二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- ダンガンロンパad lib. 〜絶望の林間学校〜
- 日時: 2014/03/25 14:31
- 名前: アルズ (ID: NaOjLZBc)
初めまして。 アルズと申します。
この小説はダンガンロンパのオリジナルストーリーです。
なのでオリキャラなどそういうのは嫌だという方はブラウザバックを推奨します。
また原作の関わりがあるためネタバレも少々あります。
ネタバレがいやという方もブラウザバックをしてください。
そしてこの作品はキャラ募集をしませんのでご了承ください。
小説はほとんど書いたことないので変なところや展開が少し早すぎたりするかもしれませんがご了承ください。
(2/16 追記)
・・・500・・・だと・・・!?
こんな駄文みてくださり本気でありがとうございます!!
これからも完結まで頑張りますので見ていってください!!
(追記 2/23)
名前だけとか物語に絡んでくる他の作者様のキャラがいらっしゃいますので、ここで礼を申し上げたいと思います。
神谷春子さん、シオン・スカーレット君を借りさせていただいたランスロット様。
青竜直人君を借りさせていただいたソラ様。
本当にありがとうございます。 これからまた借りるかもしれませんがよろしくお願いします。
(3/1 追記)
・・・・せせせせせせせ1000突破あぁぁぁぁぁ!!?
ここここここんな駄文読んでくださるとは・・・光栄です!!
これから入試だのあるので再新はのんびりになりますが・・・よろしくお願いします!!!
(3/15 追記)
・・・・1500・・・だと!!?
うあああああ嬉しいっす!! 読んでくださりありがとうございます!!
もうすぐで終わりますが・・・よかったら最後まで見てください!!
(3/19 追記)
これにより本編は完結いたしました。 残りは番外編、黒幕と生き残りの誕生秘話、裏設定のみとなりました。
これを見てくださった方、ありがとうございました。
近いうちに二章を出すと思いますので、よかったら暇な時に見てください。
(3/25 追記)
ついに終わりました。
次は絶対絶望少女をモチーフ・・・?にした二章をお届けしたいと思います。
過去なので後日談以降の話は書きませんが、二章に興味を持った方、ぜひぜひ来てください。
もしよかったら感想コメ等、募集しております。
お返しも出来る限りしますんで、よかったらよろしくお願いします。
目次
chapter0 プロローグ
>>1 >>4-9
chapter1 おいでなさいませ絶望林間学校
>>10 >>11-12 >>13-14 >>15-16
非日常編
>>17-18 >>19-20
>>25-26 >>27 >>28←オシオキ編
>>29
chapter2 絶望的な未来を想像しますか?しませんか?
>>32 >>33-34 >>35-36 >>37-38
非日常
>>39 >>40-41
>>42-43 >>44 >>45←オシオキ編
>>46
chapter3 絶望ってなんて読めますか?
>>49 >>50-52 >>53-54 >>55-56
>>57
非日常
>>58-59
>>60-61 >>62 >>63←オシオキ編
>>64
chapter4 希望の羅針盤よ!!我らを導け!!
>>68 >>69-70 >>71-72 >>73-74 >>75-76
非日常
>>77-78
>>79-80 >>81 >>82←オシオキ編
>>83
chapter5 繋いだ答えは希望でした。
>>86 >>87-88 >>89-90 >>91
非日常
>>92-93
>>94-95 >>96 >>97←オシオキ編
>>98
chapter6 望みって一体なんですか?
