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ドラゴンクエスト8 時の軌跡
日時: 2013/10/07 18:24
名前: フレア (ID: C6aJsCIT)

現在更新停止。
今までありがとうです。

こんにちはー!
光と闇の軌跡の方は、色々アウトでしたんで、また作り直そうと決意しました。
あ、これ、DQ小説同盟さんの方に登録させてもらってますー

注意
文章が酷い上にかなり中二病。
設定は光と闇の軌跡から引き継いでいるとこあり。



目次

零章 悲痛
>>1

一章 消失
>>6-7 >>13-14 >>19 >>22 >>25
>>29 >>32 >>35 >>38 >>41
>>46 >>65 >>68-69


番外編

SS
カオスな運動会
>>50 >>56 >>59 >>62-64

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ドラゴンクエスト8 時の軌跡 19 ( No.77 )
日時: 2013/10/01 19:09
名前: フレア (ID: fofSlf5T)

「ん……」

目が覚めると、あたりには夜の帳が落ちていた。
まだ眠く、一つあくびをすると、ぼんやりと赤い炎が見える。
近くで焚き火の近くに串に刺した魚を立てかけていたトロデは、ミストに気がついた。
ミーティアは馬車から外され、佇んでいる。
そういえば、エイトとヤンガスの姿が見えない。エイトは、相変わらずミストにコートを貸したままだ。

「やっと起きたか」
「……トロデさん、私は……?」
「なんじゃ、覚えとらんのか。まあ、無理もないか」

トロデは、ミストに話した。
どうやら、滝の洞窟に出てからミストは、そのまま馬車で爆睡してしまったらしい。日も落ちてきたことだし、彼らはトラペッタ近くに野宿をする場を決めたという。
それならば、エイトとヤンガスがいなくなったのも合点がいく。

「あいつらは、水晶玉を持ち主に返しにいったぞ」

そう言ってトロデは焼いている魚の表面に火が行き渡るよう、ひっくり返す。
「お前も行ったらどうだ?」と言わないのは彼の優しさなのだろうか。エイトかヤンガスから事情を聞いていてもおかしくはない。
そう思うと、ミストは急に胸が締め付けられるような気分になった。やはり、自分は周りに気を使わせてしまっている。

「……どうした、ミスト」

トロデが尋ねる。
ミストは、何も言う気にはなれなかった。もし、心のうちを明かしてしまえば、余計な心配をさせてしまう。それに、自分の弱い部分を見せたくはなかった。

「苦しいのは、案外お前だけじゃないぞ」
「え……」

唐突に言われたその言葉に、ミストは戸惑う。
トロデは、言葉を続けた。

「儂は、トロデーンの王じゃった」

ミストは文脈が掴めず、どう反応すればいいのかがわからなかった。

「ミーティアは姫で、エイトは近衛兵で……まあ、普通の生活を送れていたんじゃよ。ドルマゲスが来るまでは……」
「……ドルマゲス」

その固有名詞を発するだけで腹立たしい。あの道化師は、ミストの命を奪おうとした上に、ミストのすべてを奪っていったのだから。

「奴が我が家宝を盗み、儂とミーティアの姿を変え、国民たちに茨の呪いをかけていった。唯一、エイトだけが助かり、それから儂らはドルマゲスを倒し、呪いを解くために旅に出たのじゃが……やはり、エイトは敵わなかったようじゃの」

一息を吐いてから、トロデは焼けていい香りがする魚を、ミストに手渡した。
控えめにかじると、香ばしい薫りが一層強くなる。そういえば、昨日から何も食べていない。気分が沈んでいたせいで、腹が減っているのにも気がつかなかった。
静かに食べ進めるミストの焚き火の向かい側で、トロデは赤々と燃える炎に視線を落とす。

「……エイトは、儂らの前では明るく振舞っておるが、ある時、一人で泣いていたんじゃよ。『なんで、あの時みんなを守れなかったんだろ』とな」
「やっぱり……」
「苦しんでいるんじゃ。自分の非力さを」

苦しみ、嘆いているのはミストだけではない。あの、エイトすらもだった。彼の涙は、想像はできないが、どれだけの想いが込められているのだろうか。
できることなら、救ってくれたエイトを助けたい。できることなら、ドルマゲスに復讐をしたい。他人の命を奪うという行為はどうかと思う。それに、復讐を遂げたところで、彼女の日々は戻ってこないし、そもそも彼女は非力な少女なのだから。
だが、そうでもしないと彼女は、ミストの気が済まない。当たり前だった日常は、簡単に崩れ落ちる。目の前のトロデも、馬となったミーティアも、そしてエイトも、魔物との戦いとは無縁だったはずだ。

「……トロデさん、ごちそうさまでした」
「どこへ行くんじゃ?」

食べ終わった串を置き、立ち上がったミストをトロデは見上げる。

「ルイネロさんに、占ってもらいに行くの」

Re: ドラゴンクエスト8 時の軌跡 ( No.78 )
日時: 2013/10/01 20:52
名前: ユウ (ID: 50PasCpc)

エイトが泣いているところを想像すると・・・・・・・カッコいい。
そして泣ける!

