複雑・ファジー小説
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- 勇者で罪人の逃避行!【】
- 日時: 2012/09/25 17:52
- 名前: ジェヴ ◆hRE1afB20E (ID: jP/CIWxs)
参照1000突破ァァァァァ!! 感謝しきれません!
こんな拙い小説を見てくださっている方、毎回コメントをくださっている常連様、本当にありがとうございます。
まだ10章近くまである中、1章も完結していない状況ですが、全話完結に向け頑張りたいと思いますのでよろしくお願いします(^^*)
どうもジェヴです(・ω・)
題名は変更しました、仮題なので今度も変更するかもです。
主人公+α以外ほぼオリキャラを目指して。
一時流行ったRPG系の小説ですが、それでよければゆっくり見てってくださいませ(*´ω`*)
【注意】
・更新不定期です、放置多し
・急展開なんて日常茶飯事さ!(蹴
・gdgdなRPG風小説
・オリキャラ様によってこの小説は支えられています
以上です!
【目次】
プロローグ『旅人の逃避行』>>005
登場人物>>118
第一章『砂塵に紛れる支配者と』
01 >>013 02 >>015 03 >>023 04 >>026 05 >>032
06 >>037 07 >>041 08 >>043 09 >>050 10 >>061
11 >>077 12 >>078 13 >>086 14 >>100 15 >>112
16 >>117 17 >>121 18 >>127
@ふざけ過ぎた結果→>>038
【番外編1】
1『武器商人と用心棒と案内人と』>>051
2『四面楚歌!食糧を狙う敵』>>074
3『前途多難、そして追撃』>>081
4『限界に見えた一つの希望!』>>096
5『』>>131
【ものおき場】
イラスト ※私情により簡潔にまとめました。
〆ジェヴより
・表紙らしき何か>>093
・カイン>>045
・番外編組>>094 >>106
・【SI-VAさん】より カイン>>101
〆優勇さんより!
・タイトル>>098
・カイン>>059
・レイラ>>090
・ジョン>>114
〆かのこさんより!
・カイン>>087
〆三月兎さんより!
・レイラ&ゼン>>104
〆グレイさん!
・クナギ>>110
素敵なイラストありがとうございました!
オリキャラ随時募集です。
【オリキャラ投稿の際の注意と留意点】
・オリキャラが敵としてか味方としてか、またどの立場で登場するかなどは私が決めさせていただきます。何とぞ
・1度きりのキャラもいれば、ずっと登場するキャラもいます。ご了承のほどを
・設定(過去話)などは大雑把に。魔法も難しいもので無く説明が簡単なものをお願いします
(容姿や魔法、設定被りの防止です)
・【】の右に書いてある文章は消してください
以上です!
【オリキャラ容姿】
名前【】カタカナで
性別/年齢【/】
種族【】人間、エルフ、竜など
職業【】人間系種族のみ。竜などで職業・魔王城の番人などはおkです
容姿【】できるだけ詳しく
性格【】
魔法属性【】炎、闇、風、ノーマルなど。無しでもおk!魔術師系は複数可能
魔法技【】どういう感じで魔法を使うか
武器【】
技【】どういう技を使うか
備考【】
過去【】
何かあれば【】
サンボイ「」「」「」6つまで
以上です
- Re: 勇者で罪人の逃避行!【本編1−15更新:9/1】 ( No.117 )
- 日時: 2012/09/07 02:14
- 名前: ジェヴ ◆hRE1afB20E (ID: DSoXLpvQ)
*
時を少し戻したアシス街地下——地上の騒がしいのが耳に届き、カインは黙ったまま上を見上げていた。
「…………」
そしてゆっくりとゴーレムの方を向いて、それからレイラとゼンの方に視線を向け直した。
「レイラ、ゼン。俺は推測を誤ったらしい」
