二次創作小説(紙ほか)
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- 新訳 FAIRYTAIL【CROWN】完結!
- 日時: 2020/08/05 16:17
- 名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)
もう少し細かく掘り下げたいと思います。前ので出ていたキャラの設定が変わっている
かもしれません。原作を見直しながら進めたいと思っています。
「大魔闘演武」>>01-15
「不思議な生物ケモケモ」>>16-17
「姪っ子が来た!」>>18-19
「冥府の門」>>20-37
「アルバレス帝国」>>38-57
「アルバレス帝国、その後」>>58-59
- Re: 新訳 FAIRYTAIL【CROWN】 ( No.30 )
- 日時: 2020/08/01 17:01
- 名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)
フェイスを止めることに成功したウェンディとシャルルを助けたのはドランバルトと
氷の滅竜魔導士オレガノと彼の相棒キャンディだ。
「あら、キャンディじゃない」
「お久しぶりですシャルルさん」
耳と尾の先は黒く、赤と青のオッドアイのメスのエクシード。
「オレガノさんはどうしてここに?」
「たまたまギルドの依頼の帰りで通りかかったからだ。ドランバルトとは少し関わりがあったから
手を貸しに来た。…ルーチェは参加してるのか?」
オレガノの言葉にウェンディは首を横に振る。人形師カトレアと共に何処かに出かけて
戻ってきていないと言った。
ドランバルトにより見せられたのは多くのフェイスが並ぶ場所。
「随分と用意周到じゃねえの敵さんも。一機は確実に見つけられるであろう場所に、他は
隠してた…か」
オレガノは冷静だった。
「ちょっとアンタ、どうしてそんなに冷静なのよ」
「冷静じゃない。だけど打破する手を考えるには落ち着くしかない。他の手が見つかることを
祈るしか、無い時もあるんだぜ」
ウェンディの口に何かが入った。丸い、甘いもの。飴だ。
「美味しい!良いんですか?」
「構わないよ、な?キャンディ」
オレガノはキャンディを抱いた。
「それに妖精の尻尾最後のメンバーがここに到着したみたいだぜ」
オレガノは空を仰いでそう言った。ウェンディは思い出したような表情を浮かべる。
別の場所ではルーシィはどうにか立とうと努力していた。
「あっ!」
ルーシィを襲う数人の兵士。彼らからルーシィを守ったのはジェラール人形だった。
『無事か、ルーシィ』
「カトレア!?ルーチェは!?ルーチェはいるの!?」
『冥府の門の何処かにいるはずだ。無理に動くな、ルーシィ。周りを見てみろ』
ルーシィの周りには槍や盾、剣を持った人形たちが守るようにいた。
これらの人形は全てカトレアの手作り人形だ。
『お前の努力のおかげで、救われた者は多いだろう。今は守られていて構わない』
「…うん!」
- Re: 新訳 FAIRYTAIL【CROWN】 ( No.31 )
- 日時: 2020/08/01 19:37
- 名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)
「エルザさん!ミネルバさん!」
「ルーチェ!それにお前たちまで」
ルーチェとスティング、ローグの三人が駆け付けた。
「二人とも、私はまだ戦って無いから任せてよ!」
ルーチェは胸を張った。そんな彼女を見てエルザは頷く。
「頼りにしているぞ」
エルザの言葉にルーチェは大きく頷いた。ルーチェのカードが赤い光を帯びる。
—「火竜拳」
ルーチェの両手を赤いグローブが覆う。ルーチェの正拳突きは躱されるもそれは目くらましと
なってスティングとローグのサポートとなった。
—「雪姫ノ扇」
二対の白い扇子をルーチェが振るうと冷気が放たれマルド・ギールの足元を凍らせる。
「この程度では…」
「足止めをするつもりは無いよ。一瞬でも時間を作れれば…!」
ルーチェの今の立ち位置は双竜のサポートがメイン。
別の場所では満身創痍でありながら駆け付けたラクサスが九鬼門、不死身のテンペスターと
交戦していた。
「ダメだ、ラクサス!」
ガジルは叫ぶ。まだ魔障粒子は体の中に溜まっている。そんな中、通常通りに戦えるはずが
無い。
「厄除人形・ストロードール」
殴られたがダメージは無い。ラクサスが負うはずのダメージは藁人形が負った。
「人形師カトレア!」
「あまり無理をするな」
カトレアが軽く手を振るうと人形たちが現れる。幾つかの人形はナツやルーシィたちを模している。
「フィオーレ人形劇・妖精の尻尾」
「この人形たちは…ッ!?」
テンペスターは口を触る。何かで強引に閉じられた。
「縫わせて貰ったよ、お前のその悪い口を」
藁人形を拾い上げ見せつけた。藁人形の口が鉄線で硬く縫い付けられていた。
「藁人形ってのは厄を除けることも出来るが、呪術としても扱える。東洋の術でこれを
丑の刻参りって言うんだよ。この人形の腕に釘を打ち付けると…」
カトレアは壁に貼り付けるように人形の腕を釘で止めた。声を上げたのはテンペスターだ。
- Re: 新訳 FAIRYTAIL【CROWN】 ( No.32 )
- 日時: 2020/08/01 20:32
- 名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)
「ンんんッ!!!」
テンペスターはすぐに立ち上がり殴り掛かる。
「今は人形劇の最中だ。席を立ってもらっては困る」