>>99
非日常
>>99-101 >>104
>>105-106 >>107-108 >>109
>>110 >>111←オシオキ編
>>112
chapter×× エピローグ
>>113
制作秘話
>>21 >>22 >>23 >>24
裏話等
chapter1
被害者>>30
クロ>>31
chapter2
被害者>>47
クロ>>48
chapter3
被害者>>65 >>66
クロ>>67
chapter4
被害者>>84
クロ>>85
chapter5
被害者>>102
クロ>>103
生き残り
その1>>114
その2>>115
その3>>116
その4>>117
その5>>118
黒幕
>>119
後日談
>>120
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- chapter2 絶望的な未来を想像しますか?しませんか? ( No.36 )
- 日時: 2014/02/13 18:30
- 名前: アルズ (ID: K7X2qH8y)
「まだ時間があるな・・・。」
少しぼんやりとしながら外へ出た。
欠伸をかましつつ歩くと湖川さんが俺と同じくぼんやりと空を眺めていた。
「あ・・・水上君、昼下がりって眠いね。」
「そうだな・・・。」
「よかったら一緒に黄昏れない? 風浴びながら空見るのって気持ちいいよ。」
「おっ・・・いいな。 じゃあ隣いいか?」
「う・・・うん。」
そして湖川さんと一緒に空を眺めながら話をした。
「なぁ、湖川さんってどうしていつもバール持ってるんだ?」
「え? あぁ、あれだよ喧嘩売ってくる馬鹿いるからさ護身用。」
「でも・・・人多いところに行けば襲われる心配ないと思うけど・・・」
「そこなのよ。 私の近所ってやばいことに不良のたまり場が多くてさ−・・・。」
「なんでそこに住んだの・・・!?」
「土地安いからだってさ。 あー・・・説明の傍らになんか・・・なんていうんだっけ・・・」
それって・・・よくここに殺人が起きたとかほこらだとかどかした時によく聞く・・・
「い・・・いわくつき?」
「そうそう!! いわくつき物件!! それ言われたり書かれたりしたなー・・・なつかしー・・・。」
「なんで気づかなかったの・・・!?」
所々不思議な人だな・・・。
「あっそうだ・・・これいるか?」
俺が差し出したのは『マリンスノー』だった。
「えっ・・・!? いいの・・・? あ・・・ありがと。」
湖川さんは照れながら、そして嬉しそうに頬を緩ませてマリンスノーを受け取った。
「湖川さんって結構男勝りな時あるよな。 一人称たまに「俺」とかになったり・・・。」
「気合い入れなきゃ喧嘩なんてできないよ。 それにね、これは私を知っている人にとっての秘密があるんだよ。」
「・・・秘密?」
「水上君にだけには教えてあげる。 俺、実は男なんだ。」
「・・・・・・えぇぇぇぇぇ!!!???」
「嘘だよ。 俺って言ってたら嘘かもしれないって覚えておいてね。私って言ってたら9割本当の事いってるから。」
「・・・・。」
ある意味お化けの登場より驚いたかも・・・。
少し笑い話をしたりした後、俺はバンガローに戻った。
時計をふと見るとまだまだ時間はあった。
「暇つぶして来るか・・・」
背伸びをしながら靴を履き、外へ出た。
ふらふらと散歩をすると何かの絵を描いている一色さんの姿があった。
「一色さん・・・?」
「・・・ふわっ!? 水上さん・・・ですか?」
「あ・・・あぁそうだが・・・。」
「すみません・・・気づかなくて・・・。」
「いやいいよ。 誰でも好きなことには集中したいし。」
「あ・・・あの・・・よかったらお話しませんか・・・?」
「俺でよかったら構わないぞ。」
「あ・・・ありがとうございます・・・!!」
絵を描いている一色さんと一緒に喋りながら過ごした。
「一色さんって本当に絵が上手いよね。」
「そ・・・そうですか・・・?」
「うん、写真みたい。 本当に写してるって感じだよ。」
「えへへ・・・ありがとうございます・・・。」
「あっ・・・そうだ、これいる?」
俺がふと思い付いて渡したのは『アンティークドール』だ。
「ひぇぇ!? こんな素敵な物・・・を!? ありがとうございます・・・!!大切にします・・・!!」
凄く嬉しそうにしながら彼女は受け取り、抱きついていた。
「一色さんってどうして絵を描き始めたんだ?」
「えっと・・・、私小さい頃から絵が大好きで・・・ずっと描いてたんです・・・。」
「へぇ・・・そうなのか。」
「は・・・はい!! 幼稚園の頃たまたま描いた森林の絵がすごく好評されて・・・嬉しくてついついご飯も忘れて描くことがあるんです・・・。」
「食べるの忘れて・・・!?」
「お陰で・・・お母さんによく怒られます・・・。」
もの凄い集中力なんだな・・・。 ああいう絵を描けるのもその集中力のお陰なのかもしれない。
もしかしたら彼女の能力の開花はかなり早かったのかも・・・しれない。
一色さんの絵を描いている様子を見た後彼女と別れ、自分のバンガローへ戻っていった。
キーンコーンカーンコーン....
