複雑・ファジー小説

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フライトドクターストーリーズ
日時: 2017/09/19 15:49
名前: Rain (ID: OZxqQ4OG)

☆attention
この物語を書いている作者は、駆け出しの初心者作家です。
また、医療のことをかいていますが、医者でも看護師でも医学生でもありません。自分の調べた知識だけで書いています。
そのため、なにかおかしいところがある場合がございます。
もし、これを読んでくださっている方の中で医者、看護師、医学生などの医療関係の職についている方がいらっしゃるなら、間違い等ガンガン指摘してください。

プロローグ

救命救急センター。
それは、命を救う最後の砦。
そして、救命救急の攻めの切り札、ドクターヘリ。
出動要請から離陸まで3分。
時速280kmの機動力。
この物語は、命を救うために戦い続ける人々を描いたものである。

Re: フライトドクターストーリーズ ( No.10 )
日時: 2017/05/02 20:10
名前: Rain (ID: OZxqQ4OG)

矢崎said
運航管理室に、私はいる。
今から、今日のドクターヘリスタッフだけの打ち合わせをするの。
「皆さん、揃いましたね?」
CSの倉橋聡理さんが振り返る。
うん、やっぱりいつ見てもボーイッシュでかっこいい!
「それでは、ミーティングを始めます。午後から交代するメンバーはいますか?」
手は上がらない。
「わかりました。今日のフライトドクターは杉野さん、フライトナースが神谷さん、OJTが矢崎さん。」
そういうと、倉橋さんがレシーバーをこちらに差し出した。
「オペ室や、CT室に行くときは言ってくださいね。そのときは矢崎さんのPHSに直接ご連絡します。」
私は、レシーバーをフライトスーツの胸ポケットに入れた。
「機長が金井、整備士が金井。」
え、ひとり二役?
不可解そうな顔をする私に、ナースの神谷さんが説明してくれた。
「双子なのよ。」
確かに、よく見れば、二人ともそっくり!
「では、ミーティング終了。」
「はい!」
私は、気合いを入れるように返事をした。

Re: フライトドクターストーリーズ ( No.11 )
日時: 2017/05/02 21:14
名前: Rain (ID: OZxqQ4OG)

午前の回診を終えても、ホットラインはならなかった。
いや、鳴らないほうがいいんだけどね。
運航管理室に行ってみようかな。

運航管理室には、倉橋さんがいた。
「あ、矢崎せんせー。どうかしましたか?」
倉橋さんは、おにぎりをもぐもぐ頬張っている。
「いえ、暇だから来ただけです。」
ぐ〜。
あ、お腹なっちゃった。
そういえば、お昼ご飯買ってなかったな。
でも、救命救急センターから院内のコンビニまではかなりある。
もし行っている途中にホットラインがなったらと思うと、怖くて行けません・・・。
「少しわけましょうか?」
え!?
「でも、倉橋さんの分はいいんですか?」
「大丈夫ですよ。たくさん買い込んであるので。」
そういうと、旅行用かばんを取り出して、チャックを開けた。
中にはおにぎりや、コンビニ弁当、お茶やスイーツがぎっしり!
「それに、先生は体力仕事じゃないですか。しっかり食べておかないと倒れちゃいますよ。」
「じゃあ、お言葉に甘えて、いただきます。」
梅おにぎりと、昆布おにぎり、お茶をもらった。
そういえば、どうして倉橋さんはCSになったんだろう。
「倉橋さんって、どうしてCSになったんですか?」
「理由ですか?少し長くなりますよ。」
そう言って、倉橋さんは話し始めた。
「私、中1のときに交通事故に遭ったんですよ。そのとき、ドクターヘリで搬送してもらったんです。そのときのドクターの方や、ナースの方がかっこよくて。私は、ドクターになりたいと思ったんです。でも、私は血がダメだし、体力もない。おまけに、目の前に倒れている人がいるとパニックになってしまうんですよ。小6のとき、クラスメイトが倒れた時もパニックになってましたから。
だから、ドクターヘリに関われる仕事として、CSを選びました。」
話し終えると、倉橋さんはため息をついた。
「ごめんなさい。長くなってしまって。」
でも、倉橋さんがドクターに憧れてたなんて知らなかった。
ちょっと、いいこと聞けたかも。
そのとたん。
プルルルルッ!
「ほら、先生!早速お仕事ですよ!」
天気良好!ドクターヘリ、出動!
「ドクターヘリ、エンジンスタート!」
ヘリポートに向かって走り出す。
初出動、頑張りまっす!

