二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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ダンガンロンパad lib. 〜絶望の林間学校〜
日時: 2014/03/25 14:31
名前: アルズ (ID: NaOjLZBc)

初めまして。 アルズと申します。
この小説はダンガンロンパのオリジナルストーリーです。
なのでオリキャラなどそういうのは嫌だという方はブラウザバックを推奨します。

また原作の関わりがあるためネタバレも少々あります。
ネタバレがいやという方もブラウザバックをしてください。

そしてこの作品はキャラ募集をしませんのでご了承ください。

小説はほとんど書いたことないので変なところや展開が少し早すぎたりするかもしれませんがご了承ください。

(2/16 追記)
・・・500・・・だと・・・!?
こんな駄文みてくださり本気でありがとうございます!!
これからも完結まで頑張りますので見ていってください!!

(追記 2/23)
名前だけとか物語に絡んでくる他の作者様のキャラがいらっしゃいますので、ここで礼を申し上げたいと思います。

神谷春子さん、シオン・スカーレット君を借りさせていただいたランスロット様。
青竜直人君を借りさせていただいたソラ様。

本当にありがとうございます。 これからまた借りるかもしれませんがよろしくお願いします。

(3/1 追記)
・・・・せせせせせせせ1000突破あぁぁぁぁぁ!!?
ここここここんな駄文読んでくださるとは・・・光栄です!!
これから入試だのあるので再新はのんびりになりますが・・・よろしくお願いします!!!

(3/15 追記)
・・・・1500・・・だと!!?
うあああああ嬉しいっす!! 読んでくださりありがとうございます!!
もうすぐで終わりますが・・・よかったら最後まで見てください!!

(3/19 追記)
これにより本編は完結いたしました。 残りは番外編、黒幕と生き残りの誕生秘話、裏設定のみとなりました。
これを見てくださった方、ありがとうございました。
近いうちに二章を出すと思いますので、よかったら暇な時に見てください。

(3/25 追記)
ついに終わりました。
次は絶対絶望少女をモチーフ・・・?にした二章をお届けしたいと思います。
過去なので後日談以降の話は書きませんが、二章に興味を持った方、ぜひぜひ来てください。
もしよかったら感想コメ等、募集しております。
お返しも出来る限りしますんで、よかったらよろしくお願いします。

目次
chapter0 プロローグ
>>1 >>4-9

chapter1 おいでなさいませ絶望林間学校
>>10 >>11-12 >>13-14 >>15-16

非日常編
>>17-18 >>19-20

>>25-26 >>27 >>28←オシオキ編
>>29

chapter2 絶望的な未来を想像しますか?しませんか?
>>32 >>33-34 >>35-36 >>37-38

非日常
>>39 >>40-41

>>42-43 >>44 >>45←オシオキ編
>>46

chapter3 絶望ってなんて読めますか?
>>49 >>50-52 >>53-54 >>55-56
>>57

非日常
>>58-59

>>60-61 >>62 >>63←オシオキ編
>>64

chapter4 希望の羅針盤よ!!我らを導け!!
>>68 >>69-70 >>71-72 >>73-74 >>75-76

非日常
>>77-78

>>79-80 >>81 >>82←オシオキ編
>>83

chapter5 繋いだ答えは希望でした。
>>86 >>87-88 >>89-90 >>91

非日常
>>92-93

>>94-95 >>96 >>97←オシオキ編
>>98

chapter6 望みって一体なんですか?
>>99

非日常
>>99-101 >>104

>>105-106 >>107-108 >>109
>>110 >>111←オシオキ編
>>112

chapter×× エピローグ
>>113

制作秘話
>>21 >>22 >>23 >>24

裏話等
chapter1
被害者>>30
クロ>>31

chapter2
被害者>>47
クロ>>48

chapter3
被害者>>65 >>66
クロ>>67

chapter4
被害者>>84
クロ>>85

chapter5
被害者>>102
クロ>>103

生き残り
その1>>114
その2>>115
その3>>116
その4>>117
その5>>118

黒幕
>>119

後日談
>>120

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chapter1 〜おいでなさいませ絶望の林間学校〜 ( No.16 )
日時: 2014/02/06 17:41
名前: アルズ (ID: K7X2qH8y)

