二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 暗殺教室 お姉さんの時間【修学旅行展開中!】
- 日時: 2016/05/14 21:05
- 名前: あねさま (ID: pFXOI/OC)
「エンドのE組」に、アメリカから帰国してきたカルマの姉・赤羽神影がやって来た!
カルマの姉とは思えないほど破天荒+天真爛漫さは、あのカルマでさえ「苦手なひと」と称するほど。
暗殺でもその他でも、とにかく明るい神影にE組メンバーは振り回される。
しかしその一方で、神影を中心とした巨大な「謎」も現れて————!?
「だれかの命が戻るなら。自分にとって大切なひとを、自分と引き換えにでも助ける事ができるなら————私は一人だけ、助けたい人がいる」
「だれかを助けられるなら。自分にとって大切なひとを、この手で救う事ができるなら————俺は一人だけ、助けたい人がいる」
その者達が選ぶのは—————謎を解く鍵か、はたまた愛か?
ちょっとシリアス(って言ってもほぼギャグ)入りの暗殺教室です!
カルマのキャラが壊れないように頑張っていますが…あれ?気づいたらツッコミキャラに(汗)
それから、本作は「渚カエ」や「カル渚」、「カル愛」などには全くふれるつもりはありません。
本作でそんな感じの会話やシチュエーションが出て来ても、それは偶然かたまたまだと思ってください。
では、よろしくお願いします!
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- 第五章 お姉さんと修学旅行の時間・1時間目 ( No.52 )
- 日時: 2016/05/14 20:37
- 名前: あねさま (ID: pFXOI/OC)
第五章 お姉さんと修学旅行の時間・1時間目
五月上旬—————
「あ、渚。班決まったら、私に言ってね」
ある日、片岡からかけられた言葉に、渚は「え?」と首をかしげた。
「班って…」
「もう渚、忘れたの?修学旅行の班だよ!」
片岡にたずねようとした渚をさえぎって、茅野が弾んだ声を出した。
そんな茅野の胸には、しっかりと地図が抱きかかえられている。
地図の場所は——————そう、京都だ。
(修学旅行…もうそんな時期になったんだ…!)
忘れかけていた楽しい行事に、渚の心は一気に軽くなった。
「全く…テストの直後に修学旅行だなんて…」
背後から殺せんせーの声がして、その場にいた生徒達が振り返る。
そこにいたのは、殺せんせー———ではなかった。
「————先生、余り気乗りがしません」
殺せんせーではなく、着物を完璧に着こなした舞妓がいたのである。
「「ウキウキじゃねーか!!」」
舞妓は美しいデース、とよく外国人は言っているが、殺せんせーにはさほど似合っていない。
「京都がそんなに楽しみなの?先生ならマッハ20 で今からでも行けんじゃん」
カルマの言葉に、殺せんせーは「いいえ」と照れたように頭をかいた。
「京都に行けるのが楽しみなわけではありません。先生は、皆さんと京都へ行けることが嬉しいのです。——ああ、職員室にしおりを置いてきてしまいましたね…先生、ちょっと取ってきます」
「え、もうしおりあんの?」
「もちろん。先生を誰だと思ってるんですか」
妙ないばり方をしてから、殺せんせーはバシュッと音を立ててきえた。職員室へ行ったのだろう。
「ターゲットと修学旅行かぁ…なんか変な感じだね」
神影がそう言って、くるくるとナイフを回す。
「でも、面白そう!というわけでカルマ、同じ班にならない?」
「…話題転換が強引だね、ミカゲ姉」
キラキラした目で見つめられ、カルマがスッと目をそらす。
また始まったよ、神影さんのアプローチ…と全員が苦笑いした。
「って…え、あれ?嫌なの?お姉ちゃんと一緒だと何かと頼りになるよ?カルマの分のおみやげとか選んであげるよ?私と歩いたら、通行人は私の美貌に振り返ったりするんだよ?」
「それ全部必要ないんだけど」
どんどん迫ってくる神影に、カルマが迷惑そうにそっぽを向く。その体勢のまま、誰かを探しているようだ。
その紅い瞳が、渚を見つけて不意にかがやいた。
「いや〜…遠慮しとくよ。俺は、渚君と約束してるからね」
「へ?」
僕、約束なんて———と言いかけた渚の口をふさいで、「だよね?」と切実な表情で言うカルマ。
・・・・
「約束通り、同じ班なろうね〜渚君」
「あ……えーと…うん」
「いや、待って待って待って!?」
思わずうなずいた渚に、神影が悲鳴とともに立ち上がる。
- 第五章 お姉さんと修学旅行の時間・1時間目 ( No.53 )
- 日時: 2016/05/14 20:30
- 名前: あねさま (ID: pFXOI/OC)
「待ってよカルマ!こんな弟思いのお姉ちゃんをハブるなんて、そんな子に育てた覚えはないよ!?」
「ミカゲ姉に育てられた覚えもないから大丈夫。修学旅行の時くらい弟離れしてみればいいんじゃない」
抗議した神影に、カルマがことごとく言い返す。
「で…でも、ダメ!ほら、姉は弟がいないと寂しくて死んじゃうって言うじゃん!」
(ウサギかよ!!ていうか言わねーよ!!)
