複雑・ファジー小説

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Dead Days【キャラ投稿者様各位へ】
日時: 2015/05/10 19:19
名前: わふもふ (ID: nWEjYf1F)

 平穏な1日が過ぎ去ろうとしていた、とある真夏日のこと。
 完全に日没しきったその日の夜に、何でもない夜空が突然紅く染まった。
 この日以降の3年間に亘る日付を、人々は未来永劫"デッドデイズ"と呼ぶようになった。



    ◇  ◇  ◇



※キャラ投稿者様各位へ重要なお知らせ※

一部のキャラの苗字、或いは名前を一時的に変更して登場させてあります。
これは一時的、そして伏線による故意ですので、誠にご勝手ではありますが何卒ご了承をお願いいたします。
現状、下記の通りです。後程追加される可能性があります。

星空真澄→星野真澄
水久洋介→水久良介
古田綾香→古田彩香



〜目次〜


キャラ紹介>>16


プロローグ〜存在しなかった時間〜>>1


一章〜レッドナイト現象と異能者〜
>>2 >>3 >>4 >>5 >>6

二章〜デッドデイズの始まり〜
>>18 >>19 >>20 >>21 >>27 >>29 >>36 >>37 >>38

三章〜忌子の末〜

Re: Dead Days【キャラ募集中】 ( No.19 )
日時: 2015/05/02 17:41
名前: わふもふ (ID: nWEjYf1F)

 ——あぁ、そうだ。思い出した。

 俺がどんな異能に覚醒したのか。そういえば昨日、先輩から大まかな説明を受けていた。
 無に帰し有に在り——あったはずの出来事をなかったことにして、代わりに違う出来事で上書きを施す——そんな力だ。
 無論、俺がそんな強大な異能を操っていることに自覚はない。先輩から教えられただけ、つまり知識として有しているだけで。
 だから異能の想像すら付かず、寧ろ俺は異能者なのかさえも疑える。

「いいこと、晃君。貴方が自分を異能者だと自覚して、異能を自在に操れるようになるには——正直、莫大な時間が必要よ。だけど、事態は悪化する一方——私達には時間が無いの」

 今ここでこうして雑談をしている1分1秒——それすらも先輩は惜しいのかもしれない。
 現に、優希の声が原因で睡魔に襲われる人は増える一方だ。
 誰彼構うことなく、ある程度睡魔に耐性があるような人でも、最近はよく授業中に眠るようになったと聞く。
 このまま睡眠作用という名の塵が積もり、山となる頃には——誰か死んでいてもおかしくない。

 先輩曰く、優希が異能をコントロールできるようになれば事は解決するらしい。
 確かに、彼女の異能が周囲に害を齎す物だと分かれば、優しさの塊みたいな優希は率先して声を無害化させるだろう。
 異能者の自覚を促す——それに関しては、俺の先輩も吝かではない。
 だが、時間が無いことに変わりは無いらしく。
 このままでは優希が異能を操れるようになる前に、数人誰かが死んでもおかしくないという。
 そこで出番なのが、俺の異能である"無に帰し有に在り"の力。
 優希が異能者に覚醒した事実を無かったことにすれば、たとえ数人誰か死んでも、死んだ事実も一緒に抹消される。
 ——と、先輩は言うのだが。

「でもよ、リスクって考えてるのかよ?」
「リスク?」
「俺の異能は、何らかの出来事を消すだけでなく、代わりに違う出来事で上書きする——そういうやつだろ? だったら、消した出来事に代わって上書きされるものが何かも考えた方がいいんじゃないか?」
「……」

 先輩は沈黙を貫いた。
 かわりに顎に手を当て、考えるような仕草を見せる。
 ここまでは考えていなかったのかもしれない。

「ちょっと待ってて」

 一言そういうと、先輩は鞄を開けて中を探り出した。
 数秒後、先輩の白い手に掴まれて顔を出したのは——かなりの年季を感じる古臭い本だった。
 横向きに綴られている文字は英語の筆記体に見えるが、言語が英語でないのか、俺には読み解けない。

