複雑・ファジー小説

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Dead Days【キャラ投稿者様各位へ】
日時: 2015/05/10 19:19
名前: わふもふ (ID: nWEjYf1F)

 平穏な1日が過ぎ去ろうとしていた、とある真夏日のこと。
 完全に日没しきったその日の夜に、何でもない夜空が突然紅く染まった。
 この日以降の3年間に亘る日付を、人々は未来永劫"デッドデイズ"と呼ぶようになった。



    ◇  ◇  ◇



※キャラ投稿者様各位へ重要なお知らせ※

一部のキャラの苗字、或いは名前を一時的に変更して登場させてあります。
これは一時的、そして伏線による故意ですので、誠にご勝手ではありますが何卒ご了承をお願いいたします。
現状、下記の通りです。後程追加される可能性があります。

星空真澄→星野真澄
水久洋介→水久良介
古田綾香→古田彩香



〜目次〜


キャラ紹介>>16


プロローグ〜存在しなかった時間〜>>1


一章〜レッドナイト現象と異能者〜
>>2 >>3 >>4 >>5 >>6

二章〜デッドデイズの始まり〜
>>18 >>19 >>20 >>21 >>27 >>29 >>36 >>37 >>38

三章〜忌子の末〜

Re: Dead Days【キャラ募集一時停止】 ( No.39 )
日時: 2015/05/10 12:20
名前: わふもふ (ID: nWEjYf1F)

 それから俺達は、ただ田畑の畦道を歩いていた。
 俺はというと、電車に乗っていた理由が「暇だからどっかいくか」程度だったので特に予定は無い。
 なので俺には目的地が無く、先輩もまた目的地が無いようだった。

「そういえば先輩」
「何?」
「窓ぶっ壊したのどーすんだよ?」
「安心なさい、請求は全て優希さんに回るわ」
「そ、そうか……」

 先ほど交わしたこの会話きり、俺達の間には沈黙が流れている。
 ただ田んぼに流れこむ水の音と、草木を揺らす生温い風の音だけが、俺の耳に入ってくる。
 日は既に高く、丁度昼時を迎えようとしているのか。俺は少し腹が減っている。

「——優希さんから聞いたかもしれないけれど」
「?」

 沈黙を破ったのは先輩だった。
 気付けば山道に突入している。ここを下れば街に出れそうだ。

「時間を巻き戻すといっても、全て物理的なのよ。異能者の心や記憶は引き継がれ、全て巻き戻した先で脳裏に焼き付けられるの。予知夢に似ている——といえば、そうかもしれないわね」
「あぁ……聞いたは聞いたけど、あんまり理解できなかったな。先輩の言葉は相変わらず難解だし」
「なら、貴方の得意なゲームで例えましょうか」

 一体先輩の中では、俺はどんなイメージ像に仕上がっているのだろうか。つくづく思うんだ。
 俺は別にゲームオタクじゃない。ゲーム好きなのは否定しないが、そんな入れ込むようなことは滅多に無い。

「レベル99の勇者と仲間が、魔王を倒しに向かったけれど——惜しくも敗北してしまった。そしたら貴方はきっと、セーブ地点からやり直して対策を練るでしょう? それと同じよ」
「あー、つまりやり直しが効くって事か」
「その通り——でもね」

 先輩は一歩素早く前に出て、俺の前に立ちふさがった。
 そういえば今意識したが、先輩の私服って初めて見た気がする。
 何も着飾らない、ただの白いワンピース。でも——その可憐さの中に、婀娜っぽい妖しさを残している。

「晴れてエンディングを迎えたと思ったら、裏ボスが現れて——貴方はまた同じような轍を踏む。だけどセーブを忘れて、魔王を倒す前に戻ってしまった——そんなことだってあるでしょう?」
「まあ、ありえなくないが——」

 結局は何を言いたいのだろうか。
 先輩の言わんとするところを、どうも俺は掴めていないような気がする。やっぱり難解だ。
 すると先輩は薄ら微笑んで、俺の頬を優しく撫でた。

