二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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ドラゴンクエスト8 時の軌跡
日時: 2013/10/07 18:24
名前: フレア (ID: C6aJsCIT)

現在更新停止。
今までありがとうです。

こんにちはー!
光と闇の軌跡の方は、色々アウトでしたんで、また作り直そうと決意しました。
あ、これ、DQ小説同盟さんの方に登録させてもらってますー

注意
文章が酷い上にかなり中二病。
設定は光と闇の軌跡から引き継いでいるとこあり。



目次

零章 悲痛
>>1

一章 消失
>>6-7 >>13-14 >>19 >>22 >>25
>>29 >>32 >>35 >>38 >>41
>>46 >>65 >>68-69


番外編

SS
カオスな運動会
>>50 >>56 >>59 >>62-64

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Re: ドラゴンクエスト8 時の軌跡 ( No.72 )
日時: 2013/09/22 17:36
名前: フレア (ID: mU8VICoz)

>>キョオオさん
私も5の方が好きです。あのストーリーは泣けます。パパスのとことか……
ただ、最後のすごろくが鬼畜過ぎで別の意味で泣けました。
未だに、プチターク倒せてないです……
では、頑張ってください〜

ドラゴンクエスト8 時の軌跡 17 ( No.73 )
日時: 2013/09/23 18:00
名前: フレア (ID: o1hCwV2S)

暗闇に包まれた世界。ミストはただ無重力の空間に漂っていた。

ーー私は、死んだの……?

ぼんやりと呟き、自分の掌をかざしてみた。広げたり握りしめたりを繰り返したすと、痛みも感じることはなく正常に動いた。

ーー死んだか、明晰夢ね、これは。もっとも、痛みも何も感じないなら、明晰夢ってことはないだろうけど。

しばらく天を、とはいっても何があるわけでもなく無の空間が広がっているのみだが、仰いでいると、ふと思い出す。

ーーあの二人、大丈夫なのかな……

脳裏に過るのは、エイトとヤンガス。あの二人は、ザバンに殺されてしまったかもしれない。
ミストは、非力な自分が嫌だった。
あのドルマゲスという道化師に襲われたときは、見ず知らずの人に護られ、そしてザバンと戦い、二人が追い詰められたときも、結局は役に立てなかった。

ーー私は、足枷なのかな……

ふっと、そんな呟きが漏れた。肯定してしまえば、自分の居場所がなくなってしまうような気がした。
旅に誘ってくれたのは、他でもなくエイトだ。ミストが足手まといになるのを覚悟していただろう。
だが、そうは思ってもやはり胸が痛んだ。

『お前も、この町から出て行ってくれ』
『消えてくれ!この町から!』
『早く出ていけ!ミスト!』

人間には『記憶』と同時に『忘却』という機能が備わっている。夕飯に何を食べたか、人とどんな会話をしたか、そういったことはすぐに忘れてしまう。彼女もその人間に刻みつけられた理の例外ではない。
しかし、人間とは不思議なもので、辛い記憶や悲しい記憶などのすぐにでも忘れたいことはなかなか忘れられないものだ。
彼女は、あの日のことを鮮明に覚えていた。

ーーもし、エイトたちがあんなのになっちゃったらどうしよう……

信じていた人間に裏切られるのは、もう嫌だった。

ーー迷惑かける前に、離れた方がいいのかな……

溢れた涙を腕で乱暴に拭って、嗚咽を堪えた。

ーーあんな姿は、もう見たくないから……。

Re: ドラゴンクエスト8 時の軌跡 ( No.74 )
日時: 2013/09/24 18:14
名前: ユウ (ID: viAVUXrt)

ミスト・・・・(泣)

優しすぎる・・・・。優しすぎるよ・・・・(激泣)

裏切られるのはつらいよね・・・・。


こういうのに弱い私でした。感動するのっていいよね〜。

Re: ドラゴンクエスト8 時の軌跡 ( No.75 )
日時: 2013/09/25 18:19
名前: フレア (ID: Z38myt1b)

>>ユウさん
前作では、サフィラがチートキャラで強すぎる娘(そのわりには、咬ませ犬)だったので、弱さをだした結果なのですが……
やっぱ、書いている本人でも胸が痛くなってくるときがあります。
……コメディ路線、いけるか……?

ドラゴンクエスト8 時の軌跡 18 ( No.76 )
日時: 2013/09/25 18:22
名前: フレア (ID: Z38myt1b)