俺が広場に着くと全員既に到着していた。

「・・・あっ水上君・・・」

湖川さんが俺に気づくと近寄ってきた。

「私さ・・・すごい不安なんだよ・・・。 今まで喧嘩でもここまでの不安を感じることはなかったのに・・・。 だからさ、もしも私が今回のことで立てなくなったら・・・水上君、みんなを引っ張って欲しいの。
私、それでもがんばるから。」

彼女はそう言って俺に微笑んできた。 さすがの彼女もこれは耐えられなかったのだろう。

「・・・あぁ。 まかせとけ。」

そう微笑んで言うと彼女はありがとう。と言っていつもの頼りがいがある笑顔を見せた。

「おーっ来ましたね? キタキタ!! キタコレェェェ!!」

と意味不明の言葉を言いながらモノクマは教壇からジャンプして現れた。

「何のようでここに呼び出したんだよモノクマぁ・・・」

城ヶ根君はかなり苛立ちながらそう言った。

「うぷぷ・・・実はね。場所も人も環境も、ミステリー要素だって揃ってるのに、どうして殺人が起きないのかと思ったら…一つ足りないものがあったんだよ。」
「足りない・・・物ですか・・・?」
「そう。 『動機』だよ。」
「・・・動機・・・?」

みんな首をかしげたり考えがハッキリしているのか青ざめている人もいた。

「というわけで、これを用意させていただきました!!」

じゃーん。と言いながらモノクマは封筒を取り出した。
その封筒を床に落とす。 封筒にはみんなの名前が書いてあった・・・が。

「あっ言っておくけど星鎖希クンの分はありませんからね!! 探してもありませーん!!」
「・・・そう。 つまりそう言うことか・・・。」

モノクマがそう言うと星鎖希君は納得した様子でみんなの様子を見た。
俺は自分の封筒を開けるとSDカードとイヤホンが出てきた。

「あっSDカードとイヤホンが出た人は、電子生徒手帳に繋いでくださいね!! ちゃんとありますからね!!」

言うとおりにSDカードを入れる場所を探し、入れ、イヤホンを付けて装着する。
そしてダウンロードかなにかが完了すると映像が自然に出てきた。

『翼、お前がこの学園に入るだなんて夢みたいだな。おめでとう。頑張れよ。』
『翼・・・本当に希望ヶ峰学園に入るだなんて嬉しくて誇らしく思うわ。 いつでも応援するわ。』
『お前がこの学園で頑張るなら兄として俺も頑張らないといけねぇな! だからお前も思いっきりいってこいよ!!』

その映像には俺の家族・・・父さんと母さんと兄がいた。
ビデオメッセージなのだろう。みんな笑って、みんな俺を応援してくれる。
それが・・・すごく嬉しかった。
だが・・・そんな気持ちもすぐに薄れていった。
映像にノイズが入り、次に出てきたのは・・・

俺の家が壊されていて・・・家族が、どこにもいない。そんな映像だった。
俺の・・・家族は? 父さん・・・母さん・・・兄ちゃん・・・?

『水上クンの家族は一体、どうなったのでしょう!?
続きは卒業の後で!!』

あの忌々しい声がイヤホンから聞こえて映像は終わった。
俺は思わず・・・座り込んでしまった。
脱力感と共に来たのは・・・恐怖だった。

「んだよ・・・これ・・・!!」
「なにっ!? 何でこうなったの!?」

みんな青ざめていた。 俺と同じようにイヤホンをしている人や、手紙か写真かなにかを見て叫んでいる人。
そして隣にいた湖川さんは・・・死人のように青ざめていた。震えていた。

「・・・お父さん・・・おかあ・・・さん・・・」

電子手帳が彼女の手から落ちた。
その画面には俺と同じく暗闇しか映っていなかった。

「でなきゃ・・・ここから・・・でなきゃ・・・」

その呟きが彼女の口から聞こえた。
今までの頼りがいのある表情は何一つなかった。

「ここから・・・出ないと・・・!! 父さんっ母さんっ!!」
「落ち着いて湖川っ!! それじゃあモノクマの思うつぼだよ!!」
「だってっだって・・・」
「だってじゃないっ!!」

風空君は湖川さんを落ち着けさせていた。

「みんなも・・・!! これは嘘だよ!! モノクマがでっち上げた偽物の物なんだよ!! 信じちゃだめだ!!」
「で・・・ですが・・・」
「うぷぷ・・・あれが本物とか偽物とかこだわるなら別にいいけどさ?」

