二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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暗殺教室 お姉さんの時間【修学旅行展開中!】
日時: 2016/05/14 21:05
名前: あねさま (ID: pFXOI/OC)

「エンドのE組」に、アメリカから帰国してきたカルマの姉・赤羽神影がやって来た!
カルマの姉とは思えないほど破天荒+天真爛漫さは、あのカルマでさえ「苦手なひと」と称するほど。
暗殺でもその他でも、とにかく明るい神影にE組メンバーは振り回される。
しかしその一方で、神影を中心とした巨大な「謎」も現れて————!?

「だれかの命が戻るなら。自分にとって大切なひとを、自分と引き換えにでも助ける事ができるなら————私は一人だけ、助けたい人がいる」
「だれかを助けられるなら。自分にとって大切なひとを、この手で救う事ができるなら————俺は一人だけ、助けたい人がいる」

その者達が選ぶのは—————謎を解く鍵か、はたまた愛か?



ちょっとシリアス(って言ってもほぼギャグ)入りの暗殺教室です!
カルマのキャラが壊れないように頑張っていますが…あれ?気づいたらツッコミキャラに(汗)

それから、本作は「渚カエ」や「カル渚」、「カル愛」などには全くふれるつもりはありません。
本作でそんな感じの会話やシチュエーションが出て来ても、それは偶然かたまたまだと思ってください。

では、よろしくお願いします!

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第三章 お姉さんと暗殺の時間 ( No.27 )
日時: 2016/03/04 22:11
名前: あねさま (ID: LTX6Bi5r)

仮面がはがれるように、潮が音もなく引くように————————不意に顔を上げた神影が、いつになく大人っぽい微笑みを浮かべる。

「そんなに速いと————心配になっちゃうなぁ。
         ・・・・・・
 ————————これからやる暗殺が」


(———え?これからって…)
その発言に、渚が違和感を覚えた直後———神影の暗殺は「始まった」。
「じゃあ、いっくよ!———今度はまぎれもなく本気の殺意でーす!」
———————ギュン!!
神影のナイフが一瞬ひらめいて、空気を叩き斬るような重い一撃が繰り出された。
走る銀光が殺せんせーをギリギリでかすめ、消えてはまた現れる。
「こんなんで殺れるとは思ってないけどね。でも————触手の一本や二本は獲ってみせるよ」
(速い…さっきとは段違いだ!!)
思わず目を見張る渚。
「にゅやッ…先ほどのは演技ですか神影さん!?」
「演技なんてたいそうなものじゃないって。演技というか下調べ?速度も見ておきたかったし」
さらりと言って、ナイフを繰り出し続ける神影。
その獲物をとらえる瞳は紅く輝いていて、その時の神影は本当に弟———カルマにそっくりだった。
「やっぱり神影ちゃん…カルマのお姉さんだ…!燃える、燃えるよこの展開っ!やっぱ転校生ときたら異常じゃなくちゃっ!!」
全員(不破さん…)
不破が気圧されたように呟いている。らんらんと輝いている表情からして、「生き別れた兄弟」的なストーリーを脳内で展開させているのだろう。

第三章 お姉さんと暗殺の時間 ( No.28 )
日時: 2016/03/07 22:08
名前: あねさま (ID: LTX6Bi5r)

そんな攻撃でも—————この超生物は、あっさりマッハで避けてしまっている。
「ヌルフフフ…一時はどうなるかと思いましたが、落ち着けばよけられる速さですねぇ」
これほど重く鋭い攻撃でも、超生物の触手を破壊できないのだ。
「触手はまだまだお預けですよ、神影さん」
「———————そう、…だね」
攻撃をやめた神影が、そう小さくつぶやいて—————何の前触れもなく、突然くるりと後ろを振り返った。


「——見てたでしょ、カルマ?お姉ちゃんの実力はコレが全部だよ」


「———————————は?」
突然話しかけられた相手———カルマが、想定外という顔で神影の顔を見つめ返す。
無理もない。
あんなシリアスな空気で、こんな展開が来るとは普通は誰も思わないからだ。
(本当に…この人は、いつも常識のななめ上をいくよなぁ)
半ば呆れる渚。
「え…なんで、ここで俺に話しかけて来んの?」
意味不明という表情のカルマに、だから〜と神影が指を振った。
「つまり…私ひとりの実力は、これがすべてってわけよ」
「…何が言いたいの?」
神影が隠し持っていた対せんせー用拳銃をカルマに投げて———————————勝ち気な表情を一瞬で消し、彼女は打って変わって気弱な口調で言ったのである。
「…このままだと触手獲れそうにないから、手伝ってくれない…?」
(そう来たか!!!!!!)
ガタっ、とクラスの大半が思い切りずっこけた。

第三章 お姉さんと暗殺の時間 ( No.29 )
日時: 2016/03/06 18:11
名前: あねさま (ID: LTX6Bi5r)