『希望ヶ峰学園林間学校実行委員がお知らせします。オマエラ、夜10時なので、夜時間となります。 施設の食堂のドアがロックされますので、ご注意ください。 ではではいい夢を。おやすみなさい。』
もう10時か・・・早いな・・・。
そう思いながらぼんやりと窓から星を見た。
何座かわからないが夜空に満面に浮かぶ星々を見た。
ここだとやっぱり星の見えやすさが違うな・・・。
そうしてベットに寝っ転がりながら星を見ているといつの間にか瞼が閉じて・・・寝てしまった。
- chapter2 絶望的な未来を想像しますか?しませんか? ( No.37 )
- 日時: 2014/02/14 18:43
- 名前: アルズ (ID: K7X2qH8y)
『希望ヶ峰学園林間学校実行委員がお知らせします。 オマエラ、朝ですよ!! 山ならではの自然の空気を吸って今日一日張り切って行きましょう!!』
あのアナウンスが聞こえ、ぼんやりと目を覚ました。
一欠伸をし、ベットから降りる。
そして一直線にモノモノマシーンへと歩を進めた。
あの裁判から何故か数十枚数が増えているので消化しなくてはならない。
このまま置いても・・・邪魔なだけだし。
そう思いながらモノモノマシーンのコイン投入口へモノクマメダルを入れ、ガチャガチャをやる。
出てきたのは『百年ポプリ』と『スカラベのブローチ』が出てきた。
ポプリはともかくブローチはどうやって手に入れてきたのだろう。
とりあえずここで時間潰してもあれだったので、バンガローを出て食堂に向かった。
「おはようさん、今日は余裕ね。」
「あぁ・・・早めに目が覚めたから・・・。」
「いつもギリギリにくるのにな!!」
「風空君、言っちゃだめだぞ。」
今回は少し早めなため人が少ない。
たまにはいいかもな、と思いながら風空君と湖川さんと話をした。
しばらくするとみんなが来たので朝食会が開始した。
その途中で、嫌な予感がした。
ピーンポーンパンポーン....
『えー、オマエラにお知らせします。 飯食い終わったら広場のテントに集まるように!! こないと・・・わかるよねぇ?』
・・・まさか・・・
「・・・・あーっもうすっごいいい雰囲気なのに!! 空気読みやがれってんでい!! って・・・言っても仕方ないか。」
湖川さんがモニターに向かって叫んだ後、急いでご飯を食べ進めて外へ出た。
俺達もその後を追うようにご飯をできるだけ早く食べて広場のテントへと向かった。
「遅いよ平民達。」
「仕方ないでしょ!? ご飯食べてたんだからどうこう言われる筋合いはありませんよ!!」
「だいたい、なんで君たちはそう仲良しごっこを続けるのかい? どうせ今回も仲良くして絶対に殺人を犯さないようにしよう・・・なんて言って仲良くしたフリをしているんだろう? どうなんだい?」
「・・・返す言葉はない。 でもね、最初から参加もしないでそう言われるとすっごい腹が立つ!! 桜雪さんと城ヶ根の死を軽んじている奴にそう言われると腹が立つ!!」
「知らないね。 腹が立つなら勝手に立ってればいいじゃないか。」
「てんめぇ・・・!!」
「もうやめなよ湖川!! アルフも!! もう・・・もうそんな事言ってる場合じゃ・・・」
「はーいはい、また昼ドラですか? 夜ドラ?朝ドラ? もうどうでもいっか。」
モノクマが教壇の影からこそっと出てきた。
「・・・モノクマ、今度は何のよう? また動機?」
「さすが星鎖希君。 かなり鋭すぎてボクもう怖いですよー。
はい、動機です。 これは星鎖希君にもありますからご安心を・・・。」
と、いいながら取り出したのは前と同じ、俺達の名前が書かれた封筒。
急いで自分の名前が書かれた封筒を取り、様子を見る。
「その中にはね、恥ずかしい思い出と、ばらされたくない思い出が詰まっています!! もしも・・・殺人が起こらなかったら・・・それを全国にばらまきます!!」
「・・・え!!??」
「ほらほらー早く開けてみなよ〜。」
急かされるままに俺は封筒をあけ、折りたたんである紙を広げた。
『ミナカミは、昔中二病だった。』
「どっから調べたよおい!!」
「うぷぷ、面白かった? 思い出した?」
確かに・・・今このメモを見て思い出した。
・・・確か中学生の頃だったろうか、とある飼育員に憧れその口調を真似していたのだが・・・次第には脳内までそれが移ってしまい、見事世に言う厨二病となってしまったのだ。
「モモモモモノクマっあああああんたどこでこんなの??!」
「雪柳さんガタガタと震え過ぎだよー? 調べたの、し・ら・べ・た・の!!」
「待ってよちょっと!! 人周りいなかったろ!?」
「そう言うのまでも見通します。 見通しちゃいますよ?」
「・・・モノクマ、これはおかしい・・・世間にはばれてないはずなのに・・。」
「星鎖希君、世間にはばれなくても自身にはばれているんだよ?」
と、数々の疑問や驚愕が周りを包んだ。
普段冷静で物事には何も動じない星鎖希君と雨唄君も今回の事に関しては驚きを隠せていない。
アルフレッドは何故か笑っていたが。
「さてさって、それをどうするかはオマエラ次第。 秘密を誰かにばらすのもばれたくなくて殺人をするのも・・・ぜーんぶオマエラ次第だよ!!