さっきまでずーっと喋っていなかったモノクマが口を開いた。

「・・・モノクマ、お前の・・・目的はなんなんだ・・・?」

星鎖希君がそう言った。

「ボクの目的・・・? 『絶望』 それだけだよ!!」

そう高らかに、明るい声で、モノクマはそう言った。

「んじゃ、ボクはおいとまさせてもらいますよ。 さようならっと。」

手を振ってモノクマはどこかへ消えた。
みんなの表情は青ざめていた。

「う・・・うぅ・・・」

桜雪さんは配られた紙を見つめて震えていた。

「・・・落ち着いた?」
「うん・・・はぁ、駄目ね・・・私。」

風空君は湖川さんを落ち着けさせた。
みんなは嘘だと言い聞かせているのか深呼吸をしていた。

「・・・とりあえず解散しない・・・? このままあれでも・・・ね?」

いつものように、でも弱々しく湖川さんは言った。

「まぁこのまま平民達と過ごすのは勘弁だしね。 ぼくは先に帰ってるよ。」

見た物を嘘とか思っているのか、或いは何も思っていないのか、アルフレッドの表情はいつものあざ笑っている感じだった。
そのままアルフレッドは一足先に帰って行った。

「・・・オレらも帰ろうぜ。 このままボーッとしてもしかたねぇしな・・・。」
「そうですね・・・。 では私は先に失礼します。」
「おれも先に行ってる・・・」

紅杏さんと雨唄君もバンガローへと帰っていった。
城ヶ根君も帰ろうとしたが、湖川さんと桜雪さんに

「・・・なんでもいい、我慢できなくなったら相談しにきな。 聞くだけはできるぜ。」

と言っていた。 そしてそのまま帰って行った。
俺達も足取りが遅いがバンガローへと帰った。

キーンコーンカーンコーン....
『希望ヶ峰学園林間学校実行委員がお知らせします。オマエラ、夜10時なので、夜時間となります。 施設の食堂のドアがロックされますので、ご注意ください。 ではではいい夢を。おやすみなさい。』

・・・早くあの映像を忘れようと、夢だと思おうと俺は布団へ潜り込む。
明日・・・何か起こらないといいが・・・

そう思って俺は目を閉じた。

chapter1 〜おいでなさいませ絶望の林間学校〜 ( No.17 )
日時: 2014/02/07 18:31
名前: アルズ (ID: K7X2qH8y)

『希望ヶ峰学園林間学校実行委員がお知らせします。 オマエラ、朝ですよ!! 山ならではの自然の空気を吸って今日一日張り切って行きましょう!!』

今日で四日目。
だいたい何かの小説とかではここら辺から何か起こる。
・・・嫌な予感がするが外れて欲しい。
そんな思いを振り払うように俺はモノモノマシーンをやる。
五枚入れて出てきたのが
『超技林』『希望の乾パン』『2.5Dヘッドフォン』『アンティークドール』『ミレミアム懸賞問題』
だった。
どうやって入れたのか、どうやって調べたのかは不明だがとりあえず棚の上に置いておく。
そして俺はいつも通り靴を履いて外へ出た。



食堂につくと人が集まっていた。

「おっす、水上君。」
「湖川さ・・・もう平気?」
「うん、一晩寝たらスッキリしたからもう大丈夫。」

そう笑う姿は昨日の朝と同じ頼りがいのある笑顔だった。
そして俺はとある人物がいないのに気づいた。

「・・・なぁ、城ヶ根君は・・・?」
「あっれ、確かに来てないね・・・どうしたのかな?」
「昨日私みたいにしょげてもなかったけど・・・」

嫌な予感が本格的に強くなってきた。
俺は・・・それを嘘だと思い込みたかった。

「俺っ見てくる!!」
「ちょっ待ってよ水上君っ私も行く!!」
「僕も行くよ!!」

俺は付いてきた湖川さんと風空君と共に城ヶ根君のバンガローへと向かった。



俺は息を切らしながら城ヶ根君のバンガローのドアの前に立った。
心臓の鼓動が激しい。 走ったせいなのだろうか、それとも頭の中に思い浮かぶ最悪の結末のせいなのだろうか。
それでも・・・開けなければ来た意味が無い。