「今の貴方に必要なのは、こまめなセーブよ」
「どういうことだよ?」
「魔王を倒し、エンディングを迎え、裏ボスが現れた——でも倒す前にセーブをしておけば、苦労して倒した魔王を倒す前にまで戻らなくて済む。それどころか、裏ボスの前でセーブをしておけば、また何か即座に対策を練ることもできる」

 そして、離れる。

「それと同じよ。裏ボスと対峙する前にはセーブをする——こんな風に、フラグを感じ取るのよ。何か危ないことがあるなと思ったら、すぐに直前の出来事を強く意識しなさい。そうすれば自ずと危機を回避できるはずよ。前みたいに、塩素ガスに苦しまなくても済む——そんな結末がやって来るわ」

 ——すると、何か。
 俺はゲームという社会において、最も基礎的で最も重要な役割を果たすセーブシステムを操っているのか。
 いまひとつ実感がないが、とりあえずこのことが本当ならば、少なくとも身を守る上では使えそうだ。

「——街に出たわね。どこかで休息をとりましょう」

Re: Dead Days【キャラ募集一時停止】 ( No.40 )
日時: 2015/05/10 15:37
名前: わふもふ (ID: nWEjYf1F)

 その後、俺達はファーストフード店に入った。誘導してきたのは千秋先輩である。
 先輩の事だから、どこか高級そうな店でお茶してるイメージがあったが、案外そういうわけでもないらしい。

「私だって高校生よ。入れる場所も限られてくるわ」
「なんだ、めっちゃ高級喫茶とかに詳しいかと思ってたら。幻滅したぞ先輩」
「貴方は私を何だと思っているのよ——」

 黄色い"M"の文字が書かれた紙コップ。
 そこに並々と注がれたアイスコーヒーを飲みながら、先輩は呆れたような声を発した。

「喫茶店って言ったら少しは詳しいつもりだけど、正直こういうところのほうが落ち着くのよ」
「そうなのか?」

 黄色い"M"の文字が書かれた紙パック。
 そこに入っているフライドポテトを摘みながら、俺も先輩の話に乗っていた。

「私が行くところはね、小さいお店ばかりなの。満員になっても10人しかいなかったりするのよ」
「そんな店あるのか」

 何というか意外だ。
 真っ先にビル街の裏路地が思い浮かぶ。

「——あら? あの子は……」

 ふと先輩が視線を上げたとき、店内の誰かに気を止めたようだ。

「どうしたよ?」
「——ふふっ、何でもないわ。私の知り合いがいただけよ」
「そうか」

 っつーか、先輩に知り合いなんていたのか。
 てっきり俺と生徒会関連くらいかと思っていたら——

「私だって友達くらいいるわよっ!」
「へー、意外だな。色んなヤツ拒絶しまくった孤独な雪女かと思ってた」
「——ねぇ、晃君。紐無しバンジージャンプかパラシュート無しスカイダイビング、好きなほうをやらせてあげるけど——どうかしら? どちらもそそらない?」
「そそるのは先輩の悪趣味加減だけだよ! こちとら鳥肌しかたたねーっつーの!」
「でも私、どうしても晃君の悲鳴を聞きたいのよ。どう?」
「やーなこった」

 ——と、丁度先輩の堪忍袋の緒が切れそうになった頃合である。

「喧嘩は良くないですよ、2人とも」

 女だか男だか、よく分からない子供が俺達の間に割り込んできた。

「あら、星野君」
「星野? あの青いスカイラインに乗ってた日本最速の男か?」
「……」
「冗談だよ」

 全く、ノリの悪い奴らだな。

「久し振りですね、白鷹先輩」
「——久し振りって、数日前に会ったばかりでしょう?」
「あはは、そうでしたね」

 まるで無垢な——天使みたいな笑みを浮かべるそいつは、どうやら千秋先輩の知り合いらしい。

「——あぁ、忘れてたわ」

 忘れてたとか抜かしながら、先輩が俺のほうに向き直った。
 絶対わざとだろ——どんだけ根に持ってるんだよ。

 ——それにしても、この餓鬼。

「この子は星野真澄。一応私の知り合いで——」
「ちっせぇなお前」

 思わず本音が出た。この、星野真澄とかいう奴に対して。
 雰囲気からして10代半ばくらいの年齢だろうが、それにしても身長が小さすぎる。
 うちの妹と同じく、きっとカルシウムワードは禁句なんだろうな——

