二次創作小説(紙ほか)
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- 探偵チームK'z事件ノート 《寂しがりやは知っている》
- 日時: 2017/03/23 22:36
- 名前: よなよな (ID: Mq8ZPl.i)
たまに…本当にたまになんだけどね
自分には出来ることなんか全くないんだって考えることがあるの
前々から思ってはいたんだけど
新しい仲間が増えて、自分にできることってなんだろう?
そんな風に最近は考えることもあるんだ
少しでも暇になっちゃうと、すぐに考えだしちゃう
多分そういう子は沢山いると思う
皆はどうやってそれを乗り越えて、大人になっていくのかな?
《よろしくおねがいします》
- Re: 探偵チームK'z事件ノート 《寂しがりやは知っている》 ( No.21 )
- 日時: 2017/03/30 10:50
- 名前: よなよな (ID: Mq8ZPl.i)
「いけない事?」
「うん。ほら、前から上杉くんが翼の事を裏サイトっていうので叩かれてて、それは一人の自作自演だって。私、誰がやってるのか知ってるの。それで、私その子と言い合いになっちゃってそれで勢いで言っちゃったの「貴方がネットで書いてる事って全部自作自演じゃない」って。私いくらその子が嫌だからって皆の前でそんな事言うなんて最低だと思うの。結局最後は翼と忍に押し付けちゃったし」
自分で話しているうちにますます悲しくなってきた。あんな馬鹿な真似、小学生以下だよ私。
「あの時、どうすればよかったのかな?」
私がそう言うと、黒木くんは私の頭をそっと撫でて言った。
「アーヤにとって大事なのはあの時どうすればじゃなくて、今どうするかだろ。もしもアーヤが自分でも悪い事したのなら、やる事はもうわかってるんじゃないのかな?」
そう言って最後に二回ぽんっぽんっと撫でてくれた黒木くんを見上げると、そこにはこんなに綺麗な星空の下には似合わない黒木くんが悲しそうに笑っていた。
私には黒木くんが笑っているようで全く笑っていないように見えた。
たまに、黒木くんはこんな表情をする。そういう時はなんだか、いつも騒いでばかりいる私達とは何か違う大人の表情だった。
私は自然と口を動かしていた。
「黒木くんはどうしていつも、私や皆にはわからない事がすっと思いつくの?」
撫でていた黒木くんの手がピタリと止まった
「うーん。アーヤが国語を得意とするのと同じだよ」
「私には話せない?」
ますます黒木くんの表情が暗くなっていくのがわかった。けど、その時の私は何故か止められなかった。
「話せないとかじゃないんだ。何をどう伝えたらいいのか、自分でもわからなくなってるんだよ」
黒木くんは自分の手を引っ込めて、ポッケに両手を突っ込んだ。
なんだか悔しいな
- Re: 探偵チームK'z事件ノート 《寂しがりやは知っている》 ( No.22 )
- 日時: 2017/03/30 11:10
- 名前: よなよな (ID: Mq8ZPl.i)
こんなに近くにいるのに、なんでだろう。力になれない自分の無力がとっても切ないんだ。
世界中の皆を笑顔にしたいとかじゃなくて、せめて自分を信じてくれる自分の大切な人達だけは笑顔にしたい。
私は黒木くんの手を取ってぎゅっと握ってはっきりと言った。
「私決めた! 黒木くんがすっごく悲しそうな悲しそうな顔してたらとにかくこうして手を握る!」
「え? ちょっ、アーヤ」
私は黒木くんがこんなに慌てた顔を見るのは初めてだった気がする。
「何? 文句あるの? 聞いてるのに答えないでなんか悲しそうな顔ばっかりされると私が悔しいの!」
「悔しい?」
「そう。私は黒木くんの仲間でしょ? 仲間が話せないなら聞かない。だけど、何もしないとは言ってないし、言わないから。少しでも黒木くんが悲しくないように、一人じゃないってわかってもらえるようにこうやって握れば、少しは悲しい気持ちも無くなっちゃうでしょ」
- Re: 探偵チームK'z事件ノート 《寂しがりやは知っている》 ( No.23 )
- 日時: 2017/03/30 12:18
- 名前: よなよな (ID: Mq8ZPl.i)
黒木くんはぷっと吹き出していた。私は真っ先に喜んだ。
「ほら、黒木くん笑った」
「そうだね、俺の負けだ。全くうちのお姫様は最強かもね」
さっきまでの悲しい顔が嘘みたいに吹き飛んだ黒木くんの顔はとっても優しかった。
「ふふ」
「ねぇ、アーヤ何で俺が悲しい顔してると悔しいの?」
「簡単よ。黒木くんは私の仲間で大事な友達でしょ? 大切な人を笑顔にできないなんて悔しいに決まってるじゃない!」
私は自信を持ってそう言うと、黒木くんは笑って
「うん。ありがとうアーヤ。さぁ、遅くなったしそろそろ帰ろうか」
「うん」
私達はそうしてゆっくり歩いて行った
「黒木と…立花?」
- Re: 探偵チームK'z事件ノート 《寂しがりやは知っている》 ( No.24 )
- 日時: 2017/03/30 22:26
- 名前: よなよな (ID: Mq8ZPl.i)
次の日、私はお昼御飯を食べて事件ノートと筆箱を鞄の中に入れてさっさと自転車に乗って家を出た。
いい天気だぁ
お昼に外に出て見ると、やっぱり元気な気持ちになれて今日も頑張れるんだよね。
その時、何かがぶつかる大きな音が聞こえてきた。
え? 何?