うぷぷ、じゃあね。」
トテトテと歩いてモノクマはどこかへ行ってしまった。
「君たち、どんなのだったんだい?」
「言えるわけないだろ!!?? うあぁ・・・うっそー・・・」
「アルフは言えるわけ? 自分の秘密。」
「さあね、どうだが。 ぼくは帰るよ。」
自分から聞いた癖に答えを聞こうとせずその場を立ち去った。
「・・・嘘だ・・・ボクが言った筈ない・・・。」
「・・・星鎖希君?」
「まぁいいや・・・次第にばれることだし。 水上、心配はするな・・・というかしなくていい。」
「え・・・あ・・・そうか。」
星鎖希君は紙を丸めながら自分のバンガローへと向かった。
「アタシも帰るわっ!! それじゃっ」
雪柳さんは気まずそうに走り去っていった。
「私達も帰るか・・・少し整理整頓が必要だしね。」
「そうだな・・・。」
湖川さんのその言葉を聞いてみんなはぞろぞろと自分のバンガローへと戻っていった。
- chapter2 絶望的な未来を想像しますか?しませんか? ( No.38 )
- 日時: 2014/02/14 19:09
- 名前: アルズ (ID: K7X2qH8y)
ぼんやりと・・・窓から空を眺める。
忘れよう、忘れよう・・・。
『俺は氷結を操りし男・・・迂闊に近づくな。貴様等が凍ってしまうぞ・・・?』
「うああぁぁぁぁぁ!! 思い出しちまったぁぁぁぁぁ!!」
頭を抱えて忘れろ、忘れろ。とブツブツ言う。
明らかに他人から見たらなんだコイツ。と絶対に思われる。絶対に。
「はぁ・・・。」
顔から火が出るほど恥ずかしい。
それを忘れようと首を横に振り、外へ出た。
「あ・・・水上・・・。」
「久地先さんじゃないか・・・。 もう落ち着いたのか?」
「ええ・・・とりあえずは。 よかったら森をみない? 落ち着くと思うし・・・いいと思うから・・・。」
「あっ・・・じゃあお供するよ。」
久地先さんと一緒に森を見た。
「なぁ、久地先さんってどうしてマジシャンになったんだ?」
「私の・・・お父さんがマジシャンをやっていて・・・それに憧れて。」
「へー・・・そうなのか。」
「お父さんは刃物系のマジックが得意なの。 ・・・私は逆に苦手で・・・。」
「えっ苦手とかあるのか!?」
「あるわよ・・・人間だもの。」
少し・・・意外だな・・・。
「あっそうだ、これやるよ。」
『百年ポプリ』を久地先さんに渡した。
「あ・・・ありがと・・・。 大切にする・・・。」
嬉しそうに赤面して受け取ってくれた。
「ねぇ・・・あなたは私の右目を見て何も思わないの・・・?」
「右目・・・? あぁ、確かに両目色違うね・・・。」
「ほとんどが気味悪がってるから・・・どうして何も思わないで普通に接してくれるのかが不思議で・・・。」
「仲間だろ? それに・・・久地先さんらしくていいと思うよ。」
「そ・・・そう? ありがと・・・。」
そんな会話をして俺達は別れた。
バンガローに戻ってコンビニから持ってきたジュースを飲みながら時計を見た。
「・・・まだまだ時間があるな・・・。」
今開けている缶ジュースの中身を全て飲み干し、ごみ箱に入れた後外に出た。
適当にそこら辺を歩いていると雪柳さんがいた。
「雪柳さん、そんなところで何してるんだ?」
「んー? ストレッチよストレッチ。 水上、あんたもやる?」
「じゃあ・・・一緒にやらせてもらうね。」
あまりの過激なストレッチに俺は疲れ果ててしまった。
「水上ってさ、なんでシャーペンをポケットにいれてるの?」
「えっ・・・? あぁ、何となくだよ。」
「何となくでいれるんだね!!」
「まぁメモ帳もポケットに入ってるし。」
「学ランとかって便利ねー・・・ほら、アタシのユニホームはポケットないし、何故か羽織ってるガーディガンもないし。 物はどうしようかなってずっと思っててさー。」
「あはは・・・確かにポケットないと不便だよな・・・。」
「でしょー?」
「あっ・・・そういえばこれやるよ。」
ポケットから出したのは『スカラベのブローチ』だ。
