二次創作小説(紙ほか)
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- 探偵チームK'z事件ノート 《寂しがりやは知っている》
- 日時: 2017/03/23 22:36
- 名前: よなよな (ID: Mq8ZPl.i)
たまに…本当にたまになんだけどね
自分には出来ることなんか全くないんだって考えることがあるの
前々から思ってはいたんだけど
新しい仲間が増えて、自分にできることってなんだろう?
そんな風に最近は考えることもあるんだ
少しでも暇になっちゃうと、すぐに考えだしちゃう
多分そういう子は沢山いると思う
皆はどうやってそれを乗り越えて、大人になっていくのかな?
《よろしくおねがいします》
- Re: 探偵チームK'z事件ノート 《寂しがりやは知っている》 ( No.16 )
- 日時: 2017/03/28 01:24
- 名前: よなよな (ID: Mq8ZPl.i)
「なぁ、忍」
アーヤが去ったあと、静かになったカフェテリアに二人だけの忍に俺は話しかけた。
「ん?」
「あの時の佐田の言葉、何か変じゃなかったか?」
それは、アーヤが立ち去ってから間もない間だった。何とか佐田を落ち着かせようと残った俺と忍だったが、実はあまり効果がなかったらしい。
「落ち着けよ、羽田」
ちげーよ馬鹿、佐田だ。
忍は天然を通り越した若干のアホだ。
確かに勉強も運動もできるし、ITでコイツの右に出る者はいない。
だがしかし、初めての学校でスカートを履いてくるなどの事をやらかすコイツは人の考えを普通に覆してしまえるほどの天然だ。
流石の俺も最初はおったまげた。
「アンタ達は立花の味方ってわけね」
けれど、佐田は忍に名前を間違えられた事に気付いていないようだった。
「あんな女の何処がいいわけ?つまんないし、ブスだし、挙句に口も悪いってマジで最低女じゃん」
ここには俺も忍もイラっと来てしまった。けれど、先にキレたのは俺じゃなくて忍だった。
- Re: 探偵チームK'z事件ノート 《寂しがりやは知っている》 ( No.17 )
- 日時: 2017/03/29 00:39
- 名前: よなよな (ID: Mq8ZPl.i)
「お前少し頭冷やせよ。アイツはつまんないんじゃない、相手の事をちゃんと考えて自分にできる精一杯をやろうとしてるだけだ。お前が偉そうなこと言ってんなよ」
俺も佐田の言葉にイラついて、つい冷たい視線でこう言った
「あの時口が悪くなったのはそれだけ俺らを仲間だと思っていたからだ。それに、立花は少なくともお前よりは素直で優しくて可愛いよ」
佐田はグッと唇を噛んでこちらを睨み返してきた。
「うっざ。まぁ、別にいいけどね。立花だってどうとでもできるんだし」
どうとでもできる?
俺は佐田の言葉が引っかかり聞き返そうかと思った時に、佐田はさっさと荷物を持って教室を出て行った。
その時の事を思い返すとやっぱり気になる。ネットに悪口を言うだけならどうとでもできるだなんて言わないだろう。
それがずっと気にかかっていたので、一緒にいた忍に聞いてみた。
「確かに変だけど、あの時のアーヤの言葉でアイツの友達も随分引いてたし。いじめって線はないだろ?」
そうなんだよな。
どんどん考え込んでいく俺の肩に忍は手をのせて励ますように言った。
「まぁ、何かあればアーヤの方から話してくるさ。俺達はできる限りのことをしよう」
「そうだな…」
俺はできるだけ考えないようにする事にした。
「部外者の俺達がいつまでもフラフラしてるとマズイし、そろそろ帰ろうぜ」
「だな」
- Re: 探偵チームK'z事件ノート 《寂しがりやは知っている》 ( No.18 )
- 日時: 2017/03/29 01:02
- 名前: よなよな (ID: Mq8ZPl.i)
塾の授業が終わると、本日二度目の
「気をつけて帰れよ」
を、聞いて挨拶をしてから教室を出て行った。
玄関の方までつくと私は靴を履き替えてさっさと歩き出した。すると、すぐ後ろから誰かが話しかけてきた
「アーヤ」
振り返るとそこには黒木くんがいたの。しかも、こんなにばったり鉢合わせって可能性は過去の経験からするとほぼの確率で0。
もしかして待ってた?