「イッテェ…」
なんか人の声もしてくるんだけど。どうしよう、怪我してたら大変だしほっとくわけにも行かないよなぁ。
私は自転車を音のした方に向けて少し走ると、何故か電柱に衝突したと思われるガタガタの自転車とそこの隣で座り込んでいる私より少し年上の男の子がいた。
「あの、大丈夫ですか?」
私の声に気づいたその人はパッと顔を上げた。するとまぁびっくり、かなり顔を整った女の子にモテそうな人だった。
そして、その人の右膝を見ると大きく擦りむいた傷があった。
「あ、あの、立てますか? 傷洗わないとばい菌入っちゃうので少し歩いた所に公園があるからそこの水道で少し流しましょう?」
私がそう言って手を差し出すと、その人は私の手を取って立ち上がった。手を引きながらすぐ近くにあった公園の水道まで連れて行った。
本当は水道の水なんか使いたくないけど、仕方がない。緊急事態だ。
私は水道の蛇口をひねって水を出して
「膝出しますね」
ハーフパンツのズボンの裾を少しまくって水に足を近づけようとした時、その人は少しよろけたから
「私の肩適当に掴んでてください」
その人はなんら躊躇いもなく私の肩に手を置いてバランスを取る。
お、重い…
傷を水につけると、その人の私の肩を掴む力が少し強くなる。
「もう大丈夫ですよ」
私は蛇口を止めて、濡れた足をこちらに向ける。そして、自分の持っていたハンカチで濡れた部分を拭く。それからポッケからポーチを取り出して絆創膏を傷に貼った。
「これで大丈夫だと思いますよ」
私がそう言うとその人は初めて口を開いた
「ありがとう。君優しいね、準備もいいし手際もいい。相手に気を使えるところとかも、最近の女の子は全然しないから俺すっごく嬉しかったよ」
え、急にそんなに褒められると困るんだけどなぁ
「いえ、当然の事しただけなんで」
「謙虚なんだね。でも助かったよ、チャリこいでたら急にブレーキ効かなくなるし。そしたら電柱ぶつかるしさ」
よくそこまでしてそのぐらいの軽傷で済んだよね。
「それだけやって、よく擦り傷で済みましたね」
「まぁ、俺サッカーやってるから運動神経には自信あるしね。俺品川雄大、君はなんていうの?」
品川さんは慣れたような笑顔で私の名前を聞いてきたので、私は礼儀として答えた。
- Re: 探偵チームK'z事件ノート 《寂しがりやは知っている》 ( No.25 )
- 日時: 2017/03/31 02:37
- 名前: よなよな (ID: Mq8ZPl.i)
「立花彩です」
「へぇ、綺麗な名前だね。彩ちゃんは俺より年下っぽいけど今何年?」
突然の名前呼び!私、皆にもアーヤしか呼ばれた事ないんだけど。
少し混乱しながら私は答えた
「中学2年です」
「じゃあ、俺より一個年下だね。でも、彩ちゃんって何か一気に大人になりそうなタイプだよね? モテるでしょ?」
ズカズカ入ってくるなぁこの人。それにそろそろ約束の時間だし急がないと
「では、私は約束があるので」
「そーなの? 残念だなぁ。じゃあ、今度お礼するね」
私は自転車の所まで走って乗り、慌ててペダルをこいで若武の家まで向かった。
「すみません! お邪魔します」
私は若武の家のドアを開けて行くと、お手伝いの島崎さんが迎えてくれた
「いらっしゃい立花さん。今日は小麦粉を切らしてしまったので、デザートはプリンですがよろしいですか?」
「はい!是非!」
「いつもありがとうございます。皆さん上にいらっしゃいます。お引き止めしてすみません」
「いえ、いつもありがとうございます! 島崎さんのおやつ大好きです」
私はそう言って皆のいる書斎に向かって階段を上った。
「ごめん! 遅れた」
「そーだぞ、アーヤ記録係がいないんじゃ何も始まらないだろ」
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