「ちゃんと牛乳飲んでるか?」
「晃く——」
「あ、それとも小学生か? あ、それなら納得——」

 ——と言った瞬間、本日2度目だ。
 俺の鳩尾に、この星野とかいう餓鬼の拳が命中したのである。

「……間違っても私に向かって吐かないでよ」
「やべぇ……こりゃリバースしそうだ……」
「あら、そういえば今日で2度目じゃない? さっきも優希さんにやられたのでしょう?」
「ったく、どーして俺の周りにはこう暴力的な奴が多いんだ……」

 先輩は先輩で面白がるように笑ってやがるし。

「貴方が失礼だからですよ。武術太極拳暦10年の僕を舐めないでほしいです」
「いや知らんがな」

 うん。普通に知らん。武術太極拳暦10年、それがどうした。
 所詮は子供の力だ、こんなの片手でも余裕余裕——

「——晃君。星野君はね、大人2人を相手にしても余裕で勝てる実力を持ってるのよ」
「嘘だろ? こいつが? こんな餓鬼が? こんなひょろっひょろの子供が?」

 ——しかし、どうやら実力は本物らしい。
 たった今俺は肩にパンチを食らったわけだが、これがまた壮絶に痛かったのだ。
 こりゃほんとに本物だ——

「全く、物騒な世の中になったな」
「親父臭いことを言わないでくれない?」
「いや、事実だろ。子供が大人に下克上とか、普通ありえんだろ!」
「これも異能の所為ですよ」

 ちゃっかり千秋先輩の隣に座る星野が言う。
 プレートの上にはアップルパイが3つも乗っている。
 これを食うのか——

「——あぁ、異能者ってご存知ですか?」
「知ってる。目の前にいるからな」

 ——ん? 待てよ?

 星野真澄といえば——どこかで聞いたことがある。

Re: Dead Days【キャラ募集一時停止】 ( No.42 )
日時: 2015/05/10 17:09
名前: わふもふ (ID: nWEjYf1F)

 星野真澄。高校1年生にして異能者。
 操る異能の内容は、純真無垢な笑顔を見た者全員の戦闘意思を削ぐ——というもの。
 場にいるだけで和やかになる雰囲気を活かし、幾度もの喧嘩を収めてきた話をよく聞く。

 ——あぁ、そうだ。ハートっていう変な異名で知られてるな——

「異能者が出てきてからですよ。少しずつですが、世の中はおかしくなってきています。僕は異能者同士の争いを解決したい——だから僕は、普段はこうして色んなところに出回っては争いを鎮めています」

 確かに、噂通りのコイツならやりかねない。

「だから、もう争いは起こさないでくださいね。たとえ小さなものでも、僕は争いが嫌いです」
「——の割には俺の事殴ってたじゃねぇか」
「これも平和のためです。僕が望むのは一切の平和——そのためには流血なしでは済まされません」

 事実である。
 俺も優希から逃げるために、あいつの腹を蹴り飛ばした。
 平和という結果を生み出す過程に、抗争や流血は不回避なのだ。

「——暗い話しちゃいましたね。話を戻しましょう」

 パッと笑顔を浮かべ、星野は一気にこの場の空気を換えた。

「何の話まで戻るんだよ」
「えっとですね——あれ? 千秋先輩は?」
「ん?」

 周囲をニワトリみたいに見渡す星野。
 それにつられて俺も店内を見回してみたが——星野の隣にも、レジの前にも、どこにもいない。
 トイレにでも行ったのだろう——そんな結論で収めようとした矢先だ。