すると、どこかいつもと違う真面目そうな口調でそう呟いた。レイラはそんなカインの言葉に思わず息を呑む。ゼンが、つまりどういう事だ?と言いたげな視線を彼に向けると、カインは困ったように唸りながら腕を組み、辺りをグルグルと回り始めた。
「ゴーレムはな、『自然に生まれてくるタイプ』と、”人為的に生まれてくるタイプ”がいるんだよ」
カインは言う。俺はてっきりこのゴーレムが、”人為的に生まれてきたタイプ”の方だと思っていた。しかし、こいつは若干違う——と。自然に生まれてくるタイプのゴーレムは周りの魔力を取り入れ誕生するため「魔法吸引」が伴い、人為的に生まれてきたタイプは人間が岩などの媒体に魔力を注ぎ込む事で誕生するため、「魔法吸引」を伴わない。
彼はそこまで二人に説明すると、心底困ったように髪をグシャグシャとかきむしりながら、その場にしゃがみ込んだ。
「くそ、考えれば分かった事じゃねーかよ……」
カインがそう言ってため息をつくと、何か考え事をしていたレイラがそんな彼に問う。
「剣士さんはどこまで分かってたんですか?」
おそらくそれは、”これまでの事をどこまで予測していたのか”と言う事だろう。レイラは今まで意図が分からぬまま、カインの指示に従っていたらしい。それはゼンも同じ事だが、ようやく彼の指示の意図が把握できたのか彼女の表情から不安が消えていた。
そんな彼女の問いに、カインは少し顔を上げて呟いた。
「ゴーレムが街の下にいて、そいつは1年もの間に成長してた事くらいだ。あの妙な地震が1年前から続いてたってので、ピンと来たぜ」
彼はそう言ってこちらを向く。
「この地域は元々地震が多いって話だが、それはおそらく砂漠にいた『砂百足』のせいだ。おそらく、この地下を行き来してたんだろう。この地下空洞はその砂百足が通った跡だな……それもこんなに広いんだ、頻繁に行き来があったはずだぜ」
まぁ、この1年はおそらくあのゴーレムのせいで砂百足も寄り付かなくなったんだろうがな。そう付け加えて彼はゆっくりと立ち上がった。ゼンはその話を聞いて、彼に問う。
「砂百足の件が本当なら、ではこの1年地震を起こしていたのはこのゴーレムと言う事か?」
ゼンはそう言って、妙に大きなこの空間を見上げて言った。よく観察してみると、まるで岩が内側から削られているようだ、という印象を受ける。おそらくゴーレムが暴れた後なのだろう。現に砕けた岩が足元に散らばっている。
ゼンがそう言ってカインの方を向くと、彼はその通りだと頷いた。
「1年前、おそらくここにゴーレムが生まれたんだ——それも、自然に。しかし、あの爺さん(司祭)が言ってた教祖だの言う奴が、何を思ってかそれを封じた」
ゴーレムの特性、それは環境による肥大化。
ゴーレムは自分の体を大きくするために、まるで眠ってしまったかのように動かなくなってしまう事がある。それは動物の冬眠に似たところがあり、消費した魔力を取り戻すための休息とも言える。それに加え環境が整ってさえいれば、長い時間をかけて周りの岩を体に取り込む事ができる。
そう思えば、ここの環境はまさにそれに適している。砂が大量にあり、真上は砂漠のオアシス——水も豊富だ。街の地下水が砂漠の砂に溶け込み、それが押し固められ砂岩が出来上がる。
偶然にも砂岩の出来やすいアシスの地下に砂百足が空間を作り、そしてそこでゴーレムが生まれた。その偶然が、このような最悪の結果を招いてしまったのである。
「教会にあった鉱石は、おそらくゴーレムの頭だろうな。ゴーレムの存在に気づいてた教祖が、おそらく地下を掘って頭だけを地上に出してきたんだ」
「……なぜそこまで分かる?」
「広場に敷いてあったレンガだけ、妙に角張ってただろ? おそらく最近レンガを敷きなおしたんだ。それにほら、広場以外のは年期があってか角が丸かった」
ゼンの問いにも平然とそう答えるカインに、レイラは心の中で関心した。そんなこと、街の人でない限り気がつかないだろう。ましてや、昨日今日ここに来たばかりの人間が、気づけるものなのだろうか?
