二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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ヤシノキ町物語 第一話
日時: 2013/04/20 17:51
名前: アルセ (ID: dY/cpaOc)

            ことわり

 今から書く物語は、私がこの世で一番大好きなアニメ『新メイプルタウン物語〜パームタウン編〜』の第一話を、実写版と想定した独自の主観で再編集又は更生したオリジナル作品です。したがって、登場人物の名前や設定・内容が多少異なっています。悪しからず。

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Re: ヤシノキ町物語 第一話 ( No.45 )
日時: 2013/12/10 22:00
名前: アルセ (ID: qBk8lvk7)

ⅩⅩⅥ.海(全景)

  リズミカルに海面を走るヨット。
  
  突然、潮の流れが変わる。
  
  グラッと傾くヨット。

Re: ヤシノキ町物語 第一話 ( No.46 )
日時: 2014/01/15 19:55
名前: アルセ (ID: ftDNog01)

○同・小西家のヨット

  デッキ。

  キャビンの屋根の上・・・船の揺れに驚くダイチ。

ダイチ「うおっ?!」
  と、バランスを崩した・・・拍子に、ポーンッと勢い良く手から飛び出し・・・リカの携帯電話が海に落ちそうになる・・・のを、凄い形相・・・で、滑り込み・・・落ちる寸前でキャッチするタイチ。

タイチ「(ハアハア)・・・」

ダイチ「ナイスパーフェクトキャッチ」

  ビシッと親指を立てるタイチとダイチ。

  携帯電話片手にゆっくりと立ち上がるタイチ。



 ところが・・・・・・



  先程の波飛沫で水浸しになったデッキ。

  うっかり足を滑らせるタイチ・・・ど派手にすっ転んだ拍子・・・に、持っていた携帯電話を手放してしまう。

ダイチ「ウッ?!」

タイチ「ソッ!?」

  クルクルと宙を舞う携帯電話・・・そのまま、海へポチャンッ!

  ブクブクと海の中へ消えていく携帯電話・・・を、呆然と眺めているタイチ・ダイチ。

ダイチ「あ・・・兄貴?」

タイチ「・・・」



 物事が常に自分の思い描いたシナリオ通りに進まないと、気が済まない完璧主義者のこのオトコは、予想外の事態に驚きの色を隠せないでいる。彼の遣り場のない怒りは海へ向けられた・・・・・・。



タイチ「(悔しそうに)マグロ捌きてぇー・・・!!」
  と、力一杯叫ぶ。

ダイチ「出た!『カツオブシ削りたい』の最上級『マグロ捌きたい』が・・・相当なダメージだな、こりゃ」









Re: ヤシノキ町物語 第一話 ( No.47 )
日時: 2014/01/23 16:31
名前: アルセ (ID: 2GGQ3F7r)

×      ×      ×

キャビン内。

  キッチンの側でゴソゴソ動いているリカ・・・の手には果物ナイフ。

モモ「ま、まだ?」

リカ「も、もうちょっと・・・今、切れ・・・(プッツンと縄が切れ)た!大成功!!」
  と、モモの縄を解きにかかる。

  自由になれて大喜びするモモ。

モモ「早くココから逃げよう」

リカ「まだよ。もう一人の人質を助け出さなきゃ」

モモ「もう一人の人質?」

  ニコッと笑うリカ。

Re: ヤシノキ町物語 第一話 ( No.48 )
日時: 2014/04/08 06:18
名前: アルセ (ID: ihXzVKXE)

ⅩⅩⅦ.ヨットハーバー(全景)