「あ、晃さん! 外!」
「は? 外?」

 星野が指差す場所を目線で追う。

「——おっと、雪女ピンチ到来かよ?」
「呆けている場合ではありません! 助けに行かないと!」

 ——視線の先。千秋先輩は、複数人の男に取り囲まれていた。



    ◇  ◇  ◇



 外に出て見てみると、千秋先輩は5人の男達と何か話をしていた。
 場の雰囲気は——明らかに和やかではない。
 今でこそ話し合いといった感じだが、どっかの議会のような緊迫とした空気が張り詰めている。
 一触即発という言葉が一番正しいだろうか。

「行きますよ、晃さん」
「待てっ」

 焦る星野を制し、俺は先輩の言葉を思い出す。

 ——何らかの危機が迫っているとき、俺はどうするべきだった?
 ——直前の出来事を強く意識する。そうすれば最悪の場合でも、危機は何とか回避できる。
 ——悔しいが、どうやら俺は後方から見守ることしか出来なさそうだ。

「星野、頼みがある」
「はい?」
「俺はな、いざというときの強大な保健みたいなのをかける。もし取り返し付かなかった場合、俺が異能を使う」
「だ、だから?」
「悪いが、あの喧嘩の仲裁は——お前1人で行ってほしい。もし何かあったら、俺が時間を巻き戻してやる」

 ——さて、これで伝わっただろうか。

「分かりました。いざというときは頼みましたよ」
「おう、任せとけ」

 上手く理解できたかどうかは別として、ひとまず俺はこれで異能の準備に専念できる。
 数メートル先の集団目掛けて、星野は疾風の如く駈けて行く。

 ——と、その時だ。



「お前ら何してんだ」



 夏も本番だというのに、パーカーを羽織る男が現れた。
 被ったフードの隙間から白い髪が覗く。
 奴は——無冠の帝王か?



「え?」

 突然の乱入に戸惑うのは、星野と千秋先輩だけではない様子。
 その場にいた5人の男も、戸惑いの色を隠せないでいるようだ。

「巷で有名なナリヤン共が居ると聞くや——なんだこの騒ぎは」
「こ、こいつは……成瀬零夜!?」

 予想的中。現れた思わぬ救世主は、無冠の帝王こと成瀬零夜。
 とりたててどこのチームに居るわけでもない一匹狼だが、喧嘩の強さは尋常でない。
 そんな逸話から"無冠の帝王"という二つ名が付けられたらしいが——

「仮にもテメェら大人だろーが。ちったぁ理性ってもんがねぇのかよ」

 冷静に、低い声で話す成瀬。
 二つ名に違わぬ威圧感がおぞましく、星野は既に異能を発揮するのも忘れて完全に固まっている。

 ——なるほど。星野の弱点はこれか。

 星野の異能は確かに、相手の悪意や戦闘意思を完全に失せさせるものだ。
 しかし、異能は常時発動できるわけではない。発動させなければ意味を成さないわけであって。
 異能を発動させる前に威圧感にやられてしまえば、所詮はそれまでとなってしまうのだろう。
 全く、そんなんじゃ何時まで経っても争いなんか解決しねぇぞ、星野さん——

「この餓鬼が、誰に向かってクチ聞いてんだァ!!」

 ——事態は動いていた。
 成瀬の威圧に恐れ戦いているのは1人だけで、残った連中は一斉に彼目掛けて殴りにかかっていた。
 あれじゃあ流石の帝王殿もヤバイんじゃないか——そう思った矢先である。

 俺は、帝王の名を持つ由来——そんなものを肉眼で見たような気がした。

「うらあぁ!」
「ッ!」


 ——バキッ!!