「じゃあ、あの鉱石がゴーレムの頭だって何で分かったんですか?」
レイラはそんな事を考えながら、彼に問う。するとその質問までもを、彼はすんなりと答えてゆく。
「あれがゴーレムの頭だって確信したのは、あれに『呪術』がかかってたからだ。信者の『讃美歌』にしてもそうだ、あれはおそらく『呪文』…それも、”呪縛”の一種だ。その呪文を唱える事で、1年間ゴーレムを強制的に眠らせ続けてきたんだろう。あとはその推測と、他の要因うんぬんで、その結論を出したって訳だ」
しかし馬鹿な信者は讃美歌が呪文だも知らず、1年間も欠かさずよくもやったもんだ。そう言って彼は鼻で笑ってみせた。
(——『呪術』? 『呪文』?)
だが、そんな彼の言葉を聞いて二人は首を傾げていた。呪術に、呪文。聞いたこともない言葉の登場に、二人の頭の中には疑問が浮かんでいた。そんな様子を察してか否か、カインが説明に困るように一瞬口ごもり、言葉を紡ぐ。
「あーだかれその、まぁ大雑把に言うとだな?不思議な力の種類には魔法と呪術ってのがあってだな。その魔法と呪術は似てるが全くの別物で、呪術はなんつーか『呪い』っぽいんだよ。こう、すっきりしないなんかマイナスなイメージっつーか、なんかスゲー邪悪な感じなんだよ」
「つまりどういう事なんです?」
「つまりどういう事なんだ?」
下手くそな彼の説明に、二人は口をそろえてそう言った。カインはその言葉に肩を落として、頭をかきむしり半ばヤケになりながら早口で説明を始めた。
話を整理したところ、カインは魔法と呪術をものに例えてこう説明した。
——まず、大きな一つの世界があり、その名前は「フチギナチカラ」と言う。「フチギナチカラ」という世界には、たった一つの巨大な国家が存在していて、その国家の名前を「マホー」と言う。マホーでの政治にはきちんとした規律があり、市民がそれを守る事でマホーという国が成り立っている。また、その国の通貨は「マリョク」というもので、そうして国として機能している状態だった。
そしてある時、そのマホーという国から独立した国家が生まれた。その独立国家の名前は「ノロイ」。ノロイの政治はマホーと酷似しているが、マホーと統括者が違うために、その両者の規律に差が生じた。また、ノロイの統括者は独裁者であり、自分に逆らえないよう都合のいいように規律を改変して、独裁者のエゴの生じた規律で、国を治めているらしい。ただ、そのノロイの通貨もマリョクであり、マリョクによって国がまわっている。
魔法と呪術、そして魔力の関係は、大体こんな感じらしい。すなわち、「魔法も呪術も魔力によって扱え、また両者は似て非なるものである。」と言う事なのだ。
「……あとな、これは昔本で読んだだけで確証は無いんだが——呪術を作った奴は自分の作った呪術によって自分が倒されるんじゃねーかって恐れたらしいんだよ。そこでソイツは、呪術にある細工を施したらしい。ゼン、一体何だと思うよ?」
カインは若干説明疲れな表情を見せながらも、さらに言葉を続ける。熱心にそれを話す彼は、どこか生き生きとしていた。
「さぁ? 何なんだ?」
そして、カインに答えるよう促されたゼンは少しの間考えるが、まるで見当がつかないと首を横に振った。するとカインは、小さく笑って言う。
「難しく考えなくていいんだよ。じゃあ、もしお前がソイツならどうする?」
「そうだな——もし俺なら、自分にはその呪術とやらを効かないようにするかな」
「ソレなんだよ。だが、少し違う。奴は自分に呪術が効かないようにするためと、外部からの己の魔力の切削を恐れてそうならないようにするために、呪術と魔法の一部……それも特に、魔法吸収を無効にするために、神に祈りを捧げて自分の体のつくりを変えてもらったんだ。それから奴の子孫は『洗礼を受けた種族』って呼ばれるようになったらしい」