「・・・開けるぞ?」

二人は覚悟したのか顔を強ばらせながら頷いた。
その合図を見た俺は扉を・・・開けた。

そこには・・・


「うわあぁぁぁぁぁ!?」
「・・・っ!?」
「な・・・なんだよこれぇぇぇぇ!?」


そこには・・・左腕と左脚を切られて死んでいる・・・

城ヶ根 司 がいた・・・

ピーンポーンパーンポーン...
『死体が発見されました!! 一定の自由時間の後学級裁判を行います!!』

モノクマの・・・あの忌々しい明るい声が響いた。
湖川さんと風空君はその場で固まったまま動かなかった。

「う・・・なんで・・・城ヶ根が・・・」
「なんで・・・だよ・・・」

湖川さんは城ヶ根君の傍に寄って座り込んだ。
風空君は頭を抱えて状況を整理していた。

「何があ・・・城ヶ根君!?」
「きゃぁぁぁぁ!? なんで城ヶ根君が死んで・・・」

みんなが駆け寄ると城ヶ根君の有様を見て絶叫をしていた。
そんな中星鎖希君だけはいつもの無表情で城ヶ根君の傍に寄り、脈を平然と測った。

「・・・駄目だ。 冷たい。」
「えっ・・・じゃあ・・・もう・・・」
「まぁ、貧民が一人減っただけだろ? ぼくとしては都合がいいよ。」

アルフレッドがそう言った。 その時湖川さんは震えた。

「・・・んだと・・・テメェ・・・ふざけんじゃねぇよ!!」

湖川さんはアルフレッドの胸倉を掴んだ。

「人が・・・人が死んだんだぞ・・・? それで都合がいいだぁ・・・?
てめぇそれでも人間か!! 人の命をそう軽々と扱ってんじゃねぇ!!」

一通り言い終わると胸倉を離した。

「うぷぷ・・・昼ドラか夜ドラかなんだか知らないけどちょっといーい?」

モノクマがみんなの中から現れた。

「なんの・・・用だよ・・・」
「やーね、湖川さん。 そんな怖い顔しないの。 実はね、ボクとした事が学級裁判の事を説明し忘れてたんですよ。」
「が・・・学級裁判・・・?」
「そう。 とりあえず広場のテントに一旦集合ですよ。」

そう言ってモノクマはどこかへ行った。

「・・・どうする?」

星鎖希君が口を開いた。

「行くしかないよ・・・。」
「だね。 行かなきゃ・・・何も始まらないし。」

風空君がそう言うと春風君はその言葉に同意をした。

「じゃあ・・・行かなきゃ・・・だなー・・・」
「・・・気が重くなるけど・・・行くしかないわ・・・」

みんなぞろぞろと広場へと向かって行った。
もちろん、俺も・・・その後ろを着いていった。

chapter1 〜おいでなさいませ絶望の林間学校〜非日常編 ( No.18 )
日時: 2014/02/07 19:13
名前: アルズ (ID: K7X2qH8y)

俺達は言われた通り広場のテントに集まった。
モノクマは嬉しそうに教壇に座っていた。

「うぷぷ・・・では、説明しそびれた『学級裁判』について話したいと思います。」

そしてモノクマは紙芝居らしきものを取り出した。

「えーっと・・・今回の学級裁判の課題は『城ヶ根クンを殺した犯人は誰か』です。
学級裁判では殺人を犯した『クロ』そしてそれ以外の『シロ』との対決が行われます。」
「と・・・投票・・・ですか?」
「そう!! そこでオマエラが導き出した答えが正解だった場合、秩序を乱した『クロ』だけがオシオキされますので、他のみなさんは共同生活を続けてください。
ただし、もし間違った人を『クロ』とした場合は・・・罪を逃れた『クロ』だけは生き残り、残った『シロ』全員がオシオキされます。」
「・・・何度も言ってる『オシオキ』って・・・何?」

モノクマのつらつらと並べられた説明と、紙芝居を見ながら星鎖希君はいつもの無表情でそう問いを言った。

「オシオキってのはね・・・『処刑』だよ。 『ショケイ』。」
「しょ・・・処刑っ!?」
「はい。 あっ内容は、色々あります。
虎と競争して食べられる。 とか
毒音波をまともに聞いて鼓膜破裂 とか
色々ありますよー!!」