「何だ? それ」
「これが異能について書かれている本よ。別名"Insane libro"……」
「日本語でおけ」
「……直訳すると、非常識な本。つまりは、この世のものとは思えないことが書かれている本なの」
「ほうほう」

 先輩はその"Insane libro"とやらを開き、パラパラとページを捲った。
 開け放たれた窓からは、先ほどから風が入り込んでいる。先輩から漂うほのかなラベンダーの香りを、梅雨のにおいと共に運んでくるのだが——今ばかりは、紙が腐ったような悪臭も漂ってくる。
 相当古い本なのだろう。紙はカビにやられているだけでなく、ところどころ破れたり、茶色く色が変化している。
 やがて、先輩は紙を捲る手を止めた。

「……何も書かれてないわね」

 つまらなさそうに溜息をつき、先輩は無造作に本を鞄へ突っ込んだ。

「やっぱり貴方の異能は、無に帰し有に在りとしか書かれていないわ」

 だから、常に最悪の事態を想定しましょう——そういいながら先輩は俺に近付いて来る。

「この件は一時保留。私は出来うる限りの人脈を使って、未来を見通せる人を訪ねるわ。きっとどこかにいるはず……」
「何だ、保留にすんのかよ。じゃあ俺はどうすればいい?」
「貴方はなるべく、優希さんの傍に居てあげなさい。彼女が異能を自覚したら、直ぐに連絡すること。いいわね?」

 先輩は小さく折り畳んだ紙を俺に握らせて、颯爽と教室を後にしてしまった。

「……」

 1人取り残された俺は、澱みを吐き出すように大きく溜息をつく。
 今にも落ちてきそうな壁掛け時計に目をやるが、日没を迎えるにはまだ時間があった。
 こうなったらいっぺん、優希の元を尋ねてみようか——
 俺も戸締りだけ確認して、旧校舎を後にした。

Re: Dead Days【キャラ募集中】 ( No.20 )
日時: 2015/05/02 19:10
名前: わふもふ (ID: nWEjYf1F)

 晃君と別れた後、私"白鷹千秋"が向かったのは、まだ明かりが灯っている生徒会室。
 きっとここにいるであろう、とある人物を尋ねてきた。

「む?」

 扉を開けて、最初に私の目に映った人物。
 それは教室の一角に備えられたソファに座る、元・生徒会副会長の"猪俣睦美"
 私は彼女に歩み寄って、久し振りと一言交わしてから隣に座る。

「引継ぎは終わったの?」
「あぁ。今日で全部終わった。ところでどうした? こんな時間にここを尋ねてくるとは」
「異能者としての貴方に、お願いしたいことがあるの」

 事の顛末を話す————

「なるほどな。そうと決まれば、出来る限り協力したいところだが……」
「何かあるの?」
「——いや、何でもない」

 今の"間"が凄く気になるところだけど、一先ず猪俣さんの協力は得られた。
 これで、この学校にいるっていう"七色の少女"に出会えればいいのだけど——現実は厳しいかもしれない。
 しかし、青い鳥は思ったよりも早く私の元に舞い降りた。

「失礼します」

 目的の人物が丁度、生徒会室に入ってきたのだ。

「……あ、生徒会長さん。丁度いいところに。この資料なんですけど」

 そう言いながら歩み寄ってくるのは、七色のロングヘアが印象的な女の子"宍戸杏奈"
 あらゆる物事を色で見分け、見通す異能を持っている子だ。

「ごめんなさい、それは副会長に一任してくれないかしら?」
「分かりました。では副会長さん、資料の保管とコピー、合わせて文化祭事前準備の指示をお願いします」
「おい、私なのか……」
「今の貴方なら、この仕事くらい普通にこなせるでしょう? 私はそれよりも、この子を頼らなくてはいけないわ」