「神影ちゃん…まさかだけど、本当にノープランでやってたの?」
「えーと…………………………………………………………うん」
矢田桃花の恐る恐るの質問に、小さくうなずく神影。
えぇえええぇぇぇええええ———!?と、全員の見事な大合唱が響き渡った。
「はぁ!?いくら何でも、それはさすがに無計画すぎるでしょ」
「はい…その通りです、カルマ」
小さくなる神影に、巻き込まれたカルマは迷惑そうな顔をする。
「だ、だってだって!さっきあんなハッキリと触手もらうとか言っときながら失敗するってハズいじゃん!!そ、それに…さっき私は触手獲るって言ったけど、なにも『ひとりで』獲るとは言ってないじゃない」
「それはそうだけど。アドリブで暗殺って————————…え?」
神影の言いわけをはね返そうとしたカルマが、不意に受け取った拳銃を見て絶句した。
「………これって…」
(…カルマ君、どうしたのかな?)
カルマの明らかな異変に、渚達は首をかしげる。
しかしそれはほんの一瞬で、カルマはすぐに恨めし気な視線で神影をにらんだ。
「…ミカゲ姉、一生恨むわ」
「ええ!?なんでよ!?」
今度は神影が絶句する番である。
「まぁとりあえずよろしく、可愛い弟くん!」
気を取り直したらしい神影が天真爛漫の笑顔で、カルマに向かってグッとこぶしを突きだす。
「………はぁ」
手伝わされる事になったカルマは、深いため息とともに拳銃を握ったのだった。
さきほどまであんなに文句を言っていたのに、嫌々ながらもなぜか従っている。
一体、カルマに何があったのだろうか。

第三章 お姉さんと暗殺の時間 ( No.30 )
日時: 2016/03/07 22:06
名前: あねさま (ID: LTX6Bi5r)

「すごい…平然と弟を巻き込んだ」
「いくらなんでも破天荒すぎるだろ…」
カルマの肩をばしばし叩いている神影を見て、前原と片岡が呆れと感嘆のつぶやきをもらす。
…たしかに、ある意味見事な才能である。
カルマが嫌そうに立ち上がると、神影は殺せんせーの方をくるりと向き直った。
「…っというわけで、暗殺者が増えちゃったけど…いい?」
「先生は構いませんよ。二人とも、全力でかかって来なさい!!」
緑のしましまになった殺せんせーに、おっけー!と神影は笑うとナイフを握り直した。
(神影さん…本当にカルマ君とアドリブで殺る気なんだ!)
無謀すぎる挑戦に、渚の背筋がスッと寒くなる。
アドリブは、暗殺者同士の息が合っていないと自滅しかねない危険な方法だ。
毎日言い合いばかりのあの姉弟が、息ぴったりで成功するとはまず思えない。
——————————ましてや、触手を獲るなんて…!!
「まあまあ…そうイヤそうな顔しないで。仲良くがんばろっ、カルマ!」
「俺を巻き込んだの誰だと思ってんの?そもそも————」
「聞こえない聞こえな〜い!じゃあ私から殺っちゃうよっ!」
「って、ちょっ」
————ビュッ!!
空気を容赦なく切りさいて、神影のナイフが殺せんせーを襲う。
「アドリブだからちょっと心配だけど、触手を獲るっていう目標は変わってないからね、殺せんせー!」
「その意気です、神影さん。獲れるといいですねぇ、ヌルフフフフ」



——————————暗殺は、再び始まった。

第三章 お姉さんと暗殺の時間 ( No.31 )
日時: 2016/03/09 07:16
名前: あねさま (ID: LTX6Bi5r)

日差しを照り返し幾度もきらめく刃が、うなりを上げて襲いかかる。
殺せんせーはもちろんよけているが、神影はそれにかまわずに何度も攻撃を続けた。
ぐにゃぐにゃの対せんせー用のナイフがまるで短剣のように、速く鋭く突き進む。
そしてまた————殺せんせーも、なお加速してナイフをよけていた。
攻撃と防御の繰り返し。
しばらくその応酬が続いたころ————不意に、神影が鋭く叫んだ。
「カルマっ!!!!」
その声はいつもの彼女では考えられないほど強く響き、それに応えるように赤髪の少年が立ち上がる。

          ・・・・・・・・・・・・・・・・
そう————まるで、事前に示し合わせていたかのように。

「りょーかい、ミカゲ姉!」
そう叫び返すなり、カルマは神影から受けとっていたさきほどの拳銃を殺せんせーに向かって乱射した。
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!!!!!!
弾丸は全て殺せんせーに向かって飛び、よけられて床に落ちる。
よけられて当然、この程度なら渚達だって暗殺初日にやっている事だ。
「ヌルフフフフ、まだまだ生ぬるい暗殺ですねぇ。その程度では先生の触手は獲れませんよ〜」
挑発するような殺せんせーの言葉に、撃つのをいったんやめたカルマは笑みを浮かべて—————————


———————銃を、まだ弾丸が残っているはずの拳銃を、



     微笑んだまま床に投げ捨てた。


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