エイトの辛い気持ち( ノД`)…

Re: ドラゴンクエスト8 時の軌跡 ( No.79 )
日時: 2013/10/02 15:56
名前: フレア (ID: wVVEXLrP)

>>ユウさん
エイトはどうもショタな感じがします。事実、童顔なんだが……
確かに、格好良さそうです。
……そうや、ヤンガス忘れてた……

ドラゴンクエスト8 時の軌跡 20 ( No.80 )
日時: 2013/10/02 16:02
名前: フレア (ID: wVVEXLrP)

今は、皆寝静まる時刻。衛兵も立ったまま居眠りをしていて、簡単にトラペッタに入り込めた。
明かりは一切ついておらず、静かだ。
ミストは、歩を進める。
頭の中は、トラペッタでの記憶でいっぱいだった。
良いことも、悪いことも沢山あった。ミストは当たり前の日常の中生きて、幸せだった。
市街地へ続く階段を登る途中、ある景色が見えた。
あの、ドルマゲスに殺されかけたあの広場。あの時との喧騒とは対象的に、静まっている。

ーーあいつさえいなければ……!

唇を噛み締め、怒りを堪えて先へ進む。
細い路地を曲がると、男たちの豪快な笑い声が聞こえた。
酒場だ。この場所は、女子供が寝た後にこそ盛り上がる。今の時間帯に騒いでいてもおかしくはない。

「…………っ」

無意識に震える片手で掴もうとしたドアノブを、ミストは堪えた。
もう、自分は町の人間じゃないんだ。酒場の店員じゃないんだ。そう自分に言い聞かせて。
会いたい。そんな感情がミストの中にはあった。もっとも、会ったところでどんな言葉をかけていいのか、どんな言葉をかけられるのかはわからないが……。
一呼吸して、酒場の入口から離れた。
行くべき場所は、占い師ルイネロの自宅。彼女は、既に占ってもらうことを決めていた。ドルマゲスに関することではなく、自分のーー
市街地の奥。井戸の前に、ルイネロの家はある。
ミストはその家の前に立ち止まり、ドアノブに手を伸ばし、扉を開けた。

「……ミスト?」

家の中にいた人々の視線が、ミストに注がれる。
台に置いてある水晶玉の前に腰掛けているルイネロ。それに向かい合っているエイトとヤンガス。そして、何より驚いていたのは、ミストの親友、ユリマだった。
ユリマは、茶髪を三つ編みに結いて、幼い顔をしているが、これでもミストより二つ年上だ。ミストの、良き理解者であった。
だが、ミストはユリマには構わずに、エイトとヤンガスを押しのけてルイネロに向き合う。

「占って。私の行くべき場所を」

自分の行くべき場所。それは、自分自身で考えて、それでも答えが出なかった。

「所詮、私なんて鎖でしかないの。他人に迷惑ばっかかけるのが私なの。そんな私は、どこに行けばいい?どう生きればいい?」
「……」

だが、ルイネロは黙したままだった。
しばし部屋の中は静かで、しかし張り詰めた空気になる。
何も言わないルイネロを前にミストは、軽蔑したような視線で言い放った。

「結局、あんたも周りの大人と一緒だったのね」

ミストはふん、と鼻を鳴らすと踵を返し、外へ出た。腹立ち紛れにドアをわざと強く閉めて。

「……待って!」

ユリマが叫んだ。しかし、ミストは無視して歩く。

「待って……!ねえ、ミスト!」

ユリマが、ミストの前に立ちはだかった。
彼女は肩で息をし、落ち着くと口を開いた。

「ミスト……あなたが無事で良かった……」
「……無事?」

ミストは目を細めた。

「どこが無事だっていうの?こっちは苦しんでるってのに」
「ねえ……」
「あんたは私じゃないから、私の苦しみなんてわかんないわよ。気持ちがわかるわけないじゃない。他人なんだから」
「ミスト……!」
「追い出されて気がついたわ。結局は、みんな保身しか考えてないんだって」
「お願い……聞いて……!」
「あんただって同情して可哀想って言っているだけで、自分より下の人間見てほっとしてるんでしょ?」

その時、ミストの頬に強い衝撃が走った。
二人を追いかけてきたエイトとヤンガスの表情が驚愕へと変わる。
痛くて、熱い。平手打ちされたと気がついたのは、ユリマの涙を見てからだった。

「なら行けば!?」

ユリマの瞳からとめどなく溢れた涙は、彼女の頬を濡らす。

「どこへなりとでも行っちゃえばいいじゃない!!」

ミストは、歩き出した。徐々に足を速めて。
その目に流れる、涙を見られないように。

Re: ドラゴンクエスト8 時の軌跡 ( No.81 )
日時: 2013/10/02 16:27
名前: ユウ (ID: viAVUXrt)

ユリマさん(ノД`)・゜・。

その場が頭に浮かんでくる・・・・。


ヤンガス忘れやすいですよね。
私もしょっちゅう忘れます。


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