 資料を全て猪俣さんに預けて、私は人気(ひとけ)のない場所まで宍戸さんを案内した。



    ◇  ◇  ◇



「異能者としての貴方にお願いしたいことがあるの」
「何ですか? 私でよければ力になりますけど」

 協力の同意が得られた。
 だったら話は早い。私は事の顛末を彼女に話した。

「——えっと……要するに、優希さんと晃君の未来を視ればいいんですか?」
「えぇ。不躾だとは思うけれど、お願いできるかしら」
「お安い御用です。私も優希さんの声には困っていました。お勉強に集中できないですから、是非協力させてください」
「ありがとう。それじゃ、宜しくね」

 しかし、マイペースというか。ゆったりした子だ。
 本当に大丈夫なのかしら——と思いつつも、私の知る限りでは彼女しか未来を見通せない。
 素直に彼女に賭けることにして、私は携帯電話を取り出した。

Re: Dead Days【キャラ募集中】 ( No.21 )
日時: 2015/05/02 23:06
名前: わふもふ (ID: nWEjYf1F)

「ん?」

 優希の家に向かう道すがら、俺はスマホが震えるのを感じてポケットから取り出してみた。
 電話がかかってきている。相手は——千秋先輩だ。
 俺はコールボタンをタップして、先輩からの電話に出てみる。

「御機嫌よう、晃君」
「一体どうした?」
「さっきの件よ。保留だと言ったけれど、事情が変わったわ」

 声色が真剣だ。

「晃君は、宍戸杏奈という人を知っているかしら?」
「あー、あの髪の毛が虹色のヤツだろ? 知ってるよ」

 というか、俺のクラスに居るんだが。

「私は彼女の、色で万物を見分ける力に頼ることにしたの。授業中とか、彼女が貴方や優希さんの事をじっと見ているときがあっても気にしないで。それは彼女が、貴方と優希さんの未来を見ているだけだから」
「未来?」
「えぇ。彼女の力を以ってすれば、誰かの未来を視ることも出来るそうよ」

 一体どういうことだろうか。
 しかし先輩の言いたかったことはそれだけなのか、一方的に喋って電話を切ってしまった。
 俺も渋々、スマホを再びポケットへと仕舞う。

「……七色の少女」

 そうだ。確かあの宍戸という女子生徒は、"七色の少女"と呼ばれている。
 理由は単に髪が七色なだけでなく、時々他人を何らかの色で例えることから、そう呼ばれている。
 しかし、あれがまさか異能によるものだとは。思いも寄らなかった。

 なるほど、合点がいった。
 宍戸が俺と優希の未来を色で見抜き、結果が不吉か否かで先輩は取る行動を変えていくのだろう。
 もし明るい未来ならば、俺に異能異能を使わせて。暗い未来ならば違う方法を考える——と。

 このことは——優希に話したほうがいいのだろうか。
 いや、やめておこう。
 俺は先輩みたいに説明が上手じゃない。口下手の俺が現実を言っても、首を傾げられるだけだろう。
 俺は素直に帰宅することにした。

Re: Dead Days【キャラ募集中】 ( No.22 )
日時: 2015/05/03 03:50
名前: ユッケ (ID: bG4Eh4U7)

オリキャラ書き込みます!

名前:柴田 明人(シバタ アキト)

性別:男

年齢:17

容姿:髪は茶髪で、目は薄く青い目をしており、身長は175センチ、体重は50キロ、顔は若干ながら幼く、茶髪ゆえに柴犬を彷彿とさせる。

性格:フレンドリーで人をよく見ていて空気が読める。人の指示をよく聞き、頼み事も断らない。まさに犬である。

異能:同時に5つまでの物質を自由に動かせる。浮かせることも可能。人には使えない。同時に動かせる物質の総重量は250キロまで。効果範囲は自分を中心に50メートル。

職業:高校3年生

接点:主人公と同じ高校に通っている。

備考:物質を同時に動かすので脳を酷使する。それゆえに立ったまま突然居眠りを始める事がある。走ったり踊ったり、体を動かすことが好き。イベント運営、会場設置等のアルバイトをしている。
メッサ(メッチャ)という言葉をよく使う。一人称は俺っち。