カトレアが操る人形たちが一斉攻撃を仕掛ける。更に藁人形の脚、腕、目と容赦なく彼は
釘を打ち付けた。
「呪いにも人形劇にも終わりを告げようか」
カトレアが取り出したのはマッチ。マッチ棒に火をつけ人形に着火する。テンペスターの体も
同じように燃え上がる。
暫くして目を覚ましたナツたち。一先ず安堵しようとするもそれは許されなかった。
滅竜魔導士のみが大きく反応を見せた。近づいてくる黒い竜アクノロギア。それに反応して
イグニールが姿を現しアクノロギアに立ち向かう。
「スティング、ローグ、大丈夫?」
「あぁ…それよりさっきの奴は…」
「今は一旦休もう。私…ッ!?」
ルーチェが両膝を付き顔を覆い苦しみだす。
「何…これ…!?」
走馬灯のように流れる記憶。それは古い記憶。竜と人が共生する時代の記憶。
竜たちと会話する一人の修道女。
微かな声に呼び戻されルーチェは我に返った。
「大丈夫か、ルーチェ」
スティングにそう声を掛けられルーチェは頷いた。
「行こう、ナツのところへ。といっても協力するって話は承諾してくれなそうだけど」
ルーチェは苦笑しつつ足を動かす。
- Re: 新訳 FAIRYTAIL【CROWN】 ( No.33 )
- 日時: 2020/08/01 22:32
- 名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)
地下に落ちていくナツに助太刀したのは双竜とルーチェの三人だ。
「おまっ、ルーチェまで来たのか」
「おうとも。私、妖精の尻尾だけど全く倒してないし、手を貸すつもりで来たんだけど」
ルーチェは少し謙虚な言い方をした。
上から降りて来たマルド・ギールは未だ余裕の笑みを崩さなかった。しかし彼が動揺する
人物が現れる。氷の滅悪魔法を手に入れたグレイだ。
「滅悪魔法、悪魔を倒す力なら…!」
「やっと完成しましたね」
彼らを阻む人造悪魔となったジエンマが姿を現した。更にもう一人、悪魔が姿を現す。
「場違いな魔導士が釣れたな」
ワインレッドの髪をした男はルーチェの前に立った。
「ヴァルナ、珍しいですね。ついさっきまでつまんないとボヤいていたのに」
「何時行動しようが構わないって言ったのはお前だろ」
ヴァルナは笑みを浮かべた。
「ルーチェ、そっちは任せたぞ」
「任された」
ルーチェはカードを使う。雷を帯びた槍が握られる。そして上へと飛んだ。
「喰らえ!全能神の憤怒の雷を!!雷霆神槍・ケラウノス!!!」
大きくなった雷の槍はヴァルナ目掛けて投げられた。槍が直撃し、煙が舞った。見えたのは
槍を握り潰したヴァルナの姿。
「これが神槍か。確かに初手にしては中々派手な攻撃だったな」
—「結衣・疾風迅雷」
ヴァルナの拳を躱し蹴りを放つ。ヴァルナの体が傾いたのを見て少し油断してしまった
ルーチェ。その隙を見逃すはずもなくヴァルナは彼女の足を掴み投げ飛ばした。拳圧だけでも
ダメージを負ってしまう。彼女を受け止めたのはローグだった。
「え、もう終わったの!?」
「あぁ、こっちは終わった。手を貸すぞ」
ルーチェは地面に足を付け二人の提案を断った。
「私が戦うよ、しっかりね。だけど力は貸して欲しい。やりたいことがあるの」
ルーチェが何かを企んでいることを知りヴァルナは興味を示した。
自分を倒せるほどの相手が目の前にいるかもしれないのだ。そんな人間が何かを掴む前に
殺してしまってはつまらない。
「それで倒せるかもしれないと?良いねェ、俺は別に構わないぜ。早くやれよ」
- Re: 新訳 FAIRYTAIL【CROWN】 ( No.34 )
- 日時: 2020/08/01 22:57
- 名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)
大魔闘演武終了後、それぞれのカードに正式に名前を付けた。
魔法の名称も自身で「共鳴」と名付けた。
今、体全体を覆うことが出来るミロワールはナツの力を模した太陽装のみ。
この場でもう一つ作ってしまおうという寸法だ。双竜を見てパッとルーチェは思いついた。
二人の魔力を吸収し新たなものを作り出す。
「フハハ、アハハハッ!!それは今、作ったモノだな!?少し侮っていたな、そんなに器用で
創造力がある魔導士だとはなぁ!」
右脚は白、左脚は黒と対を成すロングブーツ。白を基調にした服の上から黒いマントを羽織る。
「共鳴・月衣」
ヴァルナは地面を蹴り上げルーチェに向けて拳を突き出した。その拳がルーチェを通り抜けていく。
予想外の事に彼は一瞬だが動揺した。すぐに冷静さを取り戻すも少し遅かった。
「くっ!影からの攻撃か…それがその魔法の力か」
「この魔法の力の一つ、他にもあるよ」
ヴァルナの体が動かない。それは見覚えがあった。
「白い光の聖痕…それに影からって、俺たちの力をそのまま!?」
その拘束は力づくで破られてしまった。ヴァルナは舌なめずりをする。ちょっとした癖で
彼がどんな力を扱っているのか察することが出来てしまった。
「魔力を吸収した…!」
「正解。で、どう立ち向かう?諦めるという選択肢は無いぞ、俺がつまらないからな。
俺にとってはゼレフ云々やフェイス、人間がどうこうの話はどうでもいい。ただ強い魔導士の
存在を知って興味が湧いただけ…お前は何のために戦う?」
ヴァルナの手がルーチェの細首を握った。そして地面に叩きつける。影の中に沈み攻撃を
回避しつつ攻撃を放つ。それをヴァルナは跳ね除け出てきたところをもう一度捕まえる。
「戦う理由はただ一つ、友達が戦っているからだ!」
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