 という鈍い音と共に、男達は全員数メートルほど吹き飛ばされた。

 ——たったの、回し蹴り一発で。

 吹き飛ばされた男達は、気を失ったのだろうか。
 声を上げる間もなく、骨の折れた音を聞く間もなく、ただ吹き飛ばされた勢いのまま地面を転がった。

「ふぅ」

 ——しかし、一難去ってまた一難。

Re: Dead Days-First Chapter- ( No.43 )
日時: 2015/05/10 18:11
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

わふもふさんへ
ここで星空真澄が登場しましたね。いきなり主人公に暴力を振るうとは恐ろしい子……!!白鷹ちゃんと仲がよかったので嬉しいです。
えっと、今更ながらではありますが、星空真澄のサンプルボイスと備考を追加しましたので確認してくださると助かります。

Re: Dead Days-First Chapter- ( No.44 )
日時: 2015/05/10 18:53
名前: わふもふ (ID: nWEjYf1F)

「さっきはよくもやってくれたね」
「ッ!?」

 左から突然、殺気と突き刺すような視線を感じて。
 俺はほぼ反射で飛び込み前転をしていた。
 すると直ぐ横の看板が、粉々に打ち砕かれた。
 ——この声、さっきも聞いたな。

「優希……!」
「あはは、さっきぶりだね晃君。あれからもう、駅員さんとか警察の目掻い潜るの大変だったんだよ?」
「そのまま捕まってりゃいいものを」

 ——刹那、優希が俺の脳天目掛けて何かを振り下ろしてきた。
 咄嗟に体勢を立て直し、俺は跳んで回避しながら、先輩から渡された凶器を手にする。

「あれ? いつの間にそんなの手に入れたの? 悪い子だね晃君——そんな邪悪な心、私が改心させてあげるよ」
「突っ込みたい所は1億ヶ所くらいあるけどよ! 俺は先輩に頼ってばっかじゃねぇんだ! もう負けないぞ!」
「その戯言、いつまで言えるかな?」

 それからはもう本能だった。
 襲い来る外敵は、天敵ではない限り逃げずに抗う。
 それは生物が持っている本能であり、俺も、先輩も、優希でさえも例外ではない。

 俺は肌を掠める優希の針を避けながら、しきりにナイフを振るっていた。
 周囲の人目なんかもう気にしていない。俺は自分を守るため、優希を殺す勢いでナイフを振るう。

 だが、事態の急転は思いの外早く訪れた。

「——雨宮優希」

 低い少女の声で、優希が固まったのだ。
 合わせて俺も、思わず勢いを失ってしまう。

「——晃。そいつから離れろ」
「あ、あぁ」

 言われたとおり、俺はナイフを仕舞いつつ優希と距離を取る。
 優希はセメントで固められたかの如く、その場から微動だにしないでいる。
 ——いや。動けない、と言ったほうが正しいか。

 改めて、声のしたほうを見てみると。
 濃い紫のセミロングヘアと、俺とは違う金の瞳を持った少女が、優希の緑の瞳を睨みつけていた。
 それは、獲物を狙う獰猛な獣のように。
 これ以上ないくらいの眼力で、優希の瞳に穴をもあけるかのような勢いで睨みつけている。

「——人間のみならず、生き物は直接身体を動かしていない。指の第一関節を40度動かし、その次は20度といったように、複雑な命令をしなくても動く。何故ならボディイメージと言って、頭の中に自分そっくりな人形を持っているからな」

 ——なんだ、ややこしい話が始まったぞ。

「複雑な命令は必要ない。その人形を動かすイメージをするだけで身体は動く——そんな風に、生き物は効率よく出来てる。私は異能を使って、そのボディイメージを操作することができるんだ。こうやって相手の目を睨むだけでな」

 とりあえず俺の頭では理解できないことは分かった。
 ただひとつ悔しいのは、どうやら優希がそれを理解できたらしく、みるみるうちに奴の顔が青ざめ始めていること。
 こんな殺人鬼に出し抜かれるなど、俺も落ちたものだ——


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