「ミスト!」
「目を覚ましてくだせえ!!」

ぐったりと岩場に横たわっているミストは、未だに目を覚まさない。貫かれて破かれた服には、傷こそ塞がっていたが血が滲み、戦いの壮絶さを物語っていた。

「埒が明かねえな。思いっきりこれで叩くか」
「やめといた方がいいでがすよ」
「あ!お前、返せ!おい!」

小槌を掲げてミストに近づいた小さな影から、ヤンガスが小槌を取り上げる。
そんな二人の様子にエイトは目も暮れず、ミストの腕を取り、脈を確認していた。

「うーん、脈は乱れてないし、顔色は悪くない……」
「単に寝ているだけじゃないのか?」
「……元はと言えば、あなたのせいなんですけどね」

そう言ってエイトは同じようにミストの顔を覗き込んでいる魔物、ザバンを軽く睨んだ。

「わかったわかった。すまんかったな」

ザバンは肩を竦めると、ミストの頭に掌を載せた。

「本来、無理やり起こすと相手に負担を与えてしまうからやるべきではないのじゃが……待っているのも面倒じゃし、いいだろう」
「……」

エイトは、もはや何も言わない。

「……ザメハ」

ザバンがしばし瞑目すると、ザバンの手から白緑の光が顕現された。

「ん……」

ミストの口角が僅かに動き、身体をくねらせる。「あとちょっと寝させて……」と寝ぼけながら寝返りを打つ彼女の頬を、ザバンが軽く叩く。

「さっさと起きんかい!まったく……呪文を使ったというのに、完全に起きないなど……一体どういう神経をしとるんじゃ……」
「……うあああっ!?〜〜〜〜〜っ!」
「ミスト!?」

うっすらと目を開けたミストは、ぶつぶつとぼやくザバンの顔を見て、慌てて起き上がろうとするが、腰を抜かして岩場に思いっきり頭を打ち付け、悶絶した。

「姐さん!目が覚めたんでがすね!」
「ふん、ザバン様のお慈悲に感謝しやがれバーカ」
「……」

鼻を鳴らしてそっぽを向くオズの目の前で、小槌を叩きおりたくなる衝動を辛うじてヤンガスは堪えた。

「ちょ、どういうことよこれ!?」

ザバンに迫られているような形になっているミストは、救いを求めるようにエイトを見る。
エイトは、頭をバンダナ越しに掻きながら話し出した。

「えっと……ザバンさんにボロボロにされた後、目を覚ましたら傷も全部塞がっててね、聞いたら治してくれたそうなんだよ。でさ、何で助けたのか聞いたら、ザバンさん、勘違いしてたみたいで……」
「……はあ?」

エイトが言っていることはわけがわからなく、ミストは盛んに目を瞬かせた。それに、なぜ『ザバンさん』と敬称付きなのかを問い詰めたい。
いまいち歯切れの悪いエイトの言葉を引き継ぐように、ザバンは苦虫を噛んだような顔で言った。

「いや……あの水晶玉を何者かが捨てての、それが儂の頭に当たって傷をつけたんじゃ。あれはしばらく痛んでの、今度捨てた奴に会ったら、十倍返しにしてやろうと心に固く誓っていたのじゃが……」
「で!俺様がお前らが死にかけてるときに、ザバン様の誤解を解いたってわけだ!感謝しろ!」

なぜだかオズは胸を張る。そういえば、オズに道案内を頼んだ時、どうして水晶玉を求めるのかをエイトが説明していたような気がする。
ミストは、『洞窟の主』の心の狭さと早とちりに呆れ、深々と溜息を吐いた。
つまり、額の大きな傷は歴戦の証ではなく、水晶玉が当たった傷。それを深く根に持ち、復讐を誓い、そしてミストたちを攻撃したというわけだ。
ミストは、呆れてものも言えなくなる。
その場に、冷えた空気が降りた。

「あ、そうじゃ!そういえば、あの娘に頼まれていたことがあった!」

そんな空気を変えるためか、それともただ気がついていないだけなのか、ザバンは陽気な声を上げた。

「ちょっと待っておれ!」

そう言って、ザバンは滝に飛び込んだ。
次に姿を表したときには水晶玉を、そしてもう一方の片手に棒状のなにかが握られていた。

「ほれ、悪かったな。持っていけ」

水晶玉をエイトに渡すと、今度はミストに向き直る。

「ほれ、お主、これを受け取れい」
「それを……私に……?」

ザバンが差し出したのは、剣だった。

「なんかの、この間来た娘が今度ここにくる女に渡せと言ってきてな、預けられたんじゃよ」

だが、そんなザバンの言葉も、ミストには届いていなかった。
ぴったりと肌に吸い付くグリップ。鳥を象った鍔には、真紅の宝石。恐る恐る鞘から剣を抜くと、白銀に輝く刀身が。
それは、武器というよりも一種の芸術作品のようであった。ミストが見てきたどんなものよりも、美しい。
重さを感じさせないその剣を完全に鞘から抜き、ミストはブレードをじっと見つめた。
しろがねの剣は、鏡のようにミストの瞳を映す。その時、とあることに気がついた。

「なんでがしょう……」
「……ルーン文字?」

呟いたのは、剣をミストの肩越しに垣間見ていたエイトとヤンガスだった。

「……なんて書いてあるか、読める?」
「いや、ごめん」

ルーン文字は、現代では使われていない、古の文字だ。読める者は、研究者ぐらいだろう。エイトに読めるはずがない。
ミストは、苦笑しながら鞘に納めてから、ザバンに目を向けた。

「……その、頼んだ人って誰なのよ?」
「ん?ああ、何か生気のない娘だったぞ。儂が水晶玉を捨てた奴かと思って襲いかかったら、ぼこぼこにされたわい」
「……」

怒りを通り越して、哀れみさえ感じてきたミストだった。怨みとは恐ろしいものだ。人であろうが魔物であろうが関係なしに、その者を暴走させるのだから。


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