全員が心の中で突っ込んだところで、見かねた渚は立ち上がった。
「あ…あの、カルマ君。僕は、神影さんと一緒でも大丈夫だし、神影さんがいると何かと頼りになりそうだから…一緒の班にしてあげようよ?」
「え…正気なの?渚君」
驚くカルマをよそに、神影の顔が明らかに明るくなる。
そんな渚の手を、救世主とばかりに神影が握った。
「ほんと!?だってよー、カルマぁ!」
喜びでいっぱいの笑顔を向けられ、カルマは諦めたようにため息をついた。
「まったく…なんでこうなるんだろうね」
そんなこんなで、結局メンバーは
潮田渚
赤羽業
杉野友人
赤羽神影
奥田愛美
茅野カエデ
となったのである。
「足引っ張らないでよ?ミカゲ姉」
「まぁまぁ。カルマの心配する所は分かってるよ。大丈夫、浮かれて前日寝れなくて、寝不足になったりしないって!ちゃんと分かってるよー」
「え…そこ?」
(心配のレベルが小学生以下!!)
カルマと神影の会話に、思わず渚が心中で突っ込む。
「全員6人班だと、神影さんが余ってしまうので、渚君の班だけ7人班になるのですが…まあ問題はないでしょう」
いつの間にか戻ってきていた殺せんせーが、大量の辞書を抱えながらコメントした。
いや………………………………………………辞書?
「ああ、そうでした…修学旅行のしおりを配ります。1人一冊ですよ」
「いや、辞書だろコレ!!」
マッハで辞書…いやしおりを配り始めた殺せんせーに、全員が思いっきり突っ込んだ。
「よくある質問まとめや、先生がマッハで下見した細かい地図など、とても役立ちますよ。ヌルフフフ」
(持ち運びに便利じゃなきゃ意味ねーよ!!)
明らかに重い荷物になりそうな辞書を前に、皆が冷や汗をダラダラ流す。
「さぁ!とにもかくにも京都へ行かねば何も始まりません!余計な心配や不安はここに置いて、京都でしっかり楽しみましょう!!」
殺せんせーの言葉に、皆が笑ってうなずいた。
いよいよ————超生物と暗殺旅行だ。
- 第五章 お姉さんと修学旅行の時間・1時間目 ( No.54 )
- 日時: 2016/05/14 21:02
- 名前: あねさま (ID: pFXOI/OC)
当日——————
…の、早朝。
弟たちが起きる時間よりも、少しだけ早い時刻。
「赤羽」という表札の家の扉から、栗色の髪がひょこっとのぞいた。
そのまま、そ〜っと音を立てずに外へ出てくる。
栗色の髪に、紅い瞳の美少女———神影だ。
「おお、快晴だねー!修学旅行日和っ」
見事に晴れ渡ってくれた空に、神影は小さく歓声を上げた。
むろん、前日に寝られなくて早く起きてしまったわけではない。
今日の神影には、「早く起きなければならない」理由があったのだ。
ことん。
暖かい日差しの中、神影が家のポストを開ける。
(来てませんように、来てませんように〜っ)
必死で祈りながら、ポストの郵便物をひとつひとつ見ていく神影。
彼女は、恐れていた。
今日の「この日に」、自分あての一通の手紙がくるかもしれない事を。
そして————その予想は当たる。
To 赤羽神影。
From 北村慎也——————
「………!!」
地味な白い封筒を見て、神影が息を呑む。
・・・・・・
来てしまった。
全ての予兆が!
ついに——動き出した!