聞いていて・・・すごく気分が悪かった。
想像しただけで・・・すごく・・・。

「では、これも渡しておきましょう。 『ザ・モノクマファイル』ー!!」

モノクマは何かのリモコンのボタンを押した。
すると電子手帳をしまってるポケットから振動がした。

「電子生徒手帳に項目を一つ増やしました。 そこに色々書いてあるから見てってね!! じゃあ頑張ってねー!!」

子供のようにはしゃいでどこかに立ち去るモノクマを見つめながら俺達は状況を整理する。

「これを頼りに・・・犯人を探せって事だね。」
「じゃあまずは見張りを決めよ−・・・。 その方が証拠隠滅されずに済むしね−・・・」
「じゃあ私がなるよ。 頭脳戦は得意じゃないしね。」
「ボクも見張りになる・・・。 検死ぐらいならできるし。」

湖川さんと星鎖希君は見張りを志願して、二人で城ヶ根君のバンガローへと向かった。

「2人もいればどっちかが犯人でも証拠隠滅はできないね。」
「というか星鎖希君検死できるんですね・・・。」

そういえば、確か彼は天文学者の筈。 何故検死が出来るのだろうか。

「うーんと、じゃあさ出来るだけ団体行動をしないで情報を集めようよ。
そうしたほうがいいと思うんだ。」
「ぼくが平民達と共にいる? そんなのできっこないな。だからぼくは部屋に戻ってるよ・・・。」

アルフレッドはまだ反省もしてないのかもしくはあの言葉を微塵に感じ取ってないのか、いつものあの表情でバンガローへと戻っていった。

「まったく・・・人の命とかどう思ってるのでしょうか。」
「まったくだよなー。 というかもう始めた方がよくないかー?」

そう言えばそうだ。 もうかなり時間が経っている。
みんなも察したのか意を固めているのかわからないが表情が強ばっていた。

「に・・・にわかに犯人がいるなんて信じられませんが・・・、みなさんっがんばりましょう・・・!!」
「そうですわねっ!! 頑張りましょう!!」

一色さんと桜雪さんがそう言うとみんな頷いた。
そして解散した後俺はモノクマファイルを見た。

被害者:『超高校級のバスケ選手』 城ヶ根 司
死因 :鈍器か何かによる撲殺
死体発見場所:被害者のバンガロー
参照 :左腕と左脚が切られている。

俺はふと思った。 傍には何もなかった。
だが城ヶ根君は何かを書いていた。『ダイイングメッセージ』を書いていた気がする。
そう思った俺は一目散に城ヶ根君のバンガローへと向かった。

chapter1 〜おいでなさいませ絶望の林間学校〜非日常編 ( No.19 )
日時: 2014/02/08 11:10
名前: アルズ (ID: K7X2qH8y)

俺は城ヶ根のバンガローに行った。
走ったせいか結構息切れしている。
俺は見張りの湖川さんに目もくれずダイイングメッセージを見た。
【アマウタ】と書かれている・・・が、アの上部分に点があった。
しかも、アには本来繋がるところが区切れている。

【ダイイングメッセージ】 『アマウタ』と書かれているが、アの上部分に点が、本来繋がるところが区切れていた。

「あっ・・・水上君。 どしたの?」
「現場調査・・・だよ。 そう言えば湖川さんは何か気がついた事あった?」
「んー・・・昨日の事でいいなら。」

顎に手を添えて彼女はそう言った。

「ほ・・・本当かい?」
「うん、昨日・・・城ヶ根に『なにかあったら相談しな』って言われたの。」
「あ・・・それ・・・」
「・・・やっぱり聞こえてた? あはは・・・役に立たなくてごめんね。」

【城ヶ根の言葉】 昨日、湖川と誰かに『相談してみて』と言われていた。

「そう言えばアリバイってあるのか・・・?」
「アリバイの確認? 昨日確か・・・もうすぐに寝ちゃったからな。 アリバイはないよ。」
「そ・・・そうか。」

じゃあ次は星鎖希君の検死結果を聞いてみようかな・・・。

「なぁ、星鎖希君・・・」
「後頭部に打撲痕。 左脚と左腕に切り傷。 これ以外は特にない。」
「・・・へ?」
「でも切り傷はかなり深い。 大量出血で貧血になって足がもたつく可能性が89%。あと死亡推定時刻は1時30分。 ボクから言えるのはこれだけ。」
「・・・あっ言ってくれたのか・・・。」

