二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- ヤシノキ町物語 第一話
- 日時: 2013/04/20 17:51
- 名前: アルセ (ID: dY/cpaOc)
ことわり
今から書く物語は、私がこの世で一番大好きなアニメ『新メイプルタウン物語〜パームタウン編〜』の第一話を、実写版と想定した独自の主観で再編集又は更生したオリジナル作品です。したがって、登場人物の名前や設定・内容が多少異なっています。悪しからず。
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- Re: ヤシノキ町物語 第一話 ( No.35 )
- 日時: 2013/09/19 07:52
- 名前: アルセ (ID: aza868x/)
○同・パームストア(全景)
急いで自転車から降り、店の中へ駆け込んでいくリキ。
ヤシノキ通りと大通りの角にある椰子の木が描かれた看板がトレードマークの『パームストア』は、リカの父小西ハルヒト氏が経営しているスーパーマーケットで、この町に暮らす地元の人々から大変重宝され、愛されている・・・・・・。
- Re: ヤシノキ町物語 第一話 ( No.36 )
- 日時: 2013/10/01 07:06
- 名前: アルセ (ID: 6JsXmMyw)
ⅩⅩ.パームストア(店内)
少年が店に入ると、明るく広々としたフロアと、大勢の買い物客(主婦や子供・高齢者など)や従業員(品出しやレジ打ちなど)そして、ゆっくりとしたテンポのBGMが出迎えてくれた・・・・・・。
リキ「(キョロキョロ)・・・」
と、店内を見回す。
× × ×
鮮魚コーナー。
新鮮で美味しそうな魚類(パック詰めにされた切り身魚や刺身など・・・)が、ビッシリ並べてあるチルドボックス・・・商品の状態をリストにチェックを入れるハルヒト。
リキ「(やって来て)店長さぁーん」
と、息を切らして・・・ハルヒトに駆け寄る。
ハルヒト「やぁ、リキ君。(鰤の切り身パックを持って)久しブリだね」
リキ「相変わらず(ハアハア)ですね(ハアハア)。オヤジギャグ・・・(ハアハア)」
ハルヒト「今日はどうしたんだい?夕飯の買い物?」
リキ「いえ・・・(ハアハア)」
ハルヒト「お姉さんに用かい?」
リキ「違います・・・(ハアハア)リカのことで・・・(ハアハア)」
ハルヒト「あぁ、だったら家にいるんじゃないかな」
リキ「それが・・・(ハアハア)ヨットの中なんです!」
ハルヒト「(溜息をついて)またかぁ〜。仕様がないなぁ〜・・・生姜がないのはショウガナイ・・・(リストを見て)あ、本当にないや」
リキ「(興奮気味に)オレ、リカと待ち合わせしてたんです。そしたら、柄の悪い男が二人現れて・・・」
ハルヒト「(独り言で)内野に内野手ナイヤ・・・後で仕入先に電話しておこう」
リキ「ちょっと、オジサン!オレの話、ちゃんと聞いて下さいよ!」
ハルヒト「(生返事で)ハイハイ、聞いてるよ。それで?」
リキ「あれは絶対誘拐ですよ!オレ、見てすぐピンと来たんです」
ハルヒト「誘拐?」
強く頷くリキ。
ハルヒト「そんなこと言(ユ)うかい?」
と、オヤジギャグをかます。
ビュウぅぅぅー。店内は一時雪と氷に覆われた銀世界と化し、少年は凍り付いてしまうような寒さを肌で感じた・・・・・・。
ハルヒト「どう?面白い、このギャグ?」
リキ「(唖然として)白熊とペンギンが見えます。オジサン、本当なんだってば!」
ジョージの声「小西さん」
ハルヒト「ジョージ先生」
ジョージ「今日のおススメは何ですか?」
ハルヒト「ウチは全ての商品がおススメですが、強いて言えば・・・この豪華刺身盛り合わせパックですね」
ジョージ「よし!一つ頂こう!」
ハルヒト「お買い上げ有難うございます」
ジョージ「ところで、今日は何匹釣れました?」
ハルヒト「は?」
ジョージ「え?さっきまで釣りに行ってたんじゃないんですか?」
ハルヒト「いいえ。ずっと店にいましたが・・・」
ジョージ「(ん?と、首をかしげ)あれ、おかしいな?」
ハルヒト「何が?」
ジョージ「いやね、買いに来る途中・・・お宅のヨットが海に出ているのを見かけたからてっきり趣味の釣りにでも・・・」
リキ「オジサンっ!ほらッ!」
ハルヒト「リキ君・・・後、お願い・・・」
と、リストを渡し・・・血相を変え、走り去って行く。
ハルヒト「えらいこっちゃー・・・!紅茶が出世して偉いコウチャー・・・!!」
(見えない)吹雪が二人の間に吹く・・・・・・。
ジョージ「相変わらず・・・寒いね・・・」
リキ「凍死寸前です。オレ・・・」