まるで神話のような話だ。そう言って彼は笑った後、ゼンの方に向き直り最後に言葉を付け足した。
「ま、ってのが言わゆるエルフなんだけどな」
彼がそう言うと、ゼンは目を丸くしてカインに向き直った。
「どういう事だ? それに俺は魔法を使えるし、呪術なんてのも知らないぞ」
「まぁ、そうだろうな。呪術を使ってるのはエルフでも”ダークエルフ”って言われる奴等らしい」
「…………」
カインがそう言うと、どこか複雑そうな表情を浮かべるゼン。そしてその後に苦笑をこぼし、肩をすくめていた。
「——、さて。そろそろ無駄話もいい頃か」
と、そこで話の区切りを付けたカインは、再びこちらに向いた。彼はいつになく真剣な顔つきで、レイラとゼンも思わず表情を引き締める。カインはそんな二人の視線を受けると、ゴーレムの方に向き直り、言った。
「このゴーレムを倒すにゃ、少々手間が掛かりそうだ。だから、奴の弱点を一気に叩く」
「弱点? それってどこなんですか?」
彼の言葉にレイラが疑問を投げかけると、カインは得意げに笑って口を開く。
「よーく覚えとけよ?ゴーレムの弱点ってのはな——」
と、そう言いかけた時だった。突如——巨大な衝撃が、自分たちを襲った!
「ッ!?」
小さな悲鳴を上げ、その場に膝をつく三人。彼等が側にあった巨大な砂岩——ゴーレムの腕を素早く見ると、それは突如大きく動き始めていた。
「しまっ——!? コイツこのタイミングで、動きや……が、……ッ!」
それを目の当たりにしたカインは思わずそう叫ぶが、その言葉は途中で止まった。彼の異変を感じレイラとゼンが彼の方を向き直ると——
「剣士、さん……!?」
彼が頭を押さえ、その場で苦しそうなうめき声を上げながらうずくまっているのが目に飛び込んできた。
カインは、は今まで見せた事の無い程にまで、苦しそうにしているのである。
- Re: 勇者で罪人の逃避行!【本編1−16更新:9/6】 ( No.118 )
- 日時: 2012/09/06 21:48
- 名前: ジェヴ ◆hRE1afB20E (ID: DSoXLpvQ)
【登場人物】※登場した人物のみ。ネタバレがない程度に
メイン
「騒がれる前に俺等はお暇させてもらうぜー」
〆カイン・フォース(剣士/武器:大剣/種族:人間)
元・勇者で魔王と剣を交えた英雄、今は大犯罪者として有名な人物である。
フラフラした人物で強引なところもあるが、抜け目がなく割と計算高い。
魔法に関する知識が豊富。『特異体質』と自称している。
「大丈夫ですか? お手製のものですが傷薬塗っておきますね!」
〆レイラ(魔導師/武器:魔法杖/種族:人間)
カインと共に旅をしており、いつも彼の尻拭いをする役目となっている。
律義で誰に対しても敬語。趣味は薬草を育てる事と、調合する事。
強力な魔法の使い手。『赤い目』の時、様子が変わる。
「レイラと共にいられれるのなら、俺は何だってするさ」
〆ゼン・レイトニック(従者/武器:ハルバード/種族:エルフと獣人の混種)
アシス街にて出会った青年、主に風魔法を扱う。
飄々としていて冷静沈着、何事にも動じない器の大きなタイプ。
幼少期にレイラと会った事があり、彼女に異常なまでの執着を見せる。
「面白れぇ、その馬鹿さ加減気に入った!」
〆クナギ(武器商人/武器:バトルハンマー/種族:混種の人間)
自称さすらいの武器商人、案内人とフラフラ世界を旅している。
第一印象は不良と大雑把だがかなりのお節介焼き。カリスマ性がある。
お洒落さん。煙草好き。ノリで武器商人を始めたが、腕は良い。
「……自分が正しいと思った道に進む。それが俺のやり方なんだ」
〆ジョン・ドゥ?(用心棒/武器:氷の造形槍/種族:人間)
氷使いの女用心棒、クナギ等と行動を共にしている。
寡黙な為冷たく見られるが多いが、本当は心優しい。
男言葉なせいか男性に間違われる事が多い。カインと面識があるようだが……?
