複雑・ファジー小説

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フライトドクターストーリーズ
日時: 2017/09/19 15:49
名前: Rain (ID: OZxqQ4OG)

☆attention
この物語を書いている作者は、駆け出しの初心者作家です。
また、医療のことをかいていますが、医者でも看護師でも医学生でもありません。自分の調べた知識だけで書いています。
そのため、なにかおかしいところがある場合がございます。
もし、これを読んでくださっている方の中で医者、看護師、医学生などの医療関係の職についている方がいらっしゃるなら、間違い等ガンガン指摘してください。

プロローグ

救命救急センター。
それは、命を救う最後の砦。
そして、救命救急の攻めの切り札、ドクターヘリ。
出動要請から離陸まで3分。
時速280kmの機動力。
この物語は、命を救うために戦い続ける人々を描いたものである。

Re: フライトドクターストーリーズ ( No.50 )
日時: 2017/07/30 13:53
名前: Rain (ID: a0p/ia.h)

◇Rainのよく分かるドクターヘリ講座6◇
○ICU
集中治療室のこと。
容体が不安定だったり、手術直後などで、24時間集中的に治療にあたる必要性がある患者が入る。

Re: フライトドクターストーリーズ ( No.51 )
日時: 2017/07/31 23:01
名前: Rain (ID: OZxqQ4OG)

赤川said

『JA9005、アプローチ。』
最終着陸体制が宣言された。
ゆっくりと、ヘリが高度を下げていく。
きららがヘリバッグを抱え、いつでもとびだせるように準備している。
やがて、ヘリが着陸した。
『エンジン停止。作業を許可する。』
整備士の手によって、スライドドアが開かれる。
ここからが勝負だ!
ヘリから飛び出した。
前方には赤いランプが光る救急車。
「名前、教えてください!」
「フジサワ・カオルちゃん、一才です!」
「カオル・・・ッ、カオルーーー!」
ああ、お母さんが。
我が子の姿を見て、パニックになっている。
ここはきららに任せるか。
「きらら、お母さん頼むぞ!」
「了解です!」
これで治療に専念できる。
カオルちゃんを見た瞬間、少し怯んだ。
顔が・・・血まみれだ。
いったいどこをどうやればそうなってしまうのか。
輪郭もひどく歪んでいる。
「気管挿菅します!」
救急救命士の人が、気管挿菅の道具を渡してくれる。
クッ、ククッ。
よし、オッケー。あとは点滴して、運ぶか。
静脈に針をさして、生理食塩水のパックをつなぐ。
「運びます。」
ストレッチャーを乗せ変えて、ヘリに向かう。
「きらら、行くぞ!お母さんも連れてこい!」
「お母さん、今から病院に行きますからね!」
整備士がストレッチャーをヘリに乗せた。
「北海に運びます。」
『了解、北海に向かいます。』
お母さんは相変わらず、泣きじゃくっている。
大声で話しかけた。
「お母さん、大丈夫ですよ!出来る限りのことはしますから!」
『先生、離陸します。』
「はい!」
ヘリがふわりと浮いた。
目的地、北海病院!
本当の戦いはここからだ!

Re: フライトドクターストーリーズ ( No.52 )
日時: 2017/08/03 08:58
名前: Rain (ID: 9RGzBqtH)

正直、すごい焦っている。
意識レベルも300のまま悪いし、バイタルもひどく悪い。
しかも患者は子供だ。
うちの病院には、PICUはない。だから、この子に対するベストな治療はうちだけじゃ出来ない。
外傷の対応はうちじゃないと出来ない。だけど、その後の治療はうちじゃ厳しい。
どうしようか。
病院の若松達はどんな判断を下しているだろうか。
そのまま北海で治療するか、転院搬送するか。
どちらでもかまわない。それが患者にとっての『一番』ならば。
今回は、俺が指示することはない。
俺がやるべきことはただひとつ。
病院まで、この子の命をつなぎ止めるだけだ!
みんなの思いと患者を乗せて、ドクターヘリは空を飛ぶ。

Re: フライトドクターストーリーズ ( No.53 )
日時: 2017/08/03 09:17
名前: Rain (ID: 9RGzBqtH)

◇Rainのよく分かるドクターヘリ講座7◇
PICU
前回説明したICUの子供用バージョン。
小児集中治療室。

Re: フライトドクターストーリーズ ( No.54 )
日時: 2017/08/06 12:20
名前: Rain (ID: Ft4.l7ID)

杉野said

遠くから聞こえるエンジン音。
初療室の空気がぴんと張りつめる。
「じゃあ、私が迎えにいってきます!」
若松と数名のナースがヘリポートに向かって走り出した。
「そういえば、誰が成涼まで運ぶんですか?」
「あれ、決めてなかったっけ?」
普通は小児科専門のドクター、ここの病院では浅野がいくところ。
しかし。
「今日、浅野先生いませんよね?」
運悪く、浅野は熱を出して寝込んでいた。
そのとき、初療室のドアが開いた。
「フジサワ・カオルちゃん、一才です!」
「はい、ベッド移します。いち、にっ、さん!」
オレンジ色のバックボードごと、カオルちゃんをベッドに移す。
軽い・・・。
カオルちゃんは、とても軽かった。
こんな小さいのに。
まだ、この運命を背負うには早すぎる。
「杉野。」
「どうしましたか?赤川先生。」
「おまえ、カオルちゃん成涼まで運べるか?」
え?
「運べると思いますけど、どうして僕が?」
僕の問いに、赤川先生は少し戸惑って、また口を開いた。
「大人の事情だ。」
そう言って、赤川先生はウインクした。
「任せたぞ。」
いや、大人の事情って、僕も大人だけどね!
でも、赤川先生に頼まれたらやるっきゃない。
フライトスーツに着替えるため、ロッカールームへ走り出した。


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