「えぇ!!?? いいの!? こんな・・・はぁぁ・・・ありがと!!」
受け取った瞬間、ブローチに頬ずりをしていた。
「雪柳さんはどうしてテニス選手になったの?」
「えっとねー・・・適当。」
「て・・・適当!!??」
「そそ。 たまたま入ったテニス部ですんごい能力らしきもの発揮したのよ!!」
「・・・すごい・・・。」
つまりはテニス部に入ってから鍛えた、というわけだ。
それでも彼女は絶大な結果を残している。 本当の天才かもしれない。
雪柳さんとちょっと変わった話をして別れた。
バンガローに戻ってぼんやりと夜空を眺めた。
『この星々の力を・・・俺は借りる・・・!! コンスレイション・ウォーター!!』
「思い出すなっ!! 忘れろ忘れろ・・・!!」
いつまで引き摺っているのだろう俺は。
すぐに忘れるため学ランをハンガーに掛け、ベットへダイブする。
そして深呼吸して瞼を閉じる。
そのまま俺は寝た。 いつものアナウンスを聞かないで。
- chapter2 絶望的な未来を想像しますか?しませんか? ( No.39 )
- 日時: 2014/02/15 11:41
- 名前: アルズ (ID: K7X2qH8y)
『希望ヶ峰学園林間学校実行委員がお知らせします。 オマエラ、朝ですよ!! 山ならではの自然の空気を吸って今日一日張り切って行きましょう!!』
もう朝か・・・。
10時前に寝たのか妙にスッキリした目覚めだ。
今日はモノモノマシーンをやる気分ではないのでのんびりと時間を過ごそう。
そう思い、どっかから持ってきた冷蔵庫から缶ジュースを出して飲む。
今日・・・何か起きそうだな・・・。
そう、思いたくもないことを思って。
時間たっぷりに外へ出たためかなりゆっくりと歩いても十分に間に合った。
「あっれ、珍しいね。 おはよー。」
「翼・・・!!? どうしたの熱でもあるの!!??」
「おはよう、湖川さん、風空君。 言っておくけど俺は至って健康だぞ?」
風空君はいつも直球だな・・・。 嘘なんかつけなさそうだ。
「ねーねー・・・、昨日のあれどう思う・・・?」
「あぁ・・・恥ずかしい思い出とかだろ? 俺は特に気にしてないけどね。」
「・・・思い出しちゃった・・・」
昨日寝てやっと忘れたあれをまた思い出してしまった。
顔を手で覆い、多分赤くなってる顔を隠す。
「恥ずかしい思い出だったんだな・・・。」
「ど・・・どんまいだよ!! 僕のより多分マシだって!!」
「・・・。」
励ましてくれているのだろうが俺はそこを気にしてないのだ。
気にしているのはモノクマが始終この事を言うか言わないかだ。
技名とか叫ばれたら・・・死んでしまう自信がある。
気づくとアルフレッド以外のみんなが来ていた。
つまりはもう時間、と言う事だ。 湖川さんがいつも通りに朝食会開始の合図を出し、みんな出された朝食を食べる。
そんな楽しい事をしていると、自然に忘れ去っていった。
バンガローに戻ってのんびりしているともう昼に差し掛かっていた。
暇つぶしはできないかな、と外へ出てコンビニへ向かう。
その移動中の時であった。
「・・・あれ?」
久地先さんが何かバックを持ってどこかへ去っていくのが見えた。
何か調達してきたのだろうか・・・と思い、特に気にはしなかった。
コンビニに入って本類を見る。 最初に春風君が見せてきた殺人鬼特集がまだ大量にあった。 そんなに売れてないのだろうか。
その本を手に取りページを開く。 開いたページは偶然にも春風君が言っていた『イズモ』のページだった。
イズモは殺人鬼のみを殺す殺人鬼。 あの10日の火曜日に催した殺人鬼をいとも簡単に殺して地元の人々を救った・・・なんて話も載っていた。
一番興味深かったのはイズモは正々堂々を好むというのだ。
傷だらけになっても殺し甲斐があれば殺さなきゃ気が済まない。という不思議な思考をしているというのだ。
そのページの写真を見るとどれも正面を刺されている写真ばかりだった。
