二次創作小説(紙ほか)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

【ONE PIECE】とある世界に一般人
日時: 2017/11/12 21:20
名前: 楼蘭 (ID: 7xKe7JJD)


なんとなく再び迷い込んだ楼蘭です。

今回はこれ一本でやります

ドラえもん並の暖かい目出みていただけると嬉しいです。
(*Φ∀Φ)アタタカイメ……

Re: 【ONE PIECE】とある世界に一般人 ( No.56 )
日時: 2022/11/03 21:13
名前: 楼蘭 (ID: EjFgzOZO)


【56】

「わぁぁぁ!!雪山!!雪!!真っ白!!」
「コラァァァァ!!!また凍傷になる気かァァァ!!」

たどり着いた島の外へと飛び出そうとした誠はレオンに鬼の形相で怒られていた。

「しかし雪を見るのが初めてなんて可愛いですねぇ」
「雪だるま作ってカマクラ作って雪合戦したいです!!」
「怒られてるやつの態度じゃねぇ」

とりあえずライトの着れなくなったコートと編み上げブーツ、冬服を借りて着込んだ誠は上陸した島ではしゃぎまくっていた。子供のように無邪気に雪遊びする誠の姿に微笑ましく見守るクルーたち。

「おっ......おい」

雪だるまの頭部を作るべくコロコロと転がす誠のそばで声が聞こえてふと顔をあげれば少し距離を開けたところに顔を真っ赤にさせた青年がいた。周りを見回しても誠しかいない。

「なにか?」
「ヒユッ」

息を飲む声だけ聞こえて固まる青年に誠はどうしたらいいものかととりあえず近寄り再び声をかける。

「大丈夫?」
「………ムリ」
「え?」

猛ダッシュで逃げていった青年。何か用があったのではなかろうか。

「誠、買い出し行くぞ〜」
「はーい」

声をかけられシャンクスの側へと駆け寄っていく。だが、さすがに靴は大きかったようですんでのところで雪へ顔面からダイブした。所謂コケたのだ。

「おーい、だいじょ……ぶじゃねぇなぁ」

起こされた誠の額は切れており血が滴り落ちて雪と混ざり結晶となっていた。

「雪って切れるんですね」

コケてあとが着いた雪の中には何故か刀の欠片がありそれが原因だと判明する。
とりあえず戻ってもめんどくさいなぁと思った誠は腰に巻いた布を頭にまきつけた。

「よし、行きましょう」
「いやいや、何故に?」
「雪は切れるもの」
「普通は切れねぇよ」

初めての雪にテンションが上がりっぱなしの誠はシャンクスの腕を引いて街へ。

「そういえばさっき男の子が声をかけてきたんですけど、逃げられちゃいました」
「なんだ、脅したのか?」
「どうしてシャンクスさんはいつもいつも意地悪なことしか言わないんですか」
「なんだよ、声かけられて逃げられたなんて脅したか、顔みて間違えたかだろ」
「………ハッ!今日メイクあんまりしてないから!?」
「いや、普段知らねぇだろ」
「きっと逃げ帰るほどのブサイク...いや、ブサイクは元々か..」
「………人の話聞いちゃいねぇな」

溜息をつきながら誠を抱えあげた。

「そんなことより、まずはどこに行く?お嬢さん」

抱えられて高くなった視界に広がるのは雪像がイルミネーションされた賑やかな街。ここは冬島、リース島。

Re: 【ONE PIECE】とある世界に一般人 ( No.57 )
日時: 2022/11/12 19:35
名前: 楼蘭 (ID: qNIh9ax1)


【57】

「いっぱい買って頂きましてありがとうございます」
「...お前またこんな数で済ます気か」

誠の服はシャンクスに買ってもらった可愛らしいワンピースにしっかりとした防寒具、編み上げブーツなどを身につけていた。それ以外にも既に10着以上は買ってもらっていて船に届けてもらう手筈になっている。