  鮨詰め状態のテラス・・・ギャラリーの数がどんどん増えていく。

   ×          ×         ×

  遠くの方に浮かんでいるヨットを心配そうに見つめるジュンコ達。

  何気なく腕時計を見るハルヒト・・・時刻は15:00になろうとしている。

ハルヒト「そういえば、ジュンコ先生。病院へ戻らなくて良いんですか?」

ジュンコ「午後は休診にしたんです」

ハルヒト「え、それはまたどうしてですか?」

ジュンコ「え?・・・あぁー!!(思い出し)そうだ!モモの事すっかり忘れてたぁー・・・」

タエコ「モモ?」

ジュンコ「姪です。私の姉の子供で、今度ウチで預かることになったんですが、外に出た切り戻らなくて
・・・」

リキ「(突然)あー・・・!」
  と、大声を出す。
  
  驚くジュンコ達。

タエコ「どうしたの、リキ君?」

リキ「い、今思い出したんですけどあのヨットに捕まっているのリカだけじゃなかったんです!もう一人
女の子がいたんです!」

ジュンコ・ハルヒト・タエコ「エェー・・・!?」

ハルヒト「それ、本当かい?!」

  頷くリキ。

ジュンコ「ど、どんな子だったか覚えてる・・・?」

リキ「年はオレと同じ中1・・・この辺じゃ見かけない顔だったから・・・もしかしたら、その子が・・・」

ジュンコ「モモだって言うの?」
  
  頷くリキ。

ハルヒト「ジュンコ先生・・・」

ジュンコ「(動揺して)ち、ちょっと待って・・・え、でもどうして?どうして、モモがヨットに?」

リキ「(首を振って)わかりません・・・」

ジュンコ「(ショックで)・・・」



 ジュンコは、判断を誤った自分を責めた。事件に巻き込まれていないよう願っていたのに、とうとう懼れていたことが起きてしまった・・・・・・。



ジュンコ「早く、二人を助け出して下さい!刑事さん!」
  と、必死になって寝込田に懇願する。

寝込田「(キッパリと)無理」

ジュンコ「無理?」

ハルヒト・タエコ「無理??」

ギャラリー全員「無理???!」

寝込田「ウチの署の受持ちは陸地だけ。海に関してはノータッチなんです。だから、別の人に頼んで」

ジュンコ「別の・・・人?」

寝込田「いるでしょ?例えば、ほら・・・水上警察とか何とか船系に強い人が・・・」

ジュンコ「ちょっと待って下さい。管轄外だから逮捕することも救出することも出来ないって言うの?!ふざけないで!」

ハルヒト「ジュンコ先生」

ジュンコ「これは誘拐よ!立派な犯罪じゃない!事件じゃない!」
  と、寝込田に詰め寄る。

寝込田「・・・」

ジュンコ「二人にもしものことがあったら・・・アンタを訴えてやるぅー!!」
  と、寝込田の襟を掴み掛る・・・のを慌てて止めるハルヒトとタエコ。

ハルヒト「ジュンコ先生、落ち着いて!」

タエコ「無駄ですよ。この刑事さんに何言っても・・・」

寝込田「(ゴホゴホ)・・・」

ハルヒト「こうなったら我々だけで二人を助け出しましょう」

ジュンコ「でも、どうやって?」

タエコ「ウチのモーターボートを出しましょう。アナタ、急いで頂戴」

ハルヒト「ハイ・・・え?今何て言ったの?」

タエコ「モーターボートを出してって言ったの!モタモタしないで!」

ハルヒト「(渋って)いや、でも・・・アレも・・・」

タエコ「アナタッ!」

ハルヒト「(ビクッ)ハイッ!」

タエコ「娘の命とボート、どっちが大切なんですか?!」

ハルヒト「・・・リカ・・・です・・・」

タエコ「でしょ!早くして下さい!」

ハルヒト「・・・試運転、まだ一度もしていないんですけど・・・」
   
  襟を正す寝込田。

タエコ「本当、警察ってイザという時・・・役に立たなくて困っちゃうわ!」
  と、止めを刺す。

寝込田「(ウッ)・・・」

  周りから疎らな拍手が、ちらほらと沸き起る・・・が、寝込田に睨まれ・・・ピタリと止む。











Re: ヤシノキ町物語 第一話 ( No.50 )
日時: 2014/06/08 17:42
名前: アルセ (ID: ajFjTcav)

ⅩⅩⅧ.海(小西家のヨット)

  キャビン内・・・ドアの隙間からタイチ達の様子を窺っているモモとリカ。

  階段に置いてあった空き缶をうっかり落とし、慌てるモモ。

リカ「シィー・・・」

ダイチの声「何がパーフェクト間違いなしよ・・・」
  に、耳を傾ける二人。

     ×      ×      ×

  デッキ。
  キャビンの屋根の上に腰掛けているタイチ・・・腕組をしながらドアを踵で蹴っている。

  舵取りをしながら話しかけるダイチ。

ダイチ「港には警察が張り込んでいるんすよ?どうすんの、これから?」

タイチ「(フン)焦るな。イザという時は人質のノドにナイフを突きつけ・・・フフフ」
  と、含み笑いをする。

     ×      ×      ×

モモ「(驚いて)ノッ?!」
  と、声に出しそうになる・・・が、リカに口を押さえられる。

モモ「(小声で)ノドにナイフだって・・・」

  静かに頷くリカ。

     ×      ×      ×

タイチ「誰か手を出そうとしたらガキ共のノドを・・・(クゥーッ)」
  と、首を切るジェスチャーをする。

     ×      ×      ×

モモ「(ヒィーッ)!」

リカ「(ゴクリ)・・・」

     ×      ×      ×

タイチ「心の臓を・・・(グシャッ)」
と、突き刺すジェスチャーをする。
              
     ×      ×      ×

モモ「(涙目で)マジィー?!」

リカ「(頷いて)マジ・・・」
      
     ×      ×      ×

ダイチ「あ、そうか!なるほど、その手がありましたね!流石は兄貴!頭良いぃー」

  屋根から飛び降りるタイチ・・・つかつかとダイチに歩み寄る。

タイチ「(優しい声で)わかったぁ〜?」

  頷くダイチ・・・の両頬をニコニコしながら・・・両手で挟み、パンッ!と思い切り叩くタイチ。

ダイチ「(頬を押さえ)痛ってぇー・・・!」

タイチ「わかったらとっとと舵回さんかいっ!」

ダイチ「兄貴、何処行くの?」

タイチ「小便。ついでにアイツらの様子も見てくる」
  と、ドアに向かう。

     ×      ×      ×

モモ「こっち来る!どうしよう?!」

リカ「落ち着いて。私に良い考えがあるの」

     ×      ×      ×

  一歩一歩・・・ドアに近づいて来るタイチ。
        
     ×      ×      ×

リカ「出来る?」

モモ「う、うん・・・」

リカ「じゃあ、作戦通り・・・合図をしたら・・・」



 デッキを一歩一歩踏み締めて歩くタイチの靴音を聴きながらモモ達はチャンスを待ってた・・・・・・。



     ×      ×      ×

ドアに手をかけるタイチ・・・ガチャッ!
        
     ×      ×      ×

リカ「今よ!」
  と、合図を出す・・・と、同時に勢い良く外へ飛び出すモモ。


   
   

















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