「おーい!! 翼ー!!」
「・・・なぁ!!?」
驚いて本を上空に放りだしてしまい、それを風空君にキャッチしてもらった。
「まったくもう・・・ビビリなんだから。 ・・・殺人鬼特集・・・?」
「春風君がここ探索したときに持ってきてただろ? 気になって見てたんだよ。」
「ふーん・・・。 あっねぇねぇ、一緒に運動しない!? トレーニングルームでさ!」
「お・・・お手柔らかにな・・・?」
「もっちろん!!」
そう言って飲み物がある所へ行ってスポーツドリンクを5本もって来た。
「はやくいこ!!」
そう言って駆け出して行ったのを追いかけて温泉に入った。
入った・・・まではよかった。 少し遠くにある長いすに布が覆い被さっていたのだ。
「・・・なにこれ。 こんなのあったっけ?」
「いや・・・なかった。」
あの時と同じ・・・城ヶ根君が殺された日に感じた嫌な予感がした。
生唾を飲み、布を掴んだ。 そして・・・思い切り、そんな事がありませんように、と願いながら・・・布を取った・・・。
「な・・・・な・・・・」
「うわあぁぁぁぁぁぁ!!!??」
風空君が持っていたドリンクを落としながら、俺は布を落としながら見ていたその先には・・・
今まで素顔を明かさなかった雨唄君が・・・目を見開いて死んでいた・・・。
「ちょ・・・ちょ・・・!!?」
「う・・そ・・・だろ?」
アナウンスがならない・・・つまりこの事は誰にも・・・俺達以外には誰にもわからない。
「僕誰か呼んでくる・・・!!」
風空君が自慢の早足で出ていった。
俺はその答えを返せずただ単に・・・雨唄君の死体を見ていた。
「早くっ!! 早くっ!!」
「いた・・・いたた・・・やめろっいたい!!」
風空君と星鎖希君の声が聞こえてきた。
「いたいってば・・・何が・・・。」
星鎖希君がここに来て死体を見た。 なんとなく察したような、納得したような表情を浮かべた。
ピーンポーンパーポーン....
『死体が発見されました! 一定の自由時間の後学級裁判を行います!!』
あの・・・あの忌々しいアナウンスが聞こえた。
それでも俺はまたいなくなった仲間の死に・・・ぼんやりと立っているしかなかった。
「ここか・・・? って雨唄!!? 何があったの!?」
「ひえぇぇぇ!? 雨唄さ・・・!!?」
次々と人が来た。
その中で・・・深海君だけはみんなとは比べものにならないくらいの表情を浮かべていた・・・。
「あまうた・・・? 嘘・・・だよね? ねぇ・・・」
あれだけ懐いていたのだ・・・こうなるのもしかたがないのかも知れない・・・。
今はただ・・・その様子を見るしかなかった・・・。
- chapter2 絶望的な未来を想像しますか?しませんか? ( No.40 )
- 日時: 2014/02/15 12:25
- 名前: アルズ (ID: K7X2qH8y)
「う・・・うぅ・・・あまうたぁ・・・・」
深海君のすすり泣く声が響く。
あの時と同じように腕にしがみついて。
「うっぷぷ・・・またまた起きてしまいましたね−・・・」
天井からモノクマが登場した。 どっから出てきた。
「モノクマ・・・これも・・・」
「イ・エース!! オマエラの誰かが殺したんだよー!!」
「・・・。」
信じたくはなかった。 また起こってしまったあの殺人を・・・。
モノクマが出てきても深海君だけはそれに見向きもせずにただ単に・・・雨唄君の腕にしがみついて泣いている。
「さってと、ではこれを渡しておきましょう・・・。 『ザ・モノクマファイル』ー!!」
電子手帳がわずかに振動した。 つまりは項目が増えたということだ。
「そりじゃ、みんながんばってねー!!」
トテトテと律儀に出入り口から去っていった。
まずはファイルを見よう・・・・。
被害者:『超高校級のデバッガー』雨唄 蛍
死因:切られた事による大量出血死
死体発見場所:温泉のロビー
参照:背中を思い切り切られている。
「・・・どうすんの? 今回も私と星鎖希が見張りする?」