【検死結果】 後頭部に打撲痕、切り傷はかなり深く、大量出血で貧血になり転んだり、足がもたつく可能性があった。
また、死亡推定時刻は1時30分らしい。

「そういえば星鎖希君はアリバイはあるのか?」
「・・・その時広場のテントで星見てた。 同じく寝れなかったと思われる風空がいた・・・。 あいつ、何か見たらしいけど・・・」
「な・・・何か!?」

【星鎖希と風空のアリバイ】死亡推定時刻で広場のテントにいたようだ。 また、風空は何かをみたらしい。

「ありがとな。」
「・・・礼なんか言われたくない。」

シッシッと手で払われ、俺はしぶしぶ違う所を調べた。
俺は物置を開けた。
そして目についたのは血の付いたハンマーだった。

「・・・これ・・・打撲痕と一致してる・・・。」
「えっ・・・!?」
「恐らく凶器はこれ・・・。」

【血痕のついたハンマー】少し小さいがかなり重たそうだ。 凶器はこれで間違いなさそうだ。

「翼ぁぁぁぁ!!」

風空君の声がバンガローに響いた。

「風空うるさい!! 何があったの!?」
「昨日誰か見たの思い出したんだよ!! 聞いて聞いて!!」
「わかった! 聞くから音量下げて・・・!!」

風空君は落ち着いて、口を開いた。

「昨日女の人が施設に入るところ見たんだよ。」
「・・・女の人?」
「うん。 髪長くてウェーブかかってた。 あと・・・長いスカート穿いてたかな。それと布類らしき物持ってたよ。」
「それを明かせる人は・・・?」
「・・・ボク。 言っただろ・・・? 風空が何か見たって。広場からだからボクにはよく見えなかったけど。」

【星鎖希と風空のアリバイ】から【風空の証言】に更新。
広場から見たせいかよく見えないが女の人が布類を持って施設に入っていったらしい。

「・・・すごい視力だな・・・。」
「そう? ふつーじゃない?」

そう言いながら彼は物置小屋を見た。

「ねえっこれ血痕付いてるよ!!」
「えっ・・・!?」

彼が指を指したのは白いベットシーツだった。
触ってみると微かに濡れていて、よく見ると血痕らしき物が付いていた。

【濡れているベットシーツ】微かに濡れているベットシーツがたたまれて置いてあった。 よく見ると血痕が付いていた。

「・・・普通気づく?」
「気づくよ!! あからさまについてたもん!!」
「あんたの視力が欲しいわ・・・。」

そこには同感だ。

「じゃあ俺は違う人に何か聞いて来るかな。」
「あっ僕も行く!!」

そして俺と風空君はバンガローを後にした。
バンガローを出ると一色さんと東野さんが歩いていた。

「水上君じゃないすかっ。 何か見つけたので?」
「あぁ・・・色々とな。 東野さん、昨日の深夜のアリバイとかある?」
「あ・・・あの・・・東野さんは・・・ほとんどの女子とお泊まりを・・・してました・・・。 私も一緒です・・・。」
「お泊まり・・・?」
「昨日変なの見せられて不安になって・・・だから女子を呼んでお泊まり会したんだよ。」
「誰と一緒だとか覚えてないのか?」
「魅琴ちゃんと暦ちゃん後・・・紫蘭ちゃん以外と一緒だったよ。」

【女子達のアリバイ】昨日の深夜、湖川と雪柳と桜雪以外と女子みんなでお泊まり会をしていたらしい。

「私達が言えるのはここまでだよ。」
「ん・・・ありがとう。助かったよ。」
「わ・・・私なんかでよければ・・・お役に立ちます・・・!!」
「一色、もう立ってるからオッケーだよ。」

そして俺達は東野と一色と別れて別の場所へ行った。
施設に向かおうとすると雨唄がいた。

「・・・進んでる?」
「あぁ。 雨唄って昨日の夜なにかあったか?」
「昨日の・・・? あぁ、深海がアポ無しで突撃してきたよ・・・。 そのまま泊まったしアリバイはちゃんとある。」

