説得のしようがなくて困ったのは私だと思う。上杉くんは本人がその気になれば行ける。他の皆も同じようなものだ。
唯一、女の子で心配性でやかましい母をもつ私は自分が思うようには行動させてもらえたりはしない。
「俺が口添えしようか?」
黒木くんは優しい笑顔でそう言ってくれたけど、毎回毎回同じ手も通じない。それでも黒木くんはどうにかしてくれるだろうけど、それでは本当に困った時に黒木くんの信用が無くなっては困る。
それに、前からこういう事に関してはちゃんとママと正直に話さないといけない気がするから、だから私は首を横に振った。
「私も行くよ。大丈夫、今回はちゃんと私が自分で行けるようにする。だから私も頭数に入れておいてよね」
- Re: 探偵チームK'z事件ノート 《寂しがりやは知っている》 ( No.12 )
- 日時: 2017/03/27 01:18
- 名前: よなよな (ID: Mq8ZPl.i)
「よっしゃ!わかったぜアーヤ、俺はお前を信じる!」
若武同様、他の皆も嬉しそうに笑ってくれて私は少し自信がついた気がした。
けどね
「私、芸って言われてもあんまり大したのできないよ」
「それ、僕も。ダンスとかやったら即捻挫だと思う」
探偵チームK'zの中で運動の類を苦手とする私と小塚くんは一緒に溜め息をついた。
「大丈夫、小塚にはピアノという武器があるじゃないか」
確かに、小塚くんには楽器がある。ほかの皆もそれぞれできる事が沢山ある。
じゃあ、私は?
そう考えた結果、私にできる事は一つだけだった
「私、裏方やります!ほら、衣装とか必要でしょ?他にも準備とか色々。私は皆が練習とかしている間に精一杯サポートするって事でどうかな?」
上杉くんはすぐに賛同してくれた。
「確かに、立花がそう言うなら任せるしかないだろ。裏方も大事な役目だし」
他の皆もそんな感じだった。けど、ただ一人。若武だけは違った
「いや、駄目だ」
「どうして?」
「実はな、天堂社長にはできれば女の子も欲しいって言われてるんだ。その為には立花は必要不可欠だ」
そう言われても…
他に自分にできる事で思い当たる事がない私にはとても厳しい事だった。
- Re: 探偵チームK'z事件ノート 《寂しがりやは知っている》 ( No.13 )
- 日時: 2017/03/27 01:28
- 名前: よなよな (ID: Mq8ZPl.i)
「無茶言うな若武。アーヤが困るだろ」
黒木くんはそう言ったけど、若武は決して首を縦には振らなかった。
「駄目だ。天堂社長にとってこれはファッションへの大きな進歩に繋がるかもしれないんだ。そんなあの人の才能をここで潰すわけにはいかない」
その時、私は初めて若武の考えがわかった気がした。
若武にもかつてサッカーで挫折しそうになった事があった。もともと、困っている人を放っておけないヒーロー体質の若武はその経験で、より一層その気持ちが強まったんだと思う。
なんだかここで私が出ないのはきっと、仲間としてよくない事だと思う。
「わかったよ。けど、私は皆みたいに容量良くないから、できるだけ簡単なやつにしてね。頑張るから」
すると、若武は私の手を握ってブンブンと振った。
「ありがとうアーヤ!俺はお前を誇りに思うぞ!」
はぁ…きっとこれも若武という詐欺師の罠なんだろうなぁ
- Re: 探偵チームK'z事件ノート 《寂しがりやは知っている》 ( No.14 )
- 日時: 2017/03/28 00:20
- 名前: よなよな (ID: Mq8ZPl.i)
そんなこんなしているうちに、時間はあっという間に過ぎた。
「そろそろ解散しようぜ」
上杉くんがそう言うと他の皆も同意した。
「よし。それじゃあ、明日俺ん家に1時に集合。それまでに何か全員でできそうなことを考えてきてくれ」
そうして私達は解散した。そして、ここの塾に入っていない翼と忍を私は慌てて追いかけた。
「待って」
二人は一緒に振り向いて「どうしたの?」って聞いてきた。
「今日はありがとう。最後は二人に面倒押し付けちゃってごめんね」
そう言うと二人はどうって事ないって顔で笑ってくれた。
「別に」
「お前って、いっつもあんな感じなの?」
忍が真面目な顔で聞いてきたので私は全力で首を横に振った。
「全然。私そもそも誰かとあんな言い合いもしなければ、話もしないから」
- Re: 探偵チームK'z事件ノート 《寂しがりやは知っている》 ( No.15 )
- 日時: 2017/03/28 00:32
- 名前: よなよな (ID: Mq8ZPl.i)
翼も不思議そうな顔で聞いてくる。
「若武達の前でも?」
「うん。まぁ、たまに言い合いになったりはするけど…でも、あそこまで言ったことはないかもね」
すると、二人は面白い事を聞いたと言わんばかりの顔でお互いに顔を合わせる。
「じゃ、アーヤのあんな姿見たのは俺達だけって事だよな?」
「だな」
なんか二人共面白がってない?
もともと、私達の年頃では男女の感じ方に大きく違いが出てしまう。だから、私にもたまに皆の気持ちがわからない事があったり、意見が大きく食い違ったりもした。
今の二人はなんかそんな感じがする。
「でも、さっきの事は気にしなくてもいいよ。俺達も早く止めればあんなに騒ぎにならなかったんだしさ」
翼の言葉に忍も大きく頷いていた。
「それに、あの時の佐田の言葉には俺も少しカチンと来てたからお前のおかげでスッキリした」
二人の広い心に私は今、頭を下げたい気持ちでいっぱいだった。
「ほら、早く行かないと遅れるんじゃないの?」
翼に言われて時計を見ると時間まであと5分だった。
げっ?!まずい急がないと!
「ほんとだ!じゃあね、二人共!今日はありがとう!」
私が去り出してすぐに忍が大きな声で
「親の説得、頑張れよ!」
と、言ってくれたので私は元気いっぱいの明るい声で答えた。
「うん!」
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12