「ぼ・・・僕も・・・やらせて・・・見張り・・・。」
ひゃくりをしながら深海君は言った。
「あ・・・雨唄の・・・傍にいさせて・・・。 い・・・今だけでも・・・いさせて・・・。」
涙が枯れたのだろうか、もう涙を流してはいなかった。
「・・・オーケ。 残りは探索、でいいね?」
みんな頷いた。
「星鎖希君。頼むよ。」
「・・・わかった。」
と、星鎖希君は念入りに死体を調べている。
ふと思った事があり、深海君に話しかけた。
「深海君、ちょっといい?」
「・・・へ?」
「君はずっと雨唄君と一緒にいたんだよね・・・? どっかで別れたのか?」
「う・・・うん・・・。 ずっと一緒にいたけど・・・12時ぐらいに雨唄が用事があるって行ってどっかに行ったの・・・。」
「そうか・・・ありがとうな。」
【深海の証言】ずっと一緒にいたらしいが12時ぐらいに用事があると言って雨唄がどこかへ行ってしまったらしい。
「僕から言えるのはこれだけだよ・・・。」
「悪いな、疑ってるような感じで聞いて。」
「ううん・・・水上・・・絶対に雨唄の仇とろう・・・!」
「そうだな。」
「水上・・・。」
「星鎖希君・・・? どうしたんだ?」
「腕に掴まれた痕がある。 あと首から背中の真ん中辺りまでパックリ。 これによって背の低い人は自然に容疑から外される。後・・・死亡推定時刻、12時30分。」
「・・・そうか。」
「あとこんなの落ちてた。」
と、差し出したのは白い、切れたゴム。
【検死結果】腕に掴まれた痕があり、首から背中の真ん中辺りまで切られていた。
【切れた白いゴム】死体の傍に落ちていたゴム。 争って切れたのだろうか。
「・・・これだけ。」
「そ・・・そうか。」
ふと視線を逸らすと血塗られたナイフが落ちていた。
果物ナイフ・・・より少し大きいかな・・・?
【血塗られたナイフ】長いすの傍らに捨ててあったナイフ。血塗られており、恐らくこれが凶器だと思われる。 サバイバルナイフなみの大きさ。
「水上君、これってベットシーツじゃない?」
「え・・・あっ本当だ。」
「しかも・・・上に被さってあった筈なのに血が付いてるよ。」
【ベットシーツ】死体の上に覆い被さってあったベットシーツ。仰向けになっていた筈なのに血塗られている。
「そう言えばさ・・・湖川さん、アリバイってある?」
「アリバイ・・・? そうさなぁ・・・よくわかんないや。 東野さん見ただけだし。」
「そっちから認識は・・・?」
「多分されてない。 どっか見てたし。」
「そ・・・そうか。 ありがとな。」
そして俺は駆け足になって外へ出た。
「東野さーん!!」
「はいな? どうかしたので?」
「東野さん・・・なんか見たとかないかな?」
「えーっとね、誰かがコンビニから出て行く所見たよ。 女の人だった。 バック持ってたね〜・・・。」
「い・・・何時?」
「12時・・・ちょっと過ぎだね。」
【東野の証言】12時過ぎに女の人がコンビニから出て行くのを目撃。バックをもっていたらしい。
「翼ぁぁぁぁ!! ビックニュースぅぅぅぅ!!」
ドタドタと風空君が叫びながら走ってくる。
「わかったから音量下げてくれ!!」
「はぁ・・・、星鎖希がこれ見つけたって。」
風空君が持っていたのはメモだった。
メモには「話したいことがある。17時、温泉のロビーで。」
と書かれていた。
「これね、よく見ると消した痕があるんだよ。」
「・・・え!!? じゃあ・・・何時かは見えるのか?」
「ごめん・・・さすがにそこまではわからなかった・・・。」
【メモ】「話したいことがある。17時、温泉のロビーで。」と書かれたメモ。 しかし消した痕があるらしい。
「これが伝えたかっただけ。 ごめんね?」
「いや、いい情報だよ。 ありがとう。」
「えへへ。」
そんな会話をしながら俺は風空君と一緒に探索をした。
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