二次創作小説(紙ほか)

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探偵チームK'z事件ノート 《寂しがりやは知っている》
日時: 2017/03/23 22:36
名前: よなよな (ID: Mq8ZPl.i)

たまに…本当にたまになんだけどね




自分には出来ることなんか全くないんだって考えることがあるの




前々から思ってはいたんだけど





新しい仲間が増えて、自分にできることってなんだろう?







そんな風に最近は考えることもあるんだ





少しでも暇になっちゃうと、すぐに考えだしちゃう





多分そういう子は沢山いると思う







皆はどうやってそれを乗り越えて、大人になっていくのかな?






《よろしくおねがいします》

Re: 探偵チームK'z事件ノート 《寂しがりやは知っている》 ( No.36 )
日時: 2017/04/01 15:19
名前: よなよな (ID: Mq8ZPl.i)

「上杉くんは黒木くんと仲良いんだよね?」
「あぁ」
「黒木くんってたまにすっごく寂しそうな顔をするでしょ。私、今のこの仲間がすっごく大切なの。そんな仲間が悲しい顔してるのは絶対に嫌。けど、私にできることなんか何もないから、それでも何かしたいって考えた時にね、昔おばあちゃんに悲しい時はいつもあぁして手を握ってもらってたんだ、そしたら不思議と笑顔になれたの。だから、黒木くんにも同じ事をしたんだよ」
自転車をこぎながら私は笑顔で心のそこから思ってる事を言った。すると、上杉くんが自転車を止めて私の目をしっかりと見てきた。透き通るように鮮やかな瞳は私の心が海の底へしずむような気持ちになった。
「俺は黒木の事を知ってる。あいつの事、知りたいか?」
私は首を横に振って言った。
「確かに黒木くんの事を知ったらできることがあるかもしれない。けどね、それは黒木くんから聞きたい。他の誰かじゃない、その人の言葉で聞かなきゃ意味がないんじゃないかな」

Re: 探偵チームK'z事件ノート 《寂しがりやは知っている》 ( No.37 )
日時: 2017/04/01 18:15
名前: よなよな (ID: Mq8ZPl.i)

「じゃあ、俺が困った顔をした時は黒木みたいにしてくれるのか?」
「もちろん!」
上杉くんは少し安心したような、優しい笑顔になった。
「そっか、さんきゅうな」
そう言って上杉くんは私の頭をわしゃわしゃと撫でた。それがどこかあったかくて心地がよかった。
そうしている間に、私の家に着いた。
「送ってくれてありがとう」
「あぁ。じゃあ、また来週」
「うん。バイバイ」
自転車に乗ってどんどん進んでいく上杉くんの背中が見えなくなるまで私は手を振り続けた。

Re: 探偵チームK'z事件ノート 《寂しがりやは知っている》 ( No.38 )
日時: 2017/04/01 18:33
名前: よなよな (ID: Mq8ZPl.i)

月曜日、私は荷物を持って学校に行くために駅に向かった。
「アーヤおはよう」
「え、翼? 部活は?」
「今日は顧問が出張で休み」
へぇ、そっか。
何だかこうして翼と朝に一緒に学校に行く事が何だか不思議な気分だった。
「ねぇ、そういえばアーヤって天童社長のパーティに行くこと、オッケーもらえたの?」
ふっふーん。
私は翼に当然っと言いたげな顔でウィンクをした。
「ちょっと、怖かったけど。無事に皆と行けることになりました!」
翼はやったっと言って一緒に喜んでくれた。

天童社長の誕生パーティーに行くことが決まったその日。私は帰ってすぐにママに話をしに行った。
「ママ!」
「何よアーヤ。帰ってくるなり大きな声で」
私の声を聞いて少し不機嫌になったママの顔を見て私は一瞬ひるみそうになった。けど、K'zの活動に参加するためにやらなくちゃいけないんだ。
「あのね、友達と一緒に泊まりに行く事を許可して欲しいの。」
よし! 言えた!

Re: 探偵チームK'z事件ノート 《寂しがりやは知っている》 ( No.39 )
日時: 2017/04/01 19:14
名前: よなよな (ID: Mq8ZPl.i)

「友達と、何処に?」
「私の友達がニュースでやってた天童社長って人と知り合いで、オープンの日の誕生パーティに私や他の人と招待されたの。そこで何か一つパフォーマンスをしてくれないかって」
ママは一瞬驚いたような顔をしてから、段々眉間にシワを寄せ始める。
「駄目よ。大体子供だけでだなんてママは許可できないわ。それに勉強はどうするのよ?」
もし、ここで私が引いたら多分K'zの活動は二度とできないかもしれない。
「ねぇ、私に自由ってないの? いつも、お兄ちゃんやなこには甘い顔してどうして私は駄目なの?」
「それは、アンタが子供」
「子供子供って言って家の中に閉じ込めておく事に意味ってあるの? 私はもっと皆と色んな物を見たり経験したいよ。外に出て気づけることってあると思う」
ママはそれでも引こうとしない。
「それで何かあったらどうするのよ! ママは彩が少しでも安全なようにって…」
「頼んでない!」
私は生まれて初めてママに反抗したかもしれない。ママもかなり驚いている。
「何かあったって私だって子供じゃないんだから、ある程度の事はどうにかできる。そうやって縛られる方が私は辛いよ。ママは私の事、本当は何も見てないの?」
ママと私にしばらくの間、沈黙が流れた。すると、リビングのドアがゆっくりと開く。
「いいんじゃないかな?」
「パパ!」

Re: 探偵チームK'z事件ノート 《寂しがりやは知っている》 ( No.40 )
日時: 2017/04/03 01:01
名前: よなよな (ID: Mq8ZPl.i)

少し申し訳なさそうに部屋に入ってきたパパは不機嫌なママと私を見て笑った。
「彩がこんなに自己主張するのは初めてだったよ。確かに、祐樹は高校生で大人だとか、なこはまだまだ子供だって言って大目に見てきた事は沢山ある。彩には肩身の狭い思いをさせてきたようにもパパは感じてるよ」
私の肩を持つパパにママは
「じゃあ、この子がどんな不良になってもいいって言うの?」
パパは困ったように首を横にふった。
「そうは言わないよ。けど、何事も経験だしね、パパは彩の事を信じたい。ママだってそうだろ?」
優しくたしなめられたママは何も言い返せないようだった。
「よし、彩と約束しよう。もうこれ以上パパやママは彩をできる限り自由にしてあげる。ただし、遅くなる時は連絡を入れること、勉強も疎かにしないこと。約束できるかな?」
私はみるみるうちに笑顔になっていった。
「うん! 約束する」
そう言うとパパは私の頭をポンポンと撫でてママも諦めたようにため息をついた。

こうして、私の自由は自分で勝ち取ったのであった。


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