【雨唄のアリバイ】夜に深海がいきなり来てそのまま泊まっていったらしい。

「そっか・・・ありがとな。」
「おれの名前が書かれてたんだろ? 疑って当然だ・・・。」

そして雨唄はどこかへ行ってしまった。

「行っちゃったね・・・」
「そう・・・だな。 施設に行くか。」
「うん・・・。」

そして俺達は施設へと向かった。

chapter1 〜おいでなさいませ絶望の林間学校〜非日常編 ( No.20 )
日時: 2014/02/08 11:41
名前: アルズ (ID: K7X2qH8y)

施設につき、ランドリーへと行くと春風君が調べ物をしていた。

「あっ水上君じゃないか。」
「よお。 何かあったか?」
「とりあえず・・・ね。 昨日の朝ここに来たとき洗剤が使われてなかったのに今日来たら洗剤が使われてたんだよ。 ほら、開封済みの洗剤。」

と、既に箱が開いてある洗剤を見せてきた。

【使われた洗剤】春風曰く昨日の朝は使われていなかったが今日調べたら開封されていたらしい。

「そう言えば春風君ってアリバイはあるのか?」
「昨日・・・は特になかったね。 早く忘れたくて寝ちゃったし。」
「そっか・・・ありがとな。」
「あんまり言えなかったけれどね。」

キーンコーンカーンコーン....

『みなさん、そろそろお時間ですよー。 広場のテントにお集まりくださいー。』

「・・・もう時間かよ・・・!?」
「早いね・・・とりあえず行こうよ。」

そして俺達は施設を出て広場へと向かって行った。


広場に着くとみんなが既に集まっていた。

「さて、平民達、ぼくのために働いてくれよ?」
「嫌なこった。 てめぇは犯人と一緒に処刑されちまえ・・・」
「何か言ったかな不良。」
「べっつに?」

こんな時まで喧嘩するのか・・・この2人は・・・。

「はーい、みなさん集まりましたねー?」

モノクマがどこからか出てきた。

「みなさん、ちょっとお下がりくださいねー。 危ないですから。」

みんな言われる通り一歩下がる。 するとモノクマはリモコンを取り出してボタンを押した。


ゴゴゴ.....


地鳴りがする。

ゴゴゴゴ...

だんだん近くなった。 するとモノクマの顔をした岩が地面から現れた。


「・・・はい?」
「なにあれちょっと!?」

みんなが疑問を感じていると口からエスカレータが出てきた。

「ではみなさん、これに乗ってください。」

みんな言われるがままにエスカレーターに乗って口の中に入る。


しばらく経つと不思議な所についた。
円になっている裁判所でよく見るあの台があり、その台にはみんなの名前が書かれていた。

「はいはい、みなさん、そこの席に着いてくださいな。 名前が書いてあるからよーく見てね?」

モノクマがそう言うとみんな自分の席に着く。

「・・・あれって何・・・?」

星鎖希君が指を指す方には城ヶ根君の顔写真に×印が付いている物があった。
しかもご丁寧に彼と同じ身長に設置されている。

「あーそれ? 死んだからって仲間はずれにしたら可哀想でしょ? 友情は生死を飛び越えるのです!!」
「・・・どうでもいい。」

彼はそう言って写真から目を離した。

本当に・・・この中に犯人がいるのだろうか・・・。
実は城ヶ根君とモノクマが悪戯を企んでいて・・・嘘です。なんてそんなのがいいけれど・・・これは現実なんだ。

チャラ付いているけど・・・自分の好きな分野・・・バスケにはかなりの情熱を注いでいて・・・。

精神的に参っている湖川さんと桜雪さんに相談をしてくれと言ったとても優しかった彼を殺した犯人を突き止めないと・・・

俺達が殺されてしまう。

そんな思いを胸に俺は顔を上げた。


命がけの裁判。

命がけの騙し合い・・・。

それが今始まる。

コトダマ一覧

【モノクマファイル】

【ダイイングメッセージ】

【城ヶ根の言葉】

【検死結果】

【血痕の付いたハンマー】

【風空の証言】

【濡れているベットシーツ】

【女子達のアリバイ】

【雨唄のアリバイ】

【洗剤が使われた痕跡】


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