「……………」
ゆっくりと立ち上がり、神影は注意深くあたりを見回す。
誰もいない。
・・
今は、誰もいない。
けれど、確かに自分を見る者がいる—————。
唇を噛み、しばらくうつむく神影。
彼女に、いつになく緊張した空気が流れる。
そして————顔を上げて、神影はふっと微笑んだ。
その表情のまま、青空を見上げる。
「そろそろ、決めないといけないね」
「ミカゲ姉?何やってんの」
扉からカルマが顔を出し、神影は慌てて封筒を背中に隠した。
「ん?なんかねー、早く目が覚めちゃったんだ」
そう返すと、不思議そうだったカルマの表情が一気に呆れた表情になった。
「…やっぱり、前日寝られなかったんじゃん」 「ええ!?違うって、本当に目が覚めちゃったの!信じてよカルマ〜!ねぇ!」
「しーらね」
家に入っていくカルマを慌てて追いかけながら、神影は封筒をそっと握った。
(中身は、京都で読もう————————)
- 作者の雑談〜一瞬で読み飛ばされそうなコーナー〜 ( No.55 )
- 日時: 2016/05/14 22:08
- 名前: あねさま (ID: pFXOI/OC)
友人からの質問コーナーでーす。いえーい。
ていうか指摘です。
Q 神影はいつ高校へ行っているのでしょうか。
A 毎日椚ヶ丘に来ている訳ではありません。気が向いた日に高校を休んで、E組に来たりしてます。え?勉強が遅れを?椚ヶ丘で2位の奴は遅れなんて取りませんよハッハッハッ。
Q 神影とカルマは同じ家に住んでるんですよね?
A 姉弟で別居してたら逆におかしいですね。
Q この間、やたら更新遅れましたけど…
A …
Q 本当に放棄なしで完結するんですよね?
A それは確かです。お楽しみに!
以上です。
- 第五章 お姉さんと修学旅行の時間・1時間目 ( No.56 )
- 日時: 2016/05/15 11:24
- 名前: あねさま (ID: pFXOI/OC)
その早朝から数時間後。
渚達E組は、駅のプラットホームにきていた。
「A組からD組がグリーン車で、E組だけ普通車。ま、いつもの感じだよね」
普通車に乗り込みながら、グリーン車のA組たちを見て中村莉桜が呆れたように言った。
「まぁ、いいじゃん。別にグリーン車で行っても普通車で行っても、楽しい事に変わりはないよ」
倉橋がニコニコしながら言って、猫を連れ込もうとして車掌に怒られる。
そんな妙に浮かれた空気の中で、ひときわ目立つ者がいた。
「いぇーい!れっつ修学旅行〜!」
「「いや、なんで!?」」
嬉しそうに叫んだ神影に、全員が突っ込んだ。
「神影ちゃん高2でしょ!班だけは入ってるけど、実際には行けないんじゃないの?」
矢田のもっともな問いに、えへへっと神影が笑ってごまかす。
「あのタコの策略に決まってんでしょ。殺せんせー、見かけは28人って事にして、こっそりミカゲ姉も連れてく気なんだよ」
隣に座らされたカルマが、嫌そうに説明した。
「あっ、カルマ!それ内緒って言ったじゃん!」 「そんなの忘れて、どーせ自分で言い出すだろうから、俺が先に言っただけなんだけど」
発車前から、早速2人で言い合いを始める。
そんな姉弟に、同じ班の渚達は苦笑いした。
ゆっくりと発車して、普通車がごとごとと走り出す。
トランプをして遊んでいた渚達だが、不意に神崎が立ち上がった。
「あ、私…ちょっとトイレに行ってくるね」
「あっ、私も!」「わ、私も行きます!」
歩き出した神崎に、茅野と奥田がついて行った。
ちなみに、神影は爆睡している。
「神影さん、はしゃいでいた割に寝てるよね」
「神影ちゃんてさ、なんか子どもみたいで可愛いよねー」
「カルマ君のお姉さんとは思えないですよね」
「ちょっと愛美ちゃん、それ言っちゃダメだよ〜」
談笑しながら歩いていた神崎に、不意に誰かがぶつかった。
「あ、すみません」
神崎が謝って、また皆と歩き出す。
「あ、そうそう。それでね——————」
「——今の、椚ヶ丘の奴らだろ」
「優等生ちゃんがいっぱい乗っちゃって、腹立つぜ」
ぶつかったのは——同じく修学旅行中の、不良高校生達だったのだ。
その中で——ひときわ悪そうなリーダー格の不良が、ニヤリと笑って小さなメモ帳を取り出した。
そう———神崎の予定表のまとめ帳だ。
「俺には分かるぜ。あいつらは優等生ヅラして、いつもどっかで台無しになりたがってんだよ。
————俺らが楽させてやろーぜ、あいつらに」
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