「俺の本業は運び屋だぞ? 案内はあくまでボランティアの一環な」
〆案内人?(案内人/武器:不明/種族:獣人)
物資運搬の運び屋兼の案内人、馬車で仕事をこなしながら旅をしている。
常識人だけど変り者。そうには見えないが、中々大物な器の持ち主。
お酒好きなおっさん。魔法を扱う技術に大変優れる、謎多き人物。
「……俺はもっと強くなるぞ」
〆レオン・アイザック(指揮官/武器:槍/種族:人間)
軍事国家ヴァーハイド属騎士団指揮(指揮官)で竜騎士。
どこか威圧的で威厳のある風格の持ち主。何より自分に厳しい努力家。
カインと面識があるらしい。火竜の恩恵を授かっている。
「俺が慕ってるのは、レオン・アイザックただ一人だけだよ」
〆キリク・アーバン(指揮官補佐/武器:長剣/種族:??)
レオン直属の部下で指揮官補佐。珍しい自然系の魔法を扱う。
基本的に温和で、執着もなければ怒らない。少々面倒臭がりで軽い。
レオンただ一人に忠誠を誓っている。
「さて、君は僕の『呪術』に勝てるのかな?」
〆エルキザ・テンペスト(呪術使い/武器:トライデント/種族:人間)
二つ名、『生ける屍』。とある宗教の教祖で多くの信者から支持を集めている。
目的の為なら手段を選ばず、また自分に絶対的な自信を持っている。
『呪術』を扱う数少ない人材であり、同時に危険視されている人物。
サブ
〆司祭 … アシス街教会の老人司祭、「洗礼を受けた種族」。
〆グロウ・サーテンス … アシス街属騎士団指揮を執っている。
変更有(・ω・)
- Re: 勇者で罪人の逃避行!【本編1−16完全更新:9/7】 ( No.119 )
- 日時: 2012/09/07 16:03
- 名前: 優勇 ◆owTCsYJegA (ID: SUsN38YB)
か、カインどうしたし;;タイミングェ・・・
ゴーレムの弱点って何だろ?
ってあれ、アシスの司祭さんって・・・
「洗礼を受けた種族」ってことはエルフ?あれ?
登場人物の奴嬉しいですw
今まで誰が出て誰が出てないのか分からなくなってたので・・・
名前の前の台詞が皆格好いいw(レイラは可愛いw)
・・・案内人さん獣人だったんすかΣ(゜д゜)
- Re: 勇者で罪人の逃避行!【本編1−16完全更新:9/7】 ( No.120 )
- 日時: 2012/09/07 16:38
- 名前: ジェヴ ◆hRE1afB20E (ID: DSoXLpvQ)
>>優勇さん!
なんかこの流れはある種のテンプレですねw
弱点を言おうとすれば邪魔が入ったり、殺されてしまったり。
ウフフこのベタベタな感じが書いてて楽しかったりします(*´ω`*)
そうです!司祭さんは洗礼を受けた種族……つまりはエルフさんです(キリッ
ネタバレになってしまいますが、1章のあとがきでその事に触れたりします。
登場人物はリア友にも「誰がどういう立ち位置なのかが分からんぜ」って言われていたので、この際だと登場人物もまとめてみました!いかがでしょう?気に入っていただけたら何よりです!