「前より買って頂きました」
「お前はすぐに服をダメにするんだ」
「私のせいじゃありません」
「誰もそうは言ってない」
「私の服よりお願いがあるんですけど」
「今日の目的はお前の服なんだが?」

シャンクスはため息をつきながら誠の身長に合わせて耳を傾ける。

「鉱石の加工ってどこで出来ますか?」
「鉱石?」
「ベックマンさんが教えてくれたんです。真珠の宝石言葉は純粋・健康・長寿・富で、大切な人への思いや願いをこめて用いられてきた宝石だって」
「へぇ、そうなのか」
「無駄に出てきちゃったんですけど、レッドダイヤより真珠の方が加工しやすいかと。問題も起こらなさそうなので」

優しく微笑む誠にシャンクスは折れたように笑うと誠を抱え上げる。

「んじゃ、聞いて回ってみるか!」
「......抱える必要ありますか?」
「お前の歩幅だと日が暮れるからな」
「くれませんけど」

とりあえずの聞き込みで今宵の宴の場所を条件に教えてくれたのは裏通りのさびれた場所。店の中はガラクタだらけ。

「本当にここなんですか?」
「多分な」
「冷やかしなら帰んな!」

突然の声に誠が声の方へ顔を向けるとイカついガタイのいい男がタバコを加えて睨んでいた。

「あー!!ライス!」
「ん?」
「知り合いですか?」
「あぁ!」
「その赤髪......シャンクスか!」

さっきまでの変な雰囲気はどこへやら。再会を喜ぶようにふたりが抱き合う姿に見た目通り外国みたいな挨拶するんだなぁと呑気に考えていた。
と、店の奥から誰かが出てきて誠と目が合う。その瞬間その人物は店の中のものをガラガラと崩れされた。

「何やってんだ、ハル」
「さっきの子」
「さっきのって、逃げられたってやつか?」
「はい、ハルって言うんですね」

さっきは帽子をかぶっていて分からなかったが綺麗なターコイズの色の髪と瞳。

「綺麗な髪色」
「天使」
「え?」
「いや、あっ、なんでここに来たんですか」

若干真っ赤な顔と上擦った声が気になるが誠は真珠の入った袋を机の上に置く。

「これを加工してもらいたくて」
「ほぉ、コイツは上物の真珠だな」
「誠、ライスなら大丈夫だ」
「なら、コレも一緒に」

もうひとつ袋を机の上に置く。それの中を見たライスは目を見開いて誠を見る。

「それ、どうにか適当に細工して貰えませんか?」
「親分?」
「これを加工しろと?」
「小さく裁断していただくだけでもいいんですけど」

中身がハルには見えていないようでその袋を抱えたままシャンクスの首に腕を回して引っ張っていく。

「ハルくん」
「っ!?」
「でしたよね?」

真っ赤な顔で頷くハルに誠は初々しさが可愛いと思ってしまった。

「その真珠なんですけど、男の人のアクセサリーにして貰えますか?何種類か作っていただいて」
「でっ、デザインは」
「私、センスがないようで」

一度絵を書いたことがあった。ひたすら笑われた記憶しかない。なんならしばらくは画伯と呼ばれたほどだ。快く引きうてけてくれたハルに誠は金額の話へと進める。

「このダイヤ、あの子が貴石の女神なのか」
「なんだ、知ってるのか」
「お前、この前懸賞金上がったばっかなんだから」
「は?上がった?」
「なんだ知らねぇのか?」

ライスは自分のはポケットから一枚の紙を取り出した。そこには確か2億だったその手配書がいつの間にか2億3千万ベリーに上がっていた。

Re: 【ONE PIECE】とある世界に一般人 ( No.58 )
日時: 2022/11/23 07:34
名前: 楼蘭 (ID: qNIh9ax1)