- Re: ヤシノキ町物語 第一話 ( No.37 )
- 日時: 2013/10/04 06:56
- 名前: アルセ (ID: evPE10Y/)
ⅩⅩⅠ.パームマンション(全景)
北向きのお洒落でモダンなプール付10階建てマンション。
ヤシノキ町全体が見渡せるこの見晴らしの良いマンションも、パームストア同様ハルヒトが所有している。最上階は、小西家の住まいである
・・・・・・。
- Re: ヤシノキ町物語 第一話 ( No.38 )
- 日時: 2013/10/17 07:33
- 名前: アルセ (ID: zpiITAde)
○おなじ・リカのおうち
リビングで、ゲームをしてあそんでいるヒカル(リカのおとうと・ようちえんじ)。
すると、でんわがなり・・・キッチンからタエコ(リカとヒカルのママ)がやってくる。
タエコ「(じゅわきをとり)もしもし、コニシでございます。あら、あなた・・・え?リカがゆうかいされた?あなた、へんなじょうだんいうのはおよしになって」
ハルヒト(リカとヒカルのパパ)のこえ「(こうふんして)じょうだんじゃないんだよ!チンピラふうのおとこふたりが、リカとうちのヨット・・・あのかいかえたばかりのしんぴんのヨットをヨッとさらっていったんだよ!」
タエコ「まぁ、あのこまたひとりでのったんですか?!もう、あなたがそうやってあまやかすから!」
リキ(リカのともだち)のこえ「もしもし、オバサン!オレ、リキです!」
タエコ「あら、リキくん。おひさしぶり。さいきん、おかおみないけれど、おげんき?」
リキのこえ「はい。もうまいにちバリバリげんきに・・・(ハッ)じゃなくて、オレみたんです!げんばを!」
ヒカルのゲームのタッチペンのおとがきになるタエコ。
タエコ「ヒカル!ママがおでんわしているときはしずかにしなきゃダメだっていつもいっているでしょ?!」
ヒカル「(プゥゥーッ)おべんきょうしているだけだもんっ!」
と、ふくれる。
タエコ「(あきれて)こういうマイペースなせいかく、だれに、にたのかしらね?」
ヒカル「だって・・・つまんないんだもん・・・」
タエコ「おべんきょうなんて、しょうがくせいになれば、いやというほどできます。ようちえんじは、あそぶのがべんきょうです!」
ヒカル「(ブゥゥーッ)ハーイ」
タエコ「あ、ごめんなさい。リキくん、それで、なにをみたんですって?」
リキのこえ「ゆうかいげんばです!オレ、リカがさらわれるところ、このめでしっかりとみたんです!かんぜんにゆうかいですよ、あれは!」
でんわごしからただようリキのただならぬようすに、タエコは、このはなしが、げんじつにおきていることなんだと、かくしんした・・・。
タエコ「(あおざめて)それ、ほんとうなの?で、けいさつには・・・(ウンウン)わかりました。いますぐ、そちらにむかいます」
と、じゅわきをおく。
タエコ「ヒカル。ママ、ちょっとパパのおみせにいってくるからイイコでおるすばんしているのよ!」
と、バタバタと・・・あわててでていく。
ヒカル「(プンプン)ようちえんじをひとりでおるすばんさせていいのかしら?おとなってかってだなぁ〜」
と、またゲームであそびはじめる。
ゲームがめん・・・『よいこのさんすう』
もんだい
イヌさんがのっているふねに、ネコさんがのってきました。そのあとからうさぎさんと、もういっぴきべつのネコさんがのってきました。ふねには、ぜんぶでなんびきのどうぶつさんがのっているでしょう。しきとこたえをかきなさい。
しき こたえ ひき
- Re: ヤシノキ町物語 第一話 ( No.39 )
- 日時: 2013/10/24 07:03
- 名前: アルセ (ID: l8o2Jx41)
ⅩⅩⅡ.海
小西家のヨット。
デッキで声を張り上げるタイチ。
タイチ「帆を揚げろ!」
ダイチ「合点!これが本当のホタテ(帆立)さぁー!!」
× × ×
薄暗いキャビン内・・・ドアの隙間から光が射し込む。
縄に縛られて身動きが取れないモモとリカ。
リカ「ふぅ〜ん・・・あなたがジョージ先生の姪御さんのモモちゃんなの。お会い出来て嬉しいわ」
モモ「ど、どうも・・・」
リカ「あっ、自己紹介が未だだったね。私は小西リカ。以後お見知りおきを」
モモ「コ、コチラこそ・・・卯野木モモです。宜しくわぁー・・・?!」
と、突然のヨットの揺れに驚く。
リカ「それでご感想は?」
モモ「え?」
リカ「この町の印象はどう?モモちゃん」
モモ「どうって・・・とっても・・・吐きそうぉー!!!」
× × ×
デッキ。
帆を揚げるのに梃子摺っているダイチ・・・に、イライラしているタイチ。
タイチ「(焦れて)早く帆を揚げろって・・・鈍タコっす!何時まで経ってもこれじゃ沖に出られねぇじゃねぇかよ!」