台詞はコピペではなく、彼等が言いそうな事を考えたつもりですw←
しかし今思えば圧倒的に僕ッ子が足りない……!この中では唯一敵のエル君が僕ッ子です(・ω・)
おおお!案内さんの種族まで見てくださったんですね!
細かいところまで目を通していただけて嬉しいです、書いてよかった(*´ω`*)
そうですね、案内人さんは獣人です。
人間の血の方が濃いので、容姿で言えば人より肌が黒い事以外には違いはありません(`・ω・´)
あと若干他人より生命力が高いのかもしれない(笑)
コメントありがとうございました!!
- Re: 勇者で罪人の逃避行!【本編1−16完全更新:9/7】 ( No.121 )
- 日時: 2012/09/22 19:15
- 名前: ジェヴ ◆hRE1afB20E (ID: jP/CIWxs)
「おい、大丈夫か!?」
ゼンは素早くカインに寄り、肩を貸す。ゼンは苦しそうに頭を押さえながら、視線を上げた。
「俺の……はいい。それより、ゴーレム、を」
切れ切れにそう言いながら、ゼンに言う。レイラも心配になって駆け寄り、彼の顔を覗き込む。するとカインは苦笑を浮かべた。
「ちょっと、悪い。時間稼ぎ、しといて、く……」
「剣士さん!?」
そう言うと剣士は、力なく崩れ去る。ゼンが肩を持っていたおかげで、地面に倒れる事は無かった。が、カインはその時気を失っていた。ゼンが何度かカインに呼び掛けるが、まるで反応がない。レイラは顔を上げて、ゼンを見る。ゼンもレイラの方に視線を映し、そして二人は同時に頷いた。
「ゼンさん、剣士さんをお願いします。私のできる限りの事、やってみます」
そう言って、彼女はゴーレムの方に向き直る。そして、『ついさっき広場で、自分を束縛していた魔法』を詠唱し始めた。
*
「くっ!」
中央広場、そこではレオンとゴーレムが対峙していた。レオンは槍に火焔を纏わせ戦ってはいるものの、先ほどからゴーレムに有効だと言えるほどのダメージを与えられてはいなかった。レオンは辺りを一気に薙ぎ払う腕を避け、ゴーレムから少し後退した。
(石と火では相性が悪いか……!)
レオンは息を切らしてはいなかったが、それでも徐々に追い込まれつつあった。ゴーレムは下半身がまだ地面の中で、その場から動けないというハンデを背負っているが、代わりに腕の攻撃のリーチが大きく、長い。それに、腕だけですでに30m近くもある岩の塊。掠っただけでも、生身の人間なら吹き飛ばされて重傷を負う事だろう。相手の攻撃を確実に見きり、避ける。神経を集中させるとの作業は、レオンの神経に負荷をかけつつあったのだ。
「っ!」
その瞬間、ふとゴーレムの腕が目の前に。その巨大は自分を潰さんという勢いで振り下ろされていた。とっさに、それを避けようと横へ跳ぶが——間に合う、か?