「黒木くん、どうしたの?」
「アーヤと帰りたいなって思ってさ」
やっぱり待っててくれたんだ。
私は申し訳なく思いながら黒木くんに笑顔で言った。
「待たせてごめんね。一緒に帰ろう」
すると、黒木くんが珍しいものでも見るような目でこちらを見つめてから静かに笑って
「うん」
とだけ言った。
それからしばらく歩いていると、黒木くんがある事を聞いてきた。
「お母さんの説得大丈夫?」
「え? あぁ、うん。頑張るよ、私だってK'zのメンバーだもん」
「それもそうだけどさ。いつもは、俺とかが適当に疑われないような理由付けてたけど、今回は自分でやるって言うからどうしたのかなって」
あぁ、そっか。そうだよね、急にいつもと違う事が起きれば誰だって気になるよね。
私は素直に話す事にした。
- Re: 探偵チームK'z事件ノート 《寂しがりやは知っている》 ( No.19 )
- 日時: 2017/03/29 01:34
- 名前: よなよな (ID: Mq8ZPl.i)
「別に意味はないんだ。ただ、私は他の皆みたいに自由に行動できなくて足を一番引っ張っちゃうでしょ? 今回だって私が行けるか行けないかって感じだった。それだけでも重みに感じてるのに、さらに黒木くんにまで迷惑かけたくないなって思ったの」
黒木くんは私の話を聞いて納得したのかクスリと笑った言った。
「それは違うよ。男ってなは女の子に頼られる事で男なんだって感じれる。アーヤの為に何かをする事は、つまりは俺の自己満足なんだよ。だからね、アーヤは迷惑とか考えずに俺に甘えてくれると嬉しいな」
どんな女の子でも魅了してしまうその微笑みに私は凄く酔ってしまいそうになった。
けれど、それとは裏腹にやっぱり納得のいかない面もあった。
私は自分が女子という立場なだけで、皆には仲間扱いされていないような気がした。それは、私にとってはこの世で一番嫌な事と言っても過言じゃない。だから、今の黒木くんの言葉にはまだ心が子供な私にはすっごく納得がいかないんだ。
「うん」
その時はなんとかわからないように気持ちを誤魔化しながら返事をした。
「ねぇ、もう一つ聞いてもいいかな?」
「何?」
「アーヤ何かあったの?」
- Re: 探偵チームK'z事件ノート 《寂しがりやは知っている》 ( No.20 )
- 日時: 2017/03/30 01:18
- 名前: よなよな (ID: Mq8ZPl.i)
うっ、さすが黒木くん。鋭いな
私は話そうかどうしようか悩んだ結果、対人関係のエキスパートの黒木くんなら何かいいアドバイスをもらえるかもと考え、話す事にした。
「あのね、今日クラスの女の子と言い合いになっちゃったの」
黒木くんは何も言わずに黙って聞いていてくれていた。
「私、前から皆に教室まで迎えに来てもらったりするの凄く嫌がるでしょ? あれはね、皆には自覚はないかもしれないけどすっごく目立っちゃうの。もちろん、実力があって皆に誇れる何かを持っているならいいかもしれない。だけどね、そんな皆の中に私がいると「なんであの子なんだろう?」って目でやっぱり見られちゃう。何ができるわけでもないのに目立つのはやっぱり私は恥ずかしいの。今日の言い合いも理由は大体こんな感じ」
黒木くんはそっと優しく包み込むような笑顔で言った。
「アーヤが嫌でなければもう少し詳しく話を聞かせてもらえるかな?」
私は静かに頷いて淡々と話していった。
「今日ね、少し翼と忍と皆で教室で少しふざけ話をしてたの。けどね、いい意味で目立つあの二人に私みたいな女の子が一人混じってるだけですっごく注目を浴びたの。で、その後にクラスの中心核の女の子が私達の事を根掘り葉掘り聞こうとして来たの。それであんまりにもしつこいからつい、強めな言い方をしちゃって、もう教室は大騒ぎ。それで私、言っちゃいけない事を言っちゃったの」
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