SV:
「俺っちは柴田 明人、よろしく!」

「これメッサ美味いよ!」

「すぴーーーzZZ…すぴーーーzZZ」←異能酷使後

「コレとコレがここで、アレとアレがそっち…この看板どこに置くんすか?」

「部室整理? 分かった! 俺っちに任せろ!」

「あ、髪留め変えたんだ〜、俺っちはちゃんと見てるよ」

Re: Dead Days【キャラ募集中】 ( No.23 )
日時: 2015/05/06 00:08
名前: メデューサ ◆VT.GcMv.N6 (ID: Gx2AelYh)

名前:水久洋介(みなく ようすけ)
性別:男
年齢:18歳
容姿:・夜空のような黒い短髪 ・制服は少し崩している(ネクタイを付けてない程度) ・月のように黄色い瞳(何かいつも眠そう) ・ウォークマンを愛用している(色は深い藍色で中にはクラシックからゲームのBGMまで歌詞が無い曲が幅広く入っている) ・靴は藍地に黄色い星が小さく描かれたスニーカー ・夢の中では頭に羊の角があり、燕尾服を着ている ・何故か女子にモテている(気だるげな感じが良いんだとか。もなみを見れば大体は離れていくが) ・身長は175cm
性格:・睡眠耐性0 ・結構怠惰 ・ちょっと人見知り ・趣味は読書 ・少し捻くれている ・仲が良い人には結構辛辣(本当に嫌がることはしないけど) ・絵が上手い
異能:・夢の世界に入れる ・夢の世界では格好が変わる人も居る(本当に様々でロボットみたいなのもいれば、羽根が生えてるのもいたり果ては首だけのもいたりする。例えばもなみはフリフリの服を着た常に震えている兎になっているらしい) ・夢の世界は人によって様々だが基本的にその人の本性や欲求や趣味などが剥き出しのままごちゃまぜに具現化されており、そこに建前や嘘などが介入する余地はない(ペ○ソナのダンジョンみたいな感じ) ・ただし洋介自身は他人の世界に入れるだけで他人の世界を改変したりは出来ない(自分の世界は別) ・対象が寝てさえいれば夢の世界での対象に会うことができる ・夢の世界の対象が寝ているときに夢の世界で目を閉じれば現実で対象が見聞きしているものを覗くことができる(夢の世界で寝る=現実世界で起きる) ・複数の世界を跨いで移動する時は世界の持ち主の知り合いを数珠のように繋ぐ必要がある
職業:普通の高校3年生
接点:主人公と同じ高校に通っている先輩 もなみの従兄弟 柴田の友達
備考:・居眠りの常習犯(だが頭は凄く良いので平常点の酷さをテストでカバーしている) ・一人称「俺」二人称「○○(苗字)、お前、あいつ」三人称「あいつら」 ・もなみからは「よう兄」と呼ばれている ・寝起きに頭を軽く振るくせがある
SV:「俺の名前は水久洋介だ………しかしこうも暑いと寝苦しくて大変だな」
「いや、俺もそれを聞いたときは驚いた。まさかあのヘタレのもなみがアイドルになったなんてな……しかも普通に様になってるし、全然気弱に見えないし」
「知らん。俺は寝る」
「いや結構面白いぞ?他人の夢を覗くってのは」
「柴田か?あいつはなー………割と良い友達だとおもうぞ?からかうと良い反応するし」



オリキャラ二人目です
洋介の能力は先日読み終えた小説をオマージュしてみました……!そのせいで説明がややこしい事になってしまいましたが気にしません!((
異能の欄の最後にある説明(知り合いを繋ぐ云々のやつ)は六次の隔たりで調べていただけると分かりやすいと思います!


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