【58】

「ということで、短期間で瞬く間に上がってしまった誠なんだが」
「まぁ、あの場に海軍いたしな」
「なんなら海軍とやり合ったって話だしな」
「あっ.........上がってます。これでは立派なお尋ね者です」
「いや、初っ端に2億ついてたしなんならその紙出た時点で立派なお尋ね者だよ」

せっかくの宴なのにショックを受ける誠。まぁ自分の懸賞金が上がっていたのだ。

「こうなればヤケ酒です!」
「おっ!いい飲みっぷりだな!」

一気に1瓶酒を煽り飲む。今日は宴会。寒い冬島だからこそお酒が進む。あっという間に4瓶空にするとようやく落ち着きを取り戻す。

「久々に落ち着いた気がします」
「そりゃ色々あったからな」
「まぁ今日は飲めや歌えやどんちゃん騒ぎと行こうぜ!」
「船長太っ腹〜」

そのまま言葉通りのどんちゃん騒ぎ。
で、少し席を外した瞬間、カワイイきれいなお姉さんたちが群がっていた。

「誠、どこいってたんだよ」
「酔い醒ましですよ、それにしても両手に花ですね。シャンクスさん」
「ヤソップの隣なら空いてんぞ」
「おい!なんで罰ゲームみたいなんだよ!」
「ダメですよ、ヤソップさんの隣は奥さんって決まってるんですから。それに私もどうせなら綺麗な人達がいいです」
「誠?」
「こんなにも綺麗で可愛いお姉さん達に継いでもらえて会話して貰えるなんてそれだけで幸せですからね」

誠からの放たれた言葉と笑顔はその場にいたすべての女性をとりこにした。

「誠って酔うとタラシになんのか」
「こっちに座ってお話しましょうよ」
「えぇ!こっちにおいでよ〜!」

ふと後ろのほうで揉めている声が聞こえる。

「ほら飲めって!」
「あの、私お酒が」

その酒をヒョイっととると一瞬で飲み干してしまう。

「お兄さん達」

誠は服を脱ぎ椅子にかける。

「......頭」

船員の視線がシャンクスに集中する。無理もない、背中がガッツリ開いた所謂どーてーを殺すニット。

「いいだろ?」

その一言に心の中でガッツポーズをしたものが何人いたことか。絡んでいた男たちも口笛を吹く。

「なんだよ、姉ちゃんが相手してくれんのか?」
「こんな可愛いお姉さんが困ってんのに手を差し伸べない訳には行かないからね。見るところによると賭け事?」
「あぁ、今んとこ1億の勝ちだな。それを酒ひとつでチャラにしてやろうと」

誠は机の上に置いてあるカードを見て口角を上げる。

「じゃぁ私の首でどう?」
「あ?」
「貴石の女神って私の事。2億3000万ベリー」

机の上に置いた手配書。貴石の女神は貴重な鉱物を生み出すと最早有名になっている。

「あの、私」
「お姉さんはこっち」

誠は女性の手を引くとシャンクス達の卓へ。

「お姉さんよろしくお願いしますね」
「手加減してやれよ」
「身ぐるみ剥がすまでで勘弁してあげますよ」
「全然手加減してねぇな、それ」

微笑むと男たちの元へと戻る。

Re: 【ONE PIECE】とある世界に一般人 ( No.59 )
日時: 2022/11/24 20:48
名前: 楼蘭 (ID: qNIh9ax1)


【59】

「ロイヤルストレートフラッシュ」

笑顔の一言で黙らせてそのまま男たちは酒場を出ていく。

「シャンクスさーん」

やっている最中に結構飲んだようでベロベロ。口調だけで足取りも顔色も変わらない誠は普段を知らなければ酔っているとは思われない。

「ベロンベロンじゃねぇか」
「何飲まされたんだ?」
「んと、テキーラとかジンとか、スピリタスもいっぱいだけ飲みました」
「おいおい、明日二日酔いじゃねぇの?」
「ヤソップさん、私は凄いんですよ。なんせ記憶を飛ばしたこともなければ二日酔いになったこともありません」
「海賊としては最高だな、おい」