Re: フライトドクターストーリーズ ( No.12 )
日時: 2017/05/03 11:20
名前: Rain (ID: OZxqQ4OG)

外にあるヘリポート目指して全力ダッシュ!
患者さんが待っているんだから、急がなきゃ!
何度も聞いたヘリのローター音。
でも、今日は一際大きく聞こえる。
「お願いします!」
そう言って、乗り込む。
今日は、補助シートに座って、杉野先生の仕事を見学するのが仕事。
整備士の金井さんがドアを閉めてくれた。
機体がガタガタと揺れる。
テイクオフ!
時速200kmのドクターヘリは、一直線にランデブーポイントに向かう。
いつのまにか、ランデブーポイントの連絡は終わっていたらしく、杉野先生が無線を使う番になった。
「北海ドクターヘリから、赤池救急2!」
「はい、こちら赤池救急2。患者情報、送ります。」
患者はどんな状態なのか。聞いておけば、治療のシミュレーションがたてられる。
「負傷者、2名。車に挟まれており、1名救出完了。先に救出した1名を、お願いします!」
2人!?
もしかしたら、別に動かなければならないかもしれない。
「患者、23歳、男性。腹部、圧痛あり。トウ骨、ふれず。血圧測定不能!」
腹を押さえると、痛みを訴える。
手首にある動脈では脈がわからないほど、血圧が下がっている。
腹を強く打ち、内臓が傷ついているときの症状だった。
これは、重症ね・・・。

Re: フライトドクターストーリーズ ( No.13 )
日時: 2017/05/03 13:29
名前: Rain (ID: QxkFlg5H)

眼下に、ランデブーポイントが見えてきた。
救急車と消防車が待機している。
まもなく着陸体制に入る。
「JA9005、アプローチ!」
機長が最終着陸体制を宣言した。
少しずつ、高度が下がっていく。
ゆっくり、ゆっくりと、スキッドが地面を探るようにして着陸する。
ドアが開いた。
ヘリバッグを持って、救急車の近くに駆け寄る。
「もう一人の方は?救出できた?」
杉野先生が救急隊員に聞く。
「いえ、まだです。先にそちらの方をお願いします。シバタタイキさんです。」
杉野先生は、少し考えてから、叫んだ。
「気管挿管するぞ!」
私は、神谷さんから挿管セットを受け取り、チューブをのどに差し込んだ。
「矢崎!俺は残ってもう一人に対応する。お前と神谷さんで連れて行けるか?」
少し不安だけど、やるしかないよね!
「はい!」
「頼むぞ!」
まずは搬送先。多分、北海が一番近く、対応できる。
「北海に連れて帰ります!」

Re: フライトドクターストーリーズ ( No.14 )
日時: 2017/05/03 21:22
名前: Rain (ID: OZxqQ4OG)

ドアが閉まった瞬間、どきりとした。
血圧が低い!
「神谷さん・・・」
神谷さんの方を見ると、びくびくしている。
そうだった。
神谷さんは2週間前にOJTを終えたばかり。
つまり、そこまで経験があるわけじゃない。
ここは、私が頑張らなくちゃ!
血圧が低いときは、生理食塩水を送り込めばいいのよ。
針のついていない注射器のようなシリンジを使って、生理食塩水を送り込む。
あと、連絡もしなきゃ。
私は、足元の無線のスイッチをぐっと踏んだ。
「北海ドクターヘリから、風切北海!」


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