ダイチ「そう思うんだったら手伝って下さいよ。こんなの扱うの初めてなんだから・・・」
タイチ「オレだってそうだ・・・」
突風に煽られ、バランスを崩すタイチとダイチ。
タイチ・ダイチ「(驚いて)うわぁ〜・・・?!」
× × ×
激しく揺れるキャビン内・・・アッチへ行ったり、コッチへ行ったりを繰り返すモモとリカ。
モモ「(非常に怖がって)キャアー・・・!!」
リカ「(平然と)もう、下手ね」
モモ「ねぇ、怖くないの?」
リカ「全然。モモちゃん程は感じないよ」
モモ「(うんざりして)最悪・・・もう嫌だ、こんなの!」
リカ「だって、自分から飛び込んで来たんだから、しょうがないじゃん」
モモ「(ウッ)それはそうだけど・・・仕方がなかったんだよ。・・・あの時は・・・セーターを取り返すのに必死だったから・・・」
リカ「セーターって・・・(タイチを思い浮かべ)あの背の高いヒトが腰に巻いてたアレ?アレってモモちゃんのなの?」
頷くモモ。
リカ「もしかして・・・ソレを取り戻すためだけに捕まってしまったの?」
再度頷くモモ。
リカ「(突然)アハハハ・・・何それ?ウケる!」
と、笑い出す。
モモ「へ?」
リカ「あんなモノのために危険を冒すなんて普通じゃ絶対アリエナイ。モモちゃんって面白いね」
モモ「(愛想笑いを浮かべ)へへへ・・・(M)何、この子?!」
リカ「諦めたら?あんな安物のセーター」
モモ「?!!」
リカ「何処にでも売ってるじゃないあの柄のセーター。ウチの店にだって同じデザインのあったよ」
モモ「(怒りを抑え、静かに)ない・・・」
リカ「あったよ。この前、見たもん。今ね、バーゲンセール中だから私達のお小遣いでも買えるとおもうよ」
怒りを抑えつつ震えるモモ。
リカ「ね、そうしなよ?」
モモの腹の中は煮え繰り返っていた。今にも、堪忍袋の緒が切れそうである。そして、終に怒りの活火山は噴火した・・・・・・。
モモ「(声を張り上げ)ないっ!何処にも売ってないっ!!」
リカ「(少しムッ)そんな風に言わなくても・・・」
モモ「アンズがくれたんだもん・・・」
リカ「え?」
モモ「お姉ちゃんがくれたんだもん!私を忘れないでねって!」
リカ「?」
モモ「(涙目で)アレはね、只のセーターじゃないの。アンズやパパやママやカエデ町の人達なの・・・」
リカ「・・・」
モモ「そりゃ他人には普通のセーターにしか見えないかもしれない。でも、アタシにとっては大切な宝物なの。カエデ町で過ごした六年間の思い出がいっぱい詰まった世界でたった一つのセーターなの!だから、何処にも売ってないの!」
リカ「・・・」
リカには、どうすることも出来なかった。気を利かせて助言を与えたつもりが、逆に相手を傷つけてしまったことを、心から反省した・・。
モモ「(鼻を啜り)ごめん・・・わかりっこないよね・・・」
リカ「(シュン)・・・」
モモ「リカちゃんみたいなお嬢様には理解出来ないよね」
リカ「!」
モモ「リカちゃんのようなセレブなおウチの子には絶対・・・」
リカ「(顔色を変え)やめてっ!」
モモ「(驚いて)?!」
リカ「(ハアハア)・・・」
モモ「?」
デッキにいるタイチとダイチの会話が、聞こえてくる。
タイチの声「(上機嫌で)ハハハ、どうだ!オレ様のお仕事のテクニックは?」
ダイチの声「完全誘拐とはよく思いついたもんすね」
× × ×
デッキ。
ダイチ「(ヨットを叩いて)コイツじゃ簡単には追い掛けられないし、近づきゃ丸見えだからすぐわかっちゃうしょ」
タイチ「何もかもがパーフェクトに事が運ぶから笑いが止まらないぜ」
と、高笑いをする。
ダイチ「でも、世の中って不思議なもんすよね。(リカを思い浮かべ)あんな何処にでもいるようなJCSが、この町一番の資産家の娘だなんて今でも信じられないっすよ」
タイチ「噂じゃ・・・数え切れない程の莫大な額の私産を持っているらしいぜ」
ダイチ「(非常に驚き)マジ?!!そんなにあるんすか?!!!」
タイチ「(耳を押さえ)シィー・・・声がデカすぎる!」
ダイチ「で、その一部を・・・」
タイチ「身代金としてガッポリ頂戴する・・・」
ダイチ「って寸法ですね」
タイチ「そういうこと」
ダイチ「流石は兄貴。実にユーモアに飛んだ(英単語で)発想。御見逸れ致しました。成功したら、ツケを気にせず、毎日屋台のおでんが食べられますね」
タイチ「屋台どころか高級レストランに通い詰めの毎日になるかもしれん。(テンションが上がり)ハハァー!貧乏グッバイ幸せウェルカム!今度こそパーフェクト間違いなし!」
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