シャンクスが座るソファの背もたれに腕を組んで頭を乗せて力なく微笑む。

「それ戦利品か?」
「あげまぁす」

麻袋に大量の金銀宝石。そして古びた小さな宝箱をシャンクスに渡す。

「スピリタス飲みきったらあげるって言われたんでもらいましたぁ」
「それはやるつもり無かったんじゃね?」
「え〜?そうなんですか?」

シャンクスはそっとその箱を開けると中には変な模様の果物。

「この世界には変な果物があるんですねぇ、それが美味しいんですか?」
「...誠」
「ん?なんですか?」
「これは悪魔の実と呼ばれるものだ」
「この実ひとつで1億ベリーはする」
「私の体は1億以上ってことですね」
「おいおい、そりゃどういうことだ」
「スピリタス飲めなかったら1晩の相手って条件だったんで」

その言葉にいち早く反応したのはベックマン。

「ほぉ」

気がついていないのは誠だけ。

「今日船戻らない人結構いるんですよね?」
「そうだろうな。久々の島だし」
「私もウロウロしてきます」
「どこ行くんだ?」
「女だって溜まるんですよ」

酔っ払いの行動は早い。誠はそのまま酒場を後にした。

「だそうだが?」

楽しそうにベックマンを見るシャンクス達。タバコの火を消すと誠が脱ぎ捨てた上着を持って立ち上がる。

「気にしなくていいってことだよな?」
「まぁそうみたいだな」

ベックマンもそのまま誠の後をゆっくりと追いかけた。

Re: 【ONE PIECE】とある世界に一般人 ( No.60 )
日時: 2022/11/30 18:09
名前: 楼蘭 (ID: 9pFPYMWe)


【60】

ベックマンが外出た時には既に誠は逆ナンをしていた。

「おい」
「ん?ひっ!やっぱり無かったことに!」

振られてそのまま残された誠の肩にコートをかける。

「振られました」
「みたいだな」
「せっかく一夜一緒にいてくれそうだったのに」
「見境なしだな」
「ろくな男に捕まってませんからね」
「そうだった」

ふらふらと夜道を歩く。

「いっつも酔うとそんなことしてんのか?」
「誰でもいいわけじゃないです」

来るっと振り返る誠は少し顔を赤らめてベックマンを見る。

「ベックマンさん」
「なんだ」
「『月が綺麗ですね』」
「あぁ、そうだな」

伝わらない愛の告白。場所も違えば言葉も違う。

「ん〜ベックマンさんがいるならもう1件行きませんか?」
「まだ飲むのか」
「あっ、……あの」
「「ん?」」

二人して背後からの声に振り返ればハルが顔を真っ赤にして立っていた。

「あれ?ハルくん」
「これ」

差し出された紙で察した誠はハルの手を引いてベックマンから離れる。

「近寄っちゃダメですからね」

そう牽制されれば面白くない。目の前でハルと誠が紙を指さして楽しそうにしている会話を見るのも面白くない。

「んじゃぁこれでお願いします」
「受け取りは1週間ぐらい欲しいって言ってた」
「わかりました。シャンクスさんに伝えますね」
「あっ、あと」
「ん?」

顔を真っ赤にしてなにか言いたそうにするハルに首をかしげると顔を上げた。

「きっ、今日は一段と可愛いです。雪で遊んでた時も…その……天使みたいで!」

真っ赤にしながら走り去ってしまったハルに誠は一気に酔いが覚める。

「え?何今の……可愛すぎじゃない?」

とりあえずベックマンを待たせているなとそちらを見れば綺麗なお姉さんたちに囲まれていた。

「邪魔したら悪いし」

誠はそのまま一人夜の街へ溶け込んだ。ベックマンが目を離した一瞬の出来事である。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。