しかし、その瞬間振り下ろされていた腕の動きが緩慢になり、彼が飛び退いた瞬間彼のいた場所に握り拳が振り落とされた。よく見てみると、ゴーレムの腕にはその動きを邪魔するように光が絡みついていた。
「指揮官ッ、遅れて申し訳ございません! 我々も戦います!」
ふとそんな声のする方を見てみると、手当された数人の唱兵士が術式を展開していた。援軍と救護班が到着したらしい。彼等が展開している魔法は、先ほどフードの女の動きを制御していた束縛魔法だ。レオンは小さく笑うと、「奴の攻撃範囲に入らないように援護してくれ」、そう言って再びゴーレムと向き合った。
上半身で50mもあるような化け物を、人間の魔法の力で抑え得ることはできないだろう。しかし、それは相手も同じ事だ。あんな巨体を動かすには相当な体力を有するはずだ、自分の体力の源である魔力が消費されれば、魔力不足で暴走を止めるはずだ。だが、この街の人間分の魔力——そう簡単には尽きはしないだろう。
(こうなれば、やはり弱点をつくしかないのか)
レオンはどこか覚悟を決めたように、構えを変えた。体制を低くし、剣先を後方へ向ける。そして再びゴーレムが自分の方へ腕を振り下ろしてきた時、素早く横へ跳び、そして腕へ飛び乗った。そのまま素早く、ゴーレムの『頭』めがけて走る。
「はあああああああああッ!」
大きく声を上げ、出力最大の火焔を纏わせる。それは、カインと戦った時とは比べ物にならないほどの、大きな火焔。その火焔で一気に加速し、そして奴の頭の、不気味に光り輝く場所へ、槍を大きく振り下ろした!だが、まだだ。レオンは手を止める事はしない。素早く槍を引くと、その光めがけて素早い突きをくり出す。そして素早く繰り返す。その勢いにゴーレムは押されかけており、また束縛魔法により動きが緩慢になっているため、素早いレオンの動きについていけていない様子だった。ゴーレムはどこか苦しそうな声を上げる。
(効いてる、か?)
レオンは若干の手ごたえを感じ、視線を鋭くして頭を睨む。
(やはり。コイツの弱点は、頭だ!)
他の体のパーツと種類が違い、そして極端に小さい頭。それに、不気味に光る頭を取り込んだ瞬間、力を取り戻した。それが何よりの証拠だ、おそらく体中に命令を出す頭に魔力が集中しているとふんで間違いは無い。つまり、この光源の破壊さえできれば!
「弱点分かればこっちのもの!!」
レオンがそう叫び、目を見開く。その瞬間、彼の槍が纏う火焔が、今まで以上の強い光を放つ。
「終わりだッ!!」
そして、彼はその槍をその光の中へとブチ込んだ。
その瞬間、ゴーレムは大きく体制を崩す。
「へぇ、すごいすごい。うん、流石竜騎士サンだね」
そんな様子を、遠くの建物の屋根から見守る影があった。黒いローブを全身に纏う彼は、エルギザだ。エルギザは感心したと言わんばかりに感嘆の声を上げ、誰にも聞こえないはずの拍手を彼に送る。だが、彼の口元はまた不自然に、不気味につり上げられていた。そして、やれやれと言わんばかりに顔を振る。
「でも残念、竜騎士サン。それでは彼を倒すことはできないよ」
そう言って、彼は立ちあがる。そして両手を夜空に向かって広げた。
「若すぎるんだね、竜騎士サンは」
フフフ、と笑ってエルギザはゆっくりと瞳を閉じた。そして、どこか心地よさそうにゴーレムによって破壊されてゆく街の崩壊を耳にしていた。
刹那、レオンの体をゴーレムの手が捕らえた。不意の出来事に反応しきれず、反射的に体をよじってみたがそれもむなしく、その巨大な岩の質量に成す術もなく弾き飛ばされた。
「な、ッ……!?」
レオンは全身に痛みを覚えながらも、意識だけは失わなかった。
(なぜだ、弱点は突いたはず——!?)
彼はそんな事を考えながらも、近くなる地面に槍先を向け、今残っているすべての力で火焔を噴射する。ある程度落下速度を抑えることはできたが、50mの高さから落ちた反動は大きい。死んでもおかしくは無い高さだ、レオンは地面に叩きつけられ、その瞬間口から血を吐いた。
「指揮官殿ぉッ!!」
唱兵士の一人が叫ぶ。だが、レオンは動かない。唱兵士の何人かが思わず彼の元へ駈けつけようとしたが、その瞬間白銀の髪がその中から飛び出した。
「馬鹿が、詠唱止めんじゃねぇ! お前等は下がってろ!」
白銀がそう唱兵士に怒鳴りつけると、素早くレオンに